日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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会談の間崩壊寸前

臨時歯科診療所が開設され三日目、やはり訪れる人は増えています。情報が伝わり始めたのもありますが、この環境下の中でも、当然、そのニーズがあった結果だと思います。
救援物資も集まっているようで、既に日歯から歯ブラシセット三万個が届いていると聞いています。今後、口腔ケアについての対応も検討しなければいけません。
午後、文化省の下村政務官が小千谷に学校施設の被害状況視察に訪れ、それに随行して、市内の一部を見て廻りました。
その感想を一言で言えば、私の所の被害はまだ上等の部類でした。
全壊まではいかなくても、半壊、あるいは骨組みが歪み修繕が難しそうなビルなど、その被害は、私の思う以上のものがありました。そして、司馬遼太郎の代表作「峠」の題材にもなった、戊辰戦争の時、時の長岡藩家老河井継之助と官軍・岩村精一郎の小千谷談判の場となった慈眼寺の本堂が、崩壊寸前の状態でした。
戊辰戦争時は、長岡全体が焼け野原となったため、その当時を知る歴史的な証拠は、長岡に隣接するこの慈眼寺の談判の間しかありません。その本堂が後ろでロープで支えなければ崩れ落ちる寸前の状態です。ご住職にお話をお聞きすれば、可能な限り保存したいが、この状態で可能か否か?そして、どれ位の予算がかかるのか?本堂の周囲にある墓石の殆どが倒れた境内、沈痛な面持で話されていました。
下村政務官は、明日、小泉首相に今日の視察状況を報告すると、私に確約してくれましたが、いくら天災が理由でも、140年以上の間歴史の証人となっていたこの会談の間を何とか残したい。長岡で育ち、そして、この小千谷市住み移った私はその思いで一杯です。
by kura0412 | 2004-10-30 20:01 | 中越 | Comments(0)

ネット回復

今日ようやくネット回線の無事を確認出来るようになりました。しかし、余震は続き、水道、ガスの復旧は、まだまだです。ガスはともかくとして、水道が直らなければ、診療再開は難しく、また、幹線道路が今だ不通の為、スタッフの確保もままならないのが現状です。メーカー来て、一応の機械類の修理はしてもらい、少しずつですが、診療再開へ向けての動きもしています。あせらず、また、諦めることなく、前を向いて進みたいと思います。
小千谷市全体は、被害から六日目の朝を向かえ、さすがに市民全体に疲れが出てきていますが、仮設住宅の建設、また、私のもう一つの仕事である学校再開へ向けての検討など、別の課題に向けての動きも出ています。しかし、その検討項目の数は限りないといっても過言ではなく、いいろいろな部門で長期戦を視野にいれ活動しなければなりません。
しかし、こうやって自分の部屋でメールが打てる。先生方には当たり前のことが、今の私には大きな喜びになっています。
by kura0412 | 2004-10-29 17:46 | 中越 | Comments(2)

感謝&改めて感じる

朝方震度3の余震があった程度で、後は体に感じる地震も少なく、天気も良く、天は私に、弱りかけていた身体に少し元気を与えてくれました。今日は私が診療所を空けて、行政や歯科医師会の仕事に専念するのを支援してくれる為、勉強会の友人が青森・八戸からスタッフを連れてキャンピングカーで小千谷へ来てくれました。そしてあの崩れ落ち部屋を埋めた本の山を整理してもらいました。感謝のなにものでもありません。また今朝、小千谷市内に臨時歯科診療所を、今井会長を初め新潟県歯科医師会、新潟大、日歯大の先生方の協力を得て開設することが出来ました。震災から五日目での開設、これも関係者の先生方に感謝一杯の気持ちです。しかし、5分位診療所近くを歩いたら、薙ぎ倒された石垣、崩れ落ちかけた多くの家屋を見て、改めてその被害の大きさを感じました。やはり今回の地震は半端ではありません。でも、私はまだついています。
by kura0412 | 2004-10-29 00:32 | 歯科 | Comments(0)

小千谷市内の診療所の状況

まだ余震が続いています。特に朝の震度5の余震は、ようやく落ち着き始めた矢先で、被災民全体が実害より精神的ダメージは大きいものがあります。明日の臨時診療所開設の打ち合せの為、今日数名の地元の先生方と、被災してから初めて逢いました。九死に一生の先生もおられ、診療所のビル内部全部が崩壊した先生もいたようです。その状況はまちまちですが、診療所再開はまだまだ先のようです。さすがに少し疲れが出てきました。しかし電気が復旧し、ようやく家の中で寝ることが出来ます。厳しい状況ですが、半歩前進と思うようにします。
by kura0412 | 2004-10-27 22:03 | 歯科 | Comments(2)

たった今また余震が

昨晩ようやく電気がつきました。しかし、今もまだ余震があり、今晩も自転車小屋で寝ます。全国の歯科医師の先生からの激励の電話はうれしく、励みになります。いくらか気持ちも落ち着いてきたのか、逆に疲れが関係者からも出てきました。今日の私の動きの中に、臨時歯科救護センター設置の準備があります。現在県歯科医師会の役員、市教育委員長として対策本部にいたことが、こんな時役にたつとは思いませんでした。一種の歯科医療の危機管理に実戦的挑戦をしてみます。
by kura0412 | 2004-10-27 01:01 | 中越 | Comments(2)

悲しい見送り

先程、今回の地震で亡くなった三人の子供の仮通夜に行ってきました。三人とも私が校医をしている学校の生徒で、一人は患者です。昨日ヘリコプターで部落を離れ、避難生活しているその地域の人達が見送りに来ていました。この人達も土砂崩れで住む所がなくなりそうです。こんな悲しい見送りは初めてです。
by kura0412 | 2004-10-26 16:41 | 中越 | Comments(1)

小千谷から被災三日目

家は家内に任せ診療所の片付けを三割、残りを市役所の対策本部で参謀役してます。結果、JCの後輩と本部の調整役と、やはりこの役しかないのか広報マスコミ対応の繋ぎ役、そして三役の相談相手みたいなことをやってます。明日憎き小泉が小千谷に入りますが、自衛隊以外政府関係者の誰もが対策本部に詰めてません。現在政府にはサンダーバードのように災害対策のプロが一団組んで地元と共同作業するシステムがないようです。今日の収穫は本棚倒れ部屋中本、資料で埋まっていた私の部屋にあったパソコンのデーターが大丈夫でした。今日も外の自転車小屋で寝ます。明日は電気がつきそうです。一歩前進!
by kura0412 | 2004-10-26 00:58 | 中越 | Comments(3)

小千谷地震震源地より

家族の無事を確認して、診療室を覗いて市役所の対策本部に詰めていました。余震もいくらか落ち着き始めています。しかしライフラインの復旧にはまだ時間がかかりそうです。二週間位は診療は無理だと思います。今日は車庫の中で休みます。部落の中には壊滅的な所もあるようです。もし診療所にいたら大怪我してたか死んでいました。命あればまだ大丈夫です。
by kura0412 | 2004-10-24 22:54 | 中越 | Comments(0)

被災地小千谷から

昨日名古屋で東海信越役員協議会に出席して今朝飛行機で新潟経由で何とか小千谷に帰ってきました。まだ余震が続いています。診療室の中はぐちゃぐちゃでした。あまり先のこと考えず一歩先だけを考えます。プラス思考でやります。
by kura0412 | 2004-10-24 18:36 | 中越 | Comments(0)

『日歯連事件の反省はみえない』

[日歯連事件の反省みえない」小さな扱いながら、今日の新聞の見出しに一瞬ドキッとしました。内容は、日歯連盟側の反省ではなく、貰った自民党側に反省が見えないことをいっています。
確かに、歯科医師側が真摯な対応し、実際その実害も受けているにも係わらず、予算委員会での小泉首相の答弁には、まるで人事のように、、反省している様子は全く感じませんし、この問題に対して不誠実に見えます。
逆に考えると、自民党の政治家にとっては、この種のやり取りは日常茶飯事で、橋本派がその取り扱い処理を誤っただけという程度の認識なのかもしれません。やった方はただ取りさせられて悪者、貰った方は、うそぶいて煙に巻く。所詮、われわれとは、次元の違う感覚なのでしょうか?国会での質疑で「日歯連」という言葉が飛び出してきますが、既にその話は、われわれには別世界の話になっているのかもしれません。
by kura0412 | 2004-10-22 12:00 | 歯科 | Comments(3)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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