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未入会と公益法人

日歯の未入会対策が迫られている中、政府の公益法人改正の伴い日歯が機構改革の検討に着手をしています。
未入会の理由は「入っても会費に見合うメリットがない。」ここにあります。一方調べると、公益法人では、公益を目的とし営利を目的としない法人とあります。この二つの矛盾を整理し解決策を見出さないと、日歯のこれからは大変なことになります。
もし今、日歯という存在の組織率が半分も満たない状況にでも陥れば、政府も歯科界と交渉する窓口を失います。日歯の存在があっても今回の改定の結果です。もしなければその結果は明白です。しかし、背に腹は代えられない実際も現在の歯科界にはあります。
このある意味で相反することを解決しないと、歯科界の前進はありません。
by kura0412 | 2006-10-31 16:30 | 歯科 | Comments(0)

まだ「医療改革はしっかりと」とは

安倍首相は自民党総裁選告示直後「しっかりと」を口癖のように言って、周囲からのアドバイスで、その後、使用を最小限にするよう注意するようになったと日経新聞のコラムにありましした。
「しっかりと」実行力の強さの訴えとして、確かにこの言葉、意志をまさにしっかりと示すという安倍首相がよく使っている言葉です。
その安倍首相からは未だ「医療制度改革は更にしっかりと実行する。」、また、「既に医療制度改革はしっかりと計画され、実行に移している。」のいずれの発言も聞いたことはありません。
つまり、医療制度改革に関して、経済財政諮問会議などからも意見が聞こえますが、現在の安倍首相の頭の中には、まだ確固たる医療制度改革についての考えはないという推測もたてられます。
もちろん基本的には財政主導の流れに乗るというのが一般的な考えであることは承知していますが、歯科界の意見を聞く、聞ける余地はまだ残されているのではないか?
私の考えは少し楽観視しているでしょうか?
by kura0412 | 2006-10-30 14:56 | 歯科 | Comments(0)

問題は社保庁にメスが入ること

安倍政権での大きな政策の柱に社保庁改革があります。既に小泉政権の時に決まっていたものを、一連のいろいろな不祥事を受け、更なる改革に着手しようとしています。
そしてその年金業務を非公務員型の新法人に離す基本路線は一致しているものの、微収から支払いまで新法人とする厚労族トップでもある丹羽自民党総務会長と、他国では税と一括して微収するところが多いと、一部分割を唱える中川幹事長とに意見が分かれている模様です。
しかしこれも実際は、新法人としても一括して厚労省の配下としたい考えと、それを防ぎたい考えとの対立とも捉えられます。
ただ、その政治的なパワーゲームは別としても、われわれが注視しなければいけないことは、年金部門だけでなく、この改革の促進の中には合理化の一環として、IT化の促進も含まれると共に、社保庁に大きなメスが入るという点です。
これは年金だけでの問題ではありません。われわれも十分な注視し情報収集を努め、その早期な対応が迫られています。
by kura0412 | 2006-10-28 14:24 | 歯科 | Comments(0)

「日本が知らない先端医療20」

今週のニューズウィーク日本版には「日本が知らない先端医療20」という特集が組まれ、そこに「酸素をオゾンに変える装置「ヒールオゾン」のおかげで、削らない虫歯治療が可能になった。」とあります。
既に未承認ながら日本で導入している先生もおられると書いてありましたが、僕は不勉強なものでこのシステム、装置を知りません。まさに日本が知らない~というタイトルに当てはまります。
「アメリカでは承認待ちながら、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアなど世界で1万人を越える歯科医師が使用し、この治療を受けたカボの営業マンの場合は、通常より20ドルほど高いだけだった。」ともあります。
通常、もちろん適切な評価のある価格よりも20ドル高いのであって、日本のように単治16点も包括するような評価でのプラスではありません。
もし、これを保険外療養費の選定療養に組み込めば、もしここに書いてあるような有用な適切な治療法ならば、いくらでも日本で普及するはずです。
日本の歯科医療普及の場合は、技術だけでなく、制度の問題だということ、せめてマスコミぐらいには説明しないと、日本の歯科医師は程度の低い治療しか出来ないと風評されそうです。
by kura0412 | 2006-10-27 16:03 | 歯科 | Comments(0)

教育に捧げた50年の言葉

現在、私は地元小千谷市で教育委員会の教育委員長を務めています。もう教育委員は11年目、委員長も9年目に入ります。(このブログには私の経歴を載せていないのであえてお話しました。)時々このブログで教育問題の話が出るのはその為です。
昨日は、その教育委員会で一緒に仕事する教育長が退任の送別会に出席してきました。別に失政、トラブルを起こしての退任ではなく、市長が任期退任と同時の為です。結局、その教育長とは7年7ヶ月のお付き合いでした。
教育長は教育長を含め教育行政に25年、また学校現場でも25年勤められて職歴50年を無事終えるとの話でした。
その抜群の教育分野での人脈と、教育に対する情熱、そして陽気な人柄で私もいろいろと教えられて、また有意義な仕事を一緒にさせてもらいました。昨日も話した一番の思い出は、やはり2年前の地震後のタッグマッチで対応した教育分野、特に学校再開、また復旧の日々のことでした。
そして最後に「教育にはゴールがない、日々子供達は成長している。だから教育現場、教育行政は前に進まなければならない。」と言葉をもらいました。まさに教育に捧げた50年の言葉です。
by kura0412 | 2006-10-26 08:18 | 教育 | Comments(0)

医療は科学を超えた分野

現在日歯、日歯連盟の中で大きな話題となっているのが研究機関設置の問題です。
その研究機関は峻別された二つの組織が、それそれの金を出し合って歯科界に不足していたEBMの構築することを狙っての考えです。
これに関して、私自身あまりコメントはないのですが、それよりも理論構築、EBMというは医療にどれだけ意味があり、ウエイトがあるのか大きな疑問を持っています。
そんな折、日本歯科医師会雑誌の9月号にあった大久保日歯会長、河合隼人文化庁長官、辻哲夫厚労事務次官、山口建静岡がんセンター総長の座談会で興味ある意見がありました。

山口「科学としの医学という分野にだけ注目しても、エビデンス・ベース・メデイスンは始まったばかりです。医療はおろか、科学としての医学に限っても、エビデンスは不十分で、真理を究めるレベルにはとても達してません。そうゆう中で、エビデンスがなかれば医学、医療ではないという誤った考えが強調されるきらいがあります。経験的に正しいと考えられることを軽視しすぎてしまうのです。」
大久保「科学信仰になってはまずい、イデオロギーになってはまずいということですね。」
河合「科学がイデオロギーになると困る。科学は事実ですから。」
山口「真理を追究する科学としての医学は正しい方向です。しかし、科学という言葉とは別の変な至上主義が生まれると困る。これが医療経済などに結びついても困る。だれが考えても絶対正しいこと、そして積み重ねたエビデンス、この2つで運用していく必要があると思います。これに加えて、医療となると、患者さんと医療者との間の人間関係が重要になってきます。科学としての医学を越えた分野です。」

研究機関も紙だしも吹っ飛ぶような貴重な意見です。
by kura0412 | 2006-10-25 12:22 | 歯科 | Comments(3)

共通のキーワードは「熱い」

先週の土曜日は、新潟で開催された東海信越役員協議会に出席されてた、日頃親しくさせてもらっている先生方とお会いしてきました。
私が同時刻に隣の会場で別の会に出席しなければいけなかったので、もっとじっくりとお話できなかったのが残念でしたが、こうゆう機会でもなければなかなか会うチャンスのない方々でしたので、まずは新潟でお会いできたことでヨシだと思っています。そして語り合うことの少ない歯科界で、小さな輪ながら、新潟の地で語り合う場が提供できたこと良かったと思っています。
そしてお会いした何人かのそれぞれの先生に共通して感じたのが「熱い」ことです。
本当に歯科界の現状を憂い、自分の関知するエリア、また日本の歯科界全体を見据えて、活動されておられること、お話したいる隅々で感じました。
これはこのブログを読まれている先生方とも共通することで、心ある先生方は、この混迷する歯科の医療環境を何とかしたいと考えていることを改めて感じました。
その熱い思いをどう具現化するか?冷めないようにどんな手段を使うのか?
それがこれからの日本の歯科界の早急な課題のようです。
by kura0412 | 2006-10-24 08:08 | 歯科 | Comments(0)

忘れない、忘れたい

10月23日、もし私が今住む小千谷を去ることがあったとしてもこの日は忘れません。地震発生から2年の歳月が流れました。
今朝も久しぶりにマスコミが診療室の近くを取材している姿をみました。
表面的にはかなり復興しているように感じますが、私のいるビルですらテナント4区画の内一階の一区画は未だ埋まらないままでいます。また、周辺の道路では冬の前、また災害予算の期限が本年度末ということもあって、急ピッチで進められいます。また、仮設住宅も本来ならば今月一杯で終わりだったものが延長されると聞いています。
そして何よりも災害にあった住民全ての気持ちの中に、地震の被害を忘れない、忘れたい、その複雑な気持ちを交差しながら、その影を引きずって生活しています。
by kura0412 | 2006-10-23 14:37 | 中越 | Comments(0)

もうメスを入れても膿は出てきません

党税調jが与謝野前金融大臣、政府税調が本間阪大教授に、安倍内閣発足と共にそれぞれ会長が変わりました。
与謝野氏はどちらか言えば増税容認論、一方、本間氏は成長優先を主張しています。しかし与謝野氏は税調での経験は殆どありません。当然こららの人事は官邸主導型であり、官邸、つまり安倍首相の意向が強く表れた人事です。
安倍首相の所信演説にもあった、税制財政に関しては成長型を目指すことは明白です。ということは社会保障、医療に更にメスが入るということです。
もう歯科にメスを入れても膿は出てきません。逆に、血液検査のデーターの悪い血液が吹き出るだけです。節税ではないマクロな税制問題も歯科界は検討が必要になってきました。
by kura0412 | 2006-10-21 11:07 | 歯科 | Comments(5)

昨年の中医協の記事を偶然読んで

レポート作成の為去年の業界紙を調べていたら、11月30日の中医協での記事が目に入りました。
そこでの議論での歯科の主なテーマとしては
・「かかりつけ歯科医初診料」等、
・歯科医師臨床研修医、
・小児歯科診療における休日夜間救急等、
・患者の視点の重視(患者への情報提供の充実)
の4項目が事務局から提示されたとあります。

確かこれを当時は、
か初診は事件のあおりでやられるな、臨床研修医は制度導入だkら当然、小児は医科の議論から波及したオマケ、そして最後の情報提供の充実は、か初診の紙出しの不徹底を指摘する為、また逆にその中あった、患者にとって分かりやすい歯科診療の一連の流れに沿った指導管理体系への検討という項目に、それまで進んでいたPのメインテナンスがすっきりするものと期待していました。
そして、その結果が現在の先生方を悩まし、けっして患者への情報提供の充実になっていない紙出し、時代を逆行する診療管理体系となって現在に至っているわけです。
この時期に私もそれなりに情報を集めていたつもりでしたが、とてもこんなことまでやらせるとは思いませんでした。恐らく、殆どの先生方が同じだと思います。
これはわれわれの読みが甘かったのか、それとも厚労省の怨念がわれわれの予想を超えるほど強かったのか、その疑問を改めて感じます。
by kura0412 | 2006-10-20 15:47 | 歯科 | Comments(1)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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