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『日医連推薦の自見氏、21万票獲得し初当選』

2016参院選の医師候補、当選は10人中5人
日医連推薦の自見氏、21万票獲得し初当選

第24回参議院議員選挙の投開票が7月10日行われ、比例区で当落が注目された、日本医師連盟推薦の自民党の自見はなこ氏は21万562票を獲得して初当選を果たした。一方、おおさか維新の会から出馬した、元厚生労働大臣政務官で医師の梅村さとし氏は、政界復帰を目指したが、落選に終わった。

自見氏は「しっかりとした下働きをしていける存在になりたい」と今後の活躍を誓った。日本医師連盟会長の横倉義武氏は、長い選挙戦をねぎらい、万歳三唱の音頭を取った。もっとも、2013年の前回参院選で、日医連推薦の羽生田たかし氏(自民党)は約25万票獲得、早々に当選確実を得たのに対し、自見氏は票が伸び並んだことから、必ずしも満足の行く選挙結果とは言えず、関係者からは悔しさの言葉も聞かれた。
梅村氏は前回参院選では、民主党から大阪選挙区で出馬したものの落選。今回はおおさか維新の会に所属政党を変え、比例区から出馬したが、再び涙を飲んだ。梅村氏は「考え得ることは全てやったので、後悔はない。いい選挙戦だった」と振り返った。
比例区では、そのほか4人の医師が立候補(『医師候補は10人、参院選が公示』を参照)。公明党の二人は強く、秋野公造氏(現職)は61万2066票、熊野正士氏(新人)は60万5226票という高得票でそれぞれ当選。一方、矢作直樹氏(日本のこころを大切にする党)、渡辺良弘氏(国民怒りの声)の2人の新人は落選に終わった。
選挙区では、4人の医師が立候補。現職が強く、桜井充氏(民進党、宮城)と足立信也氏(民進党、大分)は当選。柳沢秀敏氏(無所属、東京)と玉田憲勲氏(無所属、広島)の2人の新人は落選した。

自見陣営、当確やや遅れに悔しさも
開票速報が始まった午後8時の日本医師会館には、日医幹部や職員を含む約50人が参集。固唾を飲んでNHKの開票速報を見守った。同10分ごろから比例区の当選確実者が読み上げられる中、自民党候補者第1陣の7人に自見氏の名前は入っておらず、最前列に座った日医幹部らの渋い顔が続いた。同19分ごろにテレビ朝日が当選確実を報じると、幹部らにあちこちから電話がかかってくるようになり、同22分ごろに民放数社が当選確実を報じたことで、当選を確信した。
横倉会長は「長い選挙戦、ありがとうございました」とあいさつし、一堂が万歳三唱。次いで、自見氏は「大変厳しい選挙戦を戦い、『国民の皆さまから頑張ってね』『社会保障期待しているよ』『子ども子育て支援をしっかりやってね』という声をいただいての当選だったと思う。地域の中で、私たちが、医療・介護・福祉が何よりも大切だということを、しっかりとした下働きをしていける存在になりたい」と抱負を語った。その後、首都圏を中心とした地域医師会の会長らがあいさつをした。午後9時ごろには自見氏は、横倉会長とともに自民党本部に向い、安倍晋三首相にあいさつした。
前回参院選では羽生田氏は24万9818票(投票率:52.61%)を獲得し当選。自民党の比例区で当選した18人中6番目で、医療団体では日歯連組織内候補の次いで2番目だった。日医幹部は今回の選挙戦の「前回の25万票を超えるか、医療団体で最多得票を集められるかがポイント」と話しており、NHKの第1陣当確者に名前がなかったことを悔しがった。自見氏は、比例区当選の19人中9番目の得票 数にとどまった(投票率:54.70%)。医療団体の推薦候補では一番だった。

梅村氏、午前5時すぎまで当落決まらず
一方、大阪市にある梅村氏の個人事務所には、午後8時前から、おおさか維新の会の関係者や医療関係者らが集まった。開票直後の速報では、おおさか維新の会の比例区で当選確実者が出たのは、片山虎之助氏と渡辺喜美氏の二人のみ。梅村氏には当確が出なかった時点で、事務所内は「待ち」の状態に。
おおさか維新の会は、比例区で5議席獲得できるとの予測もあったが、結果的には4議席に終わった。改選数121議席数、最後の1議席がなかなか決まらず、情勢が厳しくなった午前5時20分頃、事務所関係者が「全ての結果が出たわけではないが、大変厳しい状況」と述べ、事実上、落選を宣言した。最後の1議席は、生活の党に決まった。

【m3.com】



自見氏を推薦した府県歯科連盟もあるようです。
by kura0412 | 2016-07-12 17:37 | 政治 | Comments(0)

参院選終盤情勢

参院選、改憲勢力3分の2迫る 自民単独過半数も視野
終盤情勢

日本経済新聞社は10日投開票の参院選を前に世論調査を実施し、取材情報を加味して終盤情勢を探った。自民党は序盤の勢いを維持して50議席台後半に届き、非改選と合わせて単独過半数となる57議席をうかがう。与党で改選過半数の61を上回り70議席程度の状況。安倍政権下での憲法改正に前向きな「改憲勢力」は非改選と合わせ国会発議に必要な3分の2に迫る情勢だ。民進党は巻き返しに苦戦している。

調査は3~5日に日経リサーチが電話で実施した。公示直後の6月22~23日の序盤情勢に続き2回目。
序盤情勢の調査後、英国が欧州連合(EU)離脱を決めて円高・株安に振れ、バングラデシュでは日本人7人が死亡する襲撃事件が発生。選挙戦への影響が注目されたが、自民党が選挙区、比例代表ともに優位な状況に変わりはない。
改憲の発議は参院では定数(242)の3分の2の162議席が必要。自公と、改憲に前向きなおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の非改選は合計で84。今回の4党の獲得見込み議席を合わせると3分の2に必要な78に迫る情勢だ。日本経済新聞の取材では非改選の無所属のうち、井上義行、松沢成文、渡辺美知太郎の各氏ら3~4人は改憲に賛成で、これを加えると3分の2を超える。
自民党は、選挙戦を左右する32の1人区(改選定数1)の7割、20以上の選挙区で優位に戦いを進める。民進、共産、社民、生活の野党4党は全1人区で統一候補をたてたが、効果は限定的だ。
序盤に野党がリードしていた1人区のうち、三重、大分では自民党候補が逆転した。秋田、岐阜、岡山では野党候補をさらに引き離した。
自民党は、改選定数2~6の複数区は2人擁立した北海道、千葉、東京でいずれも1人が先行し、2議席目を狙う。比例代表は2013年の前回参院選の18に達する可能性があり、27年ぶりの単独過半数が視野に入る。公明党は改選9から大幅に上乗せし、新進党分裂から再結成後、過去最多だった01年の13議席を上回る可能性が出ている。

野党は1人区で全国的に押されている。
複数区では、野党同士が当落線上で争う構図が目立つ。定数4の神奈川では自公がともに先行し、民進党の2人と共産党、与党系無所属の4人で残り2を争う。大阪、兵庫も自民党が引き離す一方、民進党、共産党は公明党やおおさか維新と競う。
民進党は、民主党として戦った前回の17は上回るが、改選45の3分の2程度に減らす状況だ。共産党は改選3から大幅に増え、現行の選挙制度になった01年以降で最多だった前回の8を上回る可能性がある。
おおさか維新は、地盤の関西の選挙区で強みを見せる。大阪で2議席をうかがい、兵庫でも議席を争う。社民党は比例代表で1議席を得る可能性があり、生活の党、こころ、新党改革は議席獲得を目指す。
調査は全国の有権者5万9516人を対象に、3万3312人から回答を得た。回答率は56%。有権者のうち選挙区で3割、比例代表で2割が投票先を決めておらず、流動的な要素もある。

【日経新聞】




比例区における自民党獲得議席は、日経では17~19、共同通信では20±1の予想です。ちなみに自民党比例区立候補謝者は25人です。一方、民進党獲得予想は11~12となっています。
by kura0412 | 2016-07-07 16:44 | 政治 | Comments(0)

『5分でわかる英EU離脱の争点と世界経済への影響』

5分でわかる英EU離脱の争点と世界経済への影響

英国でEU(欧州連合)残留の是非を問う国民投票が23日に行われる。離脱派が勝った場合、何が起こるのか。不確実な要素が多く、今後の展開を予想するのは難しい。だが、その不確実性の高まりこそが、世界経済に混乱をもたらしかねない。(「週刊ダイヤモンド」論説委員 原 英次郎)
英国でEU(欧州連合)残留の是非を問う国民投票が、目前に迫ってきた。英国はEU加盟28ヵ国のうちGDP(国内総生産)では、ドイツに次ぐ第2位の大国である。もし離脱派が勝利したら、何が起こるのか。簡単にまとめてみよう。

いまでもEU内での特別の存在
まず、英国とEUの関係を確認しておこう。英国はEU加盟国でありながら、一定の独自性を持つことを許されている特別な存在と言える。
周知のようにEU内ではヒト・モノ・カネが自由に移動できる。EU内であれば、国境を超える時もパスポートコントロールはなく、貨物も自由に行き来できる。1999年には欧州単一通貨ユーロが導入されたため、EU域内では通貨を交換する必要はなくなり、金融政策もECB(欧州中央銀行)に統合された。
これに対して、英国は単一通貨ユーロには参加していない。また人の移動の自由を保証した「シェンゲン協定」にも入っていないため、パスポートによる出入国者のコントロールはできる。もっとも、EU加盟国の国民であれば、簡単に入国できる。
EU全体のGDPに占める英国のシェアは17%、当然ながら貿易関係も深い。英国の輸出に占めるEUのシェアは2015年で5割弱に達する。反対にEU諸国の輸出に占める英国のシェアは10%前後である(図表1)。一見すると高くないように見えるが、1国向けとしてはドイツ向けと並んで高いシェアを占める。ちなみにドイツの輸出では、米国向けと英国向けのシェアが高い。
もう一つの特徴はロンドンのシティが世界の、そしてEUの金融センターの役割を果たしていること。中近東のオイルマネーのみならず、ロシア、中国からの資金もシティに集まり、世界そしてEUに再投資されていく。日本を始め、EUの名だたる金融機関がシティに拠点を置いている。国境を越える融資では約20%弱、外国為替取引では40%と、世界1のシェアを誇っている。
そもそもシティは世界の金融センターとしての長い歴史を持っている。世界の共通言語である英語圏であることに加えて、金融業に従事する人材の厚みがある。さらにEU加盟国であるため、英国で金融業の免許を取ると、他のEU諸国でも活動できる単一免許制度の恩恵が大きかった。

焦点は移民、拠出金負担、国家主権
日本在住で現在、英国リーズ大学大学院で学ぶポール・クレイグ氏によれば、EU離脱派と残留派の対立点は、三つにまとめられる。
もっとも大きな争点が移民問題。
「英国の低所得層の人々は、英国人より低賃金でも喜んで働く東欧諸国からの移民が、自分たちの職を奪っていると感じている。低所得層の居住地域には、さまざまな国からの移民が数多く住んでいる」(クレイグ氏)。実際、04年に東欧諸国がEUに加盟してから、EU域内からの移民が増加(図表2)し、政府は移民をコントロールできていないという批判にさらされている。これに対して、残留派は少子高齢化進む中で、特に若くて、スキルのある移民は英国経済にとって、必要不可欠だと考えている。
二つ目がEUに支払う拠出金の問題。
EU加盟国は原則GDPの1%をEUに拠出金として支払う。実は英国は特別扱いで還付金を差し引いた純負担率はドイツ、フランスより低いにもかかわらず、離脱派は英国は常に支払い超過であるため、EUから離脱すれば、英国のために拠出金が使えると主張している。これに対して残留派は、EUから多額の農業補助金など還付金があるのに加え、貿易・金融面などで拠出金以上の恩恵を受けていると主張している。
三つ目が国家の主権にかかわる問題だ。
EUの歴史は統合を深化させる歴史だったが、もともと大陸のEU諸国より独立心の強い英国は、EUで決定した法やルールによって統治されることを嫌う傾向がある。離脱派は自分たちの法律は自分たちで決めるべきだと主張するのに対して、残留派はEUにも英国のリーダーが参加して、法の策定に関わっているではないかと反論する。
総じて見れば、低所得層、低学歴層に離脱支持者が多く、富裕層あるいはリベラルな考えを持つ人たちに、残留支持者が多いとみられる。2大政党である保守党、労働党の中でも、離脱派と残留派に意見が分かれており、特にキャメロン首相が率いる保守党は離脱派も多く、国民投票でどちらが勝つか、だれにも分からない。確かなことは「英国が二分されてしまった」(クレイグ氏)ことだけだ。

世界経済後退の引き金に
では、国民投票で離脱派が勝ったら、何が起こるのか。
「当初はポンド安、金利上昇、英国の株安が起こるだろう。しかし、その後の離脱の過程で、どう物事が進むのか。パターンが多くて手掛かりが得にくい」。こう語るのは大和総研経済調査部の山崎加津子主席研究員。つまり、不確実性が急速に高まるわけだ。
離脱派が勝った場合、英国が欧州理事会にEU離脱の意志表明をしてから離脱の最終合意に至る期間は2年とされている。離脱手続きはリスボン条約第50条に基づいて行われるが、一度告知した後の撤回はできない。
まず問題は英国内にある。残留を主張するキャメロン首相は、離脱派が勝っても辞任しないと表明しているが、果たして英国を代表して離脱交渉に当たれるのか。その場合、どのような条件を優先するのか。
離脱に際しては、EUとの間で貿易協定を結び直さなくてはならないが、その場合は、既存の枠組みを使うケースと二国間協定を結び直すという二つの方法が考えられる。例えば、前者ならノルウェーなどで構成されるEFTA(欧州自由貿易連合)に加盟する。EFTAはEUとの間でEEA(欧州経済領域)という自由貿易協定を結んでいるため、二国間で協定を結ぶ必要はなくなる。だが、EEAは人の自由移動を認めているため、移民の制限は難しい。英国の意志を優先するとなると、二国間協定を結び直すことになるが、膨大な時間がかることが予想され、その間、英国とEU経済に何が起こるか見通せない。

そもそも離脱派が勝った場合、英国では総選挙実施の可能性も取りざたされている。
総選挙で残留派の労働党が勝った場合は、政権を決める総選挙と国民投票の結果が異なるという複雑な事態が起きないとも限らない。
日本総研調査部の藤山光雄副主任研究員は「貿易を通じた直接的な影響は、懸念されているほど大きくはない。むしろ金融市場の混乱による影響が大きい」と見る。要は、不確実性の高まりを受けて、資金がリスクの高い資産から引き上げられるリスクオフが起こる場合である。
その場合は、ポンド安・ユーロ安、株安が起こり、その結果、海外の投資家は損失が発生するのを避けるためシティへの資金流入が減り、マイナス金利で収益力の低下したEUの銀行セクターの経営不安が再燃するかもしれない。リスクオフだから原油市場から資金が引きあげられ、ようやく安定した原油価格が再び下落することになるだろう。そうなれば新興国経済もダメージを受ける。安全資産としての円は買われて円高となり、日本経済にも悪影響が及ぶ。こうなれば金融市場の一時的な動揺にとどまらず、世界経済の後退を招く。

それだけではない、国民投票直後の6月26日にはスペインの総選挙、来年4月から6月にかけてはフランスの大統領選挙、秋にはドイツの総選挙がある。たとえ残留派が勝っても結果が僅差なら、こうした国々の反EUを掲げる極右、極左政党を勢いづかせる可能性がある。そうなれば、EUの政治が不安定さを増す。
残留派のコックス議員が射殺され、自粛されていた両派のキャンペーンも再開されたが、「キャメロン首相の議論はあまり説得的でない」(クレイグ氏)という。世紀の選挙は23日、結果は24日の午前4時ごろ(日本時間の正午ごろ)、判明する予定である。

【DAIMOND ONLINE】




「脱退通告」をいつするか。そこから2年後脱退となるようです。
ということは、この問題はそう簡単に終わるような状況は来ないかもしれません。そして、日本の経済にも大きく影響し、転換を求められる事態も考えられます。当然、社会保障にも回って回って波及してきそうです。
by kura0412 | 2016-06-25 12:17 | 政治 | Comments(0)

勝敗ラインは3通り

「安倍1強」の行方左右 議席数 3つの攻防ライン

参院選は7月10日の投開票に向けて、18日間の選挙戦が始まった。最大の焦点は目標議席を上積みした自民党が連立を組む公明党と合わせてどこまで議席を伸ばすのか。獲得議席によって政権の体力は大きく変わり、安倍晋三首相(自民党総裁)が意欲を示す憲法改正も現実味を帯びてくる。「安倍1強」の行方を左右する3つの的の「意味」を探った。


■「自公61」改選過半数
「厳しい目標だが、与党で改選議席の過半数を獲得したい」。首相は22日のNHK番組で、改選121議席の過半数となる61議席の獲得をめざす方針を強調した。21日の党首討論会では「目標を定めた以上、それに責任が伴うのは当然のことだ」とも述べた。
首相は世界経済の減速懸念を理由に「新しい判断」として、公約だった2017年4月の消費増税を再延期することを決めた。それまでは非改選議席(自民65、公明11)も含め、参院過半数(122議席)を獲得できる46議席を目標にしていた。「国民の信を問う以上、目指すのは与党で改選議席の過半数の獲得だ」として目標を15議席、上方修正した。
連立を組む公明党は過去最多の7選挙区で候補者を擁立した。今回から改選定数が増えた愛知は9年ぶり、兵庫と福岡はいずれも24年ぶりで、比例代表と合わせて13議席以上の獲得を狙う。仮に13年の前回選と同じ11議席をとるとすれば、自民党単体で50議席で改選過半数の目標に達する。

■「自民57」単独過半数
このため自民党内で「事実上の目標」とされているのが自民党だけで参院の単独過半数に達する57議席だ。実現すれば1989年以来、27年ぶり。大勝した13年の前回選では自民だけで65議席をとった。首相はいまのところ「とてもそこまでは届かない」と語るが、党内では「不可能な数字ではない」との声があがる。
参院選は全国に32ある改選定数が1の1人区の勝敗が選挙全体を左右する。党内では「1人区での負けを5つ程度に抑えれば射程圏内」との声もある。単独過半数が実現すれば、政権内の首相の求心力は一層強まる。

■「改憲勢力78」3分の2
首相の念願である憲法改正にこぎ着けるためには、国会発議に必要な衆参両院でそれぞれ3分の2の勢力の確保が必要となる。衆院はすでに与党で3分の2を持っているが、参院では足りない。
自公だけなら86議席必要になるが、改憲に前向きなおおさか維新の会(非改選5議席)と、日本のこころを大切にする党(同3議席)と連携すればあと78議席で実現性は高まる。非改選組の無所属議員のなかには、安倍政権下での改憲に賛意を示す人も複数いる。選挙結果次第では、首相在任中に改憲に向けた扉が開く展開もありうる。
憲法改正に慎重な公明党内には自民党の勝ちすぎを警戒する声もある。自民党が単独過半数となる57議席、公明党が目標の13議席以上をそれぞれとれば、3分の2は視野に入る。自民党が単独過半数をとれば政権内の公明党の存在感は薄れそうだが、改憲を発議するには公明党の存在は欠かせなくなる。両党は7選挙区で候補がぶつかっており、選挙戦の現場ではあつれきも生じている。

【日経新聞】



ラインが3通りあるということは、よほどのことがないかぎり与野党共に勝利宣言する可能性があります。
by kura0412 | 2016-06-23 15:38 | 政治 | Comments(0)

「炉心溶融」を禁じ、どちらが本当?

「炉心溶融」という言葉を禁じたのは誰なのか
政府が情報統制、自治体や住民に事実を伝えず

東京電力ホールディングスが福島第一原子力発電所事故で「炉心溶融」(メルトダウン)の事実を認識していながら事故発生後2カ月にわたって公表しなかった問題で、同社の「第三者検証委員会」(委員長は田中康久弁護士)は、「清水正孝社長(当時)から『この言葉を使わないように』との指示が社内にあった」と認定した。

6月16日に公表された第三者委員会の「検証結果報告書」によれば、原発事故から3日後の2011年3月14日午後8時40分頃、記者会見に臨んでいた東電の武藤栄副社長(当時)が、同社の広報担当社員から「炉心溶融」などと書かれた手書きのメモを手渡され、「首相官邸から、この言葉は使わないように」との耳打ちをされた。広報担当社員がその指示を清水社長から直接受けていたことが調査で判明したという。
第三者委員会の田中委員長によれば、調査に対して清水社長は「よく覚えていない」と繰り返したものの、複数の社内関係者への調査などを通じて間違いがないと判断し、事実として認定した。

首相官邸から指示があったと認定
福島第一原発の炉心にあった核燃料が高温で溶け始めている可能性があるとの認識は、すでに前々日の3月12日から原子力安全・保安院の審議官が記者会見で示していた。だが、翌日にはこの審議官は記者会見の担当から外されたうえに、新しい担当者は炉心溶融について肯定も否定もせず、不明と答えた。
また、3月14日午後7時21分頃からの社内テレビ会議で、福島第一原発の担当者が「約2時間で完全に燃料が溶融する」と発言したことや、武藤副社長が「2時間でメルト(ダウン)、2時間でRPV(原子炉圧力容器)の損傷の可能性あり、良いですね」などと発言していることについても明らかにしている。
第三者委員会は、延べ70人にのぼる東電の関係者へのヒアリングや政府事故調査委員会の聞き取り調査結果などを元にしながら、炉心溶融を認識していながらも、「対外的には『炉心溶融』を肯定するような発言を避けるべきだとの認識が徐々に広まった」と認定した。
そのうえで、「官邸側から清水社長が、対外的に『炉心溶融』を認めることについては、慎重な対応をするようにとの要請を受けたものと受け止めていたことが推認される」とした。要は官邸が箝口令を敷いていたというのだ。
「当時、東電社内では、マスコミに発表する前に官邸側に報告し、事前の了承を得ること、対外的に『炉心溶融』を認めることについては、慎重な対応をすること、の2つの注意事項が伝播していたと認められる」とし、住民や避難誘導をする地方自治体に伝えられるべき情報が政府の統制下に置かれて伏せられていたことがわかったという。

「炉心溶融」という言葉は使ってはならない
さらに事故からおよそ1カ月後の4月10日には、東電本店の緊急時対策本部の官庁連絡班から情報連絡班に発信用紙が送付され、そこには「経済産業大臣からの指示事項として「今後の説明およびプレス等にて『炉心溶融』という言葉は使わずに『燃料ペレットの溶融』を使うこと(以後統一すること)」、「(理由)『炉心溶融』はチャイナシンドローム等炉心全体が溶融していることを連想させるため」と記載されていたと報告書は明らかにしている。
また、この発信用紙は、情報を共有するために、福島第一原発のみならず、同第二原発、柏崎刈羽原発にもファックスされたという。炉心溶融を公表することによる住民のパニックを恐れていたことをうかがわせる内容だ。
東電が炉心溶融を公式に認めたのは5月24日。この日、東電は原子炉圧力容器内の水位や圧力、温度などを元に分析した結果を公表。そこでは1、2、3号機とも圧力容器底部に大部分の燃料が落下したという評価を初めて明らかにした。
こうした経緯を踏まえながらも、データがそろったことによる5月の公表よりも前に炉心溶融を判断できなかったことについて、報告書は「不当であったとは言えない」と述べている。その一方で、計測数値や3月12~14日当時の東電関係者の認識などから「より早期に『炉心溶融』を対外的に認めることも可能であったとの見方もできる」とも併記している。
そのうえで「いずれにしても、この点は結果論を述べるほかなく、当時の判断の当否については、当第三者検証委員会は判断できない」と歯切れの悪い結論になっている。
炉心溶融の公表が遅れたことについては、東電の原発が集中立地する新潟県が数年来問題にしてきた。東電は当初から、「炉心溶融を判定する基準を盛り込んだ社内マニュアルは存在しない」との説明を繰り返してきた。それが今年2月になってマニュアルがあったと前言をひるがえした。これをきっかけに第三者検証委員会が発足した。

官邸の"誰"の指示だったかは未解明
だが、委員会は当時の菅直人首相を初めとする官邸関係者や海江田万里経産相(当時)などのキーマンへの事情聴取をしておらず、官邸からの指示が誰によるものなのか、依然として未解明の点が少なくない。田中委員長自身も「任意の調査なので限界がある」と認めている。
報告書では、東電からの通報が炉心溶融の事実を明記していない炉心損傷割合だけであったものの、保安院の説明により官邸は適切な判断ができたということを理由に、「国のなすべき避難指示等の実施に影響はほとんどなかったはず」としている。その一方で、「地元の県、市町村に対する説明としては、不十分な通報だったと言わざるをえない」とも述べている。
「炉心溶融公表の遅れは、住民自身の避難の判断の遅れや無用な放射線被ばくにつながったのではないか」との記者の質問に田中委員長は、「住民にとっては、国による避難指示だけで十分かというと親切度が足りない」と答えている。
また、原子力災害対策特別措置法や同法施行規則で炉心溶融判定の基準が明記されていなかったことや原子力緊急事態宣言がすでに出されていたことなどから、炉心溶融の隠ぺいがあったとしても違法性は問えないとの認識も田中委員長は示している。だが、そう言い切れるのか。
第三者委員会の検証結果を踏まえて、新潟県の泉田裕彦知事は当時の清水社長が「炉心溶融」という言葉を使わないように指示していたことが認められたことで、「これまでの県技術委員会への説明は虚偽であり、きわめて遺憾である」とのコメントを出した。
第三者委員会が重要な事実を明るみに出した一方で限界もあらわになった以上、公的な機関による関係者への聴取を含めた事実究明と責任の所在の明確化が必要だろう。

【東洋経済ONLINE】



枝野氏、法的措置も検討=東電第三者委報告書に抗議

民進党の枝野幸男幹事長は17日の記者会見で、東京電力の第三者検証委員会が公表した報告書に関し、「(当時官房長官だった)当職の信用を毀損(きそん)させかねない報告書を発表したことは著しく不適切だ。厳重に抗議する」と述べ、法的措置も含めた対応を検討する考えを示した。
報告書は、当時の清水正孝社長が「首相官邸からの指示」として、「炉心溶融(メルトダウン)」との言葉を使わないよう社内に指示したとしている。これに関し、枝野氏は「当時の菅直人首相と私から、いかなる場面においても『炉心溶融』という言葉を使わないよう指示、要請した事実はない」と否定した。
一方、菅義偉官房長官は17日午前の記者会見で、「今後も検証は続くと思っている。一層の事実解明に取り組んでもらいたい」と述べた。政府による新たな調査については、「考えていない」と否定した。 

【時事通信】




どちらが本当でしょうか?
時期が時期だけに大きな波紋を呼びそうです。
by kura0412 | 2016-06-17 15:58 | 政治 | Comments(0)

ヤメ検

佐々木弁護士は報告書の再説明を――今のままでは「第三者の目」が看板倒れ

「関係者は関係者ですよ」「我々としてそう判断したということ」――。舛添要一都知事の政治資金をめぐる調査報告書が公表された6日、高飛車ともとれる口調で記者の質問を突き返した元東京地検特捜部副部長の佐々木善三弁護士。こうした態度がテレビやネットの視聴者から批判を浴びた。知事に代わる「第三者の目」として調査を行い、説明責任を果たす立場だったのに、疑惑への問いを封じ込めるかのような姿勢は知事のサポート役そのものだった。調査自体についても「ずさん」との指摘が高まる中、副部長時代の佐々木氏の仕事ぶりを知る一人として提案がある。調査内容に関してあらためて詳細な説明会見を求めたい。(フリー記者・本間誠也)

特捜副部長時代と「変わってないな」
「知事が政治資金を支出して飲食や物品購入した店に直接ヒアリングしたのか」 「どれだけ時間をかけて調べたのか」
民放テレビ記者のこれらの質問に少しかん高い声で、「そんなヒアリングにどんな意味があるのか」「あなたはそもそも事実認定というものを知らないようなので」と攻め返す佐々木氏。その様子を都庁会見場の後方席から見つめながら「変わっていないなぁ」と苦笑を禁じえなかった。その口調や物腰は特捜部副部長時代、そのままだったからだ。
政治資金の使途をめぐる知事の私的流用疑惑への怒りや失望が膨らみを増す中、知事自らが依頼し名付けた「厳しい第三者の目」の弁護士として、検事時代と同様の冷淡とも受け取れる記者への対応には危ういものを覚えた。

熱心な捜査姿勢や実績に一目置かれる
話は少し古くなる。2002年のことだ。年初から鈴木宗男衆院議員(当時)に関するさまざまな疑惑記事が週刊誌をにぎわしていた。特捜部がいつ鈴木氏をターゲットに腰を上げるかに関心が集まり、当時筆者が在籍した新聞社は鈴木氏の地元だったことから、同年4月から事件終結までの約半年、事件担当の佐々木副部長の番記者として早朝の各社個別懇談、夕方の共同懇談、夜の個別懇談を通して接触し続けた。
夕方の副部長室での共同懇談の場はいつも静かだった。気まずい沈黙の時間だった。各社からの事件関連のストレートな質問には「何をばかなことを」という表情で返答はなく、一般論として鈴木氏事件と似た過去の事件を例に挙げて捜査の筋を探ろうと試みても、ぼそぼそとけむに巻くような答えしか戻っては来ない。担当した半年近くの間、彼の目が笑った場面は記憶にない。全国紙の若手記者らは、サービス精神のかけらもない対応ぶりを批判しつつも、熱心な捜査姿勢や過去に手掛けた事件の実績には誰もが一目置いていた。
筆者は個人的に悪い印象は一切ない。捜査責任者と記者との関係ながら、半年にわたる情報のギブ・アンド・テイクを通じて多少なりとも人間関係めいたものは築けたと思っていた。
あれから14年を経て、同氏は京都地検検事正を最後に検事を退官し、いわゆる「ヤメ検」弁護士に転身する。その後、小渕優子元経産相の関連団体に関わる政治資金規正法事件を受け、小渕氏の依頼で事件を検証する第三者委員会の委員長を務め、昨年末には「監督責任は軽くはないが、本人は事件に関与していない」との結果を公表。そして今回は舛添知事の依頼で「第三者の目」となる。

検事時代なら怪しむはずの「事実認定」
知事の政治資金の使途などに絡み、元検事の若手弁護士とともに佐々木氏が作成した調査報告書は全62ページ。政治資金からの支出の一部に「不適切」という指摘はあるものの、すべての疑惑について「違法性はない」「違法性を帯びるものではない」と結論づけた。
最大の焦点である2013、14年1月の千葉・木更津のリゾートホテルでの「面談疑惑」については、5月時点の知事釈明では、「会議に参加したのは事務所関係者ら数人」だったのが、報告書は「出版社社長(元新聞記者)」一人との「面談」に変わり、会議(面談)時間も釈明会見では「相当な時間」だったが、2013年は「数時間程度」、14年は「1時間程度」に変遷している。
検事時代なら当然怪しむべきはずなのに、佐々木氏はそれには言及せず、「出版社長には事情は聴けていませんが、周囲の方からヒアリングしたところ事実関係の裏付けを確認できました」と述べた。加えて「これは事実認定の問題なので我々としてそう認定したということ。それを疑うことはできない、ということです」と言い切った。
6日の会見では、開始直前にいきなり配布された報告書の隅々に目を通す時間はなく、佐々木氏らが内容を説明した後の質問時間は20分程度しかなかった。知事側、佐々木氏側の言いっぱなしに終わった会見だった。

舛添知事は「弁護士に聞いてください」
「知事の説明と報告書内容が変わったことに疑問を持たなかったのか」「海外にいても携帯電話で通話できる時代なのに出版社社長からヒアリングできない理由は何か」「周囲の方とは何者か」「2年連続で奇特にも正月早々、家族旅行先まで来てくれる人物が、政治資金から支出された会食費の項目に一度も登場していないのはなぜか」――。
これらを含め、今は報告書に対して聞きたいことは山ほどある。
だが、知事にこうした内容の質問をぶつけても10日の定例会見では「報告書を作ったのは弁護士さんですから弁護士に聞いてください」「調査したのは私ではないので、聞かれても困ります」などと説明責任を投げ出したかのような発言ばかりを繰り返した。
そもそも、政治資金規正法違反(虚偽記載)に関わる「面談疑惑」については、出版社社長の「周囲の方」からのヒアリングで、「実態は家族旅行であったものの、(面談という)政治活動があったので違法とはいえない」という結論が導けるとは思えない。百歩譲って、この社長が存在し、2年連続で旅行先まで駆け付けたと仮定しても、面談場所が舛添一家の宿泊ルームではなくホテル内の喫茶店だったとした場合、喫茶代は政治活動費となっても宿泊費が該当するはずはない。面談は一家が泊まった部屋で行われなければ、「違法とは言えない」との結論は出ないはずだが、それは社長本人でしか知事の説明を裏付けられない。
知事が会見の場で、疑惑に関する説明について報告書作成者に預けるような発言をした以上、作成依頼を受けた弁護士として再び記者会見を開くべきではないか。知事の口ぶりでは、佐々木氏らは応じるはずがないと踏んでいるようにもみえるが、かつての同氏を知る者として、知事に代わって説明責任を果たしてくれることを願っている。

【THE PAGE】




どこかで聞いた名前の弁護士でした。知事も信頼していたのでしょうね。しかし辞任の方向に流れているようです。
by kura0412 | 2016-06-14 15:01 | 政治 | Comments(0)

『決断・増税先送り』

際立つ「1強」、火種も 決断・増税先送り(ルポ迫真)

首相の安倍晋三(61)が再び消費増税の延期に踏み切った。伊勢志摩サミット後、わずかな期間で異論を押し切った決断は「安倍1強」を際立たせた一方、今後の火種をのぞかせた。

5月28日夜、首相公邸。副総理兼財務相の麻生太郎(75)は激していた。「消費税は予定通り上げるべきだ」。安倍が首を縦に振らないと畳みかけた。「それなら当然、衆院解散をするんでしょうな。前回増税を延期した2014年は解散した。筋が通らない」。盟友の指摘に安倍は「いや、それは……」と口ごもった。
重苦しい場に自民党幹事長の谷垣禎一(71)と官房長官の菅義偉(67)が加わった。谷垣は「延期なら解散を」と麻生に加勢する。菅が「同日選は公明党が反対だ」と異を唱えると、麻生は「公明党に気を遣いすぎだ」と一喝した。
安倍の面前で、安倍の専権事項である解散権を巡って、政権中枢がやり合う異例の事態。麻生、菅とともに安倍を支えていた前経済財政・再生相の甘利明(66)が抜け、麻生と菅の対立が先鋭化したとの観測も流れた。政権にきしみをもたらしたのは、盟友にさえ耳を貸さない安倍の独走ぶりだ。

増税延期の調整は官邸のごく一部で進めた。「財務省は信用できない。言う通りに増税していたら大変なことになっていた」。こう漏らす安倍の意を受けたのは首相秘書官の今井尚哉(57)。昨年12月、古巣の経済産業省幹部らと増税延期を理由に同日選に踏み切るシナリオを描き始めた。
悩んだのは「リーマン・ショックのような重大な事態でない限り予定通り増税」としてきた安倍の言葉との整合性だ。「『嘘つき』と言われるのを相当、恐れていた」という安倍は年が明けると側近の一人に「延期するにはどうしたらいいだろう」と相談している。
その「解」になったのが世界経済の変調だ。年明けから円高・株安が進み、2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が財政出動の必要性を確認すると「米国が日本に消費増税の延期を求めている」との情報が官邸に伝わった。
5月のサミットで財政出動で合意し、延期の理由にする戦略が今井を中心に固まった。「サミット次第だ。それまでに延期の調整を始めたら国会で追及される」と首相周辺は語った。

官房長官の菅は、パイプのある公明党とその支持母体・創価学会との関係を気にしていた。学会幹部が「同日選なら自民党を応援する態勢はとれない。避けてほしい」と頼んできたからだ。
公明党は軽減税率と消費増税にこだわっていたが、同日選回避の方がはるかに重要だ。菅は増税して同日選を回避する案も模索。「増税延期なら同日選になる。2つはセット。だから増税延期はダメという考えもあった」と菅周辺は解説する。
だが4月中旬の熊本地震がセット論を崩した。与党や安倍周辺から「被災者がいるのに政権の都合で同日選なんてできない」との声が上がった。さらに自民党の参院選情勢調査で単独過半数をうかがえる結果が出た。「参院選で確実に勝つために同日選を」とのダブル論はしぼみ、官邸は与党幹部に「同日選は見送り」と伝えた。

同日選が消え、増税延期と切り離されると、菅は増税延期に動いた。
大型連休明けの5月上旬。首相官邸を財務次官の田中一穂(60)らが訪ねた。「予定通り増税するなら、増税分は全額、当面の消費刺激策に使います」。10兆円規模の経済対策を16年度2次補正予算として組む案だ。
安倍は何も答えなかったが、別途、説明を受けた菅は厳しかった。「よくわかった。今度は増税を延期する場合の経済対策を持って来てくれ」。公明党につながる菅を増税の援軍とみていた財務省は動けなくなった。
菅はこの頃、すでに学会に延期の可能性を示していた。学会には民進党と共産党の連携で「公明党は増税推進と言われる」との懸念が広がり、延期容認論が出ていた。首相周辺も一部の与党幹部に延期を伝達。5月中旬までに学会も「同日選回避なら延期はやむを得ない」と官邸に伝えた。
孤独な決断の重圧は経験者しかわからない。安倍は30日、都内で3時間、麻生と酒を酌み交わした。「俺も首相をやったから孤独なのは分かる。だからこそ何でも連絡してほしい」。こう話す麻生に安倍は「申し訳ない」と口にした。(敬称略)

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-06-02 14:42 | 政治 | Comments(0)

『消費増税19年10月に 首相決断』

消費増税19年10月に 首相決断、自公受け入れへ
衆参同日選は見送り

2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを巡り、19年10月まで2年半延期する見通しとなった。安倍晋三首相の決断を主要閣僚や自民、公明両党が受け入れる方向になったためだ。公明党が導入を求めてきた軽減税率については、引き続き増税時に同時実施する。首相が自らの意向を押し切る形で増税延期を巡る問題は決着する。7月の参院選にあわせて衆院選を実施する衆参同日選は見送る。

首相は30日午前、首相官邸で自民党の高村正彦副総裁ら与党幹部にこうした方針を伝えた。同日午後には、公明党の山口那津男代表とも首相官邸で会談し、了解を求める考え。首相は6月1日の国会会期末の記者会見で正式表明したい考えで、調整を急ぐ。
首相は30日午前、首相官邸で、高村氏のほか、二階俊博総務会長や稲田朋美政調会長とも相次ぎ個別に協議した。高村氏は会談後、消費増税の2年半延期について「首相の意志はかなり固いようだ」と記者団に述べた。与党幹部も「首相の方針はもう変わらない」と語った。二階氏は記者団に「首相の考えを全面的に支持する」と述べた。
衆参同日選の見送りに関しては、二階氏が「首相の考えもそのようだ。そのように受け取った」と語った。
一方、稲田氏は首相との会談で「来年には税率1%でも上げるべきだ。増税延期なら国民に信を問うべきだ」と伝え、衆院を解散すべきだとの見解を伝えた。麻生太郎副総理・財務相や自民党の谷垣禎一幹事長も28日夜に首相と協議。両氏とも増税延期に慎重な考えを示し、衆院解散も求めた。菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で「解散は首相の専権事項だ」と強調した。
公明党は山口氏らが消費増税を予定通り実施するよう主張してきた。しかし山口氏は29日の講演で「話があればよく相談したい」と述べるにとどめた。同党関係者は30日「首相の考えにみんな従うことになるだろう」との見解を示した。
同党は増税を2年半延期した場合でも、軽減税率を同時に導入する仕組みを崩さないよう求める見通しだ。消費増税分の財源を回す予定となっている社会保障充実策の扱いも重視している。
本来なら10%への引き上げによって得られる約4兆円のうち、1兆3千億円分を充てる計画だ。低所得の年金受給者への年間6万円の給付金や、年金受給に必要な保険料納付期間を25年から10年に短縮する措置、低所得の高齢者の介護保険料の負担軽減拡大などを予定している。
公明党幹部は「充実策を予定通り実施すべきだ」と主張する。とくに介護保険料の負担軽減や待機児童の解消に向けた施策の実現を求める声が強い。
政府は増税しなくても保育園の運営費拡充を実施する方針だが、ほかの充実策をどうするかや財源確保などの課題が焦点になる。
首相は27日に閉幕した主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済が危機に陥るリスクを指摘し、その後の記者会見で、日本が率先して政策総動員で対応する考えを示した。

【日経新聞】




消費税増税延期で、果たして社会保障費の財源はどのように確保されるのでしょうか。
by kura0412 | 2016-05-30 15:12 | 政治 | Comments(0)

やはりW選挙の流れが再び

衆議院はまもなく解散→総選挙の公算大~前回の解散を言い当てた筆者が、そう予測する根拠

根拠その1:山口公明代表との会談の違和感
安倍晋三首相はどうやら近く衆院を解散し、夏の衆参ダブル選挙を決断したのではないか。ここ数日でそう考えざるを得ない材料がいくつか出てきた。私のコラムは通常、毎週金曜公開だが、今回は事態の急進展に合わせて特別版を公開する。
私が「やはりダブル選か」と考える根拠の一つは、5月18日に首相官邸で開かれた首相と山口那津男公明党代表との党首会談だ。会談は最初、首相と谷垣禎一自民党幹事長の2人だけで始まり、途中から山口代表と井上義久公明党幹事長が加わる形で開かれた。
山口代表は会談後、焦点の消費税増税について記者団の質問に「特に話をしていない。私の方から申し上げていないし、総理からも特になかった」と答えている。これは、あきらかにおかしい。
いま政権の最重要案件は「来年春の増税をどうするか」だ。安倍首相が慎重論に傾いているのは周知の事実であり、山口代表は推進派だ。このタイミングで両者が会っていながら、増税問題について「何も話し合わなかった」などというのは考えられない。
山口代表は参院選について「お互い協力して頑張ろうと基本精神を確認した」うえで、ダブル選については話題にもならなかったという。だが、ダブル選に反対してきた山口代表にすれば、総理に衆院を解散するのかしないのか、本心を質す絶好のチャンスではなかったか。
それを話題にもしなかったなら「私は絶好球を見逃し三振しました」と言っているようなものだ。与党である両党が選挙で協力して頑張るのは当たり前である。いまさら確認の必要もない。
山口代表の否定にもかかわらず、一部の新聞は増税問題について「首相、公明説得へ地ならし」(読売新聞)とか「増税延期を協議」(日本経済新聞)と報じている。つまり、代表は記者を意図的にごまかそうとしたのだ。なんのために?
増税問題を話し合ったとなれば、首相の頭に増税延期の選択肢があることが公然化してしまう。そうなれば当然、次に「夏はやはりダブルか」という予想が広がる。それを避けたかったからに違いない。
これが私のアラーム警報が鳴り響いた第1点だ。

根拠その2:山口県人会の不可思議
それから2点目。20日午後になって「6月11日に大阪で開かれる山口県人会に同県出身の衆院議員が急きょ、そろって参加する」という情報が飛び込んできた。
県人会の幹事によると、当初欠席のはずだった高村正彦、河村建夫、岸信夫各衆院議員の事務所から20日朝、相次いで「代理を出したい。いまから参加できるか」と連絡がきたという。
高村氏は山口1区、河村氏は同3区、岸氏は同2区の衆院議員である。高村氏は自民党副総裁として先の安全保障関連法を成立に導いた立役者の1人であり、岸氏は安倍首相の実弟だ。山口県は言うまでもなく安倍首相(山口4区)のお膝元である。
幹事は「岸氏は本人が出席する可能性もあるようだ。県人会には地元の市長たちも大勢来る。やはり選挙ではないかとピンときた」と私に語った。別の山口県関係者も「大阪の県人会には選挙がなければ代理も出ないことが多かった。代理を出すと言ってきたのは、ずばりダブル選だからだろう」と語っている。
もう一つ。私は最近、ある政権幹部と会食した。そのとき幹部が突然「前回は長谷川さんにやられちゃったからなあ」と前後の脈絡もなくポツリと私に漏らしたのだ。
これには少し説明が必要だろう。
私は前回2014年11月の衆院解散予想を的中させている。菅義偉官房長官の記者会見から「増税を先送りして解散総選挙」と読んだのだ(経緯はこちら、http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/41078)。幹部はそれを覚えていて話を持ちだしたのだが、私には違和感が残った。
なぜかといえば、私が前回の解散を当てたのは、私と幹部の間で何度も笑って振り返った「終わった話」であり、いまさらあえて持ち出す必然性はなかったからだ。加えて、幹部は「いま闘志がわいているんですよ」とも言った。

私は「熊本の状況はどうか」と繰り返し幹部に質問した。そのたびに幹部は「熊本は大丈夫、落ち着いてくる」と答えた。私は「熊本が落ち着いてくるとなれば、ダブル選が蘇ってくる」と言ったが、返事はまったく期待していなかった。彼がそんな話に答えられるわけがないからだ。
そう言いながら、私は内心「それでもダブルは無理だろう」と思っていた。だが、公明党の山口代表が安倍首相と会談した後、記者団に見え透いた嘘をついて、山口県出身の衆院議員たちがそわそわし始めたとなると、話は違う。

ここへきて安倍政権は重要課題に次々と結論を出している。
一億総活躍プランや成長戦略の素案、さらに規制改革会議の答申もまとまった。1票の格差是正を図る衆院選挙制度改革関連法は20日に成立した。重要案件に区切りを付けて、あとは選挙を戦うだけの体制を着々と整えつつある。
私は昨年7月以来、消費税増税先送りでダブル選という見通しを示してきたが、熊本地震を受けて4月22日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/48508)では「ダブル選は難しくなった」という見方に軌道修正したばかりだ。
最近のテレビやラジオ番組でもそう喋っている。だが、ここでもう一度、軌道修正する。やはり政局はダブル選に向かって動いているのではないか。

【長谷川幸洋:ニュースの深層】




サミットも無事終わり、オバマ大統領の広島訪問も実現し、定数是正法案も成立しました。そして参議院地方区の野党共闘の混乱を狙うなら解散はアリです。
心配される熊本地震の影響は、参議院選挙は必ずやるわけですから問題もありません。
by kura0412 | 2016-05-23 17:35 | 政治 | Comments(0)

『伊勢志摩サミット「本当のテーマは」』

日本人だけが知らない伊勢志摩サミット「本当のテーマ」〜焦点は財政問題でも南シナ海でもない!
話題の中心は間違いなく「あの男」

財政問題でも南シナ海でもなく
来週に迫った伊勢志摩サミットの焦点は何か。財政問題? 中国が我が物顔でふるまう南シナ海? それともクリミア半島? 会議の参加者にとっては、そのどれでもない。首脳や官僚たちの話題をさらうのは「トランプ大統領の可能性」だ。
まず確認しておこう。サミットの議題とその結論は会議が開かれる前に、実はほぼ決着がついている。シェルパと呼ばれる首脳の個人代表たちが月に一度くらいのペースで会って、中身を詰めているのだ。
その過程で問題があれば、シェルパがそれぞれの国に持ち帰って譲れない論点と妥協点を絞り込む。そうやって落とし所を探り、開幕直前には合意の結論が見える状態にまでもっていく。
首脳たちが本番で何をするかといえば、シェルパたちが議論し合った論点を確認したうえで、最後のペンディング部分を固めるだけだ。会議の時間は実質、数時間程度である。そんな短い時間で世界のあらゆる出来事を語り合い合意に至るためには、こうした作業方式でなければまとまらない。かつここが重要なのだが、メディアにも見栄えする結論にはならない。
メディアが「財政出動で意見が一致するか」などと書いていても、知らないのはメディアだけで、実は結論と文書の書きぶりはほぼ決着が着いているはずだ。たとえば、ドイツや英国は財政出動に慎重だが、だからといって全体をぶち壊すようなマネはしないだろう。
開催国は持ち回りだ。今回、安倍晋三首相のメンツを丸つぶれにするような事態を引き起こせば、自分のところに議長が回ってきたときに揉めるのは目に見えている。「シェルパは何をしてたんだ!」という話にもなる。

日本が遅れているところ
そもそもサミットを大騒ぎしているのは日本だけ、という事情もある。欧米の首脳たちはG7サミットにかぎらず、実はしょっちゅう顔を合わせている。
たとえば今回、日本のメディアは安倍首相の欧州歴訪をサミットの下準備として大きく報じたが、オバマ大統領だって4月に欧州を歴訪し、キャメロン英首相やメルケル独首相らと会談している。単独会談だけでなく、国際会議などで複数の首脳が顔をそろえる機会も多い。
1990年代に私が新聞のブリュッセル特派員をしていたころ、欧州ではそれこそ毎月のように「サミット」という単語が新聞の見出しになっていた。欧米の首脳同士は電話会談も含めれば、月に数回は会談しているのだ。
だから伊勢志摩に首脳たちがやってきても、オバマやキャメロンにすれば「それじゃ先月の続きをやろうか」というノリなのだ。日本は残念ながら、まだこういうレベルに達していない。
なぜかといえば、国会事情があるからだ。安倍政権になってかなり改善されたが、なかなか首相が気軽に欧米に行けなかった。いきおい海外に行けるのは5月の連休期間中とか秋の国連シーズンくらいに限られてしまう。加えて、日本の新聞は基本的に日本を軸にして世界を眺めているから「首脳たちがそろって日本に来る」というと大騒ぎになる。
以上を踏まえたうえで本論に戻せば、サミットで本当に大事なのは、どうなるかわからない問題、まだ議論の形も結論も見えていない問題について、首脳たちがどう考えているのか、互いの腹を探るときである。それにはコーヒーブレイクやメディアにオープンにしない立ち話、食事会などが絶好の機会になる。それは官僚たちにとっても同じことだ。
今回でいえば、その焦点は間違いなく「トランプ問題」である。11月の大統領選結果そのものは予測しがたいが、それでもトランプ陣営の実態や力量を探る絶好の機会になる。
各国首脳はもちろん随行の官僚たちもそれぞれのレベルで米代表団に「トランプ陣営はだれが仕切っているのか」など質問を浴びせまくるだろう。もしもトランプが大統領になれば、世界は激変する。もしかすると来年のサミットさえどうなるか、予想もつかない。「中国を加えよう」と言い出すかもしれない。

世界で高まる「自国優先主義」
私は先週のコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/48651)で「トランプ氏は日本にとって最大のリスク要因になった」と書いたが、トランプ問題は日本だけでなくサミット参加国を揺るがす猛烈な破壊力を持っている。
トランプ氏が日本やドイツ、韓国に対して米軍駐留経費の大幅負担増を要求し、応じなければ日韓の核武装を容認する立場を表明しているのはよく知られている。さらに環太平洋連携協定(TPP)に反対し、日本や中国の輸出品に高関税を課すこともほのめかしている。
「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げるトランプ氏が米大統領になれば、アジア太平洋のみならず世界の平和と繁栄を目指す枠組みを揺るがす。
現状を「トランプ」という変人が突然変異で出現した特異現象とみるのも正しくない。むしろ現れるべくして現れた世界の潮流とみるべきだ。
国際法を無視したロシアや中国の無法行為、それに刺激されたイスラム国のようなテロリストに対して「強い米国の復活」というキャッチフレーズと核心を突いた(!?)暴言の数々で米国民の気持ちをとらえた。
トランプ氏は「自分たちがしっかり城を築いて、強いアメリカを取り戻そう」と言っている。その姿勢は極右の国民戦線が躍進しているフランスや、欧州連合(EU)離脱論が勢いを増している英国にも通じている。
世界から一歩、身を引いた「自国優先主義」は世界的に強まっているのだ。この潮流は伊勢志摩サミットの議論にも影を落とすだろう。

「ところで、トランプは勝つのか?」
たとえば、南シナ海問題で各国は必ずしも一枚岩ではない。
欧州勢にとって中国は軍事的脅威でないから、経済交流で利益が得られるなら中国に甘い顔も見せる。実際、欧州勢は中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加した。
半面、欧州勢はロシアを警戒している。陸続きの欧州にとってクリミア侵攻は対岸の火事ではない。逆に、日本はロシアと敵対したくない。中国とガチンコ対決しているのに、ロシアとも対立するのは戦略的に悪夢だ。
日本はロシアと北方領土問題を抱えている。奪われた領土を返してもらいたい相手とケンカをする必要はない。日本にとってクリミアは対岸の火事なのだ。
サミット参加国が自由と民主主義、人権、法の支配、市場経済という理念と制度を共有していても、各国が国益優先なのはいまに始まった話ではない。だが無法がはびこった結果、自国優先主義が一段と強まっている。G7といえども合意形成は難しくなった。
トランプ氏はそんな時代の申し子である。だから焦点はトランプなのだ。オバマ大統領は広島で「核なき世界」を訴えるだろう。それは人類の夢であり、美しい。
だが広島でスポットライトが光る前、首脳たちは伊勢志摩でオバマの顔をじっと見て尋ねているに違いない。「ところで、トランプは勝つのか?」。このやり取りを報じるメディアこそが報道合戦の勝者だ。

【長谷川幸洋:ニュースの深層】
by kura0412 | 2016-05-20 15:00 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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