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影響力確保へ集票競う TPPなど懸念材料も 「潮流2016参院選 団体を追う」農業団体・郵政・医師会・遺族会

自民党が2012年12月に政権を奪還して以降、業界団体は同党支持に回帰した。政権への影響力確保を狙い、参院選では自民党の比例代表で各団体の組織内候補が集票を競う。ただ環太平洋連携協定(TPP)や、安倍晋三首相が進める「岩盤規制改革」に対する反発など懸念材料を抱える団体は少なくない。会員の高齢化などで弱体化が止まらない組織もある。

JAグループの政治団体である全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)。前回13年参院選で自民党の比例代表から立候補した組織内候補は34万票近くを獲得し、上位当選を果たした。党の有力支持団体の一つだが、地方組織で異変が起きている。
「TPPは農家が一番被害を受ける。農協は何も行動しないのか」。3月29日、東京都内で開かれたJA全農臨時総代会。JA秋田しんせいの組合長が迫り、JA全農の中野吉実会長が「非常に重要な問題だ。意思を結集できるよう頑張りたい」と応じる一幕があった。
秋田県は、TPPを成長戦略の柱と位置付ける安倍政権の要、菅義偉官房長官の出身地。菅氏は「守りから攻めの農業に転換したい」と語るが、JA秋田中央会はTPPが発効されれば、県の農業生産額が最大287億円落ち込むとの試算を公表した。地元の農業関係者らの不安は根強い。
秋田県農政連は参院選秋田選挙区に自主投票で臨む方針を決定。「農協改革やTPPに大半の支部が反発したためだ」と説明する。近隣の宮城も同様の方針で、山形は選挙対応を決めていない。関係者は「農家に寄り添ってくれる候補かどうか見極める」と解説する。

日本医師会の政治団体である日本医師連盟(日医連)は、財政再建策の一つとして政府内で強まる医療費への削減圧力を警戒する。両組織のトップを兼ねる横倉義武氏は1月の日医連会合で、16年度の診療報酬改定を巡り全体の改定率が引き下げられる中で医師への報酬増を勝ち取ったとした上で「政府、与党にご理解いただいた結果だ」と強調した。
日医連幹部は「今後も政権と対話していく必要がある。まずは参院選でわれわれがどれだけ力を示せるかだ」と話す。票を背景に、政権に圧力をかける戦略だ。

分厚い「郵政票」を抱える全国郵便局長会(全特)。組織内候補が体調を崩し、候補を差し替えるハプニングに見舞われた。幹部は「末端組織まで浸透できるか時間との闘いだ」と焦りを隠さない。
日本遺族会は会員の高齢化が進んでおり、自民党内には「候補を立てて支援するのは今回が最後になるのではないか」(閣僚経験者)との見方が出ている。

【共同通信】
by kura0412 | 2016-05-17 08:59 | 政治 | Comments(0)

震災で「ダブル選断念」なら、消費増税延期の是非は参院選で問えばいい

2次災害を防げなかった
熊本地震の余震が続く中、安倍晋三首相が「夏の衆参ダブル選挙を断念した」との見方が広がってきた。地震そのものによる被害だけでなく、地震関連死が11人に上ると報じられる中、私もダブル選は難しくなった、とみる。
産経新聞が4月20日朝刊の1面トップで「首相、同日選見送りへ」と報じたのを皮切りに、21日の朝刊各紙はダブル選が難しくなった状況を伝えている。
正直に言うが、私はつい最近まで「地震があっても首相はダブル選に踏み切るだろう」とみていた。だが、19日に見方を変えた。理由は「エコノミークラス症候群で女性1人が死亡した」というニュースである。
地震で家が崩壊したり、土砂崩れに遭って死者が出るのと、エコノミークラス症候群で死者が出るのとでは、意味合いがまったく違う。前者は天変地異であり、避けようにも避けられない不可抗力だ。だが、後者は万全の対策があれば防げたかもしれない「2次災害」である。
2次災害を防げなかったのは、政府を始め行政の被災者対策が十分でなかったからだ。たしかに安倍政権は地震後、救命、救出、救援活動に全力を挙げてきた。活動はそれなりに成果を上げつつあったが、それでも万全ではなかった。そこは認めなければならない。
熊本では商業施設や展示場の駐車場、自宅周辺などで車中泊が広がり、数千人以上の人々が毎晩、車内で夜を過ごしている。避難所のスペースが圧倒的に足りないからだ。避難所はプライバシーの確保や食事提供、衛生管理の不十分さなども指摘されている。
報道によれば、医療の専門家がエコノミークラス症候群の広がりは「経験したことのない極めて異常な状況」と言っている。そうであれば救援態勢の不十分さも相まって、車中泊がもたらす障害が相当なスピードで拡大しているとみて間違いない。さらなる悲劇が起きる可能性もある。事態は長期戦になっている。
そんな状況で、安倍首相がダブル選を決断して支持を訴えられるだろうか。首相が遊説でマイクを握れば、有権者からは「こんなところで演説してないで、熊本を助けて」と言い返されてもおかしくない。

「増税延期」はどうするのか
ダブル選をすれば、衆院議員と参院議員の半数が失職し長期間にわたって政治空白が避けられなくなる。ここはダブル選をあきらめて、被災者対策に全力を挙げる。そういう判断は適切だと思う。それでもダブル選の可能性があるとすれば、被災者の状況が劇的に改善することが条件になるが、最終決断まで実質1ヵ月しかなく、それも難しい。
そもそも私がダブル選は不可欠と主張してきたのは、前回コラムにも書いたように、増税を先送りすべきであるからだ。首相が「次は必ず増税」と訴えてきた以上、再び先送りするなら解散総選挙であらためて国民の意思を確認する必要がある。
だが、地震を受けて増税を先送りするなら、多くの国民は納得するだろう。あえて総選挙に打って出る意味は薄れる。東日本大震災では復旧復興の名の下に増税したが、とんでもない誤りだった。本来なら復興予算は長期の借金で賄うべきだったのだ。
安倍政権は増税をどうするのか。
結論を言えば、2017年4月からの10%への引き上げはますます難しくなった。
安倍首相は「リーマン・ショック級の事態が起きないかぎり増税する」と述べてきたが、世界経済の不透明さに加えて、今回の大地震はまさしく異常事態である。

参院選を「意思表示」の場にすればいい
企業活動で言えば、トヨタ自動車が典型だ。サプライチェーンが全国に広がっているため熊本周辺に限らず、全国の工場が操業停止に追い込まれた。地震が景気を下押すのは、もはや避けられない。
5月18日に発表される2016年1〜3月期の国内総生産(GDP)には、4月に起きた地震の影響が織り込まれないが、それでもマイナス成長との見方が強まっている。そうだとすれば、4月以降はますます落ち込んで、当面の景気回復はまず期待できない。
これでは、とても増税を決断できないだろう。
増税を延期すれば、野党は「アベノミクスの失敗」と批判するに違いない。だが、中国のバブル崩壊に原油安、それに地震がもたらす悪影響をすべて一絡げにして「アベノミクスの失敗」と切って捨てるのは無理がある。
国民はそれほどバカではない。逆に、野党のピンぼけぶりと無能さが鮮明になるだけだ。
「地震で被災者が苦しい生活を強いられ、景気も悪化する。そのうえ国民に増税の負担を強いることはできない」と説明すれば、総選挙をしなくても、国民は了解してくれるはずだ。国民の意思表明という点では参院選がある。

参院選の延期は不可能だからこそ
ダブル選だけでなく、いっそ7月の参院選も延期したらどうか、という声もある。ちなみに、2011年3月の東日本大震災では直後に統一地方選があったが、臨時特例法を作って一部被災地の地方選を延期した。
だから今回、同じように特例法を作って7月の参院選を延期できるかといえば、それはできない。
東日本大震災の後、当時の自民党衆院議員が野田佳彦内閣に「緊急事態で議員の任期を延長できるか」という質問主意書を提出した。
それに対して、野田内閣は「憲法45条で衆院議員の任期は4年、46条で参院議員の任期は6年と決まっており、臨時特例法のような法律を制定して国会議員の任期を延長することはできない」という趣旨の答弁書を衆院議長に送っている。
安倍内閣が野田内閣の見解を踏襲するとすれば、今回の参院選は予定通り、実施される。ということは、消費増税先送りに対する国民の意思は参院選で示される形になる。

【長谷川幸洋:ニュースの深層】



これで衆議院解散権は、完全に安倍首相に握られました・
by kura0412 | 2016-04-22 10:22 | 政治 | Comments(0)

「補欠選挙に敗北しても、ダブル選実施はほぼ確実」その根拠を示そう
総理の「決断」を支えるものは何か

「勝つか負けるか」でしか考えていないから
衆院北海道5区と京都3区の補欠選挙が夏の参院選の前哨戦として注目を集めている。とりわけ、与野党激突の構図になった北海道5区について「与党候補が負ければ、安倍晋三首相は衆参ダブル選を回避するのではないか」という観測がある。本当にそうか。
たとえば、日本経済新聞は4月13日朝刊で「解散戦略にも影響」という見出しの記事で、敗北の場合は「衆院選を行えば大幅に現有議席を減らす可能性がある」として「同日選見送り?」というシナリオを図解入りで解説した。
朝日新聞も同日朝刊で「ダブル選判断に影響も」という見出しで「補選の結果次第で衆参ダブルどころではなくなる」という自民党幹部の声を紹介し、与党が負けた場合はダブル選をあきらめる可能性を指摘した。
読売新聞も同日朝刊に掲載した「勝敗次第? 割れる見方」という記事で、与党が敗れた場合について「野党がさらに勢いづけば、衆参とも与党が過半数割れし、政権を失うリスクもある」と書いている。
テレビの解説も似たり寄ったりだ。ようするに補選に勝てば、勢いに乗ってダブル選に雪崩れ込む可能性が高くなるが、負けた場合は「ダブル選回避の可能性が出てくる」という見方である。

こういう解説は一見、もっともらしい。だが、いかにも皮相だ。多くのマスコミは選挙を「勝つか負けるか」でしか考えていない。だから、勝てそうだとなれば勝負に出るが、逆に情勢不利と見れば、勝負を避けるだろう。そういう見方に陥っている。
もちろん勝敗は重要だ。だが、それ以上に重要なのは、安倍首相はなぜ解散・総選挙に訴えるのか、という視点ではないか。私は北海道5区の補選結果がどうあれ、首相は夏に衆参ダブル選に打って出るとみる。なぜか、あらためて理由を示そう。
それはこれまで何度も書いてきたように、安倍政権が消費税の再増税を先送りするのは確実とみるからだ。

総理を支えているものはなにか
安倍首相は前回2014年11月の解散・総選挙に際して「リーマンショック級の事態が起きないかぎり、次は必ず増税する」と約束した。中国のバブル崩壊に端を発した世界経済の不調は、まさしくリーマン・ショックを上回るかもしれない事態である。だから、増税先送りの判断は正しい。
そうであったとしても、首相が「次は増税断行」と繰り返し示唆してきたからには、再び先送りする以上、それで良いかどうか、再び国民の声を聞く。それは政治的に不可欠な手続きである。
つまり消費増税を先送りするからこそ、ダブル選に打って出るのだ。その判断で補選の結果はまったく関係ない。補選で負けたら増税先送りをあきらめるのか。そんなはずもない。
国民生活に大きな影響を与える重要な局面では、選挙によって直接、国民の声を聞く。それは民主主義の大事な手続きだ。この仕組みこそが政権の正統性を支えている。
政権はときに人の命を預かる場合もある。
だから、どういう判断をするにせよ「この決断の背後には、必ず後押ししてくれる国民がいる」という確信がなければ、一つ一つ決断していくのは難しい。
それでなくても首相や官房長官が普段、相手にしているのは、理屈を喋らせたらだれにも負けないトップエリートの官僚たちだ。彼らの達者な弁論を押しのけて決断する自分を支えるのは、背中の後ろには国民がついているという確信だけと言ってもいい。
「国民の意思を背負っている」という感覚を普段から身につけていなければ、とてもじゃないが、政権運営などできないのだ。孤独な権力者ならではの、そんな感性がどうも政治記者にはよく伝わっていないのではないか。

政治家のほうがよほど感性を研ぎ澄ましている
同じ政治的感性は逆説的だが、民進党の岡田克也代表が「増税を延期するなら内閣総辞職すべきだ」という主張にも表れている。岡田代表は「国民に対する約束を裏切るなら、政権を担う資格がない」と言っているのだ。
岡田代表は野党党首だから内閣総辞職を求めているが、安倍首相は政権与党の党首だから内閣総辞職でなく、衆院解散で国民の意思を問う選択をするだろう。両者の主張と判断は大きく異なっているように見えて、実は政権の正統性問題を真正面から問い(岡田代表)、答えよう(安倍首相)としている点では同じなのだ。
単に勝ち負けでしか選挙を見ようとしない皮相なマスコミは残念ながら、政治のもっとも肝心な部分が分からない。国民と政権の原理的関係について、政治家のほうがよほど感性を研ぎ澄ましている。
補選で勝てば与党が勢いづくのは間違いない。だが、負けたところで所詮、北海道5区の話にすぎない。もしも北海道5区で負けたとして、ダブル選を避ける判断をしたとしたら、安倍政権は次のような批判にさらされるだろう。
「安倍政権は北海道5区の敗北に震え上がって、大勝負できなくなってしまった」
「国民の審判は下った。『安倍政権NO!』ということだ」
「増税先送りも所詮、小手先の人気取りにすぎなかったのさ」などなど。
一方、野党は勝利に舞い上がって「一発かませばブルってしまうお子様政権さ」「この勢いで参院選でも安倍政権に鉄槌を下そう」くらいは言うだろう。こういう批判を安倍政権は甘受するだろうか。私には、とてもそう思えない。
ファイティング・スピリット旺盛な安倍首相の性格からみて、むしろ逆に「よし、それなら国民全体の声を聞いてみよう」と思うのではないか。

決断の環境は整った
東京の有権者である私からみれば、北海道5区の補選結果をもって「国民の審判は下った」という評価も受け入れがたい。補選結果を尊重するのはもちろんだが、だからといって、それが国民全体を代表していると受け取るのは行き過ぎだ。
問題の出発点である増税先送りについてはどうか。景気はいよいよ怪しくなってきた。
たとえば最近発表された2月の機械受注統計では「船舶・電力を除く民需」の受注額が前月に比べて9.2%減になった。
マイナス1.1%成長となった昨年10〜12月期の国内総生産(GDP)2次速報(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf)で、かろうじてプラスの伸びを維持していたのは設備投資だった。それを考えれば、設備投資の先行指標となる機械受注が大幅マイナスに落ち込んだのは、続く16年1〜3月期もマイナスになる可能性を示している。

一方、首相官邸で開かれた4月13日の国際金融経済分析会合では、経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長が安倍首相に「将来、消費税は15%にまで上げるべきだ」と提言した。国際通貨基金(IMF)も13日に公表した報告書で増税を求めた。これは意外でもなんでもない。OECDやIMFは財務省の影響が強いからだ。
IMF副専務理事や理事の椅子は財務省官僚の指定席だ。また現在のOECD事務次長も財務省の元財務官経験者である。財務省がNo.2のポストを握っていて、事務総長が安倍首相に増税先送り論でも述べようものなら、大失態もいいところだ。安倍首相も当然、それは織り込み済みである。
一応「増税賛成派のご意見も伺いましたよ」という首相のアリバイ作りとみていい。今週末にはワシントンで20カ国・地域(G20)財務相・中郷銀行総裁会議が開かれる。G20は前回同様、各国に財政政策による景気刺激策を促すだろう。
かくて安倍首相にとって決断の環境はいよいよ整ってきた。

【長谷川幸洋・ニュースの深層】




果たして安倍首相の心中は・・・
by kura0412 | 2016-04-15 17:23 | 政治 | Comments(0)

社会保障「全世代型」に 自民小委、中長期ビジョン中間報告

自民党の小泉進次郎氏や若手らで中長期の社会保障制度を議論する「2020年以降の経済財政構想小委員会」は13日、中間報告をまとめた。高齢者に偏った社会保障のしくみを改め、若年層にも配慮した「全世代型」に転換するよう要求。財源は「年齢ではなく所得や資産などに応じた給付・負担」で確保するとした。負担増などの具体策は結論を先送りし、年末までに決める。

同小委は財政再建に関する特命委員会(委員長・稲田朋美政調会長)の傘下に置かれ、橘慶一郎氏が委員長を務める。事務局長の小泉氏が主導し、30~40歳代の若手議員が中心だ。
中間報告は受験、新卒入社、終身雇用、定年などのこれまで平均的とされてきた生き方を「レール」と名付けた。「政治がレールをぶっ壊していく」とし、多様な生き方ができるように65歳以上としている高齢者の定義見直しなどをあげた。
社会保障制度は「給付と負担が均衡しておらず、多くの部分を将来世代に先送りしている」と指摘。現行制度が続けば「世代間格差が拡大する恐れもある」としている。
全世代型への転換策として国民の資産や所得をきめ細かく把握して「真に支援が必要な高齢者に給付を行う仕組みとする必要がある」とした。
17年4月に予定している消費税率10%への引き上げの可否や、年金支給年齢の引き上げなどの具体的な施策には踏み込まなかった。小泉氏は記者会見で「基本的な認識をつくり共有した。各論はこれからだ」と述べた。
政府・与党内には「7月の参院選などを控えて、高齢者の負担増や給付減を打ち出せば反発を招くのを懸念したのでは」との声がある。年末に向けて具体的な財源確保策なども焦点となる。

【日経新聞】




小泉進次郎議員が主導というのが現実帯びた報告になるかもしれません。
by kura0412 | 2016-04-14 15:30 | 政治 | Comments(0)

衆参W選挙が微妙に

自民党に逆風、雲行きが怪しくなってきた衆参同日選
野党は今こそ大胆な経済対策を提示せよ

円高と株価下落でアベノミクス正念場、政策失敗指摘する声
4月10日付日経新聞の大石格編集委員のコラム「風見鶏」がなかなか面白かった。「衆参同日選、「寸止め」という選択肢」というタイトルで、次のような内容だった。

「同日選回避もあり得る」と日経コラム
1983年は、12年に一度の統一地方選挙と参院選挙が重なる年であった。当時、中曽根政権だったが、統一地方選挙の後は地方議員の動きが鈍り、自民党は参院選でいつも苦戦していたそうだ。しかも、この年の秋には、有罪が確実視されていたロッキード事件で田中角栄元首相への一審判決が予定されていた。この2つの難題をクリアするには、衆参同日選挙しかなかった。事実、82年秋には、自民党最大派閥のオーナーである田中角栄から中曽根首相に「6月にダブル選挙をせよ」と厳命されていたという。
だが中曽根首相は、83年4月に早々と「解散見送り」を表明、「野党も含めて政界は耳を疑った」そうである。事実、田中有罪判決後の衆院挙では、自民党は単独過半数を6議席下回り、新自由クラブとの連立でかろうじて政権を維持することができた。
中曽根首相は、なぜ田中角栄の厳命を無視してまで同日選を見送ったのか。
当時、田中角栄は、数の力によって自民党を支配し、「闇将軍」とまで呼ばれていた。この影響力を排除するために、あえて同日選をやらなかったというのだ。選挙後、幹事長は田中派野二階堂進氏から、鈴木派の田中六助氏に交代させている。田中派も竹下登氏らによる代替わりのクーデターが起こっている。この結果、田中角栄氏は影響力を急速に失い、中曽根氏は長期政権への道を開いたというのだ。

コラムは、中曽根氏のこの動きを現在の安倍首相にあてはめる。多くの政治評論家や自民党幹部は、盛んに同日選の可能性が高いことを喧伝している。同日選をやれば、参議院でも与党が3分の2以上を確保する可能性は高い。そうすれば憲法改正が現実的な日程に上ってくる。保守派からの改憲論も一気に高まるであろう。
だが、憲法改正には依然として国民の反対が多い。もし国民投票で改正案が否決されれば、首相の退陣は避けがたい。それだけではなく、憲法改正そのものも大きく遠のくことになるだろう。
しかし3分の2以上に達しなければ、改憲を目指す保守派との摩擦も起きない。安倍首相が長期政権を目論むなら、「寸止め」にするために同日選を回避することもあり得るのではないか、というのが大石編集委員の見立てである。

同日選は本当に自民党に有利なのか
実はこのコラムは、衆参同日選挙、消費税増税の先送りをやれば、自民党など与党は参院でも確実に3分の2以上を確保できるという前提に立っている。
だが果たして本当にそうなのだろうか。確かに参院選では、民進党が議席を減らす可能性は高い。それでも3分の2以上を確保することは簡単ではない。

衆院はどうなのだろうか。民主党の野田政権のもとでの2012年の衆院選挙では、民主党政権の大失政もあり、自民党は294議席を確保し、政権を取り戻した。だが2年前の衆院選挙では、安倍首相が「アベノミクス解散」と命名し、消費税の再増税延期を打ち出したが、291議席にとどまっている。この議席数というのは、自民党にとって伸びきった議席数でもあるのだ。
この間、自民党はスキャンダルや失言が相次いでいる。なかでも甘利明前経済財政・再生相を巡る金銭授受問題では、東京地検特捜部が強制捜査に乗り出したことで新たな局面を迎えている。4月24日に投票が行われる北海道5区補選で自民党候補が負けるようなことがあれば、同日選への動きは一気に冷え込んでいくだろう。
現在、国会ではTPPの審議が行われているが、真っ黒に塗りつぶされた交渉経過に関する資料では、野党は到底納得するまい。確かに、国と国との交渉事をすべて明らかにすることができないことは理解できる。だが真っ黒な資料では誰も納得できない。こんな資料なら出さない方がまだましというものだ。
景気動向も内憂外患である。ここにきて円高が急速に進み、株価の下落や企業収益への圧迫など、不安感が増している。中国経済も依然として低迷が続いている。

こんな状況下で同日選など、そもそも行える状況にはない、というのがごく普通の見方なのではないだろうか。
同日選は、参議院での自民党など与党勢力の3分の2以上の議席確保を困難にするだけではなく、衆議院での3分の2以上を失う危険性も秘めているのである。

野党こそ思い切った経済対策の提示を
こんな経済状況のもとで野党からこれといった対案が示されないのは、いかにも残念である。
現在の景気の低迷の最大の要因は、需要不足である。GDPの6割を占める個人消費が低迷し、企業の設備投資も低迷している現状では、財政出動が不可欠であろう。政府も公共事業を中心とする予算12.1兆円について、前倒しにするよう指示した。今年度上半期(2016年4月~9月末)に8割程度の10兆円規模を契約済みにすることが目標である。国が支出するお金が例年より早く建設業者など民間企業に行き渡るようにすることで、景気をてこ入れすることが狙いである。
だが野党からは、思い切った経済政策についての提案がない。消費税増税先送りの議論でも、民進党から出てくるのは「アベノミクスの失敗だ」という議論ばかりである。
では民進党は、今の経済情勢の下で消費税再増税を強行しろと言うのか、それとも止めろと言うのか、肝心なことが語られていない。
共産党などは、8%に引き上げられる際、これでは国民生活が破壊される、経済も失速するとして大反対したのではなかったのか。実際、日本経済は大きく落ち込んだ。であるなら主張すべきは、消費税の5%への引き下げではないのか。ところが8%に引き上げられた途端に、「再増税反対」に態度を豹変させてしまったのである。何という無責任な政党か。実質賃金が下がり続けているいま、野党は再増税反対ではなく、消費税引き下げというぐらいの大胆な提案をするぐらいでないと自民党に対抗できないのではないか。

内閣参与の飯島勲氏が『週刊文春』(4月14日号)の連載コラム「飯島勲内閣参与の激辛インテリジェンス」でこんな提案をされている。「法人税も実効税率を下げるだけじゃなく、企業があまりにもため込みすぎた内部留保金に逆に課税したらどうなの?」と。
安倍首相は、この間、再三にわたって財界に対し、内部留保金を賃上げや新たな設備投資に回すよう要請してきた。だが春闘での賃上げは、期待外れに終わった。設備投資も同様だ。だったら飯島氏も指摘するように、どこにも有効活用されなかった内部留保金を吸い上げ、景気刺激策に活用するというのは、道理のある提案である。こういう提案が野党からなされないことが情けない。
北海道新幹線が3月26日に新青森駅と新函館北斗駅間で開通した。うれしいニュースである。だが、やっと函館まで開通したに過ぎない。これではまだ「函館新幹線」だ。北海道新幹線というのであれば、最低でも札幌まで開通させなければならない。ところが予定では、2031年、つまり15年先とのことだ。トンネルの多い難工事らしいが、財政資金を集中的につぎ込んでもっと早めるべきであろう。そうすれば利用者も飛躍的に増やすことができるはずだ。景気対策にもなる。
アメリカでトランプ旋風やサンダース旋風が吹き荒れているが、これを支えているのは貧しい人々や若者である。その主張は実に分かりやすい。野党は、大いに学ぶべきである。

【JB PRESS・筆坂秀世】



私も衆参W選挙は微妙になってきたと感じています。
確かにここだ野党が実現可能な経済政策を打つ出せば、流れは一気に変わります。但し、それが出来る野党であるか・・・
by kura0412 | 2016-04-12 08:48 | 政治 | Comments(0)

マイナス金利がだめ押し?「円高・株安」でアベノミクスはもう限界

デフレは貨幣現象、金融政策で変えられる
年始からの歴史的な金融市場に翻弄され、「アベノミクス信者」に変化が現れている。中国をはじめ海外経済の減速を前に「日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は悪くない」と冷静に装ってきたが、いまだ低空飛行を続ける個人消費を目の当たりにして動揺が走っているのだ。「円安・株高→企業収益の改善→雇用・所得環境の向上→消費の回復……」という経済の好循環シナリオに狂いが生じ、首相ブレーンからもアベノミクスの「誤算」を認める声が漏れ始めている。
「今から言うと、言い訳に聞こえるかもしれないが、ここまでひどいとは思わなかった」
アベノミクスの生みの親である首相の経済政策ブレーンの1人はこう打ち明ける。そもそもアベノミクスの根幹にあったのは「デフレは貨幣現象であり、金融政策で変えられる」というものだ。だが、実際は理論通りにいっておらず、各種の経済指標が発表されるたびに首相官邸内は重苦しい雰囲気に包まれている。

安倍晋三政権は2013年春にリフレ派の黒田東彦氏を日銀総裁に起用し、「異次元緩和」で円安・株高を誘因。企業収益は過去最高に達し、雇用環境はバブル期以来の良好な指標が並ぶようになった。基本給を底上げするベースアップ(ベア)も相次ぎ、所得環境も改善が見られてきている。
だが、肝である個人消費の低迷は深刻で、15年10~12月期の国内総生産(GDP)は再びマイナス成長に転落した。1月の消費支出(2人以上世帯)を見ても、物価変動を除いた実質で前年同月比3.1%減と5カ月連続で前年同月を下回っており、消費の不振は鮮明だ。
その理由について、エール大名誉教授の浜田宏一内閣官房参与は14年4月の消費税増税が「思った以上に効いている」と見る。本田悦朗内閣官房参与は「消費税率の8%への引き上げは間違えていた」との立場で、アベノミクスに誤算が生じていることを率直に認めるようになった。

羅針盤を失ったアベノミクスの誤算
政府内には、人口構造の変化や消費を引っ張る中間層が弱くなったと原因を分析する声があがるが、何より社会保障制度など将来への不安感から国民に節約志向が強まっている点は否めない。首相は「信頼する経済ブレーンの計算間違いには失望も大きかった」(首相側近)とされる。通常国会では野党側から「アベノミクスはすでに破綻している」などと繰り返し追及されており、首相が答えに窮する場面も見られるようになった。
アベノミクス推進派の亀裂が意味するのは「羅針盤」の喪失だ。
本田内閣官房参与は、来年4月に予定される消費税率10%への再引き上げは凍結すべきだと主張。インフレ率が2%程度で安定し、デフレ脱却が確実になるまでの間、増税実施は不必要との持論を展開している。これに呼応したのは政権の大番頭である菅義偉官房長官で、「税率を上げて税収が上がらないようなところで、消費税を上げるということはありえない」と後押しした。
だが、麻生太郎財務相に加えて、安倍首相は税率引き上げを予定通り実施する考えを繰り返し強調している。3月2日の参院予算委員会では「リーマンショックあるいは大震災級の事態にならなければ予定通り引き上げる」と明言し、増税先送りの憶測を否定してみせた。
これまで首相はブレーンの進言を丁寧に聞き、閣内の意見調整を踏まえた上で最終決断するスタイルを重ねてきた。だが、ブレーンへの不信に加えて閣内の要だった甘利明前経済再生担当相が退場し、そのバランスは安定感を失っている。関係閣僚が有識者と世界経済の動向を分析する「国際金融経済分析会合」を新設し、政府の外からの意見をあえて採り入れるとの考えはその現れでもある。

今年夏の衆参ダブル選挙が濃厚になる中、消費税再増税の延期をその大義とするのか。それともダブル選は回避し、再増税を断行するサプライズに出るのか。羅針盤を失ったアベノミクスの限界が近づいてきている。

【PRESIDENT ONLINE】



消費税再増税延期はアベノミクスの失敗が原因だったのでしょうか。W選挙の争点となるかもしれません。
経済は上向きに陰りが見えていることは間違いありませんが、政策の失敗とはいいずら部分もあります。
by kura0412 | 2016-03-24 11:29 | 政治 | Comments(0)

衆参同日選の可能性「ほぼゼロ」~安倍・菅両氏を取材して、この結論にたどり着いた

安倍・菅両氏と話して得た感触
来年度予算案が衆院を通過すると、その後の政局の見通しを書くのが政治報道の習わしである。各新聞社の記事を読み比べると、各紙がどんな政局観を持っているかが浮き彫りになる。今年の場合、7月の参院選に合わせて衆院選を行うかどうか、すなわち衆参同日選の有無について見立てが真っ二つに割れた。
衆院通過翌日の今月1日付朝刊で、同日選の可能性をもっとも強く示唆したのは朝日新聞だった。「予算案通過、年度内に成立」という型通りの主見出しのわきで「同日選・改憲にらむ首相」という見出しを取った。朝日は今年1月1日付朝刊で「首相、衆参同日選も視野」と書いて以来、一貫して同日選があり得るという視点で報道している。
朝日以外で同日選に触れたのは日経、産経の両紙だ。日経は「消費増税先送り 衆参同日選 首相判断、サミット節目」と、産経は「永田町 ダブル選に照準」とそれぞれ書いている。両紙が同日選の可能性を「永田町の観測」としているのに対し、朝日は本文で「安倍晋三首相が衆参同日選も視野に入れ」と書いている。主語が安倍となっていることが両紙と異なっている。
これに対し、読売、毎日の両紙は同日選に触れず、参院選と書いた。読売は「観測」を報じることはあっても、「首相の意向」として書いたことはなく、朝日とは視点がまったく違っている。

「観測」が広がる根拠は確かに多い。以下、列挙すると――。
①安倍が衆院解散の事実上の前提となる衆院の定数削減・是正に積極的に取り組み、今国会での成立を目指している。
②安倍は憲法改正について「在任中に成し遂げたい」と述べるなど、選挙の争点づくりに励んでいる。
③来年4月に予定される消費税率10%への引き上げる条件について、それまでの「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態」から「世界経済の収縮」と微妙に言い回しを変えた。内外の有識者による「国際金融経済分析会合」も設置すると発表した。これらは5、6月ごろに再増税を断念し、それを同日選で問う布石ではないか。
④沖縄県の米軍普天間飛行場移設をめぐる訴訟で、国が県側と和解したのも基地問題の争点化を避けるためではないか。
これらを「兆候」ととらえ、民主党政調会長・細野豪志は5日、静岡県内の会合で「もはやダブル(同日)選は必至だ」と指摘した。
しかし、どんな兆候、観測があっても、解散権を持っているのは安倍だ。安倍本人と、一心同体で動く官房長官・菅義偉がどう考えているかがカギだ。私は二人とそれぞれ話している。だが、二人とも同日選に極めて否定的だ。言葉遣いはともあれ、彼らの思考回路をたどってみたい。

3分の2を確保することは、実は難しい
彼らが最重視しているのは、衆院で現在公明党と合わせ3分の2の勢力を維持していることだ。これが国会運営の大きな重石になっていることを、彼らは熟知している。
たとえば、昨年秋、安全保障関連法の国会審議で、参院自民党が採決やむ無しという判断を固めた時のこと。党執行部が参院が採決しなければ否決したとみなし、衆院で再可決できる「60日ルール」(憲法59条)の適用を検討し始めたのがきっかけだった。
衆院での3分の2は定数475なので317議席。公明党は30議席前後と仮定すると、自民党は287議席以上獲得しないと、3分の2には達しない。
小選挙区比例代表並立制導入以降、衆院選における自民党の獲得議席は291(14年12月)、294(12年12月)、119(09年8月)、296(05年9月)、237(03年11月)、233(00年6月)、239(96年10月)だった。
290を超える議席数を2回連続して獲得したことは中選挙区時代を含めてない。現在の議席はめったに得ることができない「宝物」であり、安倍政権にとって究極の政権安定装置と言える。
「今、解散したら、自民党の議席は20~30減るだろう。公明党を合わせて3分の2を確保するのは非常に難しい」
これが選挙のプロたちの読みだ。そんな可能性がある衆院解散・総選挙を断行して、参院選における自民党をバックアップする必要性があるのか-。ここが解散を行うかどうかの判断のポイントだ。

「虎の子」を危険にさらす必要はない?
過去2回、7月に行われた参院選の自民党議席は13年が65、10年が51。このうち比例代表当選者は13年が18人、10年が12人だった。
10年は自民党が野党時代のことで、業界団体の多くが自民党から離れていた。それが政権復帰後に戻り、かつ現在の政党支持率や参院選投票動向で自民党は2位民主党に3倍前後の差を付けている。このため、よほどの異変がなければ、比例代表で自民党は「16~18議席を獲得する」とみられている。
選挙区選では、共産党が改選数が1の「1人区」で候補者を降ろし、民主党に協力するため、宮城、新潟、長野、滋賀、三重、岡山などで接戦となりそうだ。しかし、比例議席の上積みによって、自民党が50議席台半ば~60議席程度を獲得するのは可能だ。非改選議席を含めると、自公で過半数を占めるのは確実で、自民党が27年ぶりに単独過半数を取るのも夢ではない。
こうした情勢を踏まえ、安倍、菅は現段階で「虎の子」の3分の2を危険にさらしてまで、同日選に踏み切る意味はないと考えている。これが真実だ。(敬称略)

【田崎史郎・ニュースの深層】




消費税増税延期、W選挙が既成事実のようにいわれている中でしが、この考えには説得力があります。
by kura0412 | 2016-03-08 10:13 | 政治 | Comments(0)

社会保障見直し、脱「シルバー」 自民が新組織

自民党は3日、社会保障の世代間格差を議論する新組織を立ち上げた。投票率の高い高齢者に手厚くなりがちな「シルバー民主主義」を是正し、若者にも配慮した制度づくりをめざす。旗振り役の稲田朋美政調会長は、知名度が高い小泉進次郎衆院議員を事務局長に起用。中核メンバーも30歳代で固めた。選挙権年齢が18歳以上に下がる夏の参院選を見据え、党のイメージを変えたい考えだ。
組織名は「2020年以降の経済財政構想小委員会」。財政再建に関する特命委員会(委員長・稲田氏)の傘下に置く。「次世代への責任を果たす持続可能な社会保障改革をやっていく」。3日、稲田氏は特命委で強調した。4月に理念をまとめ、参院選の公約や政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)への反映を目指す。

メンバーの人選は小泉氏が自ら主導した。「改革志向のある若い人。業界団体とかを背負っている人はだめだ」と指示。衆院は当選3回、参院は当選1回までの30~40歳代の若手議員約20人を選んだ。初会合を来週に開き、20年以降を見据えた社会保障改革を議論する。
具体的には資産を多く持つ高齢者に社会保障で負担を求め、浮いた財源を子育てなどの若年層向けの施策や教育制度の充実に充てることを検討する。医療費の自己負担に上限を設けている高額療養費制度の見直しなども焦点となる。
小泉氏は3日の会合後、記者団に「今の若い世代は将来への不透明感が強い。聖域を設けずに議論する」と述べた。年金支給年齢の引き上げなども念頭にあるもようだ。
小委立ち上げの背景にあるのは、高齢者重視の社会保障政策への若手議員らの不満だ。国の社会保障予算32兆円(16年度当初ベース)のうち高齢者に使う年金、介護が約14兆円と4割強を占める。12兆円の医療費も、65歳以上向けが大半だ。
特に補正予算案の閣議決定を目前に控えた昨年12月16日の厚労部会では、高齢者向けの1人3万円の給付金を巡り、小泉氏が「現金を配るだけ。考え直すべきだ」と痛烈に批判。若手議員らから「若者を向いていない」などの声も噴出した。

課題は財政健全化との両立を守れるか。
大和総研の鈴木準・主席研究員は「若者への配慮は重要だが、高齢者への配分を見直せずに財源を確保できなければ財政が膨張してしまう」と指摘する。
「これまでも高齢者の負担は増やしてきた。これ以上どうやって増やすのか」。3日の会合では、田村憲久前厚労相がさっそく高齢者への負担増に疑問を呈した。高齢者切り捨てとのメッセージになれば、参院選にマイナスになりかねないとの危機感は党内には強い。
こうした逆風を踏まえ財政再建を重視する稲田氏が配置したのが、財政重視派の重鎮として知られる園田博之氏。小委の顧問に据え、族議員などへの抑え役を期待する。
ただ、小委は「20年以降の」と銘打ち「現在の安倍政権には弓を引かない」とも読める配慮もにじませている。イメージ戦略に終わらず、若者の心をつかむ清新な改革案を示せるかは未知数だ。

【日経新聞】




この小委員会は小泉議員が中心だけに大きな流れを作る可能性があります。
by kura0412 | 2016-02-04 10:29 | 政治 | Comments(0)

甘利氏辞任・問われる政治家の生き方

週刊文春の記事を読んだとき、これは辞任まで発展するな、と感じた。「罠(わな)にはめられた」という見方もあったが、事実だけが持つ迫力のようなものは否定できない。永田町の世界は嫉妬が渦を巻いている。甘利氏の閣僚辞任で攻め手を欠く野党が「まだ辞めないでほしかった」と本音をもらしているのに対し、かえって自民党内部には「安倍側近で調子に乗りすぎたんだよ」とやや他人の不幸は蜜の味という空気があるのも事実だ。
それにしても、と思う。文春の記事を読む限り、あきらかに告発してやろうという意図が見える。あまりにも証拠になるような写真が多すぎるのだ。だとすれば、なぜ、大臣室や地元の事務所などで金品を手渡されたりするのだろうか。羊羹(ようかん)を渡され開けてみたら50万円が入っていたという時代劇の「越後屋、そちも悪よのう」レベルのことが、いまの時代にも存在しているとは。
「記憶がはっきりしていない部分がある」と甘利氏は当初語っていたが、おそらくそんなはずはなく、記憶は鮮明だっただろう。もし覚えていないとしたら、そのようなことがよくあるからか、それとも記憶喪失気味かどちらかだろう。

政治家は因果な職業だと、長い間夥(おびただ)しい数の政治家を見て来て思う。なぜか。まず、職業としてあまり尊敬の対象にならない。大勢の前での挨拶(あいさつ)を政治家に頼むのは、その肩書に対してお願いするのであって、人物識見に対してではない。次に「職業としての政治家」は経済的になかなか成り立ちにくいということである。国会議員の給料は月額129万4000円。このほかに期末手当が635万円、年収にするとおよそ2200万円ほどである。これに加えて通信交通費が月額100万円、これは無税でしかも領収書不要である。このほかに政党交付金として議員1人当たり年間4000万円ほどが政党に支払われる(共産党だけは受け取っていない)。政党によっては議員に一部支給しているところもある。
一般的な感覚でこれらの数字を見ると、国会議員はもらいすぎ、といいたくもなる。しかしながら、よく調べてみると、事務所で働いている秘書やスタッフの給料をどのように工面しているのかその台所具合がわかって来る。
国が給与を支払う公設秘書は3人まで。この3人だけですべてを運営している事務所はごくごくまれだ。与党なら選挙区も含めると10人はいる。中には総勢40人という事務所もある。大半が選挙区の陳情の処理など票集めにつながる仕事だ。10人スタッフがいると仮定して3人は国が払ってくれる。残りの7人は雇い主である国会議員が払わなければならない。
以前は公設秘書に夫人の名前を載せたり、あるいは支援してくれる企業から給料向こう持ちで社員を派遣してもらったり、運転手付きで車の提供を受けたりというケースもめずらしくなかったが、いまはそれらが政治資金と見なされるようになったので姿を消したようだ。
スタッフ1人を雇うには社会保険料などを含めて年間500万円はかかる。7人雇うと3500万円。これだけで議員の歳費を超えてしまう。だから、法律の範囲内で運営しようとすれば、かなり厳しいものになる。

どこの事務所も資金繰りで苦労している。国会議員も個人としての生活もあり、子どもの教育費もかかる。国会議員の朝食会に呼ばれて話をすることも多いが、最近はコンビニのおにぎりにお茶というのが定番だ。こうした実態とは別に、世の中の大半の人は「国会議員はうまい汁を吸っている」と思っている。尊敬されもせず、かつそのように思われている職業を次の世代を担う若者が目指すはずがない。だからなかなか職業政治家の質が向上せず、政治不信もなくなっていかないのだ。
いつも思う。西郷隆盛のあの言葉を。「命もいらず名もいらず、官位も金もいらぬ仕末に困る人」でなければ国家の大業は成り立たないというあの言葉を。政治不信を解消するのはそう難しいことではない。立派な生き方をしていると思う人に、有権者が頼み込んで政治家になってもらうことだ。そういう人はこの世にいくらでもいる。

【田勢康弘・愛しき日本】)



いくらでもいるはずなのに、そんな政治家が少ないのは何故なのでしょうか。
by kura0412 | 2016-02-02 09:00 | 政治 | Comments(0)

アベノミクス「盟友カルテット」が崩れた日

首相の安倍晋三にとり、甘利明の経済財政・再生相辞任は政権の「存立危機」並みの衝撃だ。
甘利はアベノミクスの推進に加え、現政権の権力構造そのものの要石でもあったからだ。内閣中枢を成す「盟友カルテット」のバランサー役。成長戦略を練る経産官僚グループの司令塔。しかも環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉責任者。想定外の退場で政権の変質は避けがたい。

■権力構造を安定させた「緩衝役」の退場
「アベノミクスをやって、本当に良かったじゃないか」
2015年12月23日夜。東京・赤坂の中華料理店で、互いをねぎらうこんな声が上がった。16年度予算編成が実質的に決着し、安倍を副総理・財務相の麻生太郎、官房長官の菅義偉、そして甘利が囲んだ会合。12年12月に安倍が首相に再登板して以来、この内閣中枢カルテットは3年以上も不動だった。この4人のほかにずっと閣僚を務めてきたのは、外相の岸田文雄だけだ。
4人の出身派閥はバラバラ。安倍が最初に首相の座に就く過程で、派閥の垣根を超えて盟友関係を築いた。第1次安倍内閣でも麻生は外相や自民党幹事長、菅は総務相や党選挙対策総局長、甘利は経産相を務めた。その後の麻生内閣や野党時代の終盤に安倍が党総裁に返り咲いた際も、菅と甘利は閣僚や党執行部の要職で支え、絆を深めた。
黒田東彦の日銀総裁任命。消費税率8%への引き上げ。10%実施の見送り。法人税の実効税率引き下げ――。現政権で、アベノミクスを軸とする内政面での重要な意思決定は、大抵はこの盟友カルテットの密室協議でケリがついてきた。安倍は党政調会長には高市早苗、次に稲田朋美と安倍シンパながら経済財政政策に経験の浅い議員を使い、内閣主導体制を鮮明にした。

安倍は再登板した当初の「経済再生と財政健全化の両立」(骨太方針2013)から、「経済再生なくして財政健全化なし」(骨太方針2015)へと経済成長重視への傾斜を強めてきた。菅は一貫して安倍に寄り添い、麻生が財務省流の財政規律を主張する。そのはざまで経済財政政策の調整役だった甘利はバランスを測るように、安倍に合わせて成長重視路線に軸足を移した。
菅と麻生の間に甘利が入り、2対1の構図を創り出す。それにより、首相官邸と財務省が正面衝突して安倍が乗り出す前に、綱引きを決着させた場面も多い。カルテット内の暗黙の序列で「第4の男」を自任した甘利はこんな緩衝材役も演じ、権力構造の安定を下支えしてきた。
人間関係が重層的なアヤを織り成す4人だったから、盟友関係が崩れにくかったとも言える。甘利がほとんど介在しなかった消費税の軽減税率問題では、菅と麻生がぎくしゃくした。2人のすきま風もささやかれ始めた矢先。新経済再生相の石原伸晃にバランサー役は荷が重い。
マクロ政策をつかさどる経済財政諮問会議。成長戦略を練る産業競争力会議。設備投資の拡充を狙う「未来投資に向けた官民対話」。賃上げの旗を振る「経済の好循環実現に向けた政労使会議」――。安倍が次々に林立させたこれらアベノミクス関連の官邸政策会議の切り盛りも、甘利が一手に引き受けてきた。その知恵袋は、官邸周辺に進出した経産官僚のグループだ。

■「経産省内閣」の支柱折れ、霞が関の力学に波及も
「日本経済再生本部を司令塔に『失われた国民所得50兆円奪還プロジェクト』を展開し、『縮小均衡の分配政策』から『成長による富の創出』への転換を図る」
これは安倍が首相再登板を果たした12年衆院選の自民党の政権公約の一節だ。まとめたのは政調会長だった甘利。経済再生相に就くや、全閣僚でつくる「日本経済再生本部」を新設し、内閣官房に総合事務局も置いた。13年5月、ここを仕切る事務局長代理に、経産相時代から旧知で、経産省製造産業局長だった菅原郁郎(1981年入省)を兼務で据えた。自らの政務秘書官にも、経産官僚を抜てきした。
安倍も首席首相秘書官に元資源エネルギー庁次長の今井尚哉(82年)、首相補佐官に元中小企業庁長官の長谷川栄一(76年)と経産省出身者を側近スタッフに重用。慶大教授の竹中平蔵は「経産官僚内閣」と呼んだ。「経産省内閣」と言わなかったのは、政治家に一本釣りを受けた官僚たちの個人プレーの色彩が強いと踏んだからだが、3年後を見れば「経産省内閣」だ。
菅原は経産省の筆頭局長である経済産業政策局長を経て、15年7月に事務次官に昇格。その後も日本経済再生本部の事務局長代理の兼務を続ける異例の配置を取ってきた。それほど甘利―菅原ラインが太かったのだ。規制改革の旗を振る竹中の影響力も国家戦略特区諮問会議などに限られ、経産省は財務省の頭も抑えて官邸直結を享受してきた。そんな「経産省内閣」の支柱が折れた。霞が関の各省間力学にも波及せずには済まない。

「TPPの署名式については、直前の関係国の閣僚会合で重要な議題が話し合われる。これまで交渉に一貫して携わってきた甘利担当相でなければ、適切に対応することは難しい」
官房副長官の萩生田光一は27日午前の記者会見で、2月4日にニュージーランドで開くTPPの署名式には甘利の出席が望ましい、と強調していた。安倍は従来、外務、経産、農水、財務の4省が縦割りのまま進めてきた通商交渉体制を問題視し、内閣官房にTPP政府対策本部を新設。交渉権限も担当相の甘利に一元化し、首相直結のワンボイスで臨む仕組みに変えた。
甘利が米国で交渉現場の全権を握る通商代表部(USTR)代表のフロマンと丁々発止、渡り合えたのも、一元的な「日本版USTR」機能のなせる技といえる。半面、自動車の関税から農産物の例外扱いまで、分野横断的な交渉の経緯や機微に精通する閣僚も甘利だけだった。
TPPの批准とその実施に向けた国内対策関連法案の審議は通常国会後半の4~5月の最大の争点となる。唯一最強の答弁閣僚を失って矢面に立つ安倍。28日夜、記者団に「甘利氏には何とか耐えて、政策を進めて欲しいとお願いしてきた」と慰留しきれなかった無念さをにじませた。「築城三年、落城一日」。年頭所感でこう政権運営を自戒した時には、夢想だにしなかった危機に直面した。=敬称略

【日経新聞】



普通の大臣辞任とは全く異なり、安倍政権へのダメージは色々な点で大きいようです。順調に進んでいた第二次安倍政権での最大の問題となりそうです。
歯科界の複雑化した参議院選挙への対応にも微妙に影響してきそうです。
by kura0412 | 2016-01-29 08:53 | 政治 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
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