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メール騒動から

ホリエモンのメールが立件の証拠になったり、また、永田議員の例のメール騒動など、メールがオフシャルな文章として取り扱い始めています。
しかし、法律上はどうゆう規定になっているのでしょうか?
HPの広告は医療法では今だ蚊帳の外に置かれ、ようやくこれにメスが入るかどうかのレベルです。ホリエモンは一日300通のメールがあって、それを瞬時に処理をしていたと聞きました。私も、つい先日まで迷惑メールが一日100通着ていました。
もしメールがオフイシャルな文章として認められるならば、今後、メールの簡便で迅速という利点にブレーキがかかるかもしれません。IT化のスピードに、社会的、法的なルールが追いついていません。
今回、規制緩和で医療のIT化が叫ばれています。しかし、医療のように一方で個人のプライバシーを守らなければいけない分野は、平行ではなく、プライバシーの保護を先行して検討しなければいけない分野です。もし、それを考えないとするのならば、個人情報保護法を制定したのは何の意味があるのでしょうか?
政府はかなり矛盾した議論を進めようとしています。
by kura0412 | 2006-02-28 12:08 | 歯科 | Comments(0)

混乱の導火線となるか

今回の改定で、医科も歯科と同じ下げ幅のマイナス1.5%ですから、それなりの影響があるわけです。
しかし基本的に違うのが、在宅診療に優遇したり、いろいろとメリハリをつけており、マイナスのカバーをする為の策が考えられるマイナス改定に私には感じます。
一方歯科はどうでしょうか?
私の印象、また、殆どの先生方に聞いても、到底マイナス1.5には収まりそうもありません。診療体系によっては2割ダウンを予測する先生もおります。
そして、その予想されるマイナスの結果の行へも心配ですが、今回の改定では、その対応によって、ダメージを軽減する方策が見当たりません。ここ数回の改定を受け、リコール中心の診療体系に移行を図ったような手立てが全くないような改定です。(そのシステム移行した診療所のダメージは、計り知れないものが予想されます)
せいぜい考え抜いた結論も、経費の更なる削減ぐらいでしょうが、私の所はもう徹底的にこれを既に実施していて何とか守っている状況で、とてもこのマイナス部分を補うことは不可能です。
今回の改定は、一昨年の事件から、厚労省、中医協が歯科を目の敵にされた結果だろうと考えられているのは周知の通りです。
しかし、この改定の結果、歯科界が崩壊に道を歩み、収集のつかない混乱を招く可能性があります。その混乱の一番の可能性が、自費への移行が強くなり、そこでのトラブルの多発です。そしてそれが導火線となり、患者、国民からの歯科への信頼の失墜です。これは何が何でも防がなければなりませんが、それを防ぐ自信は私にはありません。また、その混乱の原因が、医療を供給する我々が一方的に非があるとも思いません。
by kura0412 | 2006-02-27 12:02 | 歯科 | Comments(5)

地方自治体の予算案をみて

昨日入手した来年度の小千谷市の予算案をみると、引き続き地震復興に対しての予算項目はあるものの、本年度のように大幅な予算処置は少なく、概ね地震前の昨年度予算案になっています。
そんな中、注目するのが、三位一体による税の移譲と交付税の減額です。
小千谷市の一般予算は172億円、その中で地方譲与税が前年度比1億3千万(37.6%)増に対して、地方交付税が4億1千万円(9.7%)減、差し引き2億7千万円の減少になります。予算案の6%ほどの国から廻ってくる予算がマイナスになる数字となります。地方税の恒久減税の段階的な解除がありますので、地方税の増加は予測されますが、予算規模としてはマイナス基調になることは避けられない状況です。
それぞれの市町村、また都道府県の地方行政において、いろいろな環境の違いがあり、一概に、小千谷市の状況が当てはまることはないのかもしれませんが、大まかな予算ベースでありますが、三位一体の影響が明らかに数字として出てきました。
是非、先生方の地域も地方議員、行政からこれから議会で議論が進む来年度予算案を手に入れて、関係予算を確認してください。恐らく、減ることがあっても増えることはなく、前年度並みだったらヨシとするのが現状のようです。
地方自治体予算でも流れが確実に変化しています。
by kura0412 | 2006-02-25 12:24 | 歯科 | Comments(2)

激しさを増す日医会長選挙

現職の植松会長対唐澤東京都会長一騎打ちの日医会長選挙がかなり激しくなってきているようです。
植松会長を支持する陣営は、これだけ厳しい局面の時に内部分裂するような選挙戦は避けるべき、一方唐澤陣営は、前回の選挙戦時は、改定の結果を示せなかったことへの批判で会長に選出されたにもかかわらず、今回の結果を導いた現執行部への責任追求。いずれの陣営の言い分はそれなりに理解ができます。
さすがの私も日医の会長選挙予想までは出来ませんが、日歯と異なり、今回の改定の全容が見えての選挙は、結果にどう影響するかは注目したいところです。また、行政はこの混乱を利用することは十分に考えられ、何を仕掛けてくるか?そのとばっちりを我々も受ける可能性はあります。
しかし、もし、日歯会長選挙もこの時期ならば選挙結果はどうだったでしょうか?
by kura0412 | 2006-02-24 12:28 | 歯科 | Comments(0)

ガセ情報だったようで

ホリエモンメールはどうもガセ情報だったようで、そのネタ源はどこかの記者だったという話です。永田議員とその記者の関係がどの程度親密だったかは分かりませんが、情報の取り扱いの基本を誤った感じです。
マスコミに片足を突っ込む私も、一歩間違えれば同じ過ちを犯すかもしれません。
通常、公式発表以外の記事、コメントを書く時の原則は、その情報を複数のソースで確認しなければなりません。それ以外は、個人の責任による個人的な意見、あるいは憶測、予想での意見となります。特に、個人、組織の名誉に係る問題ならばその注意は必要です。
永田議員は、一昨年の事件の時の質問の対応の裏話を聞くに、その確認の徹底を怠ったのだろうと、私は推測します。いくら国会議員でも、そう簡単にスキャンダラスな情報は集められません。
歯科界をみても、今でも、この類の話はこのブログに書ききれないほど、いくらでも全国を飛び回っています。今、全国を廻っているのは、日歯の役員はどんな顔ぶれかではないででしょうか?確かに何人かの先生の名前は聞こえてきます。しかし、ご本人に確認すれば明確に否定した返事が返ってくる先生もおられます。日歯代議員会が終わるまでは、先生方も噂としてお聞きになっていたほうがよろしいかと思います。
by kura0412 | 2006-02-23 11:36 | 歯科 | Comments(0)

臨床研修医制度導入で小児科半減、歯科は?

この春から歯科でも臨床研修医制度が始まります。既に臨床研修医制度を実施している医科において、この制度実施によって、小児科志願が半減しているとの今朝の報道です。
歯科でも、制度の導入によって、卒後の歯科医師のリクルートが大きく変化するかもしれません。
ただ、医科と違うのは、足りなくなるのではなく、就職先がなくなるという全く正反対の現象です。
理由は簡単です。
臨床研修医には何がしかの補助が付きます。しかし、2年目の先生には付きません。そして、臨床研修医は毎年来てくれます。ならば、今まで代診を雇っていた診療所は、補助のある臨床研修医を採用します。
それでなくても、大学の経費削減、各診療所の経営環境の悪化で若い先生の就職先減少している現在、これがどう影響するか、今後十分注視する必要があります。
しかし、こんな状況であっても、国立大の歯学部の入学希望者はこの少子化でも堅調だというのは、何なんでしょうか?
by kura0412 | 2006-02-22 11:26 | 歯科 | Comments(0)

逆境の時真価が問われるーあるJリーガーの活動からー

最近、サッカー、元アルビレックス新潟の丸山良明というJリーガーの選手と知り合いになりました。
元というのは、現在、その選手は怪我のためチームと契約出来ず、怪我を治しながら契約先を模索している状態だからです。
アルビではDFの要として人気のあった選手なんですが、その理由は定かではありませんが、今シーズンのチームとの契約は出来ませんでした。
その丸山選手は、現在フリーという立場を利用して、フアンとの交流会、学校での講話など、怪我のリハビリ、またトレーニングの合間に、精力的にプレー以外の活動を展開しています。そして、その反響の大きさに自分がどんな存在だったかを再確認し、また、サッカーとは別の観点からいろいろ得るものがあると言っています。
私も、こんな逆境の時こそ、人間としての真価が問われ、これからのサッカー人生においても絶対にプラスになると、その活動に側面から応援しています。

頑張れ、丸山良明!

逆境の時真価が問われる。
まさに現在の歯科界も同じ状況です。
by kura0412 | 2006-02-21 10:30 | スポーツ | Comments(0)

懐かしく感じる永田議員の質問

今、その質問メールの信憑性が話題となっている民主党の永田衆議院議員は、日歯関連の事件の時も、質問を連発した議員でした。
こうやって考えると、いろいろなスキャンダル追求が多い為か、政治の世界として見ると、もうひと昔の出来事のように感じます。
昨日も偶然に、今回話題の焦点となっているホリエモンとメールを交換した人から聞いた話では、あんな形のメールは珍しいという話を聞きました。
さあ真実はどうなんでしょうか?
しかし、今回の改定をみると、政治の世界ではもうひと昔の話なのに、行政はなかなか事件を忘れてくれなかったようです。
また愚痴りました。スミマセン。
by kura0412 | 2006-02-20 12:02 | 歯科 | Comments(6)

「切れてないですよ」、でも

「切れてないですよ」
私が最近気に入っている長州小力のギャグです。

表面上は平静を装ってみせても、その実際は、腹の中は煮えくり返るほど頭にきていることを風刺するこのギャグは、今、大流行しています。
今、もし患者さんに「先生、切れている?」と問われれば、
まさに「切れてないですよ」とギャグを連発したくなる心境です。
しかし、同業者だけの席で話が出れば完全に切れている状況です。一昨日から、私の所にはその「切れてる」先生方からのメッセージが頻繁に寄せられています。
by kura0412 | 2006-02-18 10:39 | 歯科 | Comments(3)

朝から脱力感が

昨日は日程的にバタバタしていたので、改めて今朝改定項目を見てみると、ショックと脱力感で朝からの診療に力が入りません。
今までの改定でも同じような気持ちを何度も味わってきましたが、それでも何か手を考えることが出来たのですが、今回ばかりは何をすれば傷を浅く出来るかアイデアが浮かんできません。
特に、従来頻度高い項目が減点、初診・再診などにまるめられています。そのまるめた初診・再診が大幅な減点なのですから話になりません。
私はこの3月一杯で開業して20年経過します。この節目に絡めて、4月から抜本的に診療体系を変えないと、医院経営は成り立たなくなったしまったようです。
残念ながら、自分のことで精一杯、絶えず経営に絡めることを考える、こんな基本的な考えを持たなければいけないようです。
「僕らは医療をやっているんですが」、まずこの考えからの脱却から始めないと、、、
by kura0412 | 2006-02-17 11:16 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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