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最後の「か初診」の患者

先ほど「か初診」最後の患者が来ました。明日からはこの「か初診」は取れません。
思い出せば、医歯格差の是正として、初再診料を医科と合わせることが、現在の医療保険の総枠がはめられて中でも、歯科として大きな課題でした。そんな中、他の診療の財源を削って医歯揃え、その算出根拠という意味も込めて、厚労省、中医協から提案されたのが「か初診」の出現でした。
しかし、他の財源を削って振り分けたにも係らず、その算定条件が臨床現場の実態とそぐわず利用頻度が少なかった為、これを是正が急務だったわけでした。
そこで一連の事件の勃発で、今回の改定での結果となりました。
したがって、「か初診」という言葉、システムは、歯科界から提案したことでもなく、使い難くしたものではありません。
しかし、この「か初診」という言葉に沿って、患者、国民の口腔管理を進めたいと考えたのは、これを算定した先生方全ての思いでした。
今日を最後に「か初診」という言葉はなくなります。でも、この理念は我々は忘れることなく、いつの日にか、他の言葉でその復活を目指さなければなりません。それが、今回の改定の結果が誤りであったことを唯一示させる手段です。そして、それが成し遂げられなかったら、歯科界の再興はあり得ないと思います。
by kura0412 | 2006-03-31 17:16 | 歯科 | Comments(0)

大久保次期日歯会長の話を聞く

昨日、大久保次期日歯会長のお話を聞く機会がありました。正式に会長に承認後、人事の骨格の決定、また、現在の職であった、日歯連盟会長、静岡県歯会長の引継ぎ等、多忙を極めているとのお話でした。
そして、それと共に、日歯会長就任の挨拶廻りをしている中で、好意的な対応する関係者も多く、具体的な協力の提案もあったとの話も聞きました。
これも日歯の顔が代わったという一つの表れかもしれません。
会長に当選されて、初めて直接のお話を聞きましたが、それ以外の話も、先生独自の理論構築された話が、立場が変わり、更に意味深い話を聞くことが出来ました。
by kura0412 | 2006-03-30 14:27 | 歯科 | Comments(2)

読売新聞からー余計ではなく不足していますー

3月22日読売新聞の特集に、今回の改定での変更点ついての特集(架空の人物での問答形式)が掲載されていました。http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/change/20060322ik05.htm

今までも「かかりつけ歯科医初診療」(記事での記載)を取らないこと診療所の受付の写真が載っているのも気になりましたが、私はそれよりも、記事の最後にあった明細な領収書発行に対しての「余計な医療費を払っていないかどうかもチエックできる」この言葉が非常に気にかかりました。
この言葉を裏返せば、余計ですから、これは現行の医療保険での点数は十分な評価をしている設定であるという前提での話です。しかし、実際はどうでしょうか?歯科においては、余計どころか、全て足らない、とても採算ベースにすらなっていないのが現状です。
これをみると、私は、この部分の前提の誤解、歯科の医療保険での評価の実際を、しっかりと本音で伝える時期が来ている。また、それを伝える課程を踏まずして、国民の理解は得られないと思うのです。
確かに、患者サイドから立てば、安いの越したことはありません。しかし、安かろう悪かろうは医療には通じないことも国民は理解を示してくれるはずです。
しかし、この記事で笑うのは、読売新聞のHPで検索したら、この記事の下にインプラントをPRする診療所の広告のバーナーが2件載っていました。規制緩和されても、こんな広告認められていましたか?
by kura0412 | 2006-03-29 09:10 | 歯科 | Comments(1)

是正に即対応を

昨日18年度政府予算案が成立しました。これで完全に4月からのマイナス改定が実施されることになります。
と、考えた時、実はそれ以外の医療法改正についてはこれから審議すること、これを忘れていました。
当然、絶対与党のの現状を考えれば改正案の修正はまず無理です。しかし、今回の歯科での改定で湧き上がってきた数々の通達に属する部類は、その審議の中でも十分是正は可能です。
是非、日歯連盟の永山執行部、また、日歯の大久保執行部には、就任早々の喫緊の仕事として、即、取り組んでその是正を図ってもらいたい。また、それは可能性がある課題だと思います。
ただ、通常ならば、今週中位に執行部の陣営が定まり、実際に動くのは、早くて連休後という日程と聞きます。それでは間に合いません。
by kura0412 | 2006-03-28 12:10 | 歯科 | Comments(0)

採算を忘れているのでは

昨日の日曜日は、先生方の中でも外に出るのを我慢して、保険改定の準備をされた方もいられると思います。私も、どこに出ることなく、先日の社保講習会の資料を眺め、パラパラと捲ったスタディモデルの項目に目が点になりました。

スタディモデルは今回の改定での解釈で
「一連の診療は終了した日から属する月の翌月の初日から起算して3年を保存期間とする。但し、スタディモデルの正面観、左右側面観、上下咬合面観等を患者氏名、作成年月日が判別できる状態で写真撮影し、カルテに添付した場合は3月を保存期間とする。但し、写真撮影に係る費用は所定点数に含まれ算定できない。」

これを見て、昨日は改定の準備を止め、一日中寝ていました。
また、処置項目が殆ど含まれた再診料38点。どうやって患者の感染予防を確保するのでしょうか?ゴム手袋を使い廻ししれとでもいうのでしょうか?
利益の幅という議論の前に、採算というのを忘れています。
by kura0412 | 2006-03-27 11:54 | 歯科 | Comments(3)

新しい流れを堰き止めた改定

一昨日、県歯の社保講習会に出席してきました。改定のポイントは知っていましたが、改めて、県歯の社保担当役員の先生からの細かい点までの話を聞くと、今回の改定の凄さを感じます。
今回の改定の最大のポイントは、マイナス改定でも、明細な領収書の義務化でも、説明文書を渡すことだけではありません。これまで何回かの改定で、歯科枠の他の財源を削って、ようやく導き始めた新しい歯科医療の流れを堰き止めたことです。
実は、私自身は、いわゆるメンテナンスの取り組みは遅れ、恐らく、今回の改定で更に推し進められると予想して、今回の改定を機に積極的に取り組み覚悟でした。
しかし、結果は、それを取り組んでいればいればいるほど、そのダメージが大きな改定結果となってしまいました。
一端、こうゆう結果が出ると、それを修正するのは大変な作業が必要です。
残された一週間、私、個人として生きているために、診療体系全般も含め、4月からの医院経営を再考を迫られています。
by kura0412 | 2006-03-25 12:10 | 歯科 | Comments(0)

峻別のいろいろ

日医の会長選挙が、日医からの職域代表参議院を巻き込んで。物凄い状況に更にヒートアップしてきています。
先生方ご承知の通り、日医はいわゆる峻別は行っておらず、日医の会長選挙でありながら、政治的な色をかもし出す、いや、今回はその争点が自民党の支持の度合いの解釈にするなっているような様相です。
峻別といえば、衛生士会は別組織を立ち上げ、一方、技工士会は参議院選挙に候補を擁立決定しているのも係らず、峻別を実施しませんでした。恐らく、この峻別の問題は、公益法人の見直してと伴い、また再熱するかもしません。
その峻別化を図るため、初めての選挙となる日歯連盟会長を選ぶ連盟評議員会はまもなく始まります。終盤になっていろいろな動きもあったとの話も聞きますが、どんな結果となるのでしょうか。
by kura0412 | 2006-03-24 12:13 | 歯科 | Comments(0)

歯科医師としての格差の時代到来

既に、歯学部に入学すれば歯科医師になれることは補償できず、それどころか、歯科医師のライセンスを持っていれば、一生生活には困らないという時代も終わっています。
それに加え、最近では、歯科医師であっても開業できないという状況に陥っています。
私が開業した時代とは大きく異なり、担保、あるいは、しっかりたした保証人がなければ、銀行は融資をしてくれなくなったのが主な理由だと思います。
そんな「歯科医師」というライセンスの周囲に変化がある時、今朝の日経生活面の特集「点検・家族格差」に親世代からの経済的支援の度合いで、歯科医師の開業の実態が大きく異なることを一例に出し、親の支援の相違での家族格差の実際を紹介した記事がありました。
これは、既に、裕福な家庭の先生か、あるいは、後継ぎ、それも経営的に安定した親族がいる先生にしか、開業の道は拓けない時代が訪れている表れです。
これは力量や能力ではない、経済的な理由による、まさに歯科医師としての格差です。
by kura0412 | 2006-03-23 11:24 | 歯科 | Comments(0)

厚労省のどんなメッセージだったのでしょうか?

厚労省老健局の課長が、今回の介護報酬改定の結果で、加算設定は行政からのメッセージであると講演の中で話した。との報道がありました。
では、歯科の今回の改定は、われわれにどんな厚労省のメッセージがあったのでしょうか?
日本の歯科医療をこれからどうゆう方向に導きたいのか、その意図も今回の歯科医の改定ではわれわれに伝わっていません。
by kura0412 | 2006-03-22 12:41 | 歯科 | Comments(0)

レセプトオンライン化で地域医師会が請求代行

レセコン会社から今回の改定更新が9万円かかるとの案内が着ました。最悪のマイナス改定でのこの請求、、私を払う気にさせてくれません。(もちろん払いますが)
そのレセプト請求のオンライン化は、06年度は手上げ方式で08年度が順次義務され、11年4月からは歯科でもレセコンの有無にかかわらず義務化の決定がなされています。それに加え、対応が難しい小規模の医療機関については、地域医師会などの請求代行が出来る仕組みを設けるとの報道がありました。
既に、県歯レベルで、レセコンに関しての取り組みを進めているところもあり、これは今後大きな話題になりそうです。
by kura0412 | 2006-03-22 12:31 | 歯科 | Comments(3)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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