<   2005年 11月 ( 26 )   > この月の画像一覧

国民集会開催

この土曜日に医療団体が一堂に会する医療制度改正に対する国民集会が開催されとの話を聞きました。(正確な名称忘れました)また、国民皆保険制度を守る為の署名運動も始めています。
しかし、丁度この時間その審議を中医協、そして政府与党の会議で医療制度改革に関する大綱の大詰めの調整を行っているところです。
もちろん今回の改正は法律の改正が伴いますし、来年度政府予算案もまだ決定していません。その再考の余地は残されていますが、自民党圧勝を受けた現在の政治情勢で、今日の決定がひっくり返るとは誰も思わないはずです。
確かに、前にもあったように、その総決起大会の日程を避けて今日の日程が組まれたのかもしれません。しかし、その開催、運動にどんな結果を求めるのでしょうか?私には分かりません。でも、もちろん政府の決定を指をくわえて静観することも来ません。
by kura0412 | 2005-11-30 14:08 | 歯科 | Comments(2)

統計、調査は何のため?

政府与党の医療制度改正の議論も大詰めに入り、明日最終的結果が出るとの報道です。そして、ここにきて焦点はマイナス改定の幅になってきているようです。
医療費総額管理、そんな理念とんでもありません。低額医療費保険免責制度、医療費増やす気ですか馬鹿を言わないでください。そしてマイナス改定、歯医者を殺す気ですか?
そんな気持ちを持ちます。

ここで11月17日の社会保障審議会医療保険部会での資料に凄い数字を見つけました。
国保組合での所得調査で歯科医師の1世帯当たりの平均課税標準額が2929千円で、国保組合の2909千円とほぼ同じでした。ちなみに医師は5637千円、薬剤師は2681千円です。現在のところ歯学は医科と同じ6年制大学を卒業しなければ免許は取得出来ません。薬学は4年生です。
また、昭和58年度と平成16年度のその比較で平均で604千円増に対して、歯科は255千円で、医科は1091千円の増です。
やっと正しい歯科の実態調査が出てきました。
でも、マイナス改定は強行されるでしょう?!統計、調査は何なんでしょうか?
by kura0412 | 2005-11-29 12:24 | 歯科 | Comments(0)

六本木ヒルズ族との懇談

先週末、今話題の六本木ヒルズ族の会社に勤めている方と懇談する機会がありました。東大卒のまだ25歳の青年です。
しかし、事業は大学時代から始め、既にそのグループの子会社の副社長の他に6つ会社を経営していると聞きました。
会う前は、どんな人間か予想もつかなく、生意気な感じなのかとも思っていましたが、やはり、しっかりとした対応をした、さすがの人間でした。
お金があるということでの余裕もあるのでしょうか、発想が全然違います。それと行動力、仕事のスピードの速さ、そして仕事に対するエネルギー。私もまだ40代、年を感じる世代ではないと自認していますが、時代の変貌を感じました。
それに、ああゆう若者をうまくリードする会社組織、そのトップの環境の存在も、更に彼らを大きくしていくのだと感じました。
時代は大きく変わっています。彼らを生意気な若造と侮ることはやめた方が良さそうです。
by kura0412 | 2005-11-28 12:08 | 歯科 | Comments(2)

いずれも政治決断か

与党の社会保障政策会議が開催され、医療制度改革の与党方針が決まりつつあります。
それと平行して進む社会保障審議会医療保険部会は、部会の意見は結論を一つにしないまま部会長に一任で終了したとの取材話を聞いています。また、中医協でも改定率についての意見が医療側、保険者双方から出ています。恐らく、その最後の決断は小泉首相に委ねられるものと思います。最後は政治決断です。
一方政府税調は、個人所得税の定率減税の廃止と企業向けの1兆円減税の打ち切りを答申しましたが、経団連は企業向け減税打ち切りには異論を唱えているようです。
しかし、昨年度の結果でも90年のバブル期よりも経常利益が上昇しているにもかかわらず、法人税収はその3分の2に留まっています。企業だけ優遇することになる批判も当然出てきます。また、欧米と比較してあまりにも高い法人税を課せることは、国際競争力を低下させ、企業の海外移転も促しかねません。さてこれも結果、小泉首相の最終的政治決断となるのかもしれません。三位一体も同様です。
by kura0412 | 2005-11-26 12:20 | 歯科 | Comments(0)

「○歯」の報道にドキ

耐震強度偽造問題で「○歯」という名前がテレビ、新聞を賑わせています。最初に見た時に、また業界の人間が悪さをしたのかと思いました。もちろんこれは歯科には全く関係ない話です。
昨年の一連の事件のハリケーンのようなマスコミ攻勢に、私の頭が過敏に順応しているのかもしれません。
実は歯科に対するイメージが残念ながら非常に悪くなっていると同時に、歯科界全体が自信喪失になっています。現在進行している医療制度改革での過程はそれを如実に現しています。
しかし、それらをどこかで一端遮断しなければ、日本の歯科界の再生はありません。その手段には何があるか?それすらも分からない状況ですが、その作業は絶対に必要です。
しかし流れが下に向いている時は、何でも下になるものです。
by kura0412 | 2005-11-25 10:51 | 歯科 | Comments(2)

正論ぶっているように見せて馬鹿な報道をするな!(今朝の日経新聞の特集記事)

今日の日経新聞に興味深い特集がありました。「医療費管理海外に学ぶ」とタイトルがあります。そしてサブタイトルに独・仏・公的保険見直し着手、IT化・カルテ共有米国となっています。
このいずれのタイトルは間違いではありません。しかし、海外に学ぶのは失敗例として参考にするのであって、欧米の医療経済学者の多くが日本の現行の公的保険が上手く運営されているのを参考にしてきており、まるるで逆の方向に導こうとしています。
それを立証するのが、記事にも数字があるGDPに占める医療費の割合が米15.0、独11.1、仏10.1に比べ、日本は7.9%とアメリカの半分にも満たない医療費で、結果世界一の平均寿命をもたらす結果の一因に寄与しています。

しかし記事の中にこうあります。

国内総生産GDPに占める総医療費でみると、米国は2003年で15%と突出。民間保険が中心で政府が支出を管理しにくいことなどが原因になっている。日本は7%台と現時点では必ずしも高いとはあいえないが、高齢化の進行では世界の先頭を走る。国民皆保険のようさを維持していくためにも医療費抑制への道筋をつけていくことが不可欠となっています。

こんな矛盾した記事がありますか?
今、日本の医療制度改革に必要な視点は、世界のどの国も経験したことのない平均寿命の長い国が、費用効果の高い公的医療保険制度をどのような形で継続、維持、発展するかを目指すのであたって、、他の国の失敗例を真似をすることではありません。しかし、現在の議論の流れが、政府だけに留まらず、マスコミまでが現在の議論の誤りの流れを止めるどころか助長させていることへの責任は、今から忠告しなければなりません。

ちなみに、ドイツの医療費制度の特徴に、保険免責制度の中の例として、歯科治療を公的医療保険から除外して私的保険に。と紹介してあります。
by kura0412 | 2005-11-24 10:09 | 歯科 | Comments(7)

今度はレセコンのオンライン化

厚労省は医療機関でのIT化を加速させる為に、向こう5年間の経過措置を設けた上、レセプト請求を11年度からオンライン化を原則とすることにしたとの報道です。
このオンライン化でのメリットが医療費の効率、省力化を謳っていますが、その裏には、この医療業界の膨大なIT化需要の拡大があります。昨年の日歯の一連の事件の発端にもなった経産省のE-japan計画はそれを裏づけます。そして、社会のIT化の流れは阻止できないと判断しその実権を確保すべく、全国に張り巡らしている社会保険事務所の弱体化を甘受しても、厚労省は今回推進する決断をしたものと推測します。
しかし、ここでわれわれは意見を呈さなければなりません。
まず、このIT化に対する初期費用はどうするのか?レセコンのリースが途中の診療所、病院は新たなシステム導入となるわけです。二つのシステムを併用出来るほどの経済的な余裕は現在の病院、診療所はありません。手書きの年配の先生ではこのIT化によって診療を辞める方も出てくるかもしれません。
そして、一番の問題は、現在の歯科の診療報酬があまりにも細かすぎる、制限がある為に、果たしてIT・オンライン化が可能であるか?その是正が必要です。レセコン会社の社員に聞いたところ、歯科の対応が出来ればどんなレセプトも対応は可能であるという話を聞いたことがあります。特に、最近の縛りによって、摘要欄記載が以上に多いのは先生方も毎月のレセプト作業で感じられるところです。医科ではこの摘要欄の記載がどの程度あるのかまでは分かりませんが、このIT化に則す様な形に保険点数が変化するのか、あるいは技術的に既にそれは対応が可能なのかは分かりません。しかし、この細かい作業の中でのオンライン化、くれるものくれて言われるのは仕方ないとしても、マイナス改定を強いられそうな状況でこの提案はたまりません。
まだ、この議論は紆余曲折しそうで今後の推移に注目です。
by kura0412 | 2005-11-22 12:35 | 歯科 | Comments(4)

ゴルフのクォリファイテイングトーナメント

ゴルフのジャンボ尾崎が破産したとの報道が数週間前にありました。それと共にジャンボは現在賞金獲得額が一千万円も満たない為、来年度のシード権保持が難しい状況です。ただし、ジャンボの場合は永久シード権を持っているため試合に出れないことはありません。
実はこの時期になると、私も、知人のゴルファーのシード権獲得、また、シード権を持たない選手が来年のゴルフツアーの出場権資格を争うクォリトーナメントの結果が気になります。
現在の男子プロの場合は、プロ資格を持っていれば、セカンド、サードそして最終のフアイナルの三つのカテゴリーを突破して、ようやくフアイナル上位30名位の選手が来シーズンの前半の試合に概ね出場が可能となります。
既にサードトーナメントまで終了し、私の知り合いのゴルフアーの多くは、フアイナルを前にして敗れ去っています。この時点で負けると、来年はその出場枠が数名しかない一部のマンデートーナメン以外、殆ど試合が出れない状態となります。つい数年前まではマスコミを賑わせた有名プロもシードを落ちると大変な世界が待ち受けています。厳しい世界です。
でもこの世界には夢があります。
その数は少なくても平等にチャンスが与えられ、昨日優勝したタイガーウッズと一緒の試合に出場することも夢ではありません。その夢があるからこそ、厳しい世界に耐えられるのだと思います。
では、現在のこの厳しい歯科界に、われわれは何を夢見て耐えればいいのでしょうか?
by kura0412 | 2005-11-21 16:42 | 歯科 | Comments(0)

どうしようもないジレンマと不安

知人の先生からで「自分ではどうすることも出来ないが、今回の医療制度改正、次期改定が物凄い不安」というメールが入ってきました。この先生は都道府県歯の役員もされ、毎月の売り上げも私の数倍は稼いでいる先生です。しかし、少し先のことを考えられる先生の多くの殆どが、この先行き、それも5年、10年後ではなく、半年、1年後という目の前に対して不安をもっています。
これは、地震の災害を受けて、その直後は一日一日生きるのが精一杯だったのが、しばらく落ち着いて今後の生活を考えた時に、異常なほどの不安に陥った時の気持ちと一致します。
他人事ではありません。自分の生活です。でもそれがどうすることも出来ないジレンマ、不安に対して、歯科界全体で危機感をもって立ち向かわなければ、本当にとんでもない事態が待ち受けています。
by kura0412 | 2005-11-21 15:29 | 歯科 | Comments(0)

医師不足の為、診療報酬小児科、産科引き上げ

次期改定で医師不足を理由に小児科、産科が引き上げの対象となりそうです。この観点から考えると、歯科は歯科医師過剰の為引き下げになるのか?そんな冗談にもならない冗談を言いたくなってしまいます。
しかしこの報道で注意しなければいけないのは、医科がどんな形になるにせよ、従来の各科横並びの点数設定にメスを入れようとするところです。そしてそのあおりを受けて、歯科の枠も侵食される可能性も十分に考えられます。
医科と共同戦線をはることは堅持しなければいけませんが、医科と意見を異にする部分はどう対応するべきでしょうか?
by kura0412 | 2005-11-19 10:56 | 歯科 | Comments(1075)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

プロフィールを見る
画像一覧

ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




以前の記事

2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
政治・経済

画像一覧