日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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カテゴリ:医療全般( 57 )

来年度から歯科医師も認知症対応研修が

認知症対応研修、看護職員は3日間程度に- 厚労省、来年度から実施へ

新たに実施される看護職員や薬剤師、歯科医師の認知症対応力向上研修について、厚生労働省は13日、都道府県・指定都市認知症施策担当者会議で、来年度から実施する方針を示した。
研修期間は、看護職員は3日間程度、薬剤師と歯科医師は、すでに行われているかかりつけ医研修と同じ3時間半程度を予定しているという。

【キャリアブレイン】



これは必須なのか、認知症加算の為の研修なのかはこの記事だけでは読み取れませんが、研修開催そのものは必要だと思います。
by kura0412 | 2015-10-14 11:35 | 医療全般 | Comments(0)

医師の説明

川島なお美と北斗晶、こんなに違った医師の説明

1年ほど前から、「闘病ブログ」というジャンルのブログを読み始めた。大半が、治らない病を抱えた患者本人によるもので、かかっている病の多くは癌だ。その闘病ブログにここ数日、必ずと言っていいほど登場する2人がいた。女優の川島なお美さんと、元女子プロレスラーの北斗晶さんだ。川島さんは癌のため亡くなり、北斗さんは癌の手術を受けた。
2015年9月24日に54歳の若さで亡くなった川島さんは、ご本人のブログ「『なおはん』のほっこり日和」によると、2013年8月に受けた人間ドックで肝内胆管に腫瘍が発見された。何軒もの病院を巡り、5カ月後の2014年1月、腹腔鏡下手術で肝内胆管癌を切除。その後もテレビや舞台への出演を、死の8日前まで続けた。

48歳の北斗さんが罹患した癌は乳癌。2015年9月23日、ご本人のブログ「そこのけそこのけ鬼嫁が通る」で、2015年7月7日に乳癌と診断されたことと、9月24日に右乳房の全摘手術を受けることを告白した。
川島さんと北斗さんはどちらも、自身のブログに、医師から癌を告げられた時の状況をつづっている。もちろん、患者視点からの記述であり、実際に医師が告げた言葉とは違うかもしれない。かかった癌の「猶予のなさ」も違う。言葉を受け取る側である、2人の性格的な違いもあるだろう。
だが──。もし私なら、北斗さんの主治医のような医師から告知を受けたい、と思えてならないのだ。

「今は5年先、10年先、生きることを」
毎年秋に、マンモグラフィーによる乳癌検診を受けていた北斗さん。右胸に痛みや外観上の変化を感じたため、秋まで待たずに検査を受けたところ、癌を告知された。セカンドオピニオンのため訪れた病院でも、乳癌との診断。主治医から、癌のステージなど詳細な説明とともに右乳房全摘出が必要だと告げられても、すぐには受け入れられなかった。すると、主治医はこう言ったという。以下、北斗さんの2015年9月23日付のブログより引用する。

「胸の事よりも今は5年先、10年先、生きることを考えましょう。」
生きること。
こう言われた時に初めて、今の自分は命さえも危険な状態なんだと分かりました。
そういう病気なんだと。
それが癌なんだと…
生きること、という言葉で、病気の重大性、治療の必要性が、見事に伝わったのだ。

一方の川島さんの場合、毎年受けていた人間ドックで偶然、腫瘍の存在が分かったものの、血液検査(恐らく、腫瘍マーカーの検査値)には全く異常がなく、良性か悪性かは分からない状態だった。最終的には「覚悟を決めてお任せできるドクター」に出会え、腹腔鏡手術を受けたのだが、そこに至るまでの間に出会った医師との間にはこんなやり取りがあったという。以下、川島さんの2014年3月27日付のブログより引用する。

「とりあえず
切りましょう」
私「いいえ
良性かもしれないのに
外科手術はイヤです」
「ならば
抗がん剤で
小さくしましょう」
私「悪性と決まってないのに?
仕事が年末まであるので
それもできません」
「ならば
仕事休みやすいように
悪性の診断書を
書いてあげましょう」
は~~???
(病理検査もしてないのに!)
もう
ここには
任せられない!!

繰り返しになるが、ブログに書かれた医師の言葉は、川島さんが受け取った言葉であり、実際に発せられた言葉やそこに込められたニュアンスはこの通りではなかったかもしれない。だが、なんとも歯がゆい、この「すれ違い」ぶりはどうだろう。
もし悪性だったら、手術以外に確実な治療手段のない、時間的な猶予のない、肝内胆管癌。体の深い所にあるので、病理検査はおなかを切らないと行えない。「半年、1年、生きることを考えましょう」と、事の重大さを伝えることはできなかったのか──。

私が読んでいる、普通の患者がつづった闘病ブログにも、実に様々な医師が登場する。北斗さんの主治医のような医師もいれば、川島さんが出会ったような医師もいる。悩みながら最善と思われる治療を提案する医師もいれば、「この治療をしないならこの病院では診られない」と突き放す医師、情報と資料を渡し「次までにどの治療にするか考えてきて」と告げる医師もいる。叱る医師、迎合する医師、寄り添う医師、希望の芽を摘む医師。医療者といえども、ピンピンころりと逝かない限り、人はいつか患者になる。そのとき、皆様はどんな医師に出会いたいだろうか。

【日経メディカル】



いろいろと考えさせられる話です。
by kura0412 | 2015-10-05 15:08 | 医療全般 | Comments(0)

『日本老年学会が高齢者の定義見直しに関する声明』

日本老年学会が高齢者の定義見直しに関する声明
今年度内に正式発表

日本では高齢者を多くの先進国同様「65歳以上」と定義している。日本で行われてきた各種調査研究から,高齢者の生物学的年齢の「若返り」が進んでいるとの知見を踏まえ,日本老年学会は日本老年医学会と共同で今年度内をめどに高齢者の定義見直しに関する声明を取りまとめる。本日(6月12日)の第29回日本老年学会総会合同大会(同日〜6月14日,横浜市,会長=東京都健康長寿センター理事長・井藤英喜氏)のシンポジウムで,日本老年学会理事長の甲斐一郎氏が明らかにした。

「現在の高齢者は10~20年前に比べて5~10歳は若返っている」
日本では,現在65~74歳を「前期高齢者」,75~89歳を「後期高齢者」,90歳以上を「超高齢者」と定義している。日本の人口構造が劇的に変わる中,1990年には1人の高齢者を5.1人の生産人口(20~64歳)で支えていたところが現在(2012年)は2.4人,2060年には1.2人で支えるようになると予測。増える「高齢者」の実態を分析し,社会状況の変化に応じた在り方の見直しが喫緊の課題となっている。

日本老年学会は「高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」(WG,座長:甲斐氏,日本老年医学会理事長・大内尉義氏)を設置。大内氏はシンポジウムの中で「高齢者の定義見直しには,ネガティブなイメージの“高齢者”を社会の支え手としてモチベーションを持った存在と捉えポジティブなイメージに変える意義の他,社会の支え手を増やし,明るく活気のある高齢社会を築くといった意義もある」と説明。一方,高齢者の社会参画を進めるに当たり「高齢者の身体能力の改善は未来永劫続くのか」「社会保障政策への影響」といった点についても議論や検討が必要との見解を示した。
WGでは,高齢者の定義見直しの基礎資料となる国民の意識調査や疾病構造,身体・心理・社会機能の変化に関する検討を重ねてきた。現時点で示された声明の要旨は次の通り。声明の内容は昨日の同学会理事会で了承され,今年度末をめどに最終的な取りまとめが行われる見通し。

日本老年学会からの声明
最新の科学データでは,高齢者の身体機能や知的能力は年々若返る傾向にあり,現在の高齢者は10~20年前に比べて5~10歳は若返っていると想定される。個人差はあるものの,高齢者には十分,社会活動を営む能力がある人もおり,このような人々が就労やボランティア活動など社会参加できる社会をつくることが今後の超高齢社会を活力あるものにするために大切である。

国民の意識調査による高齢者は「70歳」
シンポジウムではWGの委員らが,これまでの検討で得られた知見を紹介した。荒井秀典氏(国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター長)によると,昨年(2014年)12月に実施された内閣府の高齢者に関する意識調査では「70歳から」を高齢者と自覚,あるいはその年齢に達していなくてもそう捉える人が増加。過去17年間の同調査結果の推移を見ると「何歳からを高齢者とすべきか」の年齢が上昇していたことが分かった。

慢性疾患による受療率,死亡率の解析から「生物学的年齢の低下が示唆」
秋下雅弘氏(東京大学附属病院老年病科教授)らは,患者調査などの解析を実施。65~79歳の年齢層の脳血管疾患や骨折,肺炎といった慢性疾患の受療率が1995年から徐々に低下しており,受療率低下に影響するこれらの疾患による死亡率や要介護認定率も同様に低下していたと報告した。同氏は「高齢者の健康状態の改善,そして疾患によっては患者層がより高齢期に移行していることから5~10歳の生物学的年齢の低下が示唆される」と考察した。

高齢者の「若返り」で生活機能評価も変化
東京都老人総合研究所の「中年からの老化予防・総合的長期追跡研究(TMIG-LISA)」や国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NIL-LSA)といった各種検討から,歩行速度や血液検査所見などで示される高齢者の健康度や身体機能は過去にくらべ顕著に高まっている,と指摘したのは鈴木隆雄氏(国立長寿医療研究センター研究所)。こうした変化を受け,1986年に開発された高齢者の生活機能の評価ツール「老健式活動能力指標」は最近見直された。同指標と同氏らが2013年に開発した「新活動能力指標(JST版)」の評価項目を比べると,過去と現在の高齢者の能力の差は一目瞭然だ。新しい評価スケールには,項目が増えただけでなく,DVDプレーヤーの操作や携帯のメールや,詐欺やひったくりに関する質問も盛り込まれている。いずれも時代を反映する項目だが,同氏によるとすべて妥当性の評価を経て組み込まれている。

心理的機能や歯数の評価からも,老化の遅れ示す変化
この他,NILS-LSAなどの解析結果から「最近の70歳代はかつての50~60歳代に匹敵するほど,心理的な老化の発現が遅くなっている」(内藤佳津雄氏,日本大学文理学部心理学科教授)との成績や,「咀嚼機能に必要な20本の歯数を維持する年齢は徐々に向上し,昭和時代の65歳の歯数は今や80歳前後に相当する。歯数を前提にすれば高齢者の定義は変わる」(那須郁夫氏,日本大学松歯学部教授)などの知見も報告された。

若返った高齢者は「生涯現役」であるべきか
高齢者の「若返り」のエビデンスが次々と示され,明るく活気ある高齢社会への機運が盛り上がりそうな中「“元気で長生きの高齢者”が社会参画し続けるべきか」にあえて疑問を投げかけたのは,古谷野亘氏(聖学院大学人間福祉学部教授)。以前は「老人」だった言葉が「高齢者」に取って替わり,年齢による線引きを導入せざるを得なくなったと指摘した。身体・認知機能の加齢変化を遅らせる意義に異論はないものの,例えば高齢者の就業継続が若年者の就業や高齢者自身の生き方の多様性などに与える影響も考慮すべきとの問題を提起。「社会生活の加齢変化は,遅らせるのが望ましいとは限らない」との考えを示した。

【MT Pro】


予てから私も早期に見直す必要があると考えていました。那須先生の報告は非常に興味深いものがあります。この結果は、医療だけでなく社会全般に大きな影響を及ぼしそうです。
by kura0412 | 2015-06-16 09:16 | 医療全般 | Comments(0)

『老化が生物学的な概念であるのに対し、老いは人間的な概念』

「老化ではなく“老い”に注目しよう」と日野原重明氏

2015年4月に学術講演・展示が開催された「第29回 日本医学会総会 2015 関西」(2015年4月11~13日、国立京都国際会館など)。特徴の1つは、医療従事者だけでなく一般市民の参加を重視したことだった。3月28~4月5日に神戸市で開催された一般公開展示「未来医XPO ‘15」には、約30万人が来場。「20の柱」と銘打った学術講演でも、9つの柱に一般市民が参加できた。
学術講演で一般市民の参加がひときわ目立ったのが、最終日(4月13日)午後に国立京都国際会館メインホールで開催された「記念講演」。登壇者は103歳の現役医師として知られる、聖路加国際大学名誉理事長・名誉学長の日野原重明氏である。「日本における高齢化と真の健康社会」と題し、用意された椅子に座ることなく30分を超える講演を行った。

日野原氏が強調したのは、「老化」と「老い」の違いだ。
老化が生物学的な概念であるのに対し、老いは人間的な概念――。
第三高等学校時代の先輩である、神学者の故・松村克己氏が提唱したこんな考え方を紹介した。老いとは「老化の中に人間の生命の意味を探ること。これからの社会は“老い”に注目することが求められる」(日野原氏)。特に、老いはその人の生きがいに強くかかわると説いた。

Facebookで「スマートシニアの会」
日野原氏は従来の「老人」のイメージを覆えそうと、2000年に「新老人の会」を発足させた。
65歳以上を高齢者とする従来の定義を改め、一般には後期高齢者とされる75歳以上を「新老人」と定義しようという運動だ。
同会では75歳以上が「シニア会員」で、60~74歳は「ジュニア会員」、20~59歳は「サポート会員」である。2014年時点で1万人強の会員がいるという。

ITツールの活用にも積極的だ。
2012年にはFacebookをコミュニケーション手段に使う「フェイスブック新老人の会」を立ち上げた。同会の別名は「SSA(Smart Senior Association)」。ITツールも活用しつつ他者とのコミュニケーションに積極的に関わり、いきいきと生きる術に長けた“スマートシニアの会”というわけだ。

講演では最後に、真の健康社会に向けたキーワードとして、社会医学の先駆者である故・Rene Sandの言葉を引用した。「国民の参与なしには、国民の健康は作られない」――。社会全体が医療を担うことの重要性が多くの場面で説かれた、今回の医学会総会を象徴する言葉だった。

【日経デジタルヘルス】
by kura0412 | 2015-05-23 09:23 | 医療全般 | Comments(0)

ノーベル賞受賞者でさえも研究費捻出に苦慮する環境

武田薬品が京大とiPS細胞で共同研究 企業からお金をもらうことは悪いことではありません!

産経新聞記事です。武田薬品が京大とiPS細胞で共同研究 武田は10年で200億円負担
10年で200億円負担と研究費の額がすごいぞという印象ですが、50人の雇用確保のほうが私にとってはとても重要な成果と感じています。ここでいい仕事をすれば、この50人は武田の研究者として今後雇用されていくでしょう。
だってiPSの日本での研究費、日本では額がすごそうにみえますが、アメリカに比べたらとても少ないことが言われています。(【ノーベル賞】受賞は本当に「国の支援のおかげ」なのか。資金難にあえぐiPS細胞研究の実態まとめ)それなのにノーベル賞!山中先生、まさに竹槍でB29を撃ち落とした偉業なんです。
そして一番の問題は額もそうですが使い道です。
それこそ国からもらえる研究費は制限が多く、人件費には使えない事がよくあります。でも山中先生は科研費に文句どころか感謝の言葉を伝え(「iPS細胞の基盤を支える研究」)、先生本人がマラソンで走って広報をおこない、寄付を中心とした基金で人件費を補っている状況です。(iPS細胞研究基金)ちなみに研究所での非正規雇用は89%で年間10億円の人件費と報告されています。人件費を補う研究費が無くなれば契約終了、つまり首です。

京都大でも若手研究者の就職問題は結構大変です。デフレ化にあった時期には、学位を持っていながら就職先がないことがよく取沙汰され、任期制などの将来の保証のないポスドク酷使、いわゆるブラック形態が取沙汰されていました。山中先生はよく会見でもその話を取り上げていただき、日本の問題として挙げていただいていましたが、国、マスコミはそう簡単には動いてくれません。(平成 26 年 12 月 生物科学学会連合 ポスドク問題検討委員会  今、次世代を担う若手研究者が窮地に陥っています。 ポスドク(任期付博士研究員)の雇用促進と研究者育成に 是非ご協力ください。)
今回、京都大学山中研は10年間の人件費混みの研究費の確保(1年間2億円)と雇用の確保(50人の研究員)を取り付けました。日本の製薬企業武田はiPS研究の本丸をとりこんだ事により、これからの創薬研究に弾みがつくと同時に、他者に対してアドバンテージを得る事でしょう。iPS研究に企業から研究費が渡され、企業側が薬の開発に役立つであろうiPSを優先的に、そしてそのknow-howに精通した京都大学研究グループ研究員を取り込めると言うまさにWin-Winの契約です。
そしてこのようなお金の確保から研究が進歩し患者が治せる技術が生まれてくるのです。研究者が企業からお金をいただく事は決して汚い事ではありません。ディオバン問題で叩かれた医師が企業と協力しておこなう臨床研究も本来は同じ構図なんです。
日本の研究者は学問は得意でも、全て国からの科研費頼みの研究室がほとんどで、このような企業間と連携が苦手な人が多く、実用化のステップなんかで成果が埋もれてしまう事が多いそうです。NHKで放送された3Dプリンター問題(日本で発明、アメリカで特許、製品)なんてまさにいい例です。ちなみに特許の維持も大変で、iPS特許の維持だけで年間1000万!かかるとの事で、当時の企業には特許をとることがギャンブルだったんでしょう。

最後にまとめです。
今年も日本の人口が減った事が報告されました。今後もさらに少子化になる日本、それこそ竹槍でB29を撃ち落とせる少数精鋭の人材を育て続けなければいけないのです。日本で生まれる新しい技術を日本で開発し、日本のために発展させるには、研究を支える人材を安定雇用をできる仕組みを作り、人材を育てつづける事が必要で、そのためには、巷では汚そうにみえるけど全然問題ない、お金が必要なんです。

【中村ゆきつぐブログ】



その実直な人柄が知られる山中先生ですので変な記事にはなりませんが、他の研究者ならば週刊誌ネタになってしまします。
もっと研究者が日本で育つ環境を今一度考える必要があるのかもしれません。
by kura0412 | 2015-04-20 17:50 | 医療全般 | Comments(0)

大学病院の医師のバイトは

バイトのほうが高収入?これが医師の実態だ
「憧れの職業」の裏側はこんなにも不可思議

正規雇用でコツコツ働くより、フリーターのほうが稼げる。都心より田舎のほうがずっと給与が高い――。
普通では考えられないことが、当たり前の業界がある。医師の世界だ。日本に約30万人いる医師は、私たちにとって身近な存在であり、「憧れの職業」の一つでもある。その働き方の実態は、意外なほど知られていない。
「高給取り? とんでもない」。20代の大学病院勤務医は語気を強めた。「大学病院からもらう給与なんて、年100万円程度ですよ」。彼は、医学博士の取得のために大学院に通いながら働いているため、勤務日数や当直が同僚より少ない。ただ、それでも大学生の小遣い稼ぎと変わらないような“年収”には、耳を疑ってしまう。

半日のアルバイトで5万円を稼ぐ
大学病院で働く勤務医の給与は、思った以上に安い。40代の大学病院講師は「通常、大学からの給与は年収に換算して700万~800万円で頭打ち。教授になっても同1200万円程度」と明かす。別の大学病院の准教授は「大学からの給与なんて期待したことはない。今の年収は900万円台」と言う。
国立大学病院の場合、給与は他の一般の大学教員と同じ。私立の大学病院には差があり、関東圏では東海大学などが高く、意外にも慶應義塾大学など伝統あるブランド大学の給与が安いのだという。
では、そんな大学病院の医師が普通の職業より稼いでいないかといえば、それは違う。常勤で得られる収入を補う方法がある。答えは「アルバイト」だ。
医師免許を持ってさえいれば、かなりおいしいバイトにありつける。相場は半日(医師の世界では「1コマ」と言う)で5万円。産業医としての企業訪問、胃カメラなど各種検査、献血カーでの問診、夜間の当直と、内容は多岐にわたる。
この中で、当直は金額がグッとあがり、救急患者が来る病院だと1泊で10万円程度になることもある。最近では救急車対応したらプラス3000円、入院患者に対応したら5000円など、その時の働き方に応じてインセンティブ(成果報酬)を支払うケースも増えている。
大学病院の医局では、バイトのほとんどは医局長から割り振られる。ポストが上がったからといって年収が劇的に上がることはないので、准教授クラスでもバイトをするのは普通だ。年次順に割のいいバイトが割り振られ、医局員同士、時間がバッティングしないように調整し合う。週2コマ(1日分)のアルバイトをこなせば、月30万~40万円程度の収入が得られる。

一方、一般的に民間病院の給与は「大学病院よりも3倍近く高い」(医師派遣会社の幹部)。中には、本業に集中してもらうために、アルバイトを禁止している病院もある。
民間病院は、経歴や実績によって給与に幅がつくことが多い。一般的には都心の大病院だと給与は低め、地方の基幹・中堅病院だと給与は高めだ。「人手不足に困っている東北の病院では、就職すると馬を一頭くれると聞いた」(30代の勤務医)。地方の中堅病院には医師不足に直面し、特定の診療科を維持できるかどうかギリギリの体制で運営している病院もある。こうした病院に勤めると給与が良い一方、少ない人手で当直をやりくりしなければならないなど、激務となることが多い。
医師の中には、大学病院や民間病院に所属せず、”フリーター”としてバイトだけで稼ぐ者もいる。医局に属していなくても、医師バイトを紹介する民間仲介業者がたくさんいるのだ。
一昔前はフリーの麻酔科医がたくさんいた。数時間の手術1件あたり10万円程度と高額なバイト料、さらに、麻酔科医のスケジュールに合わせた手術日程を組まなければならないことが多く、現場の外科医には不評であったと言われる。

北から南まで全国を飛び回る
医師へのバイト紹介事業を展開するMRTの小川智也・最高執行責任者は「いまでも地方を中心に医師が足りず、医師を紹介して欲しいという病院の要望に応え切れていない」と話す。同社の運営サイトには常時6000に上る医師への求人がある。離島での1週間にわたる診療や北海道の緊急手術の要請など、その内容もさまざまだ。中にはバイトで北から南まで、文字どおり全国を飛び回っている医師もいる。
医師同士でバイトを紹介し合うことも多く、メールのやりとりでバイト先が決まることも珍しくない。紹介会社を通さない場合、時給などの条件は口約束で決まることが多く、「これまで契約書などを交わしたことなどない」(50代の埼玉の医師)。
病院にとっては、24時間365日の医療体制を整えるために非常勤の医師が必要という側面がある。ある意味、バイトは医師の相互扶助でもあるのだ。また大学病院の場合は、もともと外のバイトで高い報酬が得られるということを前提に医師の給与体系ができている側面がある。
常勤として医療の現場を支える医師がいる反面、非常勤として様々な医療機関を転々とする医師もいる。働き方から給与まで十人十色。それが医師の世界なのだ。

【東洋経済ON LINE】



最近のこのような点の歯科状況は分かりませんが、ここでも医科とは大きな相違があることは間違いません。
経済面でも育てる環境も厳しいというのが正直な現状ではなりでしょうか。
by kura0412 | 2015-03-16 13:12 | 医療全般 | Comments(0)

病名を作って医師の指導を付与

フィットネスクラブ、医師と連携し「予防医療」
高齢者需要を開拓

フィットネスクラブが医療機関と連携したサービスを相次ぎ始める。教育事業などを手掛けるポリゴンマジック(東京・港)は医療法人と共同で、医師による健康チェックが受けられるクラブの展開に乗り出す。高齢者の足腰を鍛えるプログラムを、医師のアドバイス付きで提供するサービスも始まる。フィットネスクラブは会員数が伸び悩んでおり、予防医療につながるサービスで高齢者などの需要を掘り起こす。

ポリゴンマジックは5月をめどに、医師が定期的に待機して利用者に健康アドバイスをするフィットネスクラブを東京都内に開業する。血液検査や3Dスキャナーを使って身体測定ができる設備を設け、運動と健康チェックを同じ施設内でできるようにする。
都内4カ所で診療所を運営する医療法人社団ナイズ(東京・渋谷)と共同で新会社「メディカルフィットネスラボラトリー(MFL)」を立ち上げて始める。年内にはナイズが運営する診療所の電子カルテと運動履歴を連携させ、より多角的に利用者の健康管理ができるようにする。利用料は月額3万5000円程度を見込む。3~4年で10カ所程度まで増やす。
フィットネスクラブ向けに運営コンサルティング事業を手掛けるパワーウェルネス・ジャパン(東京・新宿)は2月末にも、医師の指示に基づいて足腰の筋力を鍛える高齢者向けプログラムの販売を始める。3年間で20件のフィットネスクラブからの受注を目指す。

骨粗しょう症などにより歩行障害などがおこるロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防のための3カ月コースだ。高齢者はけがのリスクが高いため、医師のアドバイスに基づいてプログラムを組む。
日本生産性本部(東京・渋谷)によると、2013年の国内フィットネスクラブ市場は前年比3%増の4240億円。リーマン・ショック後は伸び悩み傾向が続いている。一方で国民医療費が40兆円に迫る中、国は生活習慣病などを未然に防ぐ予防医療に力を入れている。各社はこうした機運を追い風に、新しいサービスで会員の獲得を目指す。
健康コーポレーション傘下のライザップ(東京・新宿)は、医療機関が入る建物にフィットネスクラブを開設する新ブランド「ライザップ メディカル」の1号店を北九州市に開いた。トレーニングの開始前と終了後の合計2回、人間ドックの受診を組み込んだプランを用意する。来年2月までに、10医療機関と提携して施設を開設する。
大手では、最大手のコナミスポーツ&ライフが認知機能の低下予防プログラムを始めた。
セントラルスポーツは昨年12月、千葉大学医学部付属病院と包括連携協定を結んだ。糖尿病などの患者に向けて、退院後の運動プログラムを共同開発していく。

【日経新聞】




ロコモコ予防については、医師のアドバイスに基づいてのプラグラムの作成がミソです。
良い悪いは一旦置いといて、こうゆう発想を戦略的に考えないと広がりは難しい時代にきたのかもしれません。
by kura0412 | 2015-02-25 15:12 | 医療全般 | Comments(0)

胃ろうの適応を今一度

胃ろうの「是非」、問わないで- 便利な医療器具、患者により良い選択を

「胃ろうの是非を問う。このような捉え方はしないでください」―。このほど京都市内で開かれた日本医学会の市民向け公開フォーラム「いのちを考える」。「高齢者のいのちを考える-胃ろう問題とは何か」をテーマに講演した東大大学院人文社会系研究科の会田薫子・特任准教授はこう述べ、「胃ろうを便利な医療器具の1つと捉え、患者にとってより良く使う方法を考えてほしい」と訴えた。【真田悠司】

講演の中で会田氏は、医師との十分な相談が必要とした上で、
▽頭やのど、食道などのがん
▽ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病
▽クローン病などの腸の病気
-などの場合には、生活の質(QOL)の改善のために、胃ろうは有効な選択肢になり得ると紹介した。

一方で、アルツハイマーの末期や老衰の終末期の患者には、胃ろうの造設は適切ではないと主張した。
会田氏は、「高齢である場合は、体も生き終わりの時に近づいている」とし、造設が死亡の原因となる可能性があると指摘。自ら食事ができない患者に対し、人工栄養の処置を行わないことは「餓死」を連想させるが、そうした末期の患者には、これはむしろ「緩和ケア」となり、穏やかな死につながるという。
だが、医療者にとって胃ろう造設が適切かどうかの判断が難しい事例もあるという。
脳卒中や事故で患者が頭部に重い損傷を負い、植物状態となった場合だ。この場合の胃ろうは、生存期間を延ばすためには有効だが、会田氏は「意思疎通が困難な状態で生き続けることを“うれしくない”と感じるか“悪くない”と考えるかは、患者本人やその家族の価値観や死生観の問題になる」と指摘した。
講演後の質疑応答では、緩和ケアの認定看護師から「経口摂取が困難な高齢者に、むやみに胃ろうを造ることに疑問を感じる。こうした患者は家族からも見放されていることもあり、このような状態で生きていて幸せか疑問に感じてしまう」との声が上がった。これに対し会田氏は、「本人がそのような人間関係を作ってきたことも事実。自身をすり減らしてしまうのではなく、その生き方を尊重し、プロの医療者としてのケアを心掛けては」と助言した。

【キャリアブレイン】



胃ろうを全て否定することも、また肯定することもなく、今一度、その適応について考えることは大切です。
そして、その前提には、口から食べさせる努力を怠らないことを歯科界から訴えなければなりません。
by kura0412 | 2015-02-17 09:23 | 医療全般 | Comments(0)

『名医は名経営者にあらず』

名医は名経営者にあらず 病院破綻の深淵
帝国データバンク・篠塚悟

高齢者が増える中、「病院が破綻する」と聞いて奇異な印象を持つ人も多いのではないだろうか。経営状態まで気にして診てもらう患者もいないだろう。しかし、ここ数年の推移を見ると年間30~40におよぶ医療機関(歯科医院含む)が倒産に至っているのが実情だ。総合病院からクリニック、歯科、さらには介護老人保健施設の運営も手がける医療法人緑生会(千葉県我孫子市)は2014年8月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請、負債総額約63億7900万円の大型倒産となった。業容拡大を狙い総合病院を新設して、わずか1年半後の破綻。一体何が起きたのか。

■お産呼吸法の権威
我孫子市に隣接する印西市。北総線印西牧の原駅から歩いて20分のところに、緑生会の破綻の引き金となった「印西総合病院」がぽつんと建っている。繁華街から離れているため人影はまばら。周辺の道を行き交うのはほとんど車だけだ。
破綻後、同病院は消化器外科や脳神経の内科・外科、泌尿器科などを休止し、主に産婦人科と小児科、内科に絞って診療を継続している。「不便な場所で利用したことはなかったが、それでも緊急の時に駆け込める病院があるのは心強かった」。駅で会った60代の男性は、大幅な規模縮小について残念そうに話した。

緑生会は理事長の橋本明が1995年10月に茨城県藤代町(現在は取手市)で開業した「橋本産婦人科クリニック」を前身としている(同クリニックは2006年5月に閉鎖)。橋本は昭和大学医学部を卒業後、東京警察病院に勤務し産婦人科医長を務めた医師で、「気功式出産」のリーブ法を開発したことで知られる。お産の際の呼吸法といえば、緊張をほぐすラマーズ法が代表的だが、リーブ法は、リラックスだけにとどまらず、「医学的根拠に基づいた呼吸法」「エクササイズで痛みを和らげスムーズな出産へと促す呼吸法」と説明され、信奉者も多い。産婦人科医としての実績は高く評価され、当時、遠くからの来院も多かったようだ。
98年8月に緑生会に改組。01年にはJR「我孫子駅」から徒歩5分の場所に「あびこクリニック」を開設する。産婦人科、内科、小児科、歯科を設置した同クリニックが順調に推移したこともあり、2002年7月期(後に決算期変更)の年収入高(一般企業の年間売上高に相当)は約9億円弱と前の期に比べ倍増した。
勢いはさらに加速していく。04年10月には、茨城県茨城町に入所定員100名の介護老人保健施設「桜の郷祐寿苑」を開設。その後も、07年~11年にかけて歯科クリニック4施設のほかクリニック2施設、助産師専門学校、助産院を開設するなど短期間のうちに業容を急拡大させた。助産師の評判も良く、クリニックで受けたお産の数は年間1000件前後にもおよんだという。結果として、12年4月期の年収入高は約20億円に達した。
次々とクリニックを開設していたことからもうかがい知れるが、橋本は医師としての腕前や技術に傾注した職人肌だけの人物ではなかった。事業家としてのクリエイティブな側面も持ち合わせていたようで、当時を知る関係者は「いつしか総合病院の経営をしてみたいとの思いをもつようになっていった」と語る。12年11月に競合の総合病院が我孫子市に開設されたことも、橋本の事業家としての野心を刺激したのかもしれない。
地方の人口減少が叫ばれる中、印西市は千葉ニュータウンといわれる数少ない人口増加地区だ。市はインフラ整備の一環として、入院や手術を要する症例に対応できる、いわゆる「二次救急医療施設」となる250床規模の病院誘致に力を入れており、緑生会の思いと見事に合致した。市の後押しを背景に複数の金融機関によるシンジケートローンで約40億円の資金を調達。13年1月に印西総合病院の開設にこぎ着けた。


■医者が足りない
ただ、スタート時から過剰設備の懸念が一部で指摘されていた。同病院は第1期として81床、第2期として141床に増床(合計222床)する計画だったが、1期目の段階で既に増床の際のキャパシティーを見越した設備投資を行っていたからだ。
そして、設備以上に懸念されていたのが総合病院に見合う医師・看護師の陣容の確保だった。緑生会は関係者などに対し「(人繰りの)めどはついている」と説明していたようだが、実は千葉県の「東葛・北総」と呼ばれる当該・周辺エリアは病院の新設や建て替えが多く、医師や看護師からみて圧倒的な売り手市場。人材確保は難航したもようだ。
さらに印西市は人口が増加しているものの、思いの外、子育て世代が増えていなかったことも見込み違いだったようだ。開設当初、産婦人科、小児科、乳腺科、消化器科のみで、既存利用者が利用するケースが多く、新たな患者の利用が想定を下回ることになる。
その後、内科や整形外科、皮膚科などを増設したものの、曜日毎の担当医の掲示板はスキマだらけだったという。地域の二次救急を担う拠点としてスタートしたにもかかわらず、これでは継続性を伴う高度な医療を提供できるはずも無く、外来から入院への移行も寸断された。
経営破綻の直前の期となる2014年4月期の年収入高約24億円に対し約9億円の経常赤字を計上。債務超過に陥り、ついには支払いに支障をきたした。民事再生法申請時の負債は年収入高の2.6倍にまで膨れ上がっていた。

医療機関の倒産は、この10年間で368件発生しており、このうち収入不足などの、いわゆる本業不振が原因の倒産は約4割を占める。
他業界を含めた倒産全体で見た場合、本業不振が原因の倒産は8割以上に達するので、医療機関は顧客(患者)に見放されて倒産するケースが比較的少ない業態だとも言える。病気やけがは景気の影響で増減するわけではないので、当然のことかもしれない。

■管理者も不足していた
一方で、医療機関の倒産では「放漫経営」や「経営計画の失敗」といった内的な背景に起因する倒産が3割以上を占めており、他業界と比べて突出して高いのが特徴だ。今回の緑生会のケースには当てはまらないが、経営の甘さから乗っ取り屋グループに病院を食い物にされ、倒産に至ることも、実は珍しいことではない。外部環境より組織内部に落とし穴が潜んでいるところに、病院経営の深淵がある。
 「総合病院というよりはクリニックの個人経営者ということだったのかもしれませんね」。倒産後、橋本についてのこんな声が周辺から聞こえてくる。産婦人科医としての腕前と、組織を率いる経営者としての能力は別物なのだ。
これは病院に限らず一般企業においても同様なことが言えるのではないか。優秀な技術者や研究者、営業のプロなど現場で輝かしい結果を出してきた者が、管理・経営の立場に回った途端にぱっとしなくなるのはよくあることだ。「医師だけではなく、管理者も足らなかったのではないか」との指摘は、医療関係者だけではなくビジネスマン皆が受け止めるべき教訓を含んでる。=敬称略

【日経新聞】



名医と名経営者の両立を目指しているのですが、私は両方ともダメです。
by kura0412 | 2015-02-04 15:15 | 医療全般 | Comments(0)

医療の新たな注目は「カイコ」

カイコ使いMRSAに有効な抗生物質候補を発見

東京大の関水和久教授らのグループは、抗生物質が効きにくいメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に有効な新たな抗生物質候補を発見した、と発表した。
米化学専門誌に9日、論文が掲載される。

研究グループは、実験動物にカイコを使って、化学物質の薬効を調べる手法を開発。約1万5000株の土壌細菌が生産する化学物質の中から、既存の抗生物質が効かないMRSAに有効な物質を発見。「ライソシンE」と名付けた。カイコは、通常使うマウスに比べ、10分の1の費用で簡単に実験でき、効率的に薬効を調べることができるという。

【読売新聞】



これもノーベル賞級の発見ではないでしょうか。
インフルエンザワクチンもカイコを使って従来よりも安価に生産出来るニュースを見ました。カイコがキーワードになるかもしれません。
by kura0412 | 2014-12-09 15:41 | 医療全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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