日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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カテゴリ:医療全般( 57 )

『「名医」検索サービスは、どう名医を判断しているのか』

「名医」検索サービスは、どう名医を判断しているのか

名医を見つける方法を知っているか?
みなさんは病院を選ぶとき、どうしているだろうか。掛かりつけのクリニックへ行く、ネットの口コミサイトで良さそうな病院を探す、友人・知人に評判を聞いてみる……。
軽症の場合は良いけれど、重篤な病気になった場合は、そう簡単には決められない。
特に外科手術を行うとなると、症状によっては命に関わる場合もあり、どの医師に執刀してもらうかが心身ともに大きな負担を強いられるからだ。
とはいえ、良い医師を見つけるには情報が少なすぎるのが、日本の医療界の現状だ。書店に行けば、名医を特集した本も並んでいるが、どんな基準で選ばれているのか一般人にはなかなかわかりにくい。なかには掲載料という名目の広告費を取って、医師を紹介しているケースもある。病院のホームページで検索しても、手術実績などのデータを掲載しているところは意外にも少ない。技術面では優れていても、情報公開に関しては、日本は「医療後進国」と言っても過言ではない。
こういう現状を打破しようと始まったサービスがある。それは、名医を本気で探している人向けに作られた名医検索サイト「クリンタル」だ。2015年8月にリリースされ、現在、月に数十万の閲覧数、月に10%以上の割合で伸びている、知る人ぞ知るサイトである。
検索は、「有数の専門医検索」と、「街の名医検索」の2つがある。サイトの手順に沿って検索をすると、その疾患に関する名医が一覧表示される。ドクターは「臨床実績」「学術活動」「受診のしやすさ」の3項目が5段階評価で表示。2016年11月30日現在、有数の専門医検索の場合は24の診療科、129の疾患、街の名医検索の場合は36の診療科に対応している。
例えば、消化器外科では、胃がんに始まり、食道がん、肝臓がん、膵臓がん、胆道がん、大腸がんなどが細かく分類されており、その手術の実績がある名医が表示される仕組みだ。有数の専門医は3686名が名医として登録(同11月30日現在)をされており、この数は、日本の医師20万人の約1.8%にあたる。

どのように「名医」と判断しているのか?
では、どうやって名医と判断しているのか、誰もが気になるところだ。開発にあたった株式会社クリンタル代表取締役社長の杉田玲夢(すぎた・れいむ)氏にきいてみた。
「このサービスには、診療科ごとに3、4名の現役医師に協力をしてもらっています。彼らがまず、専門医資格を所持している医師から候補者を抽出します。手術数や論文数などの定量的データによってさらに絞り込みます。その上で、医師から見た信頼性、業界内での評判など定性的な指標をかけ合わせ、名医と称するにふさわしいドクターを選んでいます」
名医となれば、多忙を極め、受診にこぎ着けるのが難しいこともある。そんな場合は、有料(6000円)の名医紹介サービスも用意されている。
こちらは、患者の症状や希望なども加味して、クリンタルの協力医師が実際に適切な受診先の判断を行う。その上で、「紹介時には掛かりつけの医療機関からFAXをその医師宛てに送ってもらってください」とか「この曜日のこの時間帯に受診してください」といったアドバイスをしてくれると言う。

患者が得られる医療情報が少なすぎる!
杉田氏が名医検索サービスを立ち上げた背景には、当時、東京大学医学部附属病院で眼科の医師をしていた杉田氏自身の体験がある。ある日、父親が網膜剥離になってしまう。網膜剥離は最悪の場合、失明の恐れのある病気である。急を要する状況であった杉田氏は、適切な医師を探すのに苦労をしたという。
「勤務医をしていると、友人や知人から良いドクターを知らないか、と尋ねられることが多かったんです。そういった数々の体験から、一般の人が得られる医療情報があまりに少ないと気づき、これはなんとかしなければ、と思いました」
その後、アメリカのビジネススクールへ留学し、現地で様々な医療事情を学んできた。
「アメリカでは、クリンタルと同じようなサービスがすでに行われており、導入している企業は、従業員の医療費を削減することに成功していました。これを日本で行えば、医療費削減につなげられるかもしれないと思ったのがきっかけです」
現在、クリンタルの検索数で多いのは、がんや小児科、婦人科関連の疾患だという。ユーザーからは「受診先のあてがなく困っていたが、光が射した」、「今の治療で良いのか自信がなかったので、セカンドオピニオンの目的で利用した」――こんな声が多い。

ドクターの技術向上には医療の“機能分化”が必要
「このサービスを通じて目指しているのは、実は医療の“機能分化”なのです。例えば、総合病院は便利ですが、何が得意なのか一般人にはわからない。しかし、「がんセンター」とか「循環器センター」といった専門施設ならすぐにわかります。そのように医療機関を専門化していくことで、同じ領域の患者さんが集まります。そうなればドクターも経験を積むことができ、技術が向上していきます。結果として入院期間が短くなり、医療費を抑えることにつながると考えています」と杉田氏は言う。
医療の“機能分化”を取り入れようとする背景には、日本では患者が得られる情報が少なく、「医療後進国」といわれる現状を打破したいという杉田氏の思いが強くにじみ出ている。
「海外ではこういう“機能分化”が盛んに行われています。一例を挙げると、カナダには鼠径ヘルニアの専門病院があるんです。鼠径ヘルニアは再発率の高い病気ですが、全米から患者さんが集まることでトップレベルの技術を維持することができ、再発も減りました。結果、医療費削減に寄与したのです」(同氏)
日本の医療費について言えば、2015年度に40兆円を突破した。厚生労働省によると「2020年には66.9兆円、2025年には76.4兆円にまで膨れ上がる」と予測しているようだ。
今や国家的急務である医療費の削減が高まっている中で、クリンタルの名医検索サービスはその一助となる可能性を秘めている。
同サイトは、名医以外に地域の信頼できる医師を検索することもできる。軽症や掛かりつけ医のいない方は、このサイトの活用をお勧めしたい。

【DAIAMOND ONLINE】
by kura0412 | 2016-12-01 08:57 | 医療全般 | Comments(0)

『短期集中的なリハビリの実施により、日本の寝たきり患者を半減』

リハビリ能力の低い急性期病院、入院から20日までに後方病院に患者を送るべき―日慢協・武久会長

脳卒中などの発症後、早期に短期集中リハビリを実施することが重要である。このため、リハビリ能力の低い急性期病院では、入院から20日までにリハビリ能力の高い後方病院に患者を送るべきである―。
日本慢性期医療協会の武久洋三会長は、17日の理事会後に開催した記者会見で、こういった提言を行いました。

短期集中的なリハビリの実施により、日本の寝たきり患者を半減
この提言は、17日の日慢協理事会で承認された「日本の寝たきりを半分」にするための10か条に基づくものです。
武久会長は、我が国の医療、とくにリハビリについて、▼急性期病院で十分なリハビリ(1日9-15単位、つまり3-5時間)が行われていないケースがある▼急性期治療において十分な栄養管理・水分補給が行われていない▼診療報酬の規定により、例えば脳卒中発症から1か月目でも、6か月目でも、同じ1日9単位のリハビリとなっている▼一律に自立歩行復帰が目標とされている―などといった問題点があることを指摘。

これらを改革しなければ、寝たきり患者が減らないとし、次の10か条の提言をまとめています。
(1)急性期リハビリの充実(入院日からのリハビリ)
(2)急性期リハビリ能力のない場合、入院後20日までにリハビリ能力と治療能力のあるPost acute(後方病院)に患者を移す
(3)高齢者の急性期治療の改善(栄養・水分出納・身体侵襲の軽減)
(4)嚥下・排泄リハビリの優先
(5)短期集中リハビリのできる環境に
(6)「寝たきり」より「座りきり」
(7)無理な歩行訓練より車いす自立を
(8)慢性期治療の徹底
(9)延命ではなく日常復帰を
(10)慢性期総合診療医の養成

これらは大きく「急性期状態からの早期リハビリなどの充実」((1)から(5))と「リハビリのあるべき姿の共有」((6から(10))に分けて考えることができそうです。
(1)と(2)はセットで考えることができます。武久会長は「リハビリ能力のある急性期病院では早期にリハビリを開始し、能力の低い急性期病院では早期に後方病床に患者を送るべき」と強調しました。
また(5)では、リハビリの診療報酬を包括化することで、より患者の状態に合わせた柔軟かつ適切なリハビリ(早期の集中リハビリを可能とし、維持期の箇条リハビリを適正化する)の実施が可能になると武久会長は提案しています。
一方(6)と(7)は、急性期病院のみならず、リハビリに携わるすべての病院への提言と言えます。武久会長は、「低栄養などでリハビリの効果が落ち、寝たきりになっていく」という実態があることを指摘し、「離床コーディネーター」を多くの病棟に配置し、1日数回、患者を離床させることを徹底すべきと訴えます。コーディネーターの職種については、理学療法士などのリハビリ専門職種が主導すべきとしたものの、看護師や介護師なども広く対象になるとの見解を示しています。
さらに武久会長は(8)から(10)で、「超高齢者であっても、治せる傷病は治療し、天寿を全うさせることが必要である。十分に治療できない病院ほど、適切な治療を行えないことを『ターミナル』という言葉で逃げている」とも訴えました。

  【メディワォッチ】
by kura0412 | 2016-11-19 09:35 | 医療全般 | Comments(0)

『降圧薬服用高齢者のフレイル、血圧低値ほど高率』

降圧薬服用高齢者のフレイル、血圧低値ほど高率

80歳以降の高齢者に対する過降圧はフレイルをもたらす可能性のあることが分かった。
高齢者長期縦断疫学研究SONICの一環として、70歳、80歳、90歳の高齢者計2245人を対象に行われた横断的検討で得られた結果だ。大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻総合ヘルスプロモーション科学の樺山舞氏らが、第39回日本高血圧学会総会(9月30日~10月2日、仙台開催)で報告した。

今回の検討は、高齢者高血圧の治療における降圧下限値の明確化を目的に、血圧値と身体的フレイル、高次生活機能との関連性を調べた。
対象は、SONICに参加した地域住民の70歳1000人、80歳973人、90歳272人の計2245人。血圧測定、身体的フレイルの指標である握力と歩行速度の測定、および高次生活機能の指標である手段的日常生活動作能力(IADL)の評価を行った。CHS(Cardiovascular Health Study)基準に基づき、握力、歩行速度のどちらかまたは両方が該当した場合を身体的フレイルと判定した。血圧値は収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)それぞれ4つのレベルに分けた。
SBPは男女とも、70歳より80歳で有意に高く、80歳より90歳で有意に低かった。DBPは男性のみ70歳より80歳が有意に低く、男女とも80歳より90歳が有意に低かった。高血圧は70歳で約7割に、80歳、90歳でそれぞれ約8割に認められた。降圧薬服用者の割合は年齢が高いほど有意に上昇した。また、年齢が高いほど、握力が弱く、歩行速度が遅く、IADLは低かった。身体的フレイルは70歳で37.1%、80歳で64.3%、90歳で91.7%に認められた。
降圧薬服用の有無別に血圧値と握力、歩行速度、IADLの関係を検討したところ、70歳では男女とも、服用群、非服用群のいずれにおいても有意な関連はみられなかった。しかし、80歳の服用群では、男性の握力が、DBPでは80~89mmHg群、90mmHg以上群に比べ、70mmHg未満群で有意に弱かった。SBPと握力の間でも同様の傾向が認められた。こうした関係は非服用群ではみられなかった。90歳では、非服用群の女性のIADLが、SBP160mmHg以上群に比べ同120mmHg未満群で有意に低かった。
身体的フレイルの割合は、服用群において、SBP、DBPが低いほど有意に高率(SBP:P=0.029、DBP:P<0.001)で、SBP120mmHg未満では75.0%、DBP70mmHg未満では72.7%に認められた。こうした関係は非服用群では見られなかった。
ロジスティック回帰分析により、フレイルに関連する要因(年齢、罹患疾患で調整後)を検討すると、非服用群ではアルブミン低値が、服用群ではDBP低値が独立した有意な関連因子となった。

以上より樺山氏は、「降圧薬服用群でのみ血圧がフレイルと関連しており、80歳以降の高齢者の過降圧はフレイルをもたらす可能性が示唆された」と結論した。今後の研究課題については「縦断的解析により、フレイル状態の高齢者の血圧が低いのか、過降圧によってフレイル状態になっているのかを明らかにする必要がある」と述べた。

【日経メディカル】



フレイルが内科でも注目されていることを示しています。
by kura0412 | 2016-10-21 10:27 | 医療全般 | Comments(0)

「医療従事者はあくまでも性善説でいるべき」

病院内犯罪はなぜ起こる?元殺人担当刑事の“院内ポリス”に聞く

大口病院(横浜市神奈川区)の入院患者連続殺害事件は、世間や病院関係者に大きな衝撃を与えた。そもそも病院は、犯罪者の立場から見れば非常に「無防備な場所」であるといわれ、最近は元刑事などの警察OBをセキュリティ担当として配置する病院も増えてきた。その草分けとなった東京慈恵会大学では“院内交番”と呼ばれる24時間体制の渉外室を設置している。初代室長として勤務した元警視庁捜査一課管理官の横内昭光氏に話を聞いた。

全国の大学病院では初だった“院内交番”の横内氏
9月に明るみになった大口病院の入院患者殺害事件は、容疑者逮捕に至らぬまま2週間以上が過ぎようとしている。捜査関係者の弁によれば「被害者は二ケタ」にのぼる可能性もあるという。日頃から、同院を利用してきた近隣住民にとってはたまったもんじゃないし、同院とは縁がない一般市民でも、市中の病院でこんなにも凶悪な連続犯罪が割と簡単に実行されできてしまったことに衝撃を覚えた人は少なくないと思う。
病院とは、こんなにも無防備な場所なのか? どうしたら、安心・安全な場所にできるのか?――次々と湧き起こる疑問と不安を、病院における防犯のスペシャリスト横内昭光氏にぶつけてみた。
横内氏は、元警視庁捜査一課管理官(殺人捜査担当)。定年退職後、警察OBとして全国の大学病院では初めて、東京慈恵会医科大学に就任し、“院内交番”と呼ばれる、24時間体制の渉外室の初代室長として勤務した。現在、“院内交番”は、全国の国立病院、大学病院等に開設されている。

病院は泥棒にとって「修業の場」無防備で仕事しやすく病院専門の泥棒も

――病院は、本当は危険な場所なのでしょうか。
危険というか、無防備な場所ですね。入院患者、見舞客、付き添い家族など、不特定多数の人が昼夜を問わず常に出入りしている。夜間は正面出入口が閉まっているとしても、緊急の出入口は開けられており、自由な出入りが可能です。しかも白衣にマスクなど、医療従事者の格好をしていたら、職員との区別もつきません。
「病院は街の中と同じ。コンビニもあるし、消防署のような部署もある。犯罪も起こる可能性が常にあるのだから、“院内交番”も必要」と、最近、ある医療関係者が話していました。

――どのような犯罪が起きていますか。
窃盗犯(泥棒)にとって、病院は“修業の場”です。病院ほど盗みを働きやすい場所はない。病室は基本的に出入り自由ですし、どこに貴重品があるのかが一目瞭然。セーフティボックスなんて、ドライバー1本で簡単に開けられますからね。検査などでベッドから離れる時間を狙って犯行におよぶ、病院専門の窃盗犯もいます。
一般的に、薬や医療器具の窃盗は、医療従事者、すなわち内部の人間による犯行が大半です。自殺や殺人の目的で危険薬が持ちだされる事件も起きています。大口病院の事件でも、院内の点滴が犯行に使われた疑いがありますね。
患者や医師を狙った傷害・殺人事件も多いですよ。「医療ミスがあった」と思い込んだ精神疾患の患者に医師が射殺された事件や、入院中の男性が暴力団の組員に人違いで射殺された事件など、たくさんあります。余命を宣告されたがん患者が、自暴自棄になり、看護師らを道連れとして殺害したこともありました。
犯罪に至らないまでも、悪質クレーマーや院内暴力の事例は、日常茶飯事です。

犯罪にはすべて前兆があるが患者の目を見ない医師は気がつかない

――それらの犯罪に、共通点はありますか。
犯罪にはすべて兆し、前兆があります。精神的な病を持つ人は、なんら前兆のないところから突然、犯行におよぶこともありますが、一般的な人は、必ず兆しを残しているものです。
クレームや不満を言っているうちは、まだ凶器は持って来ません。しかし凶行におよぶ頃には、口では言わず、目で訴えるようになります。
「俺の病気治してくれよ」とか、「私の話を聞いてちょうだい、助けてよ」ってね。命や健康にかかわる場ですから、深刻度も高い。
そこで医師なり、病院なりが上手く対応していないと、次の外来の時には凶器を持ってくる。殺意が芽生え、準備をするのです。
そういう意味では、病院はやはり怖い。ところが、被害者になる可能性が一番高い医師が、結構、他人事なんですよ。危機感が薄い。

――危機感が薄いのはなぜだと思いますか。
一つには、患者さんの目を見ていないのだと思います。診察の際など、目を見ていれば、敵意を持っているか否かは、すぐにわかるでしょう。忙しすぎるからなのかもしれませんが、パソコンの画面ばかり見て、患者さんの顔を見ない医師は増えていると聞いています。
もう一つは「性善説」が基本姿勢であることです。診療行為は相手が反社会勢力だろうが誰だろうが関係なしに、目の前の患者を治すことに集中して行うので、殺人を犯すかもという視点では見ません。もちろん、看護師らのスタッフに対しても、チームで動いていますから、信頼関係を大切にします。
病院のサポート体制の問題も大きいでしょうね。どこの病院でも、院内のトラブルについて、医師や職員にアドバイスやサポートを行っているかといったら、そうではない。病院によって温度差があります。

――大口病院事件でも、前兆がありましたね。
白衣の切り裂きや、看護師の飲料に漂白剤のようなものが混入されるなど、事件につながる予兆はありましたよね。それを警察に通報せず、行政に連絡したのは問題です。病院というところは昔から、警察に届けたがらない体質がある。抵抗があるんですね。

殺人は恨み、妬み、つらみの「三み」が動機
事件の発覚」が犯人の狙いだったのか?

――犯人の心情をどう推察しますか。
事件が発覚し、警察の捜査が入ったことで、犯罪の目的は達成できたと満足しているかもしれませんね。当初は、警察に相談しなかったので、犯人としては苛立っていたと思います。
殺人というのは、恨み、妬み、つらみの「三み」が動機で起こるものです。
だから、今回の事件の犯人も誰かに、三みのうちのいずれかの感情があるのでしょう。院長か、4階にいる職員か、患者さんか、誰に対してかはわかりませんが。
さらに、トラブルを起こしても、警察に届けない、そういう体質・体制に不満を抱いている可能性も大きいですね。事件が発覚しないで、患者さんだけが死んでしまったのでは、犯人は消化不良。事件が発覚したことで、犯人は拍手しているのではないでしょうか。
それからね、昔から、放火犯と毒殺は、“女性犯罪”といわれています。
力の弱い女性でも人が殺せますしね。「できたら自分がいない時に死んでほしい」、という心理が働いているような気がします。

――こうした事件を防ぐには、どうしたらよいでしょう。
大口病院には、病棟に監視カメラがなかったことが問題になっていますが、患者さんのプライバシー保護を考えるとカメラの設置は慎重に行われるべきでしょうね。さらに、「監視されている」と意識させることが、スタッフ同士の信頼関係に影響を与え、病院全体の雰囲気がギスギスしたものになることも懸念されます。
防犯システムや警備の導入も当然考えられますが、それよりも大切なのはやはり、兆しを大切にすることだと思います。兆しを見逃さず、速やかに手を打ち、対応する。
兆しを見つけるために重要なのは、基本的なコミュニケーションです。相手の目を見て話す、院内で困っているような人や見慣れない人を見かけたら声をかける、ミスや不備を指摘されたら素直に謝る、相手の立場になって考え、一言でもいい、思いやりの言葉をかけてあげる……などです。
大口病院の場合も、誰かが、病院のなかで不満を抱いていた。恨み、妬み、つらみの「三み」を抱いていたわけです。その矛先が、患者さんという一番弱い人へと向けられた。これは、あってはいけないことです。

“院内交番”で私は、医師や職員の個人的な相談にも乗っていました。病院の職員に限らず、人は誰しも、いろいろな悩みを抱えながら仕事をしています。警察官も同様です。例えば、悩みを持ちながら、警官が拳銃を持って仕事をしていたら危険です。警察官が拳銃で自殺をする事件だって起きていますよね。同じように、異性関係やら借金やら、悩みを持つ医師や職員が悩みを抱えて仕事していれば、医療ミスや犯罪を起こす確率は高くなるのではないでしょうか。
普通の社会と同じように、病院内でも、いじめ、セクハラ、パワハラなど、さまざまなトラブルが起きています。病院が特別なわけではありません。
職員をサポートしてあげることは、患者さんを守る事にもなるのです。

医療従事者はあくまでも性善説であるべきトラブル発生時には素早い、適切な対応を

――性善説ではなく、性悪説で防犯対策を行う必要性はありませんか。
いやいや、医療従事者はあくまでも性善説でいるべきです。その上で、病院の安心・安全を守るために、我々のような警察OBを活用していただきたい。
“院内交番”のように、気軽に相談できる関係をつくっておけば、大口病院で起きたような、「警察に届けるべきかどうか迷うトラブル」が発生した場合にも、素早く、適切な対応が可能になるでしょう。
大口病院事件の場合も、早い段階で、警察に通報するなど、毅然とした対応がなされていれば、犯行のエスカレートに歯止めがかかり、事件は未然に防げたかもしれません。


医師の心構えに「病を見ずして人を見よ」という言葉がある。犯罪捜査や防犯の基本も「犯罪を見ずして人を見よ」なのかもしれない。

【DAIAMOND ONLINE】




大病院に行った時感じたのですが、病院内は患者、医療関係者以外のいろいろな人が出入りしています。性善説だなければ、普段の医療も非常にやりずらくなってきます。この事件は、今後の医療現場に大きく影響を与えます。それだけに早期に犯人を逮捕してもらいたいものです。
by kura0412 | 2016-10-13 17:27 | 医療全般 | Comments(0)

医科もフレイルに注目が

外来心不全患者のフレイル評価は6つの質問で

外来に訪れる高齢心不全患者のフレイル評価を行う際、質問6項目からなる問診票(フレイルスコア)を用いることは簡便かつ有用な手段であることが分かった。聖マリアンナ医科大学循環器内科の鈴木規雄氏らが、第64回日本心臓病学会学術集会(9月23~25日、東京開催)で発表した。

フレイルとは加齢に伴って生理的予備能が低下し、要介護状態、生活機能障害などに陥りやすい状態を指す。フレイルを伴う心不全患者は入院率と死亡率が高くなることが知られており、適切な介入でフレイルからの回復を促すことが重要となる。
フレイルの評価法としては、フリードの定義や、厚生労働省の作成した基本チェックリストが一般に用いられているが、これらの評価法は歩行速度や握力、体重の細かな変動など確認すべき項目が多く、時間の限られる外来診療ではより簡便な評価方法が求められていた。
そこで国立長寿医療研究センターの荒井秀典氏は従来の評価法を参考にして、質問6項目でフレイルを評価できる問診票(表1、フレイルスコア)を考案。今回の鈴木氏らの研究では、このフレイルスコアの有用性、妥当性を検討すべく、聖マリアンナ医科大学循環器内科を外来受診した65歳以上の慢性心不全患者135例を対象に、フレイルスコアでフレイルの評価を行った。

表1 フレイルスコア 

135例のうちフレイルスコアが2点以上になった患者をフレイルと判定し、心不全入院または死亡をイベントとして追跡調査を行った(平均189.2日)。フレイルと判定された患者は62例(45.9%)で、全体のイベントは18例(13.3%)だった。180日後のイベント回避率はフレイル群80.9%、非フレイル群97.2%(p=0.012)、Cox回帰分析によるフレイル群のハザード比は3.09(p=0.048)で、フレイルであること(フレイルスコアが2点以上であること)は独立した予後不良因子であることが分かった。
慢性心不全患者に対するフレイスコアの妥当性について、厚生労働省の基本チェックリストとの相関を調べたところ、フレイルスコアは正の相関を示し(p<0.001)、基本チェックリストと同様に有用であることが示された。実際に、外来通院中の慢性心不全患者の27~54%にフレイルがみられるという報告もあるが、今回フレイルと判定された患者45.9%とも一致した。
また鈴木氏らはMNA-SFと呼ばれる簡易栄養状態評価表とフレイルスコアの相関も解析した。その結果、MNA-SFとフレイルスコアは有意な負の相関を示し、栄養状態の悪化が慢性心不全患者のフレイル合併に関連することが分かった。
これらの結果から鈴木氏は、「外来診療での慢性心不全患者に対するフレイルスコアを用いたフレイル評価は、簡便かつ有用であることが分かった。外来診療にてフレイルを合併した心不全患者を早期発見し、低栄養の改善などの介入が必要と考えられる」とまとめた。

【日経メディカル】




歯科の簡易型問診票は?医科もフレイルには注目しています。
by kura0412 | 2016-10-08 10:05 | 医療全般 | Comments(0)

『生活保護の男性、3割超がメタボ 女性も非受給者の3倍』

生活保護の男性、3割超がメタボ 女性も非受給者の3倍

生活保護を受けている男性では、3人に1人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)で、喫煙者が4割以上いることが厚生労働省の調査で分かった。いずれも生活保護を受けていない男性より割合が高い。受給者は健康への関心が低いという結果もあり、厚労省の担当者は「食事が安くて高カロリーのジャンクフードなどに偏っているとみられる」としている。

2014年度にメタボ健診を受けた40歳以上の生活保護受給者約10万8千人の診断結果を分析した。メタボと診断されたのは男性が32・7%で女性が17・5%。受給していない男性(21・0%)より10ポイント以上高く、女性は3倍近かった。
60代後半の男性が34・6%(受給者以外は27・4%)、70代前半の男性が33・3%(同26・9%)と割合が高い。受給男性の喫煙率は43・0%(同33・7%)で、とくに50代が51・9%と多かった。
生活保護費のうち約半分は医療扶助が占めている。厚労省は医療費を減らすため、今年度中に受給者の生活習慣病対策をまとめる方針だ。(井上充昌)

【朝日新聞】




歯科も似たような傾向が出ているかもしれません。
by kura0412 | 2016-09-23 10:49 | 医療全般 | Comments(0)

『東大、論文不正疑いで本格調査 医学系など6研究室』

東大、論文不正疑いで本格調査 医学系など6研究室

東京大で医学部などの6つの研究グループの論文に不正の疑いが指摘されている問題で、東大は20日、本格的な調査を始めると発表した。匿名の告発を受けて予備調査を進めてきたが、告発内容に一定の具体性があるとして本調査に移行する必要性があると判断した。来春をめどに結論を出す見通しだ。
調査の対象となるのは、医学系の生活習慣病や神経疾患などの5研究室と、分子細胞生物学研究所の1研究室。

9月1日までに、有力科学誌の英ネイチャーなどに2003年から掲載された22本の論文のグラフや画像に不自然な点があり、不正が疑われるとの匿名の告発が、東大や文部科学省、日本医療研究開発機構(AMED)などに届いた。
告発は、2本のグラフの平均を取ってもう1本新たなグラフを作っている、動物実験で6割以上のマウスが10日ごとの「キリのいい」日に死亡しているなどの不自然な点を多数指摘している。
調査では医学部と分生研にそれぞれ外部識者を交えた調査委員会を設置する。告発された論文以外も調査対象になるとみられ、研究室メンバーの聴取のほか、実験時のノートやデータを遡って調べる。一部の科学誌も調査を始めた。
仮に不正と認定された場合、研究費の停止などの処分につながる可能性もある。
医療・バイオ分野では近年、研究不正が相次いでいる。東大は14年、分生研の元教授らが発表した論文33本の不正を認定した。同年には理化学研究所が発表したSTAP細胞が実際にはつくられていなかったことが判明した。

【日経新聞】




最近、欧米誌へ投稿論文の査読が非常に厳しくなったと大学関係者から聞きました。ネイチャーに掲載された論文でもこの疑いです。更に厳しくなるんでしょうね。
by kura0412 | 2016-09-21 09:02 | 医療全般 | Comments(0)

『日本の医療費は高額 新基準で世界3位』

日本の医療費は高額 新基準で世界3位
対GDP、OECDまとめ
日本の医療や介護は諸外国と比べて安いのか。経済協力開発機構(OECD)がまとめた2015年の国内総生産(GDP)比の保健医療支出の推計値では、日本が順位を一気に上げて3位となった。厚生労働省や医療関係者は「低費用で上質なサービスを提供している」と主張してきたが、少なくともコストの面では疑ってみる必要がある。

55兆9354億円、GDP比11.2%――。日本の保健医療支出のGDP比はOECD加盟国で米国、スイスに次ぐ3位となった。近年は10位前後で推移していたが、15年の統計で急上昇した。安価な公的医療保険制度が発達せず薬剤費なども高い米国の16.9%は別格とはいえ「福祉国家」のフランスやスウェーデンより上位。このため一部の医療関係者などの間で話題になっている。
OECDの「保健医療支出」は公共・民間の両部門が医療や介護などに投じた総費用を示す。厚労省が公表している「国民医療費」に介護関係や市販薬の売り上げ、健康診査などの費用を加えた概念だ。
GDP比は医療費の水準を国際的に比べる重要な指標。厚労白書などで「日本の医療費は先進国の中で低水準で推移している」と説明する際の数字的な裏付けとなってきた。厚労省が政府の医療関係予算の増額を求める根拠にもなってきた。
日本の医療費や介護費が伸びている要因の一つは高齢化の進展だ。05年のGDP比は8.1%。OECD35カ国中17番目で、主要7カ国(G7)でも6番目だった。この間に65歳以上の人口比率は約7%上がっており、医療費などの拡大につながった。高齢化によって医療費や介護費が伸びるのは避けがたい。
ただ15年に順位が急上昇した大きな要因は別のところにある。
OECDが求める最新基準に合わせて「通所介護」や「認知症向けの生活介護」など介護関係の費用の一部が今回から新たに算入された影響が大きい。これで6兆円ほど費用が膨らみ、GDP比が1ポイント強も押し上げられた。
基準変更が特に日本に大きく影響した理由について、日本総合研究所の西沢和彦主席研究員は「多くの主要国は既に介護関係の費用を数字に含めていた可能性が高い」と指摘する。これまでの日本の順位も実態より低めに出ていた公算が大きく「精緻でない統計を根拠に日本の医療費の効率の良さを主張してきたのは問題だ」(西沢氏)。
別のOECDの統計をみると、日本の医療現場での過剰な診療や投薬をうかがわせるデータがある。13年の患者1人あたりの診察回数は年間12.9回で韓国(14.6回)に次いで2位。1人あたりの薬剤費も年752ドル(約7万5千円)で米国の1026ドルに続く2位に位置する。ともに医療費を膨らませる大きな要因だ。
日本で保健医療支出を算出している医療経済研究機構は「各国の制度は多様なので、国同士の比較は慎重にすべきだ」とクギを刺す。日本の上昇ペースが速いのは、分母のGDPの伸びの低迷も響いている。一方、ドルベースで見た1人当たり保健医療支出は14年にOECDで15位。首位の米国の5割弱だが、円安・ドル高の影響もある。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-08-22 08:49 | 医療全般 | Comments(0)

『週刊誌の「医療叩き」はなぜ起こるのか』

週刊誌の「医療叩き」はなぜ起こるのか

最近、各週刊誌等で医療に関する特集が多く見られる。その大半が手術の断り方や薬のやめ方など、手術や医薬品、治療方法の危険性を強調した内容に終始している。このような記事が多く読まれる背景には、相変わらず世間に「医療不信」が根強く残っている証左とも言えよう。それでは、実際に日本の医療レベルは低いのか。検証してみた。(多摩大学大学院教授 真野俊樹)

医療レベルを測る指標により
国際比較が可能になりつつある

最近、週刊誌も含め医療不信の話題がかしましい。実際に日本の医療レベルはそこまで低いのであろうか。
医療のレベルを図るには様々な指標がある。大別すれば、治療実績に関するものと、医療経済的なものに分けられる。前者は、個別の疾患の予後のように、その医療でどの程度病気を治すことができたのか、という指標である。これはどこの病院に名医がいるのか、がんの治療においてどこの病院が優れているのか、といった内容なので、一般の人にもわかりやすい。
後者の指標は、例えるならば、「吉野家」の「うまい、早い、安い」ではないが、国民にとって、良い医療が廉価でアクセス可能なのか、という指標である。こちらは、マクロ的な話になり、その国の医療制度(日本でいえば国民皆保険制度)が深く関係するので、一般の方は言うに及ばず、医療の専門家である医師にとっても、なじみがなく、医療経済や医療制度の専門家以外はあまり考えることがなかった。
しかし、国際的には、後者の指標の方が比較しやすかった。例えば、OECDなどに、各国の政府がデータを提出するので、その間での比較ができたからである。
ただ最近では、データ集積技術の進歩に伴い、前者の、国民全全体になじみやすい指標についても国際比較ができるようになってきたのである。

実際に比較してみれば
国際的には評価が高い日本の医療
こういった指標において、実際に国債比較した場合、日本の医療レベルは低いのであろうか。
決してそんなことはなく、むしろ、高いのである。例えば、「大腸がん」にかかり、医師の治療を受けたとする。OECDデータにおける5年生存率は、主要先進国の中では日本が世界一なのである。
であるがゆえに、日本経済の再生を目的とする「日本再興戦略」などでも日本の医療を海外に輸出しようという話になるし、アジアにおいての日本医療への関心は高く、病気の人がわざわざ日本に治療を受けにくるという、「医療ツーリズム」が起きている。
つまり、「うまい、安い、早い」に照らして考えれば、「うまい」が保障されていることになる。また、国民皆保険制度下にある日本医療では、患者の自己負担は廉価である(もちろん、皆保険の財源をどうやって維持していくのかという問題はあり、非常に重要な問題であることは百も承知であるが、今回は、自分が重い病気にかかり、いい医療を何が何でも受けたいという立場で考えてみた)。
さらに、「早い」に相当する医療機関へのアクセスも、日本は優れている。例えば、英国などでは、日本の「義務教育」のように、公費で賄われる医療は「学区制」のようになっており、いきなり病院の専門医を受診することはできない。
まとめて言えば、個別の医療レベルも高く、医療制度も優れているということになる。

なぜ医療バッシングが起きるのか
患者が抱える不満・不安が根幹
それでは、なぜ、医療バッシングが起き、今のように週刊誌で、それが大ブームになるのであろうか。やはり、自分が受けている医療サービスや接している医療関係者に対し、少なからず、何らかの不満や不安を抱えているからであろう。
その背景の一つには、データの集積により、国際的な医療比較だけではなく、国内の医療の比較も可能になった点があろう。例えば、手術数の病院ごとの差、のデータが紹介され、様々なサイトで、病院ごとの医療レベルに差があるのではないか、ということが如実に示されている。自分の受けている医療や医師について、「大丈夫なのか」という不安が生まれるのは当たり前であろう。
しかし、一方で医療サービスに対する評価は難しい。特に、医療の場合には、医療サービスを提供している医療者であっても、その提供しているサービスの結果に100%保証をすることができない。「最善を尽くす」ことしかできない特殊なサービスなのである。
昨今のバッシングが薬剤についてのものが多いのも、医療サービス評価が難しいことを裏付ける。消滅してしまう医療サービスや、通常、人生に1度か、2度しか経験しない手術に比べれば、薬剤は形があり定期的に服用するものなので評価しやすいのである。

医療者側にも問題
患者を見ていないのではないか
むろん、医療者側にも問題は大いにある。医学による「正しい」治療や診断あるいは診療報酬など経済的問題を追求するあまり、“顧客”である患者を見ていないのではないか。
いやいや、「自分は“患者第一”で行っている」という医療者が大半であろうが、現実にここまで医療バッシングが起きている点に、何も理由がないわけはあるまい。
最近では、一時期経営不振に陥ったファーストフード店のマクドナルドがキャッチコピーを「made for you」に変えた。これは、従来の「fast」の訴求から、オーダーメイドによる質の追求に移行した表れであろう。このように、「うまい、安い、早い」のようにすべてを訴求することが難しい時代になってきているのである。
この方策が成功するかどうかは問題ではない。重要なことはこのような対応の変化が、顧客を重視し、顧客の思いを感知して行われたことである。翻って、医療界では、急性期医療の「キュア」だけではなく慢性期医療や介護を含めた「ケア」も重要だ、といわれるようになっては来たが、これはマクロの話であって、個別の患者対応に変化が起きているとは言い難い。
すでに海外では、ICT技術を使って、患者が積極的に自らの医療に対して参加する仕組みができつつある。彼我の差は、大きいと言えよう。

医療は患者の協力があって成り立つ行為
医療不信は患者側にとってもマイナス
医療不信については、医療関係者だけでなく、患者も意識して避けるように努力した方がいい。理由は簡単で、「病気」という敵を倒すには、医師などの医療者の力だけでなく、患者自身の協力が不可欠であるからだ。医療不信が広がることは、患者側にとっても結果的に不幸でしかない。
マグドナルドや、吉野家に対しては、嫌いであれば競合他社を選ぶという選択肢がある。もちろん、少ないながら医療でも「競合他社」を選ぶことはできる。その極端な例が、自国が関与する医療に対する不信の結果、他国の医療を選択するという医療ツーリズムになる。
ただ、ここでは選択肢の話ではなく、もう少し本質的な点に触れて本稿を終わりたい。
つまり、繰り返しになるが、医療は患者の協力がなくては完結しないものであるという点だ。例えば、薬剤である。薬剤に副作用があるとしても効果があるから承認されているわけだ。一方の民間療法は効果が不明確であるがゆえに承認されていない。
しかし、医師だからといって強制的に薬剤を飲ませるわけにはいかない。患者が医師や日本の医療を信じ、薬剤を服用することで医療が完結する。注射にしたって同様である。患者が暴れて注射をすることができなければ、医療は完結しない。
このように、特殊なサービスである医療サービスにおいては、医療者と患者の信頼関係と患者側の協力が不可欠である。旧来の日本の医療に見られた、この「良き伝統」を失わないようにするためには、医療者と患者、両方の努力が必要なのではなかろうか。

【DAIAMONDO ONLINE】
by kura0412 | 2016-08-22 08:46 | 医療全般 | Comments(0)

『“未病”というコンセプト』

医療機器ではなく“未病機器”を産業に!黒岩知事が呼びかけ

神奈川県と神奈川科学技術アカデミーは2016年8月9日、「平成28年度 医療機器産業参入セミナー・交流会」を同県内で開催した。県内のものづくり企業に、医療機器産業への参入を促すことを目的としたイベントである。
開会の挨拶に立った神奈川県知事の黒岩祐治氏は、同氏肝いりの「ヘルスケア・ニューフロンティア構想」に触れた。健康・医療分野の新産業創出を通じて「超高齢社会を乗り越え、それを経済のエンジンを回していくことにつなげる」(同氏)構想である。

その中心にあるのが“未病”というコンセプト。
心身の状態を“健康”と“病気”に2分するのではなく、グラデーションのような連続的変化として捉える考え方だ。グラデーション部分に当たる未病の状態に対し、食事や運動などの改善を促すことで発症や重症化を防ぐ。
この視点に立てば、今回のセミナー・交流会のテーマである「医療機器という言い方にも、白赤(の二項対立)モデルにとどまっている点で違和感がある。今求められているものには“未病機器”という呼び名がふさわしい」(黒岩氏)。
未病機器とは「日常のさまざまな場面でさまざまなデータを取り、ICTやAI(人工知能)、ビッグデータ処理を活用して未病を見える化する」(黒岩氏)ようなツール。こうした技術が生み出す「未病産業がヘルスケア・ニューフロンティアの最大のマーケットだ」(同氏)と訴えた。

【日経デジタルヘルス】
by kura0412 | 2016-08-10 10:38 | 医療全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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