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新潟アルビレックス、感動をありがとう

現在、私の唯一の趣味がバスケットボールを観戦することです。偶然に私の友人から招待券をもらって見に行ってからは、完全に病み付きになっています。私が釘付けになってヒイキするチームが、「新潟アルビレックス」です。個々の個人能力では、けっして飛びぬけた選手がいるわけもありませんが、プレーヤー全員がひたむきに、試合を諦めず、全力でプレーします。その中には、マウスガードを普及する為に知り合って、個人的に応援している選手もいます。
そのアルビは今シーズン、日本のバスケットボール界の常識を覆し、5000名収容する新潟の朱鷺メッセでホームゲームを開催し、今シーズン最後の試合が昨日、一昨日とあり観戦してきました。
バスケットは、アメリカでは、四大メジャースポーツに入り人気あるスポーツであるにも関わらず、日本では、体格的なハンデもあるからなのか、あまり注目を浴びていません。今年、田臥が日本初のNBAプレーヤーになってようやく注目を浴び始めて程度です。しかし、そもそもバスケットという競技は、攻守の展開が速く、野外に比べプレーを近くで観戦できますので、観るスポーツとしても面白いスポーツです。聞くところ、世界の中で人気あるスポーツは、屋外ではサッカー、そして屋内はバスケットで、サッカーと同じで、アジアでも韓国、中国など、世界いたるところにプロリーグがあるそうです。
そして、その日本のバスケットに新しいスポーツシーンを注入しようと、来年度から新たに発足する日本初のプロリーグ「BJリーグ」にアルビは参加します。したがって、昨日の試合が、現在参加するリーグの最終戦であり、試合は負けましたが、会場全体がお祭りムード一杯の試合でした。そして、昨日は感動ももらいました。今どき、50才間際の小父さんを感動させることはそうはありません。アルビよありがとう!完全にお宅状態です。
by kura0412 | 2005-02-28 12:06 | スポーツ | Comments(0)

小千谷市教育支援基金の設置

昨日、来年度の小千谷市の予算案の概略をみました。予算規模は前年度対比で17%増で、当然ことながら、復旧、復興に主軸がおかれた予算、というよりもそれしか出来ない予算という印象です。自主財源は、市税が大幅に減少する中、今まで積み重ねていたその殆どの基金を取り崩しての厳しい内容で、よくこの予算案が出来たものと感心するほどで、人員削減はもちろんのこと、ソフト事業は殆ど休止を強いられそうです。
教育関係の予算もかなり配慮はしてもらったものの、例外とはなりませんでした。そこで、今回全国から教育の為に使ってほしいと寄せられた見舞い金(義援金ではありません)を財源とした「小千谷市教育支援基金」を設置し、基金として使わせていただくことにしました。そしてこれを、小千谷市内の各学校に分配し、各校長のリードの下、学校独自の教育を実施してもらおうと考えています。この基金が、目標は遠くても、この厳しい財政状況の中、一筋の明かりの一助となることを願っています。
by kura0412 | 2005-02-26 11:44 | 教育 | Comments(0)

修繕予定が建たず

今日は朝から快晴です。このままで今年の雪は終わってくれればよいのですが?それと共に、雪の覆われていた道路を見ると、継ぎはぎのアスファルトが欠けたり、ひびが目立つようになっています。道路が陥没した所の修復、ガス、水道の復旧で掘り起こし後埋めた場所、市内いたるところ、道路はガタガタです。
建物も同じで、その理由は分かりませんが、あちらこちら、今まで気づかなかったところのひび割れ、壁紙の離れ、外壁材の脱落が目に付きます。
そして、これを修理しようと思っても、業者も忙しく、道路なら幹線道路、あるいは被害のひどい所、家屋なら新築、大幅改築優先で、何とか使えるところの修繕は、年内に完了すればよしと思っている地域の人が殆どです。
それに加えお金がありません。市内全部がこんな状況ですので、多少見場が悪くても、何とか使用に耐えれば許してもらっている現状です。ちなみに、私の診療所も損傷、汚れも目立つのですが、患者さんには申し訳ない気持ちで一杯ですが、大幅修繕の予定はまだ建っていません。
by kura0412 | 2005-02-25 10:19 | 中越 | Comments(0)

出るか歯科界の風雲児?

ライブドアが仕掛けたフジTVとの抗争をどんな風にみてられますか?近鉄球団取得からから突然躍り出た堀江社長、大学時代から起業し、わずか数年であれだけの戦いを挑むその才覚、度胸、ただ者ではないはずです。
ソフトバンクの孫、楽天の三木谷、そして、堀江、いずれもネット社会という飛躍的な成長を続ける世界に飛びこみ、また先導し、そして、スポーツ界にも参入する中、マスメデイアの視点を自分に向かせ、かつ、それを事業として発展させる。従来の経済界の考え方とは異質な、ただし、これからはこれが主流になる可能性のある事業展開をしています。
しかし、どこの世界でも出る釘は打たれる方式で、今回の抗争となっているわけです。昨日のフジTV側の発表で、形勢はフジ側有利との予測も流れていますが、ライブドアもまだまだ、これで引き下がることは考えられず、これからどのうなるか分かりません。
歯科領域も、どちらかというと、今回の抗争のように、出る釘は打たれる的な世界ですが、こんな風雲児の出現を期待して旋風を巻き起こすか?逆に、あんな動きをされる前に、現在、歯科界をリードする立場の方が、事前にいろいろな展開を考え、実行に移すのか?そんな期待とも不安とも思われる気持ちを持ちます。仕掛ける、リードする人間はだれでも、自らが動かなければ、もう後がありません。
by kura0412 | 2005-02-24 12:06 | 歯科 | Comments(0)

復興の意欲は残っているか?

昨日、新潟県内のマスコミ関係者との懇談会があり出席してきました。地震後の歯科の救護活動などが話題の中心でしたが、あふれるマスコミ報道の中、地震直後のマスコミの実際を聞くことが出来、なかなか面白い懇談でした。
そして、現在の報道する側の共通する想いは、被災地に明るい話題を提供したい、また、この地震を忘れない為に、どう継続して全国へ情報を発信するか、その二点でありました。
その中で、ある新聞社の局長さんから「小千谷の地域の人は、雪解けを待ち、地震からの復興に改めて意欲をもつのでしょうか?」の質問がありました。
「現在、小千谷の地域の方の殆どは、地震よりも雪の対応が手一杯です。また、日々の生活を過ごすことだけを考えているのが現状であって、とにかく、この雪の降るのが収まり、雪が消えていくことだけを願っている、これが正直なところで、気持ちだけではなく、体力的にも、経済的にも、復興への意欲がどこまで残されているか?」これが私のその返答です。このやり取りから、改めて、この地域は今、地震、大雪、日本どころか世界のどこも経験していない災害と戦っているのだと再確認しています。
今日2月23日、雪降る中、地震に被災して4ヶ月経ちました。
by kura0412 | 2005-02-23 11:22 | 中越 | Comments(0)

オプションサービス

今朝人間ドッグに行きました。健康診断専門のセンターでの受診です。それぞれの担当が流れ作業でやっています。地震があって疲れは蓄まっていますが、どこか悪いと感じるところもなく、今年は止めようかとも思いましたが、注意しなければいけない年ですのでやはり今年も受けました。
歯科検診はありません。また、流れ作業から感じるのか、機器が発達してるのか、歯科に比べて楽な感じがします。
このドッグと比較すると、学校検診などは検診料は安すぎるし、最近ある先生から聞いた、集団検診は、あくまでも一次検診として考え検診を簡素化し、二次検診として個別にきちっと検診するという考えを主張する提案も納得します。
ちなみに、冬期間はオプション検査が一つサービスになります。今までのようにボランティア的位置付けではなく、歯科も経済的にも検診制度の再考は必要のようです。
by kura0412 | 2005-02-22 13:50 | 歯科 | Comments(0)

会務への情熱が

この時期になると、年度代わりでいろいろな役職の交代時期があります。歯科医師会も都道府県、支部なども移動するところもありそうです。昔は知りませんが、歯科医師会の仕事は完全にボランテイアです。若い先生などがよく言う、役員になると儲かるような噂を聞くことがありますが、都道府県はもちろんのこと、先日、ある執行部の先生のお話を聞いたら、日歯でも持ち出しがかなりあると聞きました。
よく、役職を離れた先生に復帰の打診をすると、その殆どが、気落ちが切れたから出来ないとの返事です。つまり、現在役職を務めている先生の多くが、会務に情熱をもち、その気持ちで役職についていられるのだと思います。
私などは、この人の下で働きたい、と感じる先生に出会えたので、まだ、その気持ちは継続していますが、それもこの経済状況ですので、いつまで気持ちだけで出来るかは分かりません。また、何かの理由でそれが切れることも心配です。
by kura0412 | 2005-02-21 10:43 | 歯科 | Comments(0)

学校の鉄扉

一昨日泊まった東京のホテルの隣にあった公立中学校で、小千谷ではあまり見かけない風景を見ました。
玄関の校門に大きな鉄の扉があり、鍵がかかっているのです。丁度、私が校門の前を通るとき、車の出入りがあり、鍵を外し車を通し、また鍵を掛けるところでした。
以前、小千谷に視察に来られた教育関係者に「小千谷の小中学校には、玄関扉も囲いもありませんね?」私にしてみれば驚きの質問をされたことがあります。小千谷の学校には門はあっても、鉄扉はありません。また、グランドにネットはあっても囲いはありません。鍵を掛ければ、外部からの招かざる犯罪者の進入は阻止できても、地域の人たちとの交流は遮断されます。地域の交流、協力なしで子供の教育は難しいと考えているからです。
前の大阪の学校の事件、そして、今回の寝屋川の事件など、その犯罪を完全に防ぐには厳重な管理はしなければなりませんが、子供の安全面だけを考えて、小千谷も外部と完全に遮断しなければいけないか、と考えると非常に難しい判断です。
by kura0412 | 2005-02-19 10:29 | 教育 | Comments(2)

可能性はゼロではありません

ここ数日の晴天、雨で雪が相当減ってきました。しかし、それを知っているかのように、余震?が震度2、1ですが昨日、今日とありました。
2月はまだあと10日あります。一昨日は関東で震度5の地震がありました。雪が3日ぐらい降り続き、震度4ぐらいが一度に来たら??
水を含んだ雪の上に雪が積もり屋根が重くなり、継ぎはぎだらけの道路が陥没し、、そんな、考えたくもない想定も、現実の危機管理の一つとして準備が必要になってきているようです。昨日の会議でも、全国の先生方から、「地震後どう?」と心配していただいた先生も多くいましたが、私の答えは「今は雪、そして、地震の後始末です。」が私の返答でしたが、「大雪そして、余震」そんな返事だけはしたくありません。でも、その可能性はゼロではありません。
by kura0412 | 2005-02-18 13:42 | 中越 | Comments(0)

二日間の会議から

昨日、一昨日と、歯科医師会関係の会議に出席しました。出席してまず感じることは、その出席する先生方の意気込みです。
従来でしたら、ややもすれば、質問、そしてその答弁、それも対立の形式だったものが、質問する方は、少しでもいい方向へと願う建設的、時には切実な訴えとなっており、答える方も、実施可能な提案ならば、取り入れる姿勢ももって臨んでいます。ようやく日歯レベルでも、ここに来て討議する場として、会議が進行している感じを受けます。
そして、その議論の根底にある、出席される先生方それぞれがもつ、この厳しい状況を何とか打破したい、少しでも明るい展望を見出したい、そんな力を感じます。
とはいうものの、理論の上では有効な議論となっても、いざ、実施面となると、その行くへは未知数です。そして、その結果は、即効となると難しいのは実際だろうと思います。しかし、長い眼で見るれるほど、日本の歯科界を再生する為の時間は残されていません。されど、100年の慣習を一気に変えることも不可能です。エネルギーが湧き出てきただけに、その息吹を大切にしなければなりません。
by kura0412 | 2005-02-18 13:28 | 歯科 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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