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本来は厚労族の加藤厚労大臣

内閣改造で厚労大臣に加藤勝信大臣が就任となりました。
近年は内閣官房副長官のイメージが強いですが、元々は自民党部会長も務めた厚労族です。逆に厚労畑一辺倒でなくなっただけに果たしてどんな手腕を発揮するか。安倍首相にその実力を認められ信任が厚いだけに注目です。
by kura0412 | 2017-08-03 15:34 | 政治 | Comments(0)

「加計問題で「行政が歪められた」証拠を示すのは野党・マスコミの責任だ」

加計問題で「行政が歪められた」証拠を示すのは野党・マスコミの責任だ

国会では、24日(月)と25日(火)に閉会中審査が行われ、加計学園問題などが議論された。これに対して、一部メディアでは「加計疑惑、証拠なき否定」と報じられている。これはいわゆる「悪魔の証明」である。つまり、ないことの証明は困難であるので、法のことわざとして、「否定する者には、挙証責任はない」がある。
加計学園問題では、一部メディアが、安倍首相と加計学園理事長との個人的な関係を根拠として「総理の意向」が働いたはずとの主張をした。この場合、証拠を提示する挙証責任は、存在を主張する一部メディア側にある。それを否定する側に証拠を求めてはいけない。

文科省内メモに証拠能力はない
特区会議議事録など見れば真実わかる

本コラムでは、これまで「文科省内メモ」は証拠能力がないこと、文科省の内閣府で合意済みで証拠能力のある公表された特区会議議事録から見れば、文科省メモや前川前文科事務次官の発言は誤りが多いことを指摘した。
その後、当事者である国家戦略特区会議委員の記者会見、加戸・前愛媛県知事の国会証言、京都産業大や京都府知事の記者会見、獣医師会会長の発言などで、筆者の言ってきたことが正しかったことがわかっていただけたと思う。
これらのうち一部は、以下のサイトで確認できる。
国家戦略特区会議委員の記者会見、加戸・前愛媛県知事の国会証言、京都府知事の記者会見、獣医医師会会長発言

首相と加計理事長の関係を根拠にしただけの不毛な論争
24日の国会閉会中審査における小野寺五典議員の質問は、これまでの事実の積み重ねを質問して、よく整理されたものだった。
つまり、安倍首相が加計学園理事長と個人的な関係があっても、それで行政が歪められたことはないことを証明しているといえる。
本来、こうした「ないこと」の証明を行うのは困難である。このため、「否定する者には、挙証責任はない」のだから、追求する側が、「行政が歪められた」ことを証明するのが、本来の議論である。
筆者は、国会においても、こうした議論の筋を堂々と主張すればいいと思っている。
ただし、今回の閉会中審査では、追求する野党は、安倍首相が加計学園理事長と何回食事した等を指摘し、あとは依頼があったはずという推論だけで、「行政が歪められた」はずという論法である。
そして、それへの説明がなされていないと主張し、「行政が歪められた」ことが「ないこと」の挙証責任を、否定する者に求めてしまっている。これでは、不毛な論争にしかならない。
もっとも、野党でも、問題の本質に迫る質問もあった。25日の浅田均議員の質問である。
冒頭の「文科省告示」(平成15年3月31日文部科学省告示第45号)が、いかに国民の権利を阻害しているかを政府に問いただして、告示の撤廃を主張している。
その中で、安倍首相から、告示の存続については、規制官庁が説明しなければいけないという答弁を引き出している。つまり、筆者が本コラムに書いてきたように、文科省告示の存続については文科省側に挙証責任があるとしたわけだ。

文科省告示こそが岩盤規制 「存続」いうなら文科省に挙証責任
この文科省告示こそが、文科省が獣医学部の申請を一切認めないとする同省の方針であり、いわゆる岩盤規制である。こうした規制に基づき50年以上も獣医学部の新設がなかった。
そこで、国家戦略特区の課題として、内閣府と文科省の間で文科省告示の適否が議論された。交渉の結果として出てきたのが「石破4条件」だった。
筆者の聞くところでは、この文言案は文科省から出されたようだ。文科省告示から「石破4条件」が出てきたのだから、、「石破4条件」も文科省側に挙証責任があるはずだ。
なお、「石破4条件」は、獣医学部新設に関して、(1)新たな分野のニーズがある、(2)既存の大学で対応できない、(3)教授陣・施設が充実している、(4)獣医師の需給バランスに悪影響を与えない――という内容で、2016年3月までに検討するとされている。
これが作られた経緯は、18日付産経新聞「加計学園 行政は歪められたのか(上)」に詳しい。
それによれば、15年9月9日、石破氏は、衆院議員会館の自室で日本獣医師政治連盟委員長の北村直人氏と、日本獣医師会会長の蔵内勇夫氏に対して、「学部の新設条件は大変苦慮しましたが、練りに練って、誰がどのような形でも現実的には参入は困難という文言にしました」と語ったという。 これが事実であれば、「石破4条件」は獣医師会の政界工作の成果だといえる。
いずれにしても、25日に安倍首相も認めたように、「石破4条件」の挙証責任は文科省にある。つまり、現状について、「石破4条件」を満たしていないことを文科省が説明できないのであれば、「文科省告示」は撤廃または改正せざるを得ないというわけだ。
現実には2016年3月までに文科省は説明できず、2017年1月に文科省告示の特例が作られた。

「1校認可」となれば認可申請は先着順が基本
別の論点として、なぜ獣医学部の新設が「1校限り」かという問題もある。
これは、前回のコラムに書いたように、基本的には先着順である、なにしろ文科省による設置認可は別にあり、今回、特区で行ったのは、単に認可申請できるだけだからだ。 しかも、その手続きも、当事者であった京産大が言っているようにまったく公正だ。
いずれにしても、文科省告示が今回の問題の出発点であったが、文科省が挙証責任を持っていないという主張こそ最大の問題である。
その挙証責任の所在さえわかっていれば、前川氏の記者会見の根拠がすべて薄弱になる。この意味で、筆者は前川記者会見の問題点として、「石破4条件」の挙証責任の問題を取り上げてきた。
この問題を深めるために、資料を探していたら、興味深いものに出合った。
国会閉会中審査の直前だったが、Twitterでアップしたところ、多くの反響があった。
それは、前川氏が課長時代の2005年7月のことであるが、当時の規制改革会議での議事録だ。
この評価は人それぞれかもしれないが、是非、読んでもらいたい。
前川氏は、当時から規制はするがその挙証責任(説明責任)はないという立場だったわけだ。当時、筆者は内閣府で諮問会議特命担当参事官であり、竹中大臣の補佐をしていた。ネットにこの議事録をアップしたら、その関係で当時の関係者からいろいろな情報が筆者のところに寄せられてきた。
前川氏はその当時のことで、役人として「非常識な行動」が指摘されたが、今でもそれは変わってない。しかも当時も、規制改革に反対する文科省から週刊誌に規制改革委員の情報がリークされたということになり、内閣府と文科省の間で問題にもなったような記憶もある。これは今と酷似していて、今回も同じことが繰り返されている。
加計学園問題は、文科省が認可申請を受け付けないという告示の特例を設けて、申請ができるとしただけだ。文科省の許可権限は侵害しておらず、この8月にも新学部設置の認可作業は文科省で行われる。これのどこが「行政が歪められた」のだろうか。単に、申請を受けつけないという「歪められた行政」が正されたという程度の話だ。
しかも、今年1月の申請ができるという特例は、2018年度だけのものだ。来年1月、2019年度以降の特例を作るかどうか、これが見物である。

(daiamonnd online・高橋洋一)
by kura0412 | 2017-07-27 10:31 | 政治 | Comments(0)

「安倍首相もハマった、マスコミが疑惑だけで罪人を作る3つの方法」

安倍首相もハマった、マスコミが疑惑だけで罪人を作る3つの方法

決定的な証拠がないまま、加計学園問題で追いつめられ、とうとう「退陣カウントダウン報道」まで出てきた安倍首相。その転落プロセスをつぶさに見ていくと、マスコミが権力者を糾弾する際に多用する「3つの勝ちパターン」が見えてくる。(ノンフィクションライター 窪田順生)

退陣カウントダウンモードに突入・安倍首相叩きが止まらない
安倍首相の支持率低下に歯止めがかからない。既に「毎日新聞」(7月24日)などは、「支持率が20%台になった最近の主な内閣」という支持率推移のグラフと、20%台突入から退陣するまでの期間を並べ、「カウントダウン」モードに入っている。
「疑惑」はあるものの、「決定打」が出てこないまま、罪人認定されつつある安倍首相。マスコミが権力者を追い落とす際の3つの手法に、まんまとハマった 写真:日刊現代/アフロ
個人的には、安倍首相が退陣しようがしまいが知ったことではない。ただ、「謝罪会見」など危機管理広報のアドバイスをしている立場からすると、今回、安倍首相が追いつめられていった「プロセス」は非常に興味深い。
確たる証拠もないのに、「怪しい企業」の汚名を着せられる企業のそれとよく似ているからだ。
ひとたびマスコミのネガティブ報道が氾濫すると、そのイメージを回復することは難しい。後ろめたいことがないのなら会見を開いて説明すりゃいいじゃん、と思うかもしれないが、大きな組織になればなるほど、立場的に言えないことが増えてくるものだ。
役所、取引先、顧客という第三者が関わってくれば、ぼやかしておかなければいけない点がさらに増える。結果、徹夜で想定問答集をつくって、直前までリハーサルをおこない、自分の息子のような年齢の記者に平身低頭で接しても、会見翌日の報道は「深まる疑惑」なんて見出しが躍ってしまう。
要するに、疑惑を払拭するために開いた会見が、「裏目」に出てしまうのだ。
そういう企業をこれまで掃いて捨てるほど見てきた。もちろん、糾弾されて当然という企業もあるが、なかには、そこまで厳しく断罪されるほどのことはしていないのに、マスコミによって「巨悪」に仕立て上げられてしまった企業もある。今回の安倍首相もそれとよく似ている。

「文春砲」「新潮砲」を食らった政治家たちと安倍首相の決定的な違い
なんてことを言うと、「安倍首相のことなんか知るかと言いながら、必死にかばおうとしている工作員がいるぞ」と、また猛烈な誹謗中傷に晒されるかもしれないが、かばうつもりなどサラサラない。
安倍政権がいつまで持つのかという大騒ぎになっている割に、この「加計疑惑」には、「疑惑」を裏付けるような「確たる証拠」が存在しない、ということを申し上げたいのだ。
これまで「文春砲」や「新潮砲」を食らった閣僚や政治家たちは大抵、言い逃れのできない「証拠」を上げられていた。
たとえば、甘利明・元経済再生担当相は、ご本人と直接やりとりをしたという人物が「カネ」の流れも含めて事細かに証言した。「このハゲー!」の豊田真由子衆議院議員も被害者自身の証言と、音声データがそろっている。「重婚ウェディング」で政務官をお辞めになった中川俊直衆議院議員は、ハワイで撮ったツーショット写真という、言い逃れできない“ブツ”がある。
そういう意味では、稲田朋美防衛相の「あす、なんて答えよう」なんて発言をしたメモなどもこれにあたる。これはもう完全にアウトだ。
ただ、安倍首相が加計理事長に便宜を図ったという「証拠」は、今のところ出てきていない。この時期に加計氏とゴルフに頻繁に行っている、とか獣医学部新設の申請を把握したタイミングが怪しいなどというのは、「状況証拠」に過ぎないのである。
「おいおい、お前の目は節穴か、前川さんの証言や、あの『ご意向文書』があるじゃないか」と息巻く方も多いかもしれないが、残念ながら前川さんは安倍首相から直接何かを言われたわけではない。和泉首相補佐官から言われたという話も、和泉氏本人は「岩盤規制改革をスピード感をもって進めてほしいと言っただけで、そんなこと言うわけないだろ」という趣旨のことを述べており、「水掛け論」となっている。
衆院閉会中審査で小野寺五典衆議院議員とのやりとりを客観的に見ても、前川さんがおっしゃる「加計ありき」というのは、かなり「私見」が含まれている。嘘をついているとかいう話ではなく、「告発者」というほど「疑惑の核心」をご存じないのだろうということが、答弁を見ているとよく分かる。

安倍首相がまんまとハマった マスコミの「殺人フルコース」
例の「ご意向文書」に関しても同様で、「加計ちゃんに頼まれているんだからとっとと岩盤規制壊しちゃってよ」なんてことは1行も書いていない。国家戦略特区を推し進めているのだから、これくらいのことを言ってもおかしくないというような発言しかない。
これらの「文書」を「首相の犯罪の動かぬ証拠」だとしたいという方たちの気持ちはよくわかるが、「文春」や「新潮」だったらボツ扱いの「怪文書」というのがホントのところなのだ。
では、「確たる証拠」がないにもかかわらず、なぜ安倍首相は「罪人」のようなイメージが定着してしまったのか。
民進党のみなさんを小馬鹿にしていたり、選挙妨害する人たちの挑発に乗って「こんな人たち」とか言ってしまうなど、いろいろなご意見があるだろうが、「怪しい企業」の汚名をかぶせられた企業を見てきた者から言わせていただくと、マスコミの「勝ちパターン」にまんまとハマっている、ということがある。
防戦一辺倒の発想しか持っていない、企業、役所、政治家のみなさんはあまりご存じないと思うが、マスコミにはこういう流れにもっていけば、どんな相手でもやりこめられる「殺人フルコース」ともいうべきテクニックが3つある。こういう時代なので、誰でもマスコミから「疑惑の人」と後ろ指をさされる恐れがある。自分の身を自分で守っていただくためにも、ひとつずつご紹介していこう。

<テクニック1>「争点」を変えていくことで「消耗戦」に持ち込む
改めて言うまでもないが、「疑惑報道」の主導権はマスコミ側が握っている。ここが怪しい、ここがクサい、という「争点」はマスコミが選ぶのだ。
茶の間でテレビをご覧になっている方や、スマホでニュースを飛ばし読みしているような方は、マスコミから「ポイントはここです」と提示されると、わっとそこに注目をするしかない。違和感を覚えても、立派なジャーナリストや評論家から「ここが怪しい」と言われたら、そういうものかと思う。
ちょっと前まで、前川さんの証言や「文書」の真偽が「争点」だと大騒ぎをしていたが、先ほども指摘したように、「証拠」とは言い難いビミョーな結末を迎えると、次のカードとして「首相は誠実な説明責任を果たせるか」とか「加計学園の申請を把握したのはいつか」なんて新たな「争点」を提示していく。
このような長期戦になればなるほど、攻められる側は消耗し、ネガティブイメージがビタッと定着していくということは言うまでない。
企業不祥事に対する報道でもよくこういうことがある。不祥事の原因を追及されていたかと思って対応をしていたら、いつの間にやら社長の「人格攻撃」になったり、過去の不祥事を蒸し返されたりする。こういう流れに振り回されると、企業は後手後手に回って、甚大なダメージを受ける。

<テクニック2>「発言の矛盾」を追及して、「嘘つき」のイメージをつける
先ほども触れたように現在、「争点」となっているのは、「安倍総理が1月20日に知ったという発言は本当か」ということだが、「加計疑惑」の本当のポイントは、安倍首相が総理大臣という立場を使って、加計学園に便宜をはかったのか否かである。
誤解を恐れずに言ってしまえば、知った日などというのは「どうでもいい話」である。
しかし、マスコミは安倍首相の説明の辻褄が合っていないとして「疑惑がますます深まった」という。矛盾があるのは、申請を把握した日付を巡る説明であるのに、なぜか「加計学園」全体の疑惑とごちゃまぜにしているのだ。
要するに、「説明が理にかなっていない」→「安倍首相は嘘つきだ」→「加計学園に便宜を図った」という三段論法に持っていっているのだ。
こういうマスコミの「飛躍」は不祥事企業に対してもおこなわれる。たとえば、異物混入騒動時のマクドナルドなどはわかりやすい。「ナゲットに歯が入っていた」→「他の店舗でも異物混入があった」→「マクドナルドの品質管理に問題がある」という具合に報道が過熱していったのは記憶に新しいだろう。
外食での「異物混入」など日常茶飯事で、マックに限らず日本全国でのどこかで毎日のように発生している。そのなかの極端な事例をマスコミがピックアップして、企業全体の話とごちゃまぜにしたことで、企業の「品質」を揺るがす大問題にまでエスカレートしてしまったのだ。

<テクニック3>「納得のいく説明がされていない」と食い下がる
これまで紹介した2つの勝利パターンだけでも、世の中に「嘘をついているのでは」というネガティブな印象を広めることができるが、相手にさらに「不誠実」というレッテルを貼ることができるマジカルワードが、以下の決め台詞だ。
「納得のいく説明をしてください」
これを出されると、「疑惑」をかけられている人間はもうお手上げだ。「疑惑」を追及する記者は、疑惑を認めないことには納得しない。
つまり、どんなに説明を重ねて「それは違いますよ」と否定をしても、「納得いかない」と、ちゃぶ台返しをされてしまうのだ。しかも、世の中的にはどうしても「納得できる回答をしていない方が悪い」という印象になる。つまり、権力者や大企業の「傲慢さ」を世の中に広めるには、もっとも適した「攻め方」なのである。
菅義偉官房長官の会見で、「きちんとした回答をいただけていると思わないので繰り返し聞いている」と食い下がっている東京新聞の記者さんが「ジャーナリストの鑑」として英雄視され、菅さんの株がガクンと落ちていることが、なによりの証であろう。

報道対策に疎い日本政府は繰り返しマスコミにやられる
このような説明をすると、「こいつはマスコミを批判しているのだな」と思うかもしれないが、そんなことはない。一般庶民がどう受け取るかはさておき、実際にマスコミで働いている人たちは、社会のためになると思って、こういう攻め方をしている。
彼らは、自分たちの「仕事」をしているだけなのだ。
問題は、こういう「勝利パターン」に、安倍首相をはじめ国の舵取りをおこなう人々がまんまとハマってしまう、という危機意識の乏しさだ。
確たる証拠でもない「疑惑」なのだから、はじめからしっかりと対応をしていればボヤで済んだのに、ここまでの「大炎上」を招いてしまった、というのは、よく言われる「安倍一強のおごり」としか思えない。
これまで紹介した「マスコミの勝ちパターン」があるということが常識化している欧米では、政府は「報道対応のプロ」を雇う。といっても、どっかの大学で勉強してきました、みたいな人ではなく、「マスゴミ」の性質を知り尽くしたタブロイド紙の編集長などが一般的だ。
少し前まで「特定秘密保護法と共謀罪で報道が萎縮する」なんて泣き言をいっていたのがウソのように、マスコミはイキイキしている。「不誠実」「嘘つき」というイメージ付けでクビがとれると味をしめれば、次の首相も、そしてまた次の首相もターゲットにされる、というのは政権交代前の自民党で学んだはずだ。
誰になるかは知らないが、安倍さんの「次の人」は、もっと真剣に「報道対策」を考えた方がいい。

(daiamonnd online)
by kura0412 | 2017-07-27 10:05 | 政治 | Comments(0)

『既得権サークルの聖域』

既得権サークルの聖域 カネと票、厚労族走らす
不作為の果てに(1)

社会保障制度の改革が進まない。社会保障にかける国のお金が膨らむと、新たな票も生み、政治家、官僚、業界の既得権サークルは力を蓄える。ツケを生活者に押しつけてきた改革の不作為を追う。

7日の参院本会議。遺伝子検査をする病院や検査所に一定数の臨床検査技師の配置を事実上義務づける改正医療法が成立すると、笑みを浮かべる議員がいた。日本臨床衛生検査技師会会長を兼ねる宮島喜文氏だ。

■強固なパイプ
同法は血液や遺伝子を検査する臨床検査技師の職域を広げるもの。宮島氏が事務局長の自民党議員連盟が成立を主導した。業界の利益拡大が狙いではないか。取材班の問いに「検査の質を高めるためだ」と話した。日本臨床衛生検査技師会は2010年の参院選で自民党から独自候補が初当選。13年は落ちたが、16年に出馬した宮島氏は3年前の7倍の得票で当選した。
日本医師会など直近2回の参院選比例代表で自民党から出た社保系8団体。参院選で集めた「社会保障票」は01年の約66万票から16年は約92万票に増えた。
社会保障関係費(当初予算ベース)は01年度の約17兆5千億円から16年度に約31兆9千億円に膨張した。新たな票につながり、厚労族を走らす。
政府が9日に決めた経済財政運営の基本方針(骨太の方針)。原則自己負担や後発薬価格までの引き下げを含めて検討し、本年末までに結論を得る――。特許切れの新薬と後発薬の価格差を巡り、素案の段階で入っていた記述が抜け落ちた。
「ここまで踏み込む必要があるのか」。3日前の自民党の政調全体会議。薬剤師出身の渡嘉敷奈緒厚生労働部会長が異を唱えると拍手が起こった。
生活者にとって薬は安い方がよいはず。渡嘉敷氏にぶつけると「業界を発展させ安定した医療を受けられる環境づくりも重要だ」。薬の開発にお金がかかるのは理解できるが、厳しい財政状況の中で、効率よくできる部分はないものか。
医師会の政治力も健在だ。骨太の素案に盛りこまれた医師の業務を看護師に移す「タスク・シフティング」の推進。地域ごとの医師不足に対応するためだが「十分議論を行った上で」との一文が加わった。

■「安さより命」
動いたのは元医師会副会長の羽生田俊・参院厚生労働委員長。看護師の力を借りた方が効率的な医療になるとの取材班の疑問に「医療行為は命にかかわる。安く済むという発想はなじまない」との答えが返ってきた。ここでも財政事情より「命」という命題に突き当たるが、看護師ができる部分はないか議論は必要だ。
菅義偉官房長官は周囲に「社保改革を数年かけて全力でやる」と語るが、既得権サークルの壁は厚い。聖域を崩せるのは、長期政権をうかがえる政治資産を持つ安倍晋三首相しかいない。

(日経新聞)
by kura0412 | 2017-06-26 18:11 | 政治 | Comments(0)

安倍憎しはいいけれど

「面従腹背」に官邸疑心=加計問題、霞が関の不満影響か

学校法人「加計学園」をめぐる文部科学省の内部文書が次々に明らかになった背景には、人事権を握り、締め付けを強めてきた首相官邸に対する中央官庁の不満もあるようだ。

「面従腹背」に見える霞が関の動きに疑心を募らせる官邸は、政府の内部文書管理の在り方を見直す方針を打ち出したが、効果は見えない。
2014年の国家公務員制度改革関連法成立を受け、安倍政権は官邸が中央省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局を創設。審議官級以上約600人の異動について、菅義偉官房長官らが目を光らせてきた。
実際、政府関係者によると、菅氏は官僚ごとに仕事や言動をチェック。「独自の情報網から『あれは駄目、これも駄目』とバツをつけてきた」という。人事を握られ、官邸の意向に逆らえない風潮が強まり、省庁からは「役所の権限で今までできていた仕事ができなくなった」「官邸の監視の下でびくびくしているのが現実」と嘆く声が漏れていた。
そうした中で発生した「加計」文書問題。民進党が入手した文科省の内部文書について、菅氏は「怪文書」と片付けていたが、前川喜平前事務次官が「本物」と認め、現役の文科省関係者が報道機関の取材に応じて追随。政府は存在を認める事態に追い込まれた。
文科省は天下りあっせん問題で前川氏らが処分を受け、加計学園の獣医学部新設問題では官邸から「抵抗勢力」と位置付けられている。前川氏の座右の銘は「面従腹背」。内部文書発覚の動きについて、政府関係者は「文科省の抵抗のあらわれ」と解説する。
菅氏は19日の記者会見で、文科省の文書が報じられる理由を問われ「私が聞きたい」といら立ちを隠さなかったが、官邸関係者の一人は「反旗を翻す動きが続けば政権の終わりの始まりになる」と危機感を強める。「文書管理の新たなルールをつくっても『ざる』になるだけ」。ある文科省職員はこう語った。 

(時事通信)



マスコミは官僚支配に逆戻りさせたいのでしょうか。ちなみに文科省は他省庁も厳守した天下り斡旋を続けていました。安倍憎しもほどがあります。
by kura0412 | 2017-06-22 09:34 | 政治 | Comments(0)

『「プランB」は派閥が作る? 』

民進党から出てこない 「プランB」は派閥が作る?

欧州統合の父と呼ばれるフランスの政治家、ジャン・モネはかつてこう語った。「何事も個人なしには始まらない。しかし組織なしには継続しない」
強いリーダーの存在は重要だが、その意志を受け継ぐしっかりした組織も大事だ。2012年に欧州連合(EU)がノーベル平和賞を受けた時、英国離脱という大波がまもなく来ると予期した人はまれだろう。
洋の東西を問わず「1強」に見える体制はもろさをはらむ。環境が激変した時に対応できる他の選択肢はあるのか――。政治に限らず、企業経営などにも通じる重要な視点だ。

「また一緒にやらないか」
「安倍1強」と言われて久しい自民党内でにわかに派閥の動きが視線を集めている。特に大宏池会構想は、安倍晋三首相の「次」を狙う動きそのものだ。登場人物は麻生太郎副総理・財務相、岸田文雄外相、谷垣禎一前総裁らである。
「また一緒にやらないか。政界一寸先は闇。安倍政権の受け皿を作っておくのは与党議員の責任だ」
こうした言葉が飛び交い始めたのは、昨年10月に安倍首相の自民党総裁3選を可能とする党則改正が決まったころだ。
麻生、岸田両派と谷垣グループは、池田勇人元首相が1957年に旗揚げした名門派閥「宏池会」の流れをくみ、経済重視でリベラルな議員が多い。
再結集の旗を最も熱心に振っているのは麻生派だ。だが3派に分かれた過去の経緯を水に流しての大同団結は、最終的に次の一点で結実しなかった。
岸田派の幹部はこう証言する。「麻生氏側から大宏池会政権を目指そうと誘われた。しかし『次の首相候補は岸田ですよね』と念を押したら返事がなかった。それならウチが前のめりになる必要はない」
麻生氏の首相返り咲きへの野心を感じ取ったのは、昨年の自転車事故で長期療養中の谷垣氏も同じだ。自身に近い議員に「再結集の話は時期尚早」と慎重な行動を促した。
岸田派は5月28日、広島市にある池田元首相の銅像の近くで宏池会創設60年の記念植樹をした。岸田氏は記者団に「今からしっかりと力を蓄え、何をすべきか考えなければならない」と力を込めた。
2日後、岸田氏は外相として中国の楊潔篪国務委員(副首相級)と都内で会談して言葉を交わした。
岸田氏「宏池会は結成60年の節目だ。私も会長として日中関係をぜひ前進させたいと強く考えている」
楊氏「岸田外相も大平正芳、宮沢喜一両首相らと同じ精神で中国と協力していくと信じている」
麻生、岸田両氏は当面は閣僚として安倍政権を支える立場だ。だが今後は「ポスト安倍」に意欲的な石破茂元幹事長らとの主導権争いが避けられない。

「二大政党制に替わる政治体制を」
もはや派閥の時代ではないと誰もが知っている。麻生氏はそれでも勢力を拡大する狙いについて周囲にこう語っている。「数合わせをしているわけではない。政策集団として二大政党制に替わる政治体制を発信する気概でやっている」
麻生派(44人)は7月3日に山東派(11人)と谷垣グループを離れた佐藤勉氏らと合流する。額賀派(55人)や岸田派(46人)を抜き、最大派閥である細田派(96人)に次ぐ第2派閥に躍り出る見通しだ。
二大政党を想定した衆院選への小選挙区制の導入から20年余り。「安倍1強」を連日批判する民進党は、経済政策でも外交・安全保障でも説得力のある「プランB」を示せていない。権力闘争の舞台が再び自民党内に戻るなら、政治は進歩したと言えるだろうか。

(日経新聞)
by kura0412 | 2017-06-12 16:19 | 政治 | Comments(0)

「話題の報告書、若手官僚の思い」

「課題共有で世の中は動く」 話題の報告書、若手官僚の思い

経済産業省の若手官僚がまとめた報告書「不安な個人、立ちすくむ国家」の反響が広がっている。少子高齢化を克服するため「高齢者が支える側にまわれるか」などと問いかける内容には、世代を超えて賛否両論が入り交じる。報告書の作成に関わった3人の若手官僚に匿名座談会で狙いを語ってもらった。

■予想以上の反響に驚き
――18日の産業構造審議会(経済産業相の諮問機関)に提出した報告書がインターネット上で話題になっています。
Aさん(30代男性)「正直、これほど反響があるとは思っていなかった。ツイッターやフェイスブックなどSNS(交流サイト)でも多く取り上げられた。好意的な反応がある一方で、具体策や新規性がないとの指摘があるのも承知している。今の社会について議論するためのたたき台になってほしいと思っている」
Bさん(30代女性)「報告書を提出した翌朝にツイッターをみると反響があり驚いた。無視されて終わると思っていたが、批判も含めて予想以上の反応があった」

――報告書をまとめる過程でどのような問題意識がありましたか。
Bさん「報告書は次官・若手プロジェクトとしてまとめた。若手は誰かに指名された訳ではなく、やりたい人が手を挙げる応募方式だった。テーマは与えられず、それぞれの問題意識を持ち寄った」
「30人の若手を10人ずつ3チームに分けて議論した。各チームには『セーフティーネット』『国際秩序』『富の創造』の3つのテーマを割り振った。半年がたって各チームの内容を持ち寄ると、いくつか共通するものがあった。ひとつはシルバー民主主義なのでやる前から諦めているということだった」
Cさん(30代男性)「普段の仕事の延長線で考えても世の中の地殻変動を捉えられない。なので議論はゼロベースから始めた。3つのテーマで議論を進めたが、根底にあったのは秩序から個人への流れだった。今の日本は価値観が多様化しているのに戦後にできた制度が標準になったままだった」

■社会保障見直しは不可侵か
――「シルバー民主主義」や「見逃し三振はもう許されない」など役所文書では珍しい率直な言葉を多く盛り込んでいます。
Aさん「それぞれが感じたキーフレーズを持ち寄った。次官からは文言に対する意見はなかったが、ちゃんとメッセージが伝わるよう物語のようにしろという指示だけだった」
Bさん「普段の仕事感覚で文章を書いていると、何を言いたいのか分からない『霞が関文学』になってしまっていた(笑)。本当に言いたいことが伝わらない。気を抜くといつもの霞が関文学になってしまうので、報告書は口頭で話すように素直な言葉を心がけた」

――現役世代が高齢者を支える社会保障制度の課題も指摘していますね。
Bさん「世代間対立をあおるつもりはない。誰にでも老いがくるなかで、どう国家を運営するかが課題になっている。全ての高齢者が自分たちだけのことを考えて選挙で投票しているわけではないが、社会の底流に『自分のことだけを考えている高齢者には何を言っても通らない』という考えがあるようにも感じる。高齢者の負担増につながる社会保障制度の抜本的な見直しには触れてはいけないような雰囲気がある」
Aさん「社会保障制度などは多くの人に関係するテーマだが、専門家の中だけで議論されているようにも思う。過去の経緯を知らないと議論に入れない感じになっている。普段の仕事では課題と解決策がセットでないと報告書として成立しないが、今回のように課題を整理して共有するかたちでも世の中が動く余地があることがわかったのは新しい発見だった」
Cさん「自分たちの上の世代も同じ問題意識は持っていたと思う。制度を変えるための種はまいていたが光が当たらず具体策を打てなかった」

■「批判恐れ物言えぬ現状」
――タブー視されがちな終末期医療の在り方にも問題を提起しています。
Bさん「死ぬ直前まで健康に過ごす『ピンピンコロリ』を望む人が多いが、その通りになるかは分からない。人の死に関わる終末期医療の在り方は『延命=費用』とも捉えられ言い出すと必ず批判が出る。批判が怖いので誰かが言い出すまで待っているのが現状だ」
Aさん「フランスでは本人の希望に沿って終末期をどう過ごすか選べる制度があり、選択肢も広がった。報告書では胃に直接栄養を入れる『胃ろう』の日本の例を取り上げた。胃ろうは過度な延命につながっているものもあるなどの議論が10年ごろから増えた結果、件数が減った。終末期は本人の希望をかなえる選択肢が必要ではないかと思った」

(日経新聞)



原文を読みましたがhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf
かなり面白い内容です。
経産省はこうゆうレポートをオープンにして物言える官庁なのだと思います。
トップが引責辞任をしながら出会い系バーに通っていた所とは明らかに違います。
by kura0412 | 2017-05-26 17:06 | 政治 | Comments(0)

参議院決算委員会での歯科に関する質疑の議事録

2017年4月24日・参議院決算委員会での里見隆治議員(公明)の質疑


○里見隆治君 続きまして、我が国の健康長寿社会実現のため、また健康増進により国民医療費を適正化していくという観点から、全身の健康増進にもつながる歯の健康、口の中の健康についてお伺いをいたします。
八〇二〇運動、八十歳になっても二十本以上の歯を保つことを目標に、生涯を通じた歯の健康づくりを推進する運動でございます。本日、資料も配付しておりまして、一ページ目で右上の図にございますように、年々この目標達成者が増加をしているところでございます。
実は、この八〇二〇運動は、平成元年に私の地元愛知県において提唱され、八〇二〇表彰を始めとした事業を行ったルーツでございます。加えて、愛知県名古屋市では、歯科一二〇運動、すなわち十二歳で虫歯ゼロの運動を展開しております。愛知県は、学校歯科医師の積極的な協力を得まして、十二歳児の虫歯の少なさを示すいわゆるDMF指数が昨年の調査で全国第四位でございます。御参考までに、第一位は新潟県、第二位は静岡県と岐阜県、第四位は同列で六県がランクインをしております。
こうした形で、この表でいいますと左上にございますように、子供の虫歯は減少する一方で、少子高齢化の中で、歯科保健を取り巻く状況、また今後の歯科治療の需要についても変化が考えられます。私も、厚生労働省から様々説明をいただきまして、その際提出があった資料を本日皆様とも共有したく配付をさせていただいております。この取り巻く状況、また今後の需要の変化について厚労省から説明をお願いいたします。

○政府参考人(神田裕二君) 歯科保健医療を取り巻く状況についての御質問でございますけれども、先生今御指摘のように、小児の齲蝕の減少でございますとか八〇二〇の達成者の増加、また、それに伴いまして、歯周病の罹患率の増加など、疾病構造の変化が見られるところであります。また、高齢者の受診患者も増加しているなど、大きく変化しているところであります。
このことから、先生の資料の二ページ目にございますように、従前のように齲蝕の治療といった歯の形態の回復を主体とした歯科治療の需要は減少する一方で、そしゃく機能の改善でございますとか摂食嚥下機能の回復など、口腔機能の回復を主体とした歯科治療の需要が増加するものと予測しているところでございます。

○里見隆治君 今御答弁をいただきましたそうした状況を踏まえて、資料で申し上げますと三ページでございますけれども、これまでの医療サービス提供体制、そして今後の展望という点におきましては、従来の歯科医療機関の中で治療を完結させる体制から、今後は、医科医療機関や地域包括支援センターなど、地域の医療や介護関係機関との連携を含む地域完結型医療の中で歯科医療の提供体制を構築する必要性が出てまいります。こうした歯科医療との連携の関係で注目をされますのが、平成三十年度から、特定健診の検査項目にかんで食べるときの状態という項目が追加をされ、歯科口腔保健の取組のきっかけになることが期待をされております。
この点も含めまして、まず総論的に、歯の健康づくり、また口の健康づくりが健康長寿の延伸、ひいては医療費の適正化につながるものというふうに認識しておりますけれども、厚生労働大臣のこの点についての御認識をお伺いいたします。

○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、口腔ケア、歯科医療というのは大変重要であり、また、その重要性が高齢化とともに増しているというふうに言えるんではないかと思っております。
近年、口腔ケアがいわゆる誤嚥性肺炎、この発症予防になることに加えて、歯の本数が多いほど何でもかんで食べることができるということで回答していただいている方が多いという調査結果もございます。入れ歯の治療によって栄養状態が改善するという報告など、口腔と全身の健康の関係、これについて広く指摘をされておりまして、口腔の健康は全身の健康にもつながる重要なものだというふうに認識をしつつ、今後とも、口腔の健康と全身の健康の関係に着目をしながら、総合的な歯科口腔保健の施策についてより一層推進をしてまいりたいというふうに思っております。

○里見隆治君 ありがとうございます。
こうした点、全国の統計においても更に正確な、より詳細な分析をして、的確な医療体制が整備されるよう対応いただく必要があると考えておりますので、お願いをいたします。
その上で、先ほど、お配りしております三ページの資料で御覧いただいて触れましたとおり、高齢化に応じて歯科医療の提供体制も変化を求められ、歯科医師と地域包括ケアシステムとの連携などが重要となってくると考えます。例えば、在宅や入院患者に対して、口から食べることの維持、摂食嚥下機能の回復、口腔ケアなど、口腔と全身との関係に着目して、地域において他の医療、介護スタッフとの連携の中で歯科医師、歯科衛生士の果たす役割はもっと様々重要になってくると考えますけれども、改めて、この点、厚生労働大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 高齢者の受診患者の増加などによって、この歯科保健医療の状況というのは随分大きく変わってきております。
地域の要介護者などに対する取組におきまして、歯科医師の果たす役割というものが極めて重要になってきていると私どもは見ておりまして、特に、いわゆる地域包括ケアシステムの構築を目指して今鋭意努力をしておりますけれども、今後、医科医療機関との連携をした歯科訪問診療の実施であったり、医療、介護の多職種によります研修あるいは会議への歯科医師の参画などを通じて、地域における取組を進めていくことが重要だというふうに思っております。
また、今月取りまとめが行われました新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書というのがありますが、ここにおいても、医科歯科連携、この更なる推進というものの必要性について強く提言をいただいておりまして、今後、こういった医科歯科連携についても具体化に向けてしっかり検討してまいりたいと思っております。
いずれにしても、高齢化が進む中で、地域で歯科医療の果たす役割はこれから更に大きくなるというふうに思います。

○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
その中でも、今後需要が増大すると見込まれます在宅歯科医療、これを支援していくために、訪問診療や訪問のための医療機械の整備など、現在も地域医療介護総合確保基金の事業で在宅歯科医療を実施するための設備整備による支援のメニューがあることは承知しておりますけれども、さらに、診療報酬の上でもこういった措置を評価するべきと考えますけれども、厚労省、いかに認識をしておられますでしょうか。

○政府参考人(鈴木康裕君) 在宅歯科医療に対する診療報酬上の評価について御質問がございました。
いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五に向けまして、在宅歯科医療の推進は大変重要であるというふうに認識をしております。
御指摘の歯科の訪問診療についてでございますけれども、一回一回の訪問診療料に加えまして、必要となる携帯型の歯科医療機器を持っていっていただいた場合に診療報酬に一部加算の評価をしております。具体的には、歯科訪問診療を行うに当たりまして、予定外の急な歯の痛み、それから入れ歯が合わないなどの症状に対しましてすぐに対応できるように、歯や入れ歯を削るための器具など歯科医療機器を携行していることを評価する在宅患者等急性歯科疾患対応加算というのを設けているところでございます。
今後とも、在宅歯科医療を推進する観点から、歯科診療報酬の在り方につきましては、平成三十年度の診療報酬改定に向けまして、関係者の御意見をよく伺いながら、中医協において検討してまいりたいというふうに思います。

○里見隆治君 来年度の改定に向けて積極的な御検討をお願いいたします。
高齢者に関しての環境整備が急がれる観点として、認知症への対応がございます。厚生労働省においては、平成二十八年度から、新オレンジプランによって歯科医の認知症対応力向上研修を開始されているというふうに承知をされております。この現在の進捗状況についてお伺いをいたします。

○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
平成二十七年一月に関係省庁が共同して省庁横断的な総合戦略といたしまして新オレンジプランを策定し、その柱の一つとして、認知症の容体に応じた適宜適切な医療介護サービス等の提供というのを盛り込んでいるわけでございます。
先生御指摘の歯科医師認知症対応力向上研修はこの一つの柱の一環として位置付けられていると、こういうものでございますけれども、具体的には、歯科医師の方々が高齢者等と接する中で、認知症の疑いがある人に早期に気が付いて、かかりつけ医の方々と連携しながら対応することができるようにするための研修でありますし、あわせて、認知症の方の状態に応じて口腔機能の管理ができるようにするための研修でもあるということでございます。お話ございましたとおり、昨年度から、地域介護総合確保基金の対象事業として、歯科医師会などの関係団体の協力を得て新しく開始をしたというものでございます。
その進捗状況でございます。まさに開始がされました昨年度でございますけれども、四十三都道府県等で約六千人の定員で実施見込みという状況を聞いておりまして、こうした研修がきちっと活用できるように今後とも支援をしてまいりたいというふうに思っております。

○里見隆治君 そうした研修の充実、是非ともよろしくお願いいたします。
こうした研修の充実と併せて、そもそもこれだけの、もう十年前、二十年前から分かっている高齢化、そういう意味では、大学での在学中からの歯科医師に関する教育、このレベルから取り組んでいくことが重要であると考えます。
例えば、私の地元愛知県では、愛知学院大学歯学部で、地元歯科医師会の協力を得て寄附講座として在宅療養支援歯科医養成推進事業が開設をされ、高齢者の評価、生活支援について、実習等による学生、研修医の教育支援を積極的に行っているというふうに伺っております。こうした取組は全ての歯科教育において必要と考えます。
文部科学省におかれては、大学等での歯学教育の内容について、高齢化に対応してどのように行っておられるか、教えてください。

○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。
高齢化に対応するために、歯学部教育におきまして在宅歯科医療や認知症等について学ぶこと、これ、先生御指摘のとおり極めて重要であると考えてございます。
特に、在宅歯科診療についてでございますけれども、これは、歯学教育のモデル・コア・カリキュラム、これは学生が卒業時までに身に付けておくべき必須の実践的診療能力の学修目標を提示したものでございますが、この中におきまして、歯科訪問診療について説明できることということ等が盛り込まれております。これに基づきまして、各歯学部において高齢者等に対する在宅歯科診療についての教育が実施されているというふうに承知しております。
また、認知症等でございますけれども、これも、歯学教育モデル・コア・カリキュラム、これは平成二十九年、今年の三月に改訂をしてございますが、新たに医師と連携するための必要な医学的知識等の項目を盛り込みました。その中で、例えば認知症等の疾患に係る全身的症候・病態を説明できること等を目標として設定しております。
さらに、文科省では、大学を対象とした補助事業で課題解決型高度医療人材養成プログラムというのがございますが、この中でも、認知症など全身疾患との関わりも踏まえて歯科医療を提供できる人材育成に係る取組を支援しているところでございます。
こういった取組を通じまして、質の高い歯科医師の養成に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

○里見隆治君 最近改訂をいただいたということでございますが、これも、時代に即して更なる見直しを適時適切にお願いをいたします。
こうした大学での教育、また大学卒業後の研修というものも重要でございます。高齢化に対応しての歯科医師に対する研修、これは、厚生労働省においてはどのように対応されていますでしょうか。

○政府参考人(神田裕二君) 先ほど大臣からもお答え申し上げましたけれども、高齢化の進展に伴いまして、高齢者等に対する在宅歯科医療、また口腔ケアの重要性が増しておりまして、これに対応できる歯科医師の人材育成は非常に重要であるというふうに認識いたしております。
このため、卒業直後の歯科医師に対しましては、歯科医師臨床研修の到達目標といたしまして、チーム医療を実践する、あるいは歯科訪問診療を体験するといった到達目標を掲げているところでございます。
また、臨床研修修了後に一定の臨床経験を経た歯科医師に対しましても、先ほど先生御指摘ございました地域医療介護総合確保基金を活用いたしました在宅歯科医療に係る研修事業、また、八〇二〇運動口腔保健推進事業における要介護高齢者のそれぞれの状態に応じた診療上の知識や技術を有する歯科専門職の養成事業などを実施しているところでございます。
こうした取組を通じまして、引き続き、関係団体と連携を図りながら、高齢化の進展に伴い変化する歯科医療にしっかりと対応できる歯科医師の育成に努めてまいりたいと考えております。

○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
次に、大災害時における歯科医療の果たす役割についてお伺いをいたします。
昨年四月の熊本地震では、鹿児島のJMAT、日本医師会災害医療チームには愛知県からも歯科医師、歯科衛生士が初めて参加をいたしました。避難所において歯科医師や歯科衛生士が行う口腔ケア、これは大変重要でございます。厚生労働大臣のこうした取組に対する御認識をお伺いいたします。

○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年は災害が大変多い年でございました。災害時におきましては、通常よりも口腔内の清潔の保持が厳しくなるわけですね、困難になってまいりますので、避難所における歯科医師等による口腔ケアというのは、誤嚥性肺炎の予防等々の観点から極めて重要になってくるわけでございます。
このため、例えば昨年の熊本地震におきましては、厚生労働省より日本歯科医師会に対して歯科医師等の派遣を要請をして、被災地の歯科医師会と連携をしていただいて派遣調整が行われるなど、避難所における口腔ケアが広く実施をしていただきました。私も、現場で実際にケアをされている歯科医師の先生方の活動をつぶさに拝見をさせていただきました。
今後とも、関係団体と連携をしっかりと常日頃から図っておいて、避難所における被災者の口腔内の環境が適切に管理ができるように努めてまいりたいと思っております。

○里見隆治君 大臣今おっしゃったとおり、まさにこの大災害、いつ来るか分かりません。その意味で、常に体制が整備されていると、そういった状況をつくっていただきますようにお願いをいたします。
さらに、もう六年経過をいたしましたが、東日本大震災におきまして、ここでも歯科医師の皆さん、また関係者の皆さん、身元確認という点でこの歯科情報が大変有効であった、その点で御貢献をいただいたということは記憶に新しいところでございます。歯科医が亡くなった方のレントゲンや歯型、また歯科治療痕などから身元確認をされたことについて大変評価をされております。公的にどのようにサポートをされていかれることになるでしょうか。
津波による歯科医療機関の被災により情報の収集が困難であったという点と、歯科診療情報の統一化が図られていないというために情報の照合に相当な手間と時間を要したというふうに伺っております。その後、歯科診療情報の標準データの保存、また標準化を目的として、平成二十五年度から歯科診療情報の標準化事業が開始されたと伺っております。この事業の概要と、そして現在の進捗状況について厚労省から御説明をお願いいたします。

○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、東日本大震災におきましては、津波等の影響によって身元確認作業が非常に長期化いたしましたため、人相や指掌紋によって身元確認を行うことが非常に難しいという中で、物理的、化学的な影響に強い歯科所見による身元確認というものは、DNA検査の約七倍確認が可能であったということから、その有効性が高いことが示されたところでございます。
先生御指摘のように、歯科医療機関が保有する歯科診療情報の形式が統一されていないことから照合が速やかに行えていなかったという問題がございましたことから、平成二十五年度から、歯科の治療歴や歯の状態などの情報の統一化を行う歯科診療情報の標準化に関する実証事業を開始いたしまして、昨年度末におきまして、日本歯科医師会や民間企業等の協力の下に、レセプトコンピューターに表示をする歯の治療歴でございますとか歯の状態などの情報の形式を統一化するための口腔診査情報コード仕様というものを完成させたところでございます。
今後、歯科医療機関のレセプトコンピューターを開発する民間企業に対しまして口腔診査情報コード仕様を提供した上で、レセプトコンピューターを改修し身元確認に活用できるかどうかという検証を進めていくこととしているところでございます。

○里見隆治君 こうした日本が高齢化をしている中、また災害時における歯科医師の役割、大変重要でございます。政府としても、しっかりとこうした歯科医師の役割、また歯科衛生士の役割、これを支援いただくことをお願いをしまして、私からの質問を終わります。
ありがとうございました。

(参議院HP)
by kura0412 | 2017-05-18 17:54 | 政治 | Comments(0)

50年後の人口8808万人 厚労省、出生率は上方修正

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は10日、長期的な日本の人口を予測する「将来推計人口」を公表した。2065年の人口は15年比3割減の8808万人と試算した。近年の30~40歳代の出生率の改善を受け、5年前の前回推計から合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子どもの人数)の仮定を上方修正。人口減少のペースが緩やかになる見通しを示した。

厚労省が同日の社会保障審議会人口部会で報告した。将来推計人口は国勢調査の結果を基に5年に1度改定している。

15年の総人口は1億2709万人で、53年には1億人を割り込み9924万人に減る。15~64歳の生産年齢人口の割合は足元の60.8%(7728万人)から50年後には51.4%(4529万人)に低下。逆に65歳以上の高齢者の割合は26.6%(3387万人)から38.4%(3381万人)に上昇する。

一方で近年の30~40歳代の出生率の実績が前回推計より上昇していることを踏まえ、長期の出生率を1.35から1.44に修正した。65年の人口は前回推計より672万人増え、1億人を下回る時期も5年遅れるとした。

それでも少子高齢化の傾向は変わらない。50年後に現役世代1.2人で高齢者1人を支える構図は前回推計と同じ。社会保障制度の持続可能性が問われることになりそうだ。

(日経新聞)


by kura0412 | 2017-04-10 16:58 | 政治 | Comments(0)

緊迫する朝鮮半島

岸田文雄外相は3日、釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像への対抗措置として一時帰国させている長嶺安政駐韓大使を4日付で韓国に戻す考えを明らかにした。省内で記者団に明らかにした。北朝鮮情勢が緊迫しており、日本、韓国、米国の3カ国で連携を強める必要があると判断した。

韓国大使は1月に一時帰国させていた。韓国は5月の大統領選まで政情が不安定な状態が続く見通し。韓国大使を戻して両政府の対話の窓口を確保する狙いもある。

(日経新聞)



韓国では大統領逮捕、北朝鮮は暴発の兆候、それに対してトランプ大統領の決断。朝鮮半島問題は想像以上に緊迫の度合いが増しているようです。危機感を煽るわけではないですが、アメリカの先制攻撃、そして北朝鮮からの攻撃などが真実味を帯びてきました。今週中予定されている米中首脳会談に益々注目が注がれます。



by kura0412 | 2017-04-03 16:11 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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