<   2005年 10月 ( 26 )   > この月の画像一覧

合唱曲「希望の明日へ」

昨日、小千谷市内にある小千谷市立東小千谷小学校の統合80周年式典に出席してきました。そこで、震災復興・統合80周年記念歌として、生徒の詩を合わせた「希望の明日へ」の合唱が披露されました。その歌の詩は、

緑豊かな 東の大地
不安をかかえた おおきなゆれに
小さなひかり 探しもとめて
こころ一つに かけぬけた
励ましあえば こわくないから
しっかりと手をむすびあい 今生きていこう
宝ばこには 夢をつめて
仲間たちとともに 明日へすすもう

ほほをつたった なみだの数と
かわした言葉 忘れないでね
支えてくれた ひとの優しさ
希望と勇気 ありがとう

東の空に 夢も求めて
笑顔たやさないで 強く生きよう
東の空に 夢を求めて
笑顔たやさないで 強く生きよう

生徒、先生方400名の素晴らしい全員合唱でした。
by kura0412 | 2005-10-31 11:53 | 中越 | Comments(0)

間違いはありません。でも、意見はあります

①診療報酬の体系は病院より診療所に厚いといわれている配分を見直すことが不可欠だ。
②生体肝移植などの難手術は診療報酬が低いために多くの大学病院が採算割れになっているという。
③日本の医療水準の低下をくい止めにも、過酷な仕事を強いられている勤務医を評価する体系にしなければならない。
④小児科などの労多くして報われない面のある医師への配慮も求めたい。

これは昨日の日経の社説の一部分です。
いずれも間違っていません。その通りです。しかし、疑問も湧いて、意見があります。
①医科では診療所の方が病院よりも有利のような実際があるのかもしれません。でも、開業医の先生の評価がそんな高いのか?となれば、そればかりではないはずです。比較すれば、の話です。問題は、割合のバランスが悪いのではなく、報酬の絶対量が不足してるのです。
②生体肝移植も保険治療で出来るのですか?やっぱり、歯科の保険診療導入のシステムはおかしいです。
③それよりも更に過酷の仕事を強いられているのは、歯科の開業医です。これは間違いありません。
④是非、歯科もその報われない世界に入っていますので、アピールしてほしい。

こんなマスコミの論調が積み重なり、現在の医療費悪役論的な世評になっているのかもしれません。私の意見は、医療供給側の、歯科医師のエゴとして国民に捉えられるでしょうか?
by kura0412 | 2005-10-29 11:24 | 歯科 | Comments(0)

20年後の世界を語れるか?

現在議論沸騰している医療制度改革では二つの視点で議論されています。一つは来年度の改定の議論、そして、もう一つがこのまま推移すれば20年後には医療費は現在の倍になる予測の中でどう取り扱うかということです。そして前段は、後段の予測を盾に、次期改定はマイナス改定が必要という論理を展開しているわけです。
しかし、ここで少し冷静に考えてみるとおかしなことに気づきます。
果たして日本の社会の中で、20年後の社会を数字で語るということはあるでしょうか?
それも、相手が人間の命にかかわる問題です。
もし、これを語るのなら、20年後の日本の社会の全体像を描き、その中で政府の予算の規模をしっかりと明記して、その中で語るべきものです。そして、その数字も過去の予測統計が殆ど当たったことのない厚労省のデーターでの試算を元に語っているわけです。
数字だけで医療制度改正の議論すること事態私は疑問をもっていますが、20年後を前提に議論することの是非ことをまず考えなければいけないのではないでしょうか?語っても5年が限度です。医療制度改正の議論、われわれは何年続けているでしょうか?
by kura0412 | 2005-10-28 11:35 | 歯科 | Comments(4)

中教審答申を受けての小泉首相の決断は

中教審で焦点の義務教育費の国庫負担堅持を答申したと報道です。
それに対して、一部の地方代表委員が反発していると共に、答申と意見の異なる小泉首相がどう決断するか、非常に興味が出てきました。
確かに、この負担金を地方に移譲しなければ、文科省、中央官庁の権限縮小、いわゆる小さな政府の方向には結びつきません。しかし、義務教育という国が責務として負う問題を地方に移すことには私は疑問を感じます。もし、文科省の権限を小さくしたいいうのならば、果たして他に手立てはないのでしょうか?
この考えは医療にも通じるところです。医療に対しての責任は誰がもつか?
国民の基本的人権にかかる医療を地方に大きくシフトして、現在、三位一体で進む、地方に移譲する流れでいいのか否か?医療改革でもみられる、お金だけで議論を進めると、この根本的な議論が忘れがちのような気がします。
さて、小泉首相の決断はいずれでしょうか??
by kura0412 | 2005-10-27 11:38 | 歯科 | Comments(0)

サバイバルの医院経営

今覗いたHPの経営セミナーの案内のタイトルに「大変革時代の病院経営サバイバル・医療法人改革と資金調達」とありました。
以前からも、歯科でも一強九弱の時代到来と言われている中、連日の医療改革の報道を見ると、このままではジリ貧どころか、本当に経営不振で自殺も考えなえればいけないような状況が予測されるわけです。
本来、医療というものは、同じ仕事を持つものがスクラムを組み、ある程度の余裕の中で進められることがベターだと思っていました。そして私自身、経営主体的な考えをする先生方も非難してきました。しかし、状況はそれを許さなくなってきたようです。
こんなサバイバルの時代なら、何でもありでなければ生き残ることは出来ません。国民は果たして、その状況が待っていることを知って改革を支持したのでしょうか?また、そこまで本音でわれわれは国民を説得してきたでしょうか?
by kura0412 | 2005-10-26 12:06 | 歯科 | Comments(9)

昨夜また震度2

ここにきて急に寒くなり、まだ扇風機を片付けてもいないのに、今日は暖房を入れました。昨年、地震でライフラインが遮断され、暖房が使えず、旧型の灯油ストーブを市外から買って来てもらったことを思い出しいます。
実は、10月23日に地元では変な噂が囁かれていました。地震がまた来るのでは?
小千谷の祭りに地震があり、すっかりと祭りの気分打ち消された体験がその噂の源です。幸いにして23日は地震は起こらず、ほっとしていました。ところが、昨晩震度2の地震が発生しました。報道によれば、中越大地震の余震だそうです。まるで、地震が一周記念として、まだまだオレのことを忘れるな!と忠告しているようです。
地震から一年経過したことを契機に、復旧も進み、日本一地震に安全な街を売り言葉に、復興をアピールしたいとkろだったのですが、それもままならないようです。
by kura0412 | 2005-10-25 11:38 | 中越 | Comments(0)

このままでは、、

ここにきて、日歯、日歯連盟の会長選挙の具体的な名前を含めた話題が、その関係者から取りざたされるようになってきました。
現在の執行部は、臼田前会長の辞任を受けてという異例の状態での発足でした。また、現在進んでいる医療制度改革、次期改定の審議の真っ最中ということもあり、この選択は、たんに65000名のリーダーを選ぶという意味に留まらず、これからの歯科界の行く末を占う重要な選択です。
しかし、予算1億円用意して選挙人500名を加えた選挙制度に変わったこの選挙が、もちろん今までのような慣習を打破しての選挙になることが分かっていても、その選択の基準がどうも今だはっきりしません。
当然、立候補する先生方は、何を今までそれぞれの立場で実績を残し、これから日本の歯科界をどう導きたいかを訴えて制度内において選挙運動をするのは当然です。しかし、今、断片的に私に入ってくる情報は、今回の会長選が社会全体が注視していることを忘れているかのように、相変わらずのやり取りが聞こえてきます。
組織そのものが稼動していますので、大胆な変革は難しいのは分かります。しかし、何か社会にしっかりとアピールできる選択を実践することを実現できなければ、日本の社会は歯科界の訴えを聞こうとはしないはずです。
by kura0412 | 2005-10-24 12:31 | 歯科 | Comments(0)

一年経過し、改めて

中越大震災発生から一年経ちました。まだ一年です。正直長く感じます。
今週あたりから、テレビ、ラジオ、新聞で地震特集をしていますが、世評を風化させない為にガンガンやってほしいという気持ちと、そっと静かにしてくれという気持ちが交互し複雑な心境です。
ハード面では、雪降る前にということで、道路、建物の修繕が急ピッチに進み、現在、私の診療所前も道路の補修工事が始まっています。周囲を眺めると、よく一年でここまで復旧が出来たと感じます。
問題は住民の気持ちです。今だ、張り詰める気持ちと、疲れた心身とが、これも複雑に入り混じっています。それが一番如実に表れているのが子供達の様子です。
全体的には地震を経て、小千谷の子供たちは逞しくなりました。自分の周辺、また、自分自身が災害から生き抜い実際を経験したからです。しかし、ここにきて、家庭の問題、特に、仮設住宅などの居住の問題を理由に悩む子供が出てきているとの報告があります。自分のプライベートの空間、時間が保てない。また、将来に対する不安が原因との推測です。
がむしゃらに進んだ一年を経過し、子供たちだけではなく、あらゆる所で、いろいろな地震後の問題、課題が噴出しているようです。しかし、いくら疲れているからとはいえ、この地を逃げることは出来ません。事実は事実としてしっかりと受け止め、一年経過し、改めて前向きに真の復興に進む気持ちを持つことにします。
by kura0412 | 2005-10-22 12:32 | 中越 | Comments(0)

三冠馬誕生と小泉改革の行くへ

外相会談中止などの動きはあるものの、小泉首相の靖国神社参拝への反発は、現在のところ想定内のレベルのようです。中韓も、あと一年の任期を見据えて小泉首相にはさじを投げているのかも知れません。逆に、小泉首相の読み勝ち?強気の姿勢が功を奏した結果ともいえます。
これに、審議会との答申と相反する決定を下そうとしている三位一体での義務教育費の補助金問題、政府金融機関の統合、国会議員年金の全廃など、ある意味では強引とも思われる、小泉流構造改革が次から次へと進んでいるように感じます。
当然、医療制度改革もその構造改革の大きな柱となる一つであり、それに向かってまっしぐらになるのは、三冠馬誕生並みに大本命の予想です。
by kura0412 | 2005-10-21 10:35 | 歯科 | Comments(0)

構造改革「試案」

昨日、厚労省から医療制度構造改革試案が発表されました。
従来ならこれをもって、関係団体が綱引きを始めるのが常だったわけですが、この表題にもあるように、あくまでもこれは厚労省の試案であり、その中心的には議論されるのは当然ながら、経済財政諮問会議、財務省、そして官邸サイドからまた違って提案が出て来ます。したがって、今回の試案は、われわれサイドからみれば、ある意味でその抑制策は軽いものなのかもしれません。また、歯科に関しては蚊帳の外の分だけ問題点は少ないかもしれません。
まだ、この試案を精査はしていませんが、やられるだけやられている感じがします。これを受けて、既にマイナス改定が当然のような論調が更に加速しそうです。
この試案を読んで一番感じたのは、金銭ベースでの発想に終始している為に、国民皆保険を堅持するということだけで、どんな医療制度を目指したいか、真の意味で構造改革を狙いたいのかの理念が全く感じ取れません。そして、供給側のわれわれがもっと良質な医療提供を求めるのに対して、その評価もせずに、ただ、マイナス、もう制度が崩壊すると風潮しているだけです。
しかし、もう流れが出来ようとしています。その流れを完全に堰き止めることは難しい状況です。
by kura0412 | 2005-10-20 12:32 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

プロフィールを見る
画像一覧

ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
政治・経済

画像一覧