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『決断・増税先送り』

際立つ「1強」、火種も 決断・増税先送り(ルポ迫真)

首相の安倍晋三(61)が再び消費増税の延期に踏み切った。伊勢志摩サミット後、わずかな期間で異論を押し切った決断は「安倍1強」を際立たせた一方、今後の火種をのぞかせた。

5月28日夜、首相公邸。副総理兼財務相の麻生太郎(75)は激していた。「消費税は予定通り上げるべきだ」。安倍が首を縦に振らないと畳みかけた。「それなら当然、衆院解散をするんでしょうな。前回増税を延期した2014年は解散した。筋が通らない」。盟友の指摘に安倍は「いや、それは……」と口ごもった。
重苦しい場に自民党幹事長の谷垣禎一(71)と官房長官の菅義偉(67)が加わった。谷垣は「延期なら解散を」と麻生に加勢する。菅が「同日選は公明党が反対だ」と異を唱えると、麻生は「公明党に気を遣いすぎだ」と一喝した。
安倍の面前で、安倍の専権事項である解散権を巡って、政権中枢がやり合う異例の事態。麻生、菅とともに安倍を支えていた前経済財政・再生相の甘利明(66)が抜け、麻生と菅の対立が先鋭化したとの観測も流れた。政権にきしみをもたらしたのは、盟友にさえ耳を貸さない安倍の独走ぶりだ。

増税延期の調整は官邸のごく一部で進めた。「財務省は信用できない。言う通りに増税していたら大変なことになっていた」。こう漏らす安倍の意を受けたのは首相秘書官の今井尚哉(57)。昨年12月、古巣の経済産業省幹部らと増税延期を理由に同日選に踏み切るシナリオを描き始めた。
悩んだのは「リーマン・ショックのような重大な事態でない限り予定通り増税」としてきた安倍の言葉との整合性だ。「『嘘つき』と言われるのを相当、恐れていた」という安倍は年が明けると側近の一人に「延期するにはどうしたらいいだろう」と相談している。
その「解」になったのが世界経済の変調だ。年明けから円高・株安が進み、2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が財政出動の必要性を確認すると「米国が日本に消費増税の延期を求めている」との情報が官邸に伝わった。
5月のサミットで財政出動で合意し、延期の理由にする戦略が今井を中心に固まった。「サミット次第だ。それまでに延期の調整を始めたら国会で追及される」と首相周辺は語った。

官房長官の菅は、パイプのある公明党とその支持母体・創価学会との関係を気にしていた。学会幹部が「同日選なら自民党を応援する態勢はとれない。避けてほしい」と頼んできたからだ。
公明党は軽減税率と消費増税にこだわっていたが、同日選回避の方がはるかに重要だ。菅は増税して同日選を回避する案も模索。「増税延期なら同日選になる。2つはセット。だから増税延期はダメという考えもあった」と菅周辺は解説する。
だが4月中旬の熊本地震がセット論を崩した。与党や安倍周辺から「被災者がいるのに政権の都合で同日選なんてできない」との声が上がった。さらに自民党の参院選情勢調査で単独過半数をうかがえる結果が出た。「参院選で確実に勝つために同日選を」とのダブル論はしぼみ、官邸は与党幹部に「同日選は見送り」と伝えた。

同日選が消え、増税延期と切り離されると、菅は増税延期に動いた。
大型連休明けの5月上旬。首相官邸を財務次官の田中一穂(60)らが訪ねた。「予定通り増税するなら、増税分は全額、当面の消費刺激策に使います」。10兆円規模の経済対策を16年度2次補正予算として組む案だ。
安倍は何も答えなかったが、別途、説明を受けた菅は厳しかった。「よくわかった。今度は増税を延期する場合の経済対策を持って来てくれ」。公明党につながる菅を増税の援軍とみていた財務省は動けなくなった。
菅はこの頃、すでに学会に延期の可能性を示していた。学会には民進党と共産党の連携で「公明党は増税推進と言われる」との懸念が広がり、延期容認論が出ていた。首相周辺も一部の与党幹部に延期を伝達。5月中旬までに学会も「同日選回避なら延期はやむを得ない」と官邸に伝えた。
孤独な決断の重圧は経験者しかわからない。安倍は30日、都内で3時間、麻生と酒を酌み交わした。「俺も首相をやったから孤独なのは分かる。だからこそ何でも連絡してほしい」。こう話す麻生に安倍は「申し訳ない」と口にした。(敬称略)

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-06-02 14:42 | 政治 | Comments(0)

消費増税19年10月に 首相決断、自公受け入れへ
衆参同日選は見送り

2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを巡り、19年10月まで2年半延期する見通しとなった。安倍晋三首相の決断を主要閣僚や自民、公明両党が受け入れる方向になったためだ。公明党が導入を求めてきた軽減税率については、引き続き増税時に同時実施する。首相が自らの意向を押し切る形で増税延期を巡る問題は決着する。7月の参院選にあわせて衆院選を実施する衆参同日選は見送る。

首相は30日午前、首相官邸で自民党の高村正彦副総裁ら与党幹部にこうした方針を伝えた。同日午後には、公明党の山口那津男代表とも首相官邸で会談し、了解を求める考え。首相は6月1日の国会会期末の記者会見で正式表明したい考えで、調整を急ぐ。
首相は30日午前、首相官邸で、高村氏のほか、二階俊博総務会長や稲田朋美政調会長とも相次ぎ個別に協議した。高村氏は会談後、消費増税の2年半延期について「首相の意志はかなり固いようだ」と記者団に述べた。与党幹部も「首相の方針はもう変わらない」と語った。二階氏は記者団に「首相の考えを全面的に支持する」と述べた。
衆参同日選の見送りに関しては、二階氏が「首相の考えもそのようだ。そのように受け取った」と語った。
一方、稲田氏は首相との会談で「来年には税率1%でも上げるべきだ。増税延期なら国民に信を問うべきだ」と伝え、衆院を解散すべきだとの見解を伝えた。麻生太郎副総理・財務相や自民党の谷垣禎一幹事長も28日夜に首相と協議。両氏とも増税延期に慎重な考えを示し、衆院解散も求めた。菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で「解散は首相の専権事項だ」と強調した。
公明党は山口氏らが消費増税を予定通り実施するよう主張してきた。しかし山口氏は29日の講演で「話があればよく相談したい」と述べるにとどめた。同党関係者は30日「首相の考えにみんな従うことになるだろう」との見解を示した。
同党は増税を2年半延期した場合でも、軽減税率を同時に導入する仕組みを崩さないよう求める見通しだ。消費増税分の財源を回す予定となっている社会保障充実策の扱いも重視している。
本来なら10%への引き上げによって得られる約4兆円のうち、1兆3千億円分を充てる計画だ。低所得の年金受給者への年間6万円の給付金や、年金受給に必要な保険料納付期間を25年から10年に短縮する措置、低所得の高齢者の介護保険料の負担軽減拡大などを予定している。
公明党幹部は「充実策を予定通り実施すべきだ」と主張する。とくに介護保険料の負担軽減や待機児童の解消に向けた施策の実現を求める声が強い。
政府は増税しなくても保育園の運営費拡充を実施する方針だが、ほかの充実策をどうするかや財源確保などの課題が焦点になる。
首相は27日に閉幕した主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済が危機に陥るリスクを指摘し、その後の記者会見で、日本が率先して政策総動員で対応する考えを示した。

【日経新聞】




消費税増税延期で、果たして社会保障費の財源はどのように確保されるのでしょうか。
by kura0412 | 2016-05-30 15:12 | 政治 | Comments(0)

衆議院はまもなく解散→総選挙の公算大~前回の解散を言い当てた筆者が、そう予測する根拠

根拠その1:山口公明代表との会談の違和感
安倍晋三首相はどうやら近く衆院を解散し、夏の衆参ダブル選挙を決断したのではないか。ここ数日でそう考えざるを得ない材料がいくつか出てきた。私のコラムは通常、毎週金曜公開だが、今回は事態の急進展に合わせて特別版を公開する。
私が「やはりダブル選か」と考える根拠の一つは、5月18日に首相官邸で開かれた首相と山口那津男公明党代表との党首会談だ。会談は最初、首相と谷垣禎一自民党幹事長の2人だけで始まり、途中から山口代表と井上義久公明党幹事長が加わる形で開かれた。
山口代表は会談後、焦点の消費税増税について記者団の質問に「特に話をしていない。私の方から申し上げていないし、総理からも特になかった」と答えている。これは、あきらかにおかしい。
いま政権の最重要案件は「来年春の増税をどうするか」だ。安倍首相が慎重論に傾いているのは周知の事実であり、山口代表は推進派だ。このタイミングで両者が会っていながら、増税問題について「何も話し合わなかった」などというのは考えられない。
山口代表は参院選について「お互い協力して頑張ろうと基本精神を確認した」うえで、ダブル選については話題にもならなかったという。だが、ダブル選に反対してきた山口代表にすれば、総理に衆院を解散するのかしないのか、本心を質す絶好のチャンスではなかったか。
それを話題にもしなかったなら「私は絶好球を見逃し三振しました」と言っているようなものだ。与党である両党が選挙で協力して頑張るのは当たり前である。いまさら確認の必要もない。
山口代表の否定にもかかわらず、一部の新聞は増税問題について「首相、公明説得へ地ならし」(読売新聞)とか「増税延期を協議」(日本経済新聞)と報じている。つまり、代表は記者を意図的にごまかそうとしたのだ。なんのために?
増税問題を話し合ったとなれば、首相の頭に増税延期の選択肢があることが公然化してしまう。そうなれば当然、次に「夏はやはりダブルか」という予想が広がる。それを避けたかったからに違いない。
これが私のアラーム警報が鳴り響いた第1点だ。

根拠その2:山口県人会の不可思議
それから2点目。20日午後になって「6月11日に大阪で開かれる山口県人会に同県出身の衆院議員が急きょ、そろって参加する」という情報が飛び込んできた。
県人会の幹事によると、当初欠席のはずだった高村正彦、河村建夫、岸信夫各衆院議員の事務所から20日朝、相次いで「代理を出したい。いまから参加できるか」と連絡がきたという。
高村氏は山口1区、河村氏は同3区、岸氏は同2区の衆院議員である。高村氏は自民党副総裁として先の安全保障関連法を成立に導いた立役者の1人であり、岸氏は安倍首相の実弟だ。山口県は言うまでもなく安倍首相(山口4区)のお膝元である。
幹事は「岸氏は本人が出席する可能性もあるようだ。県人会には地元の市長たちも大勢来る。やはり選挙ではないかとピンときた」と私に語った。別の山口県関係者も「大阪の県人会には選挙がなければ代理も出ないことが多かった。代理を出すと言ってきたのは、ずばりダブル選だからだろう」と語っている。
もう一つ。私は最近、ある政権幹部と会食した。そのとき幹部が突然「前回は長谷川さんにやられちゃったからなあ」と前後の脈絡もなくポツリと私に漏らしたのだ。
これには少し説明が必要だろう。
私は前回2014年11月の衆院解散予想を的中させている。菅義偉官房長官の記者会見から「増税を先送りして解散総選挙」と読んだのだ(経緯はこちら、http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/41078)。幹部はそれを覚えていて話を持ちだしたのだが、私には違和感が残った。
なぜかといえば、私が前回の解散を当てたのは、私と幹部の間で何度も笑って振り返った「終わった話」であり、いまさらあえて持ち出す必然性はなかったからだ。加えて、幹部は「いま闘志がわいているんですよ」とも言った。

私は「熊本の状況はどうか」と繰り返し幹部に質問した。そのたびに幹部は「熊本は大丈夫、落ち着いてくる」と答えた。私は「熊本が落ち着いてくるとなれば、ダブル選が蘇ってくる」と言ったが、返事はまったく期待していなかった。彼がそんな話に答えられるわけがないからだ。
そう言いながら、私は内心「それでもダブルは無理だろう」と思っていた。だが、公明党の山口代表が安倍首相と会談した後、記者団に見え透いた嘘をついて、山口県出身の衆院議員たちがそわそわし始めたとなると、話は違う。

ここへきて安倍政権は重要課題に次々と結論を出している。
一億総活躍プランや成長戦略の素案、さらに規制改革会議の答申もまとまった。1票の格差是正を図る衆院選挙制度改革関連法は20日に成立した。重要案件に区切りを付けて、あとは選挙を戦うだけの体制を着々と整えつつある。
私は昨年7月以来、消費税増税先送りでダブル選という見通しを示してきたが、熊本地震を受けて4月22日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/48508)では「ダブル選は難しくなった」という見方に軌道修正したばかりだ。
最近のテレビやラジオ番組でもそう喋っている。だが、ここでもう一度、軌道修正する。やはり政局はダブル選に向かって動いているのではないか。

【長谷川幸洋:ニュースの深層】




サミットも無事終わり、オバマ大統領の広島訪問も実現し、定数是正法案も成立しました。そして参議院地方区の野党共闘の混乱を狙うなら解散はアリです。
心配される熊本地震の影響は、参議院選挙は必ずやるわけですから問題もありません。
by kura0412 | 2016-05-23 17:35 | 政治 | Comments(0)

日本人だけが知らない伊勢志摩サミット「本当のテーマ」〜焦点は財政問題でも南シナ海でもない!
話題の中心は間違いなく「あの男」

財政問題でも南シナ海でもなく
来週に迫った伊勢志摩サミットの焦点は何か。財政問題? 中国が我が物顔でふるまう南シナ海? それともクリミア半島? 会議の参加者にとっては、そのどれでもない。首脳や官僚たちの話題をさらうのは「トランプ大統領の可能性」だ。
まず確認しておこう。サミットの議題とその結論は会議が開かれる前に、実はほぼ決着がついている。シェルパと呼ばれる首脳の個人代表たちが月に一度くらいのペースで会って、中身を詰めているのだ。
その過程で問題があれば、シェルパがそれぞれの国に持ち帰って譲れない論点と妥協点を絞り込む。そうやって落とし所を探り、開幕直前には合意の結論が見える状態にまでもっていく。
首脳たちが本番で何をするかといえば、シェルパたちが議論し合った論点を確認したうえで、最後のペンディング部分を固めるだけだ。会議の時間は実質、数時間程度である。そんな短い時間で世界のあらゆる出来事を語り合い合意に至るためには、こうした作業方式でなければまとまらない。かつここが重要なのだが、メディアにも見栄えする結論にはならない。
メディアが「財政出動で意見が一致するか」などと書いていても、知らないのはメディアだけで、実は結論と文書の書きぶりはほぼ決着が着いているはずだ。たとえば、ドイツや英国は財政出動に慎重だが、だからといって全体をぶち壊すようなマネはしないだろう。
開催国は持ち回りだ。今回、安倍晋三首相のメンツを丸つぶれにするような事態を引き起こせば、自分のところに議長が回ってきたときに揉めるのは目に見えている。「シェルパは何をしてたんだ!」という話にもなる。

日本が遅れているところ
そもそもサミットを大騒ぎしているのは日本だけ、という事情もある。欧米の首脳たちはG7サミットにかぎらず、実はしょっちゅう顔を合わせている。
たとえば今回、日本のメディアは安倍首相の欧州歴訪をサミットの下準備として大きく報じたが、オバマ大統領だって4月に欧州を歴訪し、キャメロン英首相やメルケル独首相らと会談している。単独会談だけでなく、国際会議などで複数の首脳が顔をそろえる機会も多い。
1990年代に私が新聞のブリュッセル特派員をしていたころ、欧州ではそれこそ毎月のように「サミット」という単語が新聞の見出しになっていた。欧米の首脳同士は電話会談も含めれば、月に数回は会談しているのだ。
だから伊勢志摩に首脳たちがやってきても、オバマやキャメロンにすれば「それじゃ先月の続きをやろうか」というノリなのだ。日本は残念ながら、まだこういうレベルに達していない。
なぜかといえば、国会事情があるからだ。安倍政権になってかなり改善されたが、なかなか首相が気軽に欧米に行けなかった。いきおい海外に行けるのは5月の連休期間中とか秋の国連シーズンくらいに限られてしまう。加えて、日本の新聞は基本的に日本を軸にして世界を眺めているから「首脳たちがそろって日本に来る」というと大騒ぎになる。
以上を踏まえたうえで本論に戻せば、サミットで本当に大事なのは、どうなるかわからない問題、まだ議論の形も結論も見えていない問題について、首脳たちがどう考えているのか、互いの腹を探るときである。それにはコーヒーブレイクやメディアにオープンにしない立ち話、食事会などが絶好の機会になる。それは官僚たちにとっても同じことだ。
今回でいえば、その焦点は間違いなく「トランプ問題」である。11月の大統領選結果そのものは予測しがたいが、それでもトランプ陣営の実態や力量を探る絶好の機会になる。
各国首脳はもちろん随行の官僚たちもそれぞれのレベルで米代表団に「トランプ陣営はだれが仕切っているのか」など質問を浴びせまくるだろう。もしもトランプが大統領になれば、世界は激変する。もしかすると来年のサミットさえどうなるか、予想もつかない。「中国を加えよう」と言い出すかもしれない。

世界で高まる「自国優先主義」
私は先週のコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/48651)で「トランプ氏は日本にとって最大のリスク要因になった」と書いたが、トランプ問題は日本だけでなくサミット参加国を揺るがす猛烈な破壊力を持っている。
トランプ氏が日本やドイツ、韓国に対して米軍駐留経費の大幅負担増を要求し、応じなければ日韓の核武装を容認する立場を表明しているのはよく知られている。さらに環太平洋連携協定(TPP)に反対し、日本や中国の輸出品に高関税を課すこともほのめかしている。
「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げるトランプ氏が米大統領になれば、アジア太平洋のみならず世界の平和と繁栄を目指す枠組みを揺るがす。
現状を「トランプ」という変人が突然変異で出現した特異現象とみるのも正しくない。むしろ現れるべくして現れた世界の潮流とみるべきだ。
国際法を無視したロシアや中国の無法行為、それに刺激されたイスラム国のようなテロリストに対して「強い米国の復活」というキャッチフレーズと核心を突いた(!?)暴言の数々で米国民の気持ちをとらえた。
トランプ氏は「自分たちがしっかり城を築いて、強いアメリカを取り戻そう」と言っている。その姿勢は極右の国民戦線が躍進しているフランスや、欧州連合(EU)離脱論が勢いを増している英国にも通じている。
世界から一歩、身を引いた「自国優先主義」は世界的に強まっているのだ。この潮流は伊勢志摩サミットの議論にも影を落とすだろう。

「ところで、トランプは勝つのか?」
たとえば、南シナ海問題で各国は必ずしも一枚岩ではない。
欧州勢にとって中国は軍事的脅威でないから、経済交流で利益が得られるなら中国に甘い顔も見せる。実際、欧州勢は中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した。
半面、欧州勢はロシアを警戒している。陸続きの欧州にとってクリミア侵攻は対岸の火事ではない。逆に、日本はロシアと敵対したくない。中国とガチンコ対決しているのに、ロシアとも対立するのは戦略的に悪夢だ。
日本はロシアと北方領土問題を抱えている。奪われた領土を返してもらいたい相手とケンカをする必要はない。日本にとってクリミアは対岸の火事なのだ。
サミット参加国が自由と民主主義、人権、法の支配、市場経済という理念と制度を共有していても、各国が国益優先なのはいまに始まった話ではない。だが無法がはびこった結果、自国優先主義が一段と強まっている。G7といえども合意形成は難しくなった。
トランプ氏はそんな時代の申し子である。だから焦点はトランプなのだ。オバマ大統領は広島で「核なき世界」を訴えるだろう。それは人類の夢であり、美しい。
だが広島でスポットライトが光る前、首脳たちは伊勢志摩でオバマの顔をじっと見て尋ねているに違いない。「ところで、トランプは勝つのか?」。このやり取りを報じるメディアこそが報道合戦の勝者だ。

【長谷川幸洋:ニュースの深層】
by kura0412 | 2016-05-20 15:00 | 政治 | Comments(0)

影響力確保へ集票競う TPPなど懸念材料も 「潮流2016参院選 団体を追う」農業団体・郵政・医師会・遺族会

自民党が2012年12月に政権を奪還して以降、業界団体は同党支持に回帰した。政権への影響力確保を狙い、参院選では自民党の比例代表で各団体の組織内候補が集票を競う。ただ環太平洋連携協定(TPP)や、安倍晋三首相が進める「岩盤規制改革」に対する反発など懸念材料を抱える団体は少なくない。会員の高齢化などで弱体化が止まらない組織もある。

JAグループの政治団体である全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)。前回13年参院選で自民党の比例代表から立候補した組織内候補は34万票近くを獲得し、上位当選を果たした。党の有力支持団体の一つだが、地方組織で異変が起きている。
「TPPは農家が一番被害を受ける。農協は何も行動しないのか」。3月29日、東京都内で開かれたJA全農臨時総代会。JA秋田しんせいの組合長が迫り、JA全農の中野吉実会長が「非常に重要な問題だ。意思を結集できるよう頑張りたい」と応じる一幕があった。
秋田県は、TPPを成長戦略の柱と位置付ける安倍政権の要、菅義偉官房長官の出身地。菅氏は「守りから攻めの農業に転換したい」と語るが、JA秋田中央会はTPPが発効されれば、県の農業生産額が最大287億円落ち込むとの試算を公表した。地元の農業関係者らの不安は根強い。
秋田県農政連は参院選秋田選挙区に自主投票で臨む方針を決定。「農協改革やTPPに大半の支部が反発したためだ」と説明する。近隣の宮城も同様の方針で、山形は選挙対応を決めていない。関係者は「農家に寄り添ってくれる候補かどうか見極める」と解説する。

日本医師会の政治団体である日本医師連盟(日医連)は、財政再建策の一つとして政府内で強まる医療費への削減圧力を警戒する。両組織のトップを兼ねる横倉義武氏は1月の日医連会合で、16年度の診療報酬改定を巡り全体の改定率が引き下げられる中で医師への報酬増を勝ち取ったとした上で「政府、与党にご理解いただいた結果だ」と強調した。
日医連幹部は「今後も政権と対話していく必要がある。まずは参院選でわれわれがどれだけ力を示せるかだ」と話す。票を背景に、政権に圧力をかける戦略だ。

分厚い「郵政票」を抱える全国郵便局長会(全特)。組織内候補が体調を崩し、候補を差し替えるハプニングに見舞われた。幹部は「末端組織まで浸透できるか時間との闘いだ」と焦りを隠さない。
日本遺族会は会員の高齢化が進んでおり、自民党内には「候補を立てて支援するのは今回が最後になるのではないか」(閣僚経験者)との見方が出ている。

【共同通信】
by kura0412 | 2016-05-17 08:59 | 政治 | Comments(0)

震災で「ダブル選断念」なら、消費増税延期の是非は参院選で問えばいい

2次災害を防げなかった
熊本地震の余震が続く中、安倍晋三首相が「夏の衆参ダブル選挙を断念した」との見方が広がってきた。地震そのものによる被害だけでなく、地震関連死が11人に上ると報じられる中、私もダブル選は難しくなった、とみる。
産経新聞が4月20日朝刊の1面トップで「首相、同日選見送りへ」と報じたのを皮切りに、21日の朝刊各紙はダブル選が難しくなった状況を伝えている。
正直に言うが、私はつい最近まで「地震があっても首相はダブル選に踏み切るだろう」とみていた。だが、19日に見方を変えた。理由は「エコノミークラス症候群で女性1人が死亡した」というニュースである。
地震で家が崩壊したり、土砂崩れに遭って死者が出るのと、エコノミークラス症候群で死者が出るのとでは、意味合いがまったく違う。前者は天変地異であり、避けようにも避けられない不可抗力だ。だが、後者は万全の対策があれば防げたかもしれない「2次災害」である。
2次災害を防げなかったのは、政府を始め行政の被災者対策が十分でなかったからだ。たしかに安倍政権は地震後、救命、救出、救援活動に全力を挙げてきた。活動はそれなりに成果を上げつつあったが、それでも万全ではなかった。そこは認めなければならない。
熊本では商業施設や展示場の駐車場、自宅周辺などで車中泊が広がり、数千人以上の人々が毎晩、車内で夜を過ごしている。避難所のスペースが圧倒的に足りないからだ。避難所はプライバシーの確保や食事提供、衛生管理の不十分さなども指摘されている。
報道によれば、医療の専門家がエコノミークラス症候群の広がりは「経験したことのない極めて異常な状況」と言っている。そうであれば救援態勢の不十分さも相まって、車中泊がもたらす障害が相当なスピードで拡大しているとみて間違いない。さらなる悲劇が起きる可能性もある。事態は長期戦になっている。
そんな状況で、安倍首相がダブル選を決断して支持を訴えられるだろうか。首相が遊説でマイクを握れば、有権者からは「こんなところで演説してないで、熊本を助けて」と言い返されてもおかしくない。

「増税延期」はどうするのか
ダブル選をすれば、衆院議員と参院議員の半数が失職し長期間にわたって政治空白が避けられなくなる。ここはダブル選をあきらめて、被災者対策に全力を挙げる。そういう判断は適切だと思う。それでもダブル選の可能性があるとすれば、被災者の状況が劇的に改善することが条件になるが、最終決断まで実質1ヵ月しかなく、それも難しい。
そもそも私がダブル選は不可欠と主張してきたのは、前回コラムにも書いたように、増税を先送りすべきであるからだ。首相が「次は必ず増税」と訴えてきた以上、再び先送りするなら解散総選挙であらためて国民の意思を確認する必要がある。
だが、地震を受けて増税を先送りするなら、多くの国民は納得するだろう。あえて総選挙に打って出る意味は薄れる。東日本大震災では復旧復興の名の下に増税したが、とんでもない誤りだった。本来なら復興予算は長期の借金で賄うべきだったのだ。
安倍政権は増税をどうするのか。
結論を言えば、2017年4月からの10%への引き上げはますます難しくなった。
安倍首相は「リーマン・ショック級の事態が起きないかぎり増税する」と述べてきたが、世界経済の不透明さに加えて、今回の大地震はまさしく異常事態である。

参院選を「意思表示」の場にすればいい
企業活動で言えば、トヨタ自動車が典型だ。サプライチェーンが全国に広がっているため熊本周辺に限らず、全国の工場が操業停止に追い込まれた。地震が景気を下押すのは、もはや避けられない。
5月18日に発表される2016年1〜3月期の国内総生産(GDP)には、4月に起きた地震の影響が織り込まれないが、それでもマイナス成長との見方が強まっている。そうだとすれば、4月以降はますます落ち込んで、当面の景気回復はまず期待できない。
これでは、とても増税を決断できないだろう。
増税を延期すれば、野党は「アベノミクスの失敗」と批判するに違いない。だが、中国のバブル崩壊に原油安、それに地震がもたらす悪影響をすべて一絡げにして「アベノミクスの失敗」と切って捨てるのは無理がある。
国民はそれほどバカではない。逆に、野党のピンぼけぶりと無能さが鮮明になるだけだ。
「地震で被災者が苦しい生活を強いられ、景気も悪化する。そのうえ国民に増税の負担を強いることはできない」と説明すれば、総選挙をしなくても、国民は了解してくれるはずだ。国民の意思表明という点では参院選がある。

参院選の延期は不可能だからこそ
ダブル選だけでなく、いっそ7月の参院選も延期したらどうか、という声もある。ちなみに、2011年3月の東日本大震災では直後に統一地方選があったが、臨時特例法を作って一部被災地の地方選を延期した。
だから今回、同じように特例法を作って7月の参院選を延期できるかといえば、それはできない。
東日本大震災の後、当時の自民党衆院議員が野田佳彦内閣に「緊急事態で議員の任期を延長できるか」という質問主意書を提出した。
それに対して、野田内閣は「憲法45条で衆院議員の任期は4年、46条で参院議員の任期は6年と決まっており、臨時特例法のような法律を制定して国会議員の任期を延長することはできない」という趣旨の答弁書を衆院議長に送っている。
安倍内閣が野田内閣の見解を踏襲するとすれば、今回の参院選は予定通り、実施される。ということは、消費増税先送りに対する国民の意思は参院選で示される形になる。

【長谷川幸洋:ニュースの深層】



これで衆議院解散権は、完全に安倍首相に握られました・
by kura0412 | 2016-04-22 10:22 | 政治 | Comments(0)

「補欠選挙に敗北しても、ダブル選実施はほぼ確実」その根拠を示そう
総理の「決断」を支えるものは何か

「勝つか負けるか」でしか考えていないから
衆院北海道5区と京都3区の補欠選挙が夏の参院選の前哨戦として注目を集めている。とりわけ、与野党激突の構図になった北海道5区について「与党候補が負ければ、安倍晋三首相は衆参ダブル選を回避するのではないか」という観測がある。本当にそうか。
たとえば、日本経済新聞は4月13日朝刊で「解散戦略にも影響」という見出しの記事で、敗北の場合は「衆院選を行えば大幅に現有議席を減らす可能性がある」として「同日選見送り?」というシナリオを図解入りで解説した。
朝日新聞も同日朝刊で「ダブル選判断に影響も」という見出しで「補選の結果次第で衆参ダブルどころではなくなる」という自民党幹部の声を紹介し、与党が負けた場合はダブル選をあきらめる可能性を指摘した。
読売新聞も同日朝刊に掲載した「勝敗次第? 割れる見方」という記事で、与党が敗れた場合について「野党がさらに勢いづけば、衆参とも与党が過半数割れし、政権を失うリスクもある」と書いている。
テレビの解説も似たり寄ったりだ。ようするに補選に勝てば、勢いに乗ってダブル選に雪崩れ込む可能性が高くなるが、負けた場合は「ダブル選回避の可能性が出てくる」という見方である。

こういう解説は一見、もっともらしい。だが、いかにも皮相だ。多くのマスコミは選挙を「勝つか負けるか」でしか考えていない。だから、勝てそうだとなれば勝負に出るが、逆に情勢不利と見れば、勝負を避けるだろう。そういう見方に陥っている。
もちろん勝敗は重要だ。だが、それ以上に重要なのは、安倍首相はなぜ解散・総選挙に訴えるのか、という視点ではないか。私は北海道5区の補選結果がどうあれ、首相は夏に衆参ダブル選に打って出るとみる。なぜか、あらためて理由を示そう。
それはこれまで何度も書いてきたように、安倍政権が消費税の再増税を先送りするのは確実とみるからだ。

総理を支えているものはなにか
安倍首相は前回2014年11月の解散・総選挙に際して「リーマンショック級の事態が起きないかぎり、次は必ず増税する」と約束した。中国のバブル崩壊に端を発した世界経済の不調は、まさしくリーマン・ショックを上回るかもしれない事態である。だから、増税先送りの判断は正しい。
そうであったとしても、首相が「次は増税断行」と繰り返し示唆してきたからには、再び先送りする以上、それで良いかどうか、再び国民の声を聞く。それは政治的に不可欠な手続きである。
つまり消費増税を先送りするからこそ、ダブル選に打って出るのだ。その判断で補選の結果はまったく関係ない。補選で負けたら増税先送りをあきらめるのか。そんなはずもない。
国民生活に大きな影響を与える重要な局面では、選挙によって直接、国民の声を聞く。それは民主主義の大事な手続きだ。この仕組みこそが政権の正統性を支えている。
政権はときに人の命を預かる場合もある。
だから、どういう判断をするにせよ「この決断の背後には、必ず後押ししてくれる国民がいる」という確信がなければ、一つ一つ決断していくのは難しい。
それでなくても首相や官房長官が普段、相手にしているのは、理屈を喋らせたらだれにも負けないトップエリートの官僚たちだ。彼らの達者な弁論を押しのけて決断する自分を支えるのは、背中の後ろには国民がついているという確信だけと言ってもいい。
「国民の意思を背負っている」という感覚を普段から身につけていなければ、とてもじゃないが、政権運営などできないのだ。孤独な権力者ならではの、そんな感性がどうも政治記者にはよく伝わっていないのではないか。

政治家のほうがよほど感性を研ぎ澄ましている
同じ政治的感性は逆説的だが、民進党の岡田克也代表が「増税を延期するなら内閣総辞職すべきだ」という主張にも表れている。岡田代表は「国民に対する約束を裏切るなら、政権を担う資格がない」と言っているのだ。
岡田代表は野党党首だから内閣総辞職を求めているが、安倍首相は政権与党の党首だから内閣総辞職でなく、衆院解散で国民の意思を問う選択をするだろう。両者の主張と判断は大きく異なっているように見えて、実は政権の正統性問題を真正面から問い(岡田代表)、答えよう(安倍首相)としている点では同じなのだ。
単に勝ち負けでしか選挙を見ようとしない皮相なマスコミは残念ながら、政治のもっとも肝心な部分が分からない。国民と政権の原理的関係について、政治家のほうがよほど感性を研ぎ澄ましている。
補選で勝てば与党が勢いづくのは間違いない。だが、負けたところで所詮、北海道5区の話にすぎない。もしも北海道5区で負けたとして、ダブル選を避ける判断をしたとしたら、安倍政権は次のような批判にさらされるだろう。
「安倍政権は北海道5区の敗北に震え上がって、大勝負できなくなってしまった」
「国民の審判は下った。『安倍政権NO!』ということだ」
「増税先送りも所詮、小手先の人気取りにすぎなかったのさ」などなど。
一方、野党は勝利に舞い上がって「一発かませばブルってしまうお子様政権さ」「この勢いで参院選でも安倍政権に鉄槌を下そう」くらいは言うだろう。こういう批判を安倍政権は甘受するだろうか。私には、とてもそう思えない。
ファイティング・スピリット旺盛な安倍首相の性格からみて、むしろ逆に「よし、それなら国民全体の声を聞いてみよう」と思うのではないか。

決断の環境は整った
東京の有権者である私からみれば、北海道5区の補選結果をもって「国民の審判は下った」という評価も受け入れがたい。補選結果を尊重するのはもちろんだが、だからといって、それが国民全体を代表していると受け取るのは行き過ぎだ。
問題の出発点である増税先送りについてはどうか。景気はいよいよ怪しくなってきた。
たとえば最近発表された2月の機械受注統計では「船舶・電力を除く民需」の受注額が前月に比べて9.2%減になった。
マイナス1.1%成長となった昨年10〜12月期の国内総生産(GDP)2次速報(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf)で、かろうじてプラスの伸びを維持していたのは設備投資だった。それを考えれば、設備投資の先行指標となる機械受注が大幅マイナスに落ち込んだのは、続く16年1〜3月期もマイナスになる可能性を示している。

一方、首相官邸で開かれた4月13日の国際金融経済分析会合では、経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長が安倍首相に「将来、消費税は15%にまで上げるべきだ」と提言した。国際通貨基金(IMF)も13日に公表した報告書で増税を求めた。これは意外でもなんでもない。OECDやIMFは財務省の影響が強いからだ。
IMF副専務理事や理事の椅子は財務省官僚の指定席だ。また現在のOECD事務次長も財務省の元財務官経験者である。財務省がNo.2のポストを握っていて、事務総長が安倍首相に増税先送り論でも述べようものなら、大失態もいいところだ。安倍首相も当然、それは織り込み済みである。
一応「増税賛成派のご意見も伺いましたよ」という首相のアリバイ作りとみていい。今週末にはワシントンで20カ国・地域(G20)財務相・中郷銀行総裁会議が開かれる。G20は前回同様、各国に財政政策による景気刺激策を促すだろう。
かくて安倍首相にとって決断の環境はいよいよ整ってきた。

【長谷川幸洋・ニュースの深層】




果たして安倍首相の心中は・・・
by kura0412 | 2016-04-15 17:23 | 政治 | Comments(0)

社会保障「全世代型」に 自民小委、中長期ビジョン中間報告

自民党の小泉進次郎氏や若手らで中長期の社会保障制度を議論する「2020年以降の経済財政構想小委員会」は13日、中間報告をまとめた。高齢者に偏った社会保障のしくみを改め、若年層にも配慮した「全世代型」に転換するよう要求。財源は「年齢ではなく所得や資産などに応じた給付・負担」で確保するとした。負担増などの具体策は結論を先送りし、年末までに決める。

同小委は財政再建に関する特命委員会(委員長・稲田朋美政調会長)の傘下に置かれ、橘慶一郎氏が委員長を務める。事務局長の小泉氏が主導し、30~40歳代の若手議員が中心だ。
中間報告は受験、新卒入社、終身雇用、定年などのこれまで平均的とされてきた生き方を「レール」と名付けた。「政治がレールをぶっ壊していく」とし、多様な生き方ができるように65歳以上としている高齢者の定義見直しなどをあげた。
社会保障制度は「給付と負担が均衡しておらず、多くの部分を将来世代に先送りしている」と指摘。現行制度が続けば「世代間格差が拡大する恐れもある」としている。
全世代型への転換策として国民の資産や所得をきめ細かく把握して「真に支援が必要な高齢者に給付を行う仕組みとする必要がある」とした。
17年4月に予定している消費税率10%への引き上げの可否や、年金支給年齢の引き上げなどの具体的な施策には踏み込まなかった。小泉氏は記者会見で「基本的な認識をつくり共有した。各論はこれからだ」と述べた。
政府・与党内には「7月の参院選などを控えて、高齢者の負担増や給付減を打ち出せば反発を招くのを懸念したのでは」との声がある。年末に向けて具体的な財源確保策なども焦点となる。

【日経新聞】




小泉進次郎議員が主導というのが現実帯びた報告になるかもしれません。
by kura0412 | 2016-04-14 15:30 | 政治 | Comments(0)

衆参W選挙が微妙に

自民党に逆風、雲行きが怪しくなってきた衆参同日選
野党は今こそ大胆な経済対策を提示せよ

円高と株価下落でアベノミクス正念場、政策失敗指摘する声
4月10日付日経新聞の大石格編集委員のコラム「風見鶏」がなかなか面白かった。「衆参同日選、「寸止め」という選択肢」というタイトルで、次のような内容だった。

「同日選回避もあり得る」と日経コラム
1983年は、12年に一度の統一地方選挙と参院選挙が重なる年であった。当時、中曽根政権だったが、統一地方選挙の後は地方議員の動きが鈍り、自民党は参院選でいつも苦戦していたそうだ。しかも、この年の秋には、有罪が確実視されていたロッキード事件で田中角栄元首相への一審判決が予定されていた。この2つの難題をクリアするには、衆参同日選挙しかなかった。事実、82年秋には、自民党最大派閥のオーナーである田中角栄から中曽根首相に「6月にダブル選挙をせよ」と厳命されていたという。
だが中曽根首相は、83年4月に早々と「解散見送り」を表明、「野党も含めて政界は耳を疑った」そうである。事実、田中有罪判決後の衆院挙では、自民党は単独過半数を6議席下回り、新自由クラブとの連立でかろうじて政権を維持することができた。
中曽根首相は、なぜ田中角栄の厳命を無視してまで同日選を見送ったのか。
当時、田中角栄は、数の力によって自民党を支配し、「闇将軍」とまで呼ばれていた。この影響力を排除するために、あえて同日選をやらなかったというのだ。選挙後、幹事長は田中派野二階堂進氏から、鈴木派の田中六助氏に交代させている。田中派も竹下登氏らによる代替わりのクーデターが起こっている。この結果、田中角栄氏は影響力を急速に失い、中曽根氏は長期政権への道を開いたというのだ。

コラムは、中曽根氏のこの動きを現在の安倍首相にあてはめる。多くの政治評論家や自民党幹部は、盛んに同日選の可能性が高いことを喧伝している。同日選をやれば、参議院でも与党が3分の2以上を確保する可能性は高い。そうすれば憲法改正が現実的な日程に上ってくる。保守派からの改憲論も一気に高まるであろう。
だが、憲法改正には依然として国民の反対が多い。もし国民投票で改正案が否決されれば、首相の退陣は避けがたい。それだけではなく、憲法改正そのものも大きく遠のくことになるだろう。
しかし3分の2以上に達しなければ、改憲を目指す保守派との摩擦も起きない。安倍首相が長期政権を目論むなら、「寸止め」にするために同日選を回避することもあり得るのではないか、というのが大石編集委員の見立てである。

同日選は本当に自民党に有利なのか
実はこのコラムは、衆参同日選挙、消費税増税の先送りをやれば、自民党など与党は参院でも確実に3分の2以上を確保できるという前提に立っている。
だが果たして本当にそうなのだろうか。確かに参院選では、民進党が議席を減らす可能性は高い。それでも3分の2以上を確保することは簡単ではない。

衆院はどうなのだろうか。民主党の野田政権のもとでの2012年の衆院選挙では、民主党政権の大失政もあり、自民党は294議席を確保し、政権を取り戻した。だが2年前の衆院選挙では、安倍首相が「アベノミクス解散」と命名し、消費税の再増税延期を打ち出したが、291議席にとどまっている。この議席数というのは、自民党にとって伸びきった議席数でもあるのだ。
この間、自民党はスキャンダルや失言が相次いでいる。なかでも甘利明前経済財政・再生相を巡る金銭授受問題では、東京地検特捜部が強制捜査に乗り出したことで新たな局面を迎えている。4月24日に投票が行われる北海道5区補選で自民党候補が負けるようなことがあれば、同日選への動きは一気に冷え込んでいくだろう。
現在、国会ではTPPの審議が行われているが、真っ黒に塗りつぶされた交渉経過に関する資料では、野党は到底納得するまい。確かに、国と国との交渉事をすべて明らかにすることができないことは理解できる。だが真っ黒な資料では誰も納得できない。こんな資料なら出さない方がまだましというものだ。
景気動向も内憂外患である。ここにきて円高が急速に進み、株価の下落や企業収益への圧迫など、不安感が増している。中国経済も依然として低迷が続いている。

こんな状況下で同日選など、そもそも行える状況にはない、というのがごく普通の見方なのではないだろうか。
同日選は、参議院での自民党など与党勢力の3分の2以上の議席確保を困難にするだけではなく、衆議院での3分の2以上を失う危険性も秘めているのである。

野党こそ思い切った経済対策の提示を
こんな経済状況のもとで野党からこれといった対案が示されないのは、いかにも残念である。
現在の景気の低迷の最大の要因は、需要不足である。GDPの6割を占める個人消費が低迷し、企業の設備投資も低迷している現状では、財政出動が不可欠であろう。政府も公共事業を中心とする予算12.1兆円について、前倒しにするよう指示した。今年度上半期(2016年4月~9月末)に8割程度の10兆円規模を契約済みにすることが目標である。国が支出するお金が例年より早く建設業者など民間企業に行き渡るようにすることで、景気をてこ入れすることが狙いである。
だが野党からは、思い切った経済政策についての提案がない。消費税増税先送りの議論でも、民進党から出てくるのは「アベノミクスの失敗だ」という議論ばかりである。
では民進党は、今の経済情勢の下で消費税再増税を強行しろと言うのか、それとも止めろと言うのか、肝心なことが語られていない。
共産党などは、8%に引き上げられる際、これでは国民生活が破壊される、経済も失速するとして大反対したのではなかったのか。実際、日本経済は大きく落ち込んだ。であるなら主張すべきは、消費税の5%への引き下げではないのか。ところが8%に引き上げられた途端に、「再増税反対」に態度を豹変させてしまったのである。何という無責任な政党か。実質賃金が下がり続けているいま、野党は再増税反対ではなく、消費税引き下げというぐらいの大胆な提案をするぐらいでないと自民党に対抗できないのではないか。

内閣参与の飯島勲氏が『週刊文春』(4月14日号)の連載コラム「飯島勲内閣参与の激辛インテリジェンス」でこんな提案をされている。「法人税も実効税率を下げるだけじゃなく、企業があまりにもため込みすぎた内部留保金に逆に課税したらどうなの?」と。
安倍首相は、この間、再三にわたって財界に対し、内部留保金を賃上げや新たな設備投資に回すよう要請してきた。だが春闘での賃上げは、期待外れに終わった。設備投資も同様だ。だったら飯島氏も指摘するように、どこにも有効活用されなかった内部留保金を吸い上げ、景気刺激策に活用するというのは、道理のある提案である。こういう提案が野党からなされないことが情けない。
北海道新幹線が3月26日に新青森駅と新函館北斗駅間で開通した。うれしいニュースである。だが、やっと函館まで開通したに過ぎない。これではまだ「函館新幹線」だ。北海道新幹線というのであれば、最低でも札幌まで開通させなければならない。ところが予定では、2031年、つまり15年先とのことだ。トンネルの多い難工事らしいが、財政資金を集中的につぎ込んでもっと早めるべきであろう。そうすれば利用者も飛躍的に増やすことができるはずだ。景気対策にもなる。
アメリカでトランプ旋風やサンダース旋風が吹き荒れているが、これを支えているのは貧しい人々や若者である。その主張は実に分かりやすい。野党は、大いに学ぶべきである。

【JB PRESS・筆坂秀世】



私も衆参W選挙は微妙になってきたと感じています。
確かにここだ野党が実現可能な経済政策を打つ出せば、流れは一気に変わります。但し、それが出来る野党であるか・・・
by kura0412 | 2016-04-12 08:48 | 政治 | Comments(0)

マイナス金利がだめ押し?「円高・株安」でアベノミクスはもう限界

デフレは貨幣現象、金融政策で変えられる
年始からの歴史的な金融市場に翻弄され、「アベノミクス信者」に変化が現れている。中国をはじめ海外経済の減速を前に「日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は悪くない」と冷静に装ってきたが、いまだ低空飛行を続ける個人消費を目の当たりにして動揺が走っているのだ。「円安・株高→企業収益の改善→雇用・所得環境の向上→消費の回復……」という経済の好循環シナリオに狂いが生じ、首相ブレーンからもアベノミクスの「誤算」を認める声が漏れ始めている。
「今から言うと、言い訳に聞こえるかもしれないが、ここまでひどいとは思わなかった」
アベノミクスの生みの親である首相の経済政策ブレーンの1人はこう打ち明ける。そもそもアベノミクスの根幹にあったのは「デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられる」というものだ。だが、実際は理論通りにいっておらず、各種の経済指標が発表されるたびに首相官邸内は重苦しい雰囲気に包まれている。

安倍晋三政権は2013年春にリフレ派の黒田東彦氏を日銀総裁に起用し、「異次元緩和」で円安・株高を誘因。企業収益は過去最高に達し、雇用環境はバブル期以来の良好な指標が並ぶようになった。基本給を底上げするベースアップ(ベア)も相次ぎ、所得環境も改善が見られてきている。
だが、肝である個人消費の低迷は深刻で、15年10~12月期の国内総生産(GDP)は再びマイナス成長に転落した。1月の消費支出(2人以上世帯)を見ても、物価変動を除いた実質で前年同月比3.1%減と5カ月連続で前年同月を下回っており、消費の不振は鮮明だ。
その理由について、エール大名誉教授の浜田宏一内閣官房参与は14年4月の消費税増税が「思った以上に効いている」と見る。本田悦朗内閣官房参与は「消費税率の8%への引き上げは間違えていた」との立場で、アベノミクスに誤算が生じていることを率直に認めるようになった。

羅針盤を失ったアベノミクスの誤算
政府内には、人口構造の変化や消費を引っ張る中間層が弱くなったと原因を分析する声があがるが、何より社会保障制度など将来への不安感から国民に節約志向が強まっている点は否めない。首相は「信頼する経済ブレーンの計算間違いには失望も大きかった」(首相側近)とされる。通常国会では野党側から「アベノミクスはすでに破綻している」などと繰り返し追及されており、首相が答えに窮する場面も見られるようになった。
アベノミクス推進派の亀裂が意味するのは「羅針盤」の喪失だ。
本田内閣官房参与は、来年4月に予定される消費税率10%への再引き上げは凍結すべきだと主張。インフレ率が2%程度で安定し、デフレ脱却が確実になるまでの間、増税実施は不必要との持論を展開している。これに呼応したのは政権の大番頭である菅義偉官房長官で、「税率を上げて税収が上がらないようなところで、消費税を上げるということはありえない」と後押しした。
だが、麻生太郎財務相に加えて、安倍首相は税率引き上げを予定通り実施する考えを繰り返し強調している。3月2日の参院予算委員会では「リーマンショックあるいは大震災級の事態にならなければ予定通り引き上げる」と明言し、増税先送りの憶測を否定してみせた。
これまで首相はブレーンの進言を丁寧に聞き、閣内の意見調整を踏まえた上で最終決断するスタイルを重ねてきた。だが、ブレーンへの不信に加えて閣内の要だった甘利明前経済再生担当相が退場し、そのバランスは安定感を失っている。関係閣僚が有識者と世界経済の動向を分析する「国際金融経済分析会合」を新設し、政府の外からの意見をあえて採り入れるとの考えはその現れでもある。

今年夏の衆参ダブル選挙が濃厚になる中、消費税再増税の延期をその大義とするのか。それともダブル選は回避し、再増税を断行するサプライズに出るのか。羅針盤を失ったアベノミクスの限界が近づいてきている。

【PRESIDENT ONLINE】



消費税再増税延期はアベノミクスの失敗が原因だったのでしょうか。W選挙の争点となるかもしれません。
経済は上向きに陰りが見えていることは間違いありませんが、政策の失敗とはいいずら部分もあります。
by kura0412 | 2016-03-24 11:29 | 政治 | Comments(0)