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早くも中医協でW改定の議論が始まる

2018年度医療介護の同時改定、「キックオフ」
「連携」重視、次回に検討課題とスケジュール
厚生労働省は、12月14日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、「2018年度診療報酬改定に向けた現状と課題」を提示、同改定に向けた議論が実質的にスタートした。同省は、2025年の医療提供体制構築を念頭に、介護報酬との同時改定となる2018年度改定は「極めて重要な意味を持つ」と位置付けると同時に、「2025年から先の将来を見据えた対応」も求められていると打ち出した点が特徴だ。

厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、「今日は次回改定に向けたキックオフ」と述べ、次回総会に全体的な検討項目と検討スケジュールを提示する方針を示した。
さらに迫井課長は、その前提として同時改定であることから、医療と介護の連携に向け、
(1)療養病床・施設系サービスにおける医療、
(2)居宅等における医療、
(3)維持期のリハビリテーション――の3項目を検討課題に含める方針を提示、了承された。2017年度末に設置期限を迎える介護療養病床等については新しい類型への変換を進めるため、(1)はそれを踏まえた対応だ。

日本医師会副会長の中川俊男氏は、各論に入る前の根本的な問題として、厚労省の資料が、国債残高の累増などの国の財政悪化は、社会保障関係費が原因であるように表現している点を指摘。「歴史的に、厚労省は改定に当たって、社会保障財源を全力で確保するという姿勢を貫いてきた。しかし、厚労省としての役割を果たそうという気概が見えない」と述べ、今は「逆の立場」に立っていると問題視した。
支払側の全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、厚労省が示した「医療と介護の現状と課題」について、「基本的な認識には異論はない」と述べつつ、次回改定は、医療計画や地域医療構想など、医療関連のさまざまな制度改革が進む中で行われることになるため、その全体像を俯瞰できる資料の提示を求めた。
そのほか疑義が呈せられたのが、「2025年から先の将来を見据えた対応」との方針を掲げた点。連合総合政策局長の平川則男氏は、「今の社会保障・税一体改革は、2025年を念頭に置いたもの。その先まで見据えた対応を求められるのは、やや気が重い」とコメント。
迫井課長は、「2025年以降の体制は、人口構成が大きく変化していくことを前提にして考えることが必要」と説明。2015年6月にまとめられた「保健医療2035」でも「2035年」に触れていることなどを挙げ、医療ニーズが変化するだけでなく、医療提供側にとってもマンパワーの確保も問題になってくることから、「2025年以降も踏まえて、大きな方向性を捉えていかなければならない」と理解を求めた。

「保健医療2035」も議論のベースに
「2018年度診療報酬改定に向けた現状と課題」は、(1)現状と課題、(2)これまでの検討の概要、(3)医療・介護提供体制に係る基本施策、(4)診療報酬改定での対応――という章建て。
(2)では、社会保障改革国民会議の報告書(2013年8月)、「保健医療2035」提言(2015年5月)、「経済財政運営と改革の基本方針2016」(骨太方針2016、2016年6月)のほか、経済財政諮問会議と未来投資会議の二つの会議の検討状況を挙げた。換言すれば、今後の検討課題は、これらの報告書等や検討状況がベースになる。

議論になったのは、(1)の「現状と課題」。厚労省が挙げたのは、「少子高齢社会」「医療の高度化」「社会保障に係る財政状況」の3項目だ。
「社会保障に係る財政状況」についての「一般歳出の約55%は社会保障関係費で増加傾向」「歳出が歳入を上回る状況、国債残高の累増、支え手の減少」「医療費増加の要因は、高齢化に加え、医療の高度化等も影響」との記載を問題視したのが、中川氏だ。
その真意を問う中川氏に対し、迫井課長は、「医療を取り巻く課題、さまざまな状況をファクトとして示している。網羅的に見ていく中で、その大きな要因として、財政状況も当然含まれるべきではないか」と説明、診療報酬などを議論する際には、財政的な視点での問題意識も求められるとした。
中川氏は、この説明に納得せず、「これは重大な問題であり、この文章を見ると、国債残高の累増などは、社会保障関係費が要因になっているように見える。その意図で書いたのか」などと質した。迫井課長は、「ファクトとして示したもの。財政状況を見据えた上で、診療報酬の議論をすることが必要という趣旨で記載した」と繰り返し、2016年度診療報酬改定の基本方針でも、財政との関係に言及していると説明。同方針では、「医療政策においても、経済・財政との調和を図っていくことが重要」と記載されている。
これに対し、中川氏は、国債残高の累増は、1990年代の大型公共投資事業、2008年のリーマンショックに伴う税収の減少が要因であると指摘。厚労省の記載に対し、「国民皆保険を享受しすぎたので、我慢する時期に来ているとの表現に見える。消費税率10%への引き上げは延期されたものの、2020年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の旗を降ろしていない。消費税率10%を前提としている政策を、8%のまま強引にやろうとしている」などと問題視。
その上で、中川氏は、本来ならば厚労省は、次期改定に向けて、財源を確保しなければいけない立場にあるにもかかわらず、今は「逆の立場」に立っていると問題視した。「歴史的に、厚労省は改定に当たって、社会保障財源を全力で確保するという姿勢を貫いてきた。しかし、厚労省としての役割を果たそうという気概が見えない」(中川氏)。

同時改定の検討プロセスも課題
同時改定に当たって、検討プロセスを質問したのは、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏。介護報酬は、社会保障審議会介護給付費分科会で議論する。「いつものスケジュールよりも、前倒しでやっていくことが必要」と述べ、「医療と介護のすみ分けと連携を考えた上で、個別の議論に入っていくことが求められるのではないか」と提案した。改定財源にも触れ、消費税率引き上げ延期を踏まえ、「厳しい改定になるだろう。その中で、医療と介護にどんな財源を充当していくか厳しい議論になるだろう」と見通した。
これに対し、中川氏は、「診療報酬と介護報酬のすみ分けの議論は、財源をどちらでカバーするかの問題であり、それは事務局(厚労省)がどう考えるかに尽きる。早く議論することがいいこととは限らない」と釘を刺した。さらに、財源問題についても、「次回改定は極めて重要な意味を持つ。財源が少ない場合に、いろいろな改定をやろうとすると、何とか保っていた医療と介護の均衡が壊れる可能性がある」とつけ加えた。

【医療と介護の連携に関する主な検討項目】
ア)療養病床・施設系サービスにおける医療
・介護療養病床の見直し(新施設体系)を踏まえた、外付け医療サービスの給付調整の在り方について
・療養病棟の入院患者の患者像を踏まえた適切な評価の在り方について
イ)居宅等における医療(訪問診療・訪問看護、歯科訪問診療、薬剤師の業務等)
・介護報酬における居宅療養管理指導による評価と、診療報酬における訪問指導管理の評価の在り方について
・医療と介護の訪問看護のサービスの在り方について
・居宅等における看取り支援の在り方について
ウ)維持期のリハビリテーション
・外来や通所におけるリハビリテーションの在り方について
・地域(居宅等)におけるリハビリテーションの在り方について

【m3.com】



来年度政府予算もまだ決定していない現時点で、中医協で早くもW改定の議論が始まりました。これだえみても、いかのこの改定が重要であり、またある意味厚労省が危機感を感じている証です。
by kura0412 | 2016-12-15 17:46 | 医療政策全般 | Comments(0)

『オプジーボは大病院で』

「オプジーボは大病院で」 厚労省、使用指針案で条件提示

厚生労働省は14日、超高額の抗がん剤オプジーボの使用ガイドライン案を公表した。がん診療の拠点病院であることや一定の臨床経験のある医師を配置していることなどを条件にした。条件を満たさなければ、公的医療保険を適用しない場合もある。適正な使用を促し医療費の膨張を抑える。
厚労省は14日開いた中央社会保険医療協議会(中医協)でガイドライン案を示した。2017年3月までに適用する。

ガイドラインではオプジーボを使う病院や患者それぞれに条件を設けた。全国427施設あるがん診療の拠点病院や高度な医療技術を提供できる特定機能病院などに限る。重い副作用が発生した場合、検査結果がその日のうちにわかるなど、迅速な対応も求める。
オプジーボを投与する前に一部の肺がん患者には、事前検査で有効性を確認することが望ましいとした。検査結果によっては薬価の安い既存の抗がん剤を優先して投与することも盛りこんだ。
オプジーボは小野薬品工業が販売する。大人1人に1年間使った場合、約3500万円かかる。公的医療保険財政を圧迫するとして政府内で大幅な値下げを求める意見が強まり、厚労省は17年2月に薬価を半額に下げる。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-12-15 15:12 | 医療政策全般 | Comments(0)

『薬価制度改革について・横倉義武会長』

薬価制度改革について
横倉義武会長

横倉義武会長は、12月14日の定例記者会見で、薬価をめぐる最近の動きを踏まえた、薬価制度の見直しに関する日医の見解を改めて説明した。

横倉会長は、まず、薬価は従来、中医協で診療報酬と切り離さずに議論されてきたことに言及。「現在、診療報酬とは切り離したところで議論が進められており、これは大変問題である」と改めて危機感を示した。
現行でも、2017年2月にオプジーボの薬価引き下げ、2018年4月には診療報酬と介護報酬の同時改定、2019年10月には消費税率10%引き上げに伴う改定、2020年4月には診療報酬改定―が予定されており、2017年から2020年まで薬価の改定が毎年行われる見込みであると説明。その上で、本来、「イノベーションの推進」と「国民皆保険の持続性」を両立し、「国民負担の軽減」を考慮しながら、「医療の質の向上」を実現するのが厚生労働省の役割であり、その具体的な検討をする場は中医協であるとし、「薬価については、まさに中医協で議論すべきである」と改めて強調した。
また、「薬価と市場実勢価格の乖離率が一定幅以上の品目に限った、部分的な見直しを模索している」との一部報道については、「全ての医薬品を見直しの対象とするものではなく、乖離率が一定幅以上の一部の医薬品を薬価見直しの対象とすることには一定の理解ができる」とする一方、医療技術のイノベーションを評価できる体系にはなっていないと指摘。「医薬品だけでなく、先進的な医療技術の進歩によるメリットを、国民に迅速に提供できるよう、技術進歩を保険診療に採り入れていくことが重要であり、薬価等引き下げの財源は、本体改定財源にきちんと充当して活用すべきである」と主張した。

更に、横倉会長は、「働き方改革実現会議」において安倍晋三内閣総理大臣が、「ベースアップを3年連続で実施してきたが、4年連続の実施をお願いしたい」と述べたことに対して、「医療機関には全国で300万人以上が従事している。医療分野は他の産業よりも雇用誘発効果が大きく、特に医療従事者の比率が高い地方においては経済の活性化に多大な貢献をしており、それを支えているのが診療報酬の技術料である」と強調。
「日医は、今後も、いかに公的医療保険制度を維持しつつ、必要としている患者さんに新しい医療を提供していくかという視点で主張していく」との考えを示した。

【日医ONLINE】
by kura0412 | 2016-12-15 15:09 | 医療政策全般 | Comments(0)

『薬価改定 崩れる聖域』

薬価改定 崩れる聖域(下)医師会の懸念払拭なら… 絶対阻止派に綻びも

薬価の毎年改定に対する反対派の巻き返しは、驚くほど早かった。
「必要なら反対理由の説明に人を派遣します」。11月24日、塩崎恭久厚生労働相の携帯電話に医療機器メーカー幹部からけん制メールが届いた。
薬価の毎年改定が提案された経済財政諮問会議の前日のことだ。同じ日に都内で開かれた製薬関係者の会合では、日本製薬団体連合会の多田正世会長と、日本医師会の中川俊男副会長が気勢を上げた。「一緒に毎年改定を絶対阻止しよう」
薬価の毎年改定は何度議論されても実現しなかった「岩盤」だ。最近では甘利明前経済財政・再生相が2014年の骨太の方針に盛り込もうとしたが、厚労族の議員や医師会の反発で断念した。

薬価引き下げの影響をもろに受ける製薬会社が反対なのはわかるが、なぜ医師会が乗るのか。
ポイントは2年に1度、医師の技術料などを変更する診療報酬改定だ。薬価は診療報酬と同時に改定され、原則2年間固定される。ただ実際に病院や薬局が仕入れる価格は、時間がたつと公定価格である薬価より下がっていく。薬価改定はこうした実勢価格に公定価格を合わせる作業で、通常はマイナス改定になる。

下げ分を上乗せ
薬価引き下げで浮いた分の一部は医師の技術料など診療報酬本体に上乗せされてきた。毎年改定になれば上乗せの“原資”が半減する可能性がある。これこそが医療関係者の懸念だ。
ある自民党のベテラン厚労族議員は「引き下げ分を診療報酬本体に充当するのはルール化されている」と主張する。
その根拠の一つは1972年、中央社会保険医療協議会の建議だ。そこには「薬価の引き下げで生じる余裕を(医師の)技術料を中心に上積みする」とある。背景には医療保険制度の改正を巡って対立していた当時の佐藤栄作首相と日本医師会の武見太郎会長の手打ちがあったとされる。

反対大義に無理
薬価が急に下がると院内で薬を処方する病院の経営全体に響きかねない――。当初は「技術料の上乗せは激変緩和措置」との解釈もあったとされるが医薬分業が進み、院内処方は減っている。財政赤字も膨大になる中、40年以上前の建議を毎年改定に反対する大義にするのには無理がある。
政府は薬の効能や対象となる患者が増えたタイミングで価格を動かす「随時改定」も同時に実施する方針。反対派はこれを容認し「全医薬品の毎年改定」の阻止に絞る。
ただ反対派に綻びがないわけではない。「引き下げ分を技術料に少し上乗せすることを担保すれば、医師会は毎年改定を容認してしまうのではないか」(製薬大手幹部)。製薬会社側にはこんな不安もよぎっている。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-12-13 09:38 | 医療政策全般 | Comments(0)

薬価の毎年改定に対しての日医のスタンスは?

「断固反対」、薬価の毎年改定、製薬団体
薬価専門部会、関係団体ヒアリング、「改定財源」論議にも発展

中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教授)で12月9日、日本製薬団体連合会(日薬連)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)の日米欧3団体は、企業の競争力の弱体化などの理由から「毎年の薬価改定には断固反対」と主張した。日本医薬品卸売業連合会も、医薬品の安定供給に支障を生じかねないことから同様に反対した。
9日の同部会の議題は、薬価制度改革に関する関係団体へのヒアリング。オプジーボに代表される高額薬剤問題に端を発した改革は、中医協でも議論してきたが、12月7日の経済財政諮問会議で、「薬価の毎年改定」でほぼ意見が一致、安倍晋三首相も同会議の議論を踏まえ、塩崎恭久厚労相ら4大臣で改革案を取りまとめるよう指示しており、関係団体の姿勢が注目されていた。

製薬3団体は、毎年改定の反対理由として、(1)企業の競争力を一様に弱体化、(2)イノベーションの創出や医薬品の安定供給に支障――などを挙げ、「2年に一度の診療報酬改定と合わせて薬価改定を行うことが、医薬品と技術の適正な評価とバランスの確保につながると考えており、薬価のみ毎年改定を行うことは、診療報酬体系とのバランスを損なうことになる」「薬価制度には、さまざまな政策的なルールが導入されており、改定に当たって、その効果を検証し、十分な議論を行うためには、少なくとも2年の間隔が必要」と主張した。日薬連会長の多田正世氏は、「9日の議論が、4大臣会合において反映されることを期待している」と求めた。
もっとも、仮に毎年改定を実施する場合、全医薬品を対象にするか一部に限るかについての意見や、塩崎厚労相が経済財政諮問会議に提案していた、「効能効果が審議・承認された医薬品」や「当初の予想販売額を上回る医薬品」の新薬収載(年4回)時の薬価見直しに関する言及はなかった。

日本医師会副会長の中川俊男氏は、製薬3団体の意見に対し、薬価改定財源を診療報酬改定財源に充てることを念頭に置いているのかなど、毎年改定に反対する理由を質問。多田氏は、「医療保険制度全体を見据えた議論が必要。改定は、保険医療の環境変化に対応するのが目的。診療報酬と薬価制度は、一体の制度であるため、その一部のみを取り出した改定には反対という意味だ」と述べ、財源問題は別の話と回答した。中川氏は「一体の制度」との考えは支持したものの、財源については「私は別の問題とは考えていない」と返した。
全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、「2年に1回の改定がベストという合理的理由はあるか」と質問。多田氏は、「経営は、予見性を持ってやるべき。毎年改定や期中の改定は、経営の前提条件が変わること」と述べた上で、「できれば長い方がありがたい」としたものの、薬価と実勢価格の乖離が続く問題もあるとし、「2年はバランスのいい期間ではないか」と回答した。
この回答を捉え、中川氏は、「頻回に薬価を改定する必要が生じないよう、抜本的に制度を改革するのが我々の目的」と指摘した。

毎年の薬価改定、「流通改善に逆行」
卸連は、薬価の毎年改定に反対する理由の一つに、「流通慣行に逆行」を挙げた。医療機関と医薬品卸との価格交渉において、個別の医薬品ごとに納入価を決める「単品単価取引」を進めない限り、実勢価格を薬価改定に反映するのは難しい。しかし、毎年改定になれば、より短期間での価格交渉が求められるため、購入する医薬品全体の納入価を決める「総価取引」がかえって増加し、個別の納入価が分からなくなり、流通改善に逆行すると指摘。そのほか、改定前の買い控えと返品も増え、結果として必要な医薬品の欠品、緊急配送が増加するなど、卸に多大な負担がかかりかねない点も懸念した。

日医副会長の松原謙二氏も、「年1回の薬価調査は手間がかかる」としたほか、価格交渉は医療機関にとっても負担のため、「総価取引」が増加するほか、交渉努力をしなくなり、かえって薬価が下がらなくなる懸念もあり、結局はプラスにはならないとの見解を示した。
健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、毎年改定の可否を判断するために、薬価改定後2年間の間に、実勢価格がどのように動いているのかについて質問。「改定直後に価格を下がるのか、それとも経年的に変化していくのか、あるいは高止まりして、薬価調査後に下がるのか」(幸野氏)。卸連の村井泰介氏は、個別の医療機関と卸との関係で納入価が決まるため、全体の納入価の推移についてのデータは持ち合わせていないと回答。
そのほか、幸野氏は、「業務量が増え、多忙なことは分かるが、毎年改定は、物理的にできないわけではなく、克服できるということでいいのか」とも確認。

「薬価制度改革の議論、あくまで中医協」
もっとも、9日の議論で、診療側と支払側ともに、最も問題視したのは、薬価制度の改革論議の進め方だ。
吉森氏は、12月7日の経済財政諮問会議に、塩崎厚労相が資料を提出したことに触れ、「中医協での議論が十分になされないままに、『年内(の結論)ありき』で、物事が進むのは問題。鉄は熱いうちに打て、と言うが、何が正しい打ち方なのかをきちんと議論する必要がある」と指摘。さらに薬価の毎年改定は以前から中医協でも議論になっているとし、「一から議論するより、過去にどんな議論があったのか、想定されるメリット、デメリットを整理した資料を出してもらいたい」と厚労省に求めた。

続いて中川氏も、「前回の中医協でも言ったが、薬価制度改革の議論を進めるのは、経済財政諮問会議から指示されたからではなく、中医協で自主的かつ自律的に議論を進めていくべきという議論に至ったからだ」と述べ、薬価制度改革論議は、あくまで中医協主導で進めるべきと釘を刺した。
その上で、中川氏は、中医協の議論は、高額薬剤が公的医療保険制度を揺るがしかねないことに端を発しているとし、厳しい保険財政下、「原価計算方式と類似薬効比較方式も含め、薬価制度自体を抜本的に見直すのが目的」と改めて確認。これに対し、塩崎厚労相の資料では、「実勢価格・量を機動的に少なくとも年1回薬価に反映」としている一方、「製薬産業について、より高い創薬力を持つ産業構造に転換」と記載していることから、「国民皆保険が危機に陥っている状況を、厚労省として何とかしようという思いが伝わらない」と中川氏は指摘した。

厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、薬価制度改革の目的は「イノベーションの推進」と「国民皆保険の持続性」の両立にあるとし、中川氏の指摘事項は重要で、同様の認識であると説明した。
この迫井課長の発言を受け、中川氏は、仮に薬価の毎年改定が導入された場合でも、「薬価改定財源を、診療報酬本体の改定財源に充てる従来の方針は、厚労省として今後も変わることはないのか」と改めて質した。迫井課長は、「従来から、改定率や改定財源は、政府の予算編成過程の中で議論してきた。そのプロセス自体は今後とも続けていく」と回答。対して中川氏は、「プロセスとしてはそうだが、それ(改定財源を本体財源に充当すること)を要求していくべき」と要求した。「厚労省は、財政当局なのか、国民皆保険を守る省庁なのかが分からなくなってきている」(中川氏)。

外国平均価格調整、「米国を外すべき」
薬価制度改革の個別課題として、議論になったのは、「外国平均価格調整」だ。これは薬価を算定した結果、外国平均価格(米、英、独、仏の4カ国)の1.25倍を上回る場合は引き下げ調整、0.75倍を下回る場合は引き下げ調整をする仕組み。ただし、4カ国の最高価格が最低価格の3倍以上の場合、当該最高価格を除外した外国平均価格を用いる。

中川氏は、米国の場合、薬価は公定価格ではなく、「メーカー希望小売価格」であるため、「外国平均価格調整」の在り方を抜本的に見直すべき、という持論を展開。具体的には、同調整の対象から、米国を除外すべきとした。
これに対し、日本製薬工業協会会長の畑中好彦氏は、「米国の価格は従来から問題になっている」と認めたものの、「米国は世界最大のマーケット」とし、海外の企業も日本の薬価の在り方を注視しているとし、米国価格の除外には、慎重な議論が必要だとした。

中川氏はそのほか、製薬3団体資料の「外国平均価格調整」における、「薬理作用類似薬との価格バランスや、為替レート変動の影響という観点も踏まえ、極端な乖離が生じた場合のみに限定的に適用する方向で検討すべきと考える」との記述の意味を質した。
専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は、「今は1.25倍を上回ったら、引き下げの対象になる。それが妥当なのかどうか。(類似薬効比較方式や原価計算方式による)算定値の補正措置という概念から言えば、こうしたルールは趣旨から逸脱しているのではないか、という問題認識を我々は持っている」と回答した。
中川氏は回答を受け、「外国平均価格調整」の在り方を議論する以前の問題として、(類似薬効比較方式や原価計算方式による)薬価算定が妥当かを見直すことが必要、と返した。

「製造総原価」の公表めぐり議論
そのほか中川氏は、製薬3団体が、「新薬を原価計算方式で算定する場合、医薬品の価値を十分に反映することには限界がある」とし、「製造総原価は、企業秘密であり、公表できない」とした点も、不透明感があるとし、「身も蓋もない」と問題視した。
多田氏は、「製造総原価は、企業秘密」と答え、不当競争防止法などを踏まえても、「原価などの公表はあり得ない、というのが産業界のルール」と述べ、「薬価を決める非公開の場では、製造総原価を説明し、最終的に納得を得ているとした。中川氏は、対象疾患が拡大した場合の薬価引き下げについての考えを質すと、多田氏は「大きく原価が下がる状況になった場合、薬価を下げるのが我々の考え」と回答した。

【m3.com】



製薬業界が反対するのは分かりますが、この問題に対しての日医のスタンスは?
そして日歯は??
by kura0412 | 2016-12-10 09:24 | 医療政策全般 | Comments(0)

『「薬価の毎年改定」で一致、「全品か一部か」が焦点 』

「薬価の毎年改定」で一致、「全品か一部か」が焦点
経済財政諮問会議、基本方針は4大臣で決定

12月7日の経済財政諮問会議で、民間議員と塩崎恭久厚労相はともに、医薬品の市場実勢価格を薬価に反映するため、「少なくとも年1回」の薬価改定を提言、安倍晋三首相は塩崎厚労相ら4大臣に対し、これらの提言と7日の議論を踏まえ、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針を決定して、次回の諮問会議で報告するように指示した。薬価の毎年改定はほぼ確実となり、今後の焦点は、全医薬品かあるいは一部に限るかに移る。

11月25日の諮問会議では、同会議自体が基本方針を決定する予定だった(『安倍首相「薬価制度改革の基本方針、年内に取りまとめ」』を参照)。7日の安倍首相の指示で変更され、塩崎厚労相のほか、石原伸晃・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、麻生太郎財務相、菅義偉・内閣官房長官の4大臣で基本方針を決定、諮問会議に報告することになった。中央社会医療保険協議会では、諮問会議での決定に疑義が呈せられていた。
諮問会議は12月下旬に予定されており、それまでに基本方針が決まる見通し。

「市場規模拡大」は年4回見直し、塩崎厚労相
4人の民間議員は連名で、(1)全医薬品を対象として、保険収載後、前提となっていた使用量または市場実勢価格の変化幅に応じて、年1回以上(後発医薬品を含む)を見直すこと、(2)イノベーションを推進する効果的な仕組み――など、4つの原則から成る基本方針を提言。
石原大臣は、諮問会議後の会見で、民間議員の提言に対し、「かなりハードルが高い、また重要性が高い提言がされたと認識している」との受け止めを示した。
一方、塩崎厚労相は、
(1)実勢価格・量を機動的に少なくとも年1回薬価に反映、
(2)現行の薬価算定方式のさらなる改善、
(3)製薬産業について、より高い創薬力を持つ産業構造に転換
――の3点を提言。(1)では、下記の2点を盛り込んだ。

◆実勢価格・量を、機動的に少なくとも年1回薬価に反映(塩崎厚労相提言)
・市場規模拡大による影響を迅速に薬価に反映(効能効果が審議・承認された医薬品、当初の予想販売価格を上回る医薬品を、NDBも活用し、新薬収載の機会(年4回)に薬価を見直し
・市場実勢価格を迅速に把握、少なくとも年1回薬価を見直し(調査方法に応じて、適切な引き下げ幅を設定)
そのほか、民間議員からは、「製薬業界は、再編も含めて、構造転換を進めるべき」「第三者による検証や調査結果の公表など、薬価調査の仕組みについて、検証し、来年中に結論を得るべき」「費用対効果評価については、専門的知見や第三者的な視点を導入すべき」「薬価調査について公平性、透明性を持って全品調査を行うべき」などの意見が上がったという。

【m3.com】
by kura0412 | 2016-12-08 09:45 | 医療政策全般 | Comments(0)

『高齢者医療費の月額上限、外来は2倍に』

高齢者医療費の月額上限、外来は2倍に 一般所得者

厚生労働省が検討する高齢者医療費の負担見直し案が28日、分かった。一定の収入がある70歳以上の一般所得者は外来時の月額上限を1万2000円から2万4600円に、入院時は同4万4400円から5万7600円とする案を軸に与党と調整する。現役並みの所得がある人の上限も引き上げる。所得に応じた負担に変え、医療費の伸びに対応する。

厚労省は30日、社会保障審議会医療保険部会を開き、毎月の医療費負担の上限を定めた「高額療養費制度」を議論する。一定の収入がある一般所得者は1万2000~1万3000円程度引き上げる案を軸に複数案を示す方向だ。与党の合意を得られれば、2017年度に上限を引き上げる。見直しの対象になるのは約1400万人にのぼる。
年収370万円以上の現役並み所得者は現在、外来の上限を4万4400円としている。69歳以下で最も負担の重い人の2割以下で済む。厚労省はこの優遇措置をなくし、8万円程度への引き上げを検討してきた。負担の急増を懸念する声もあり、段階的に引き上げる案が有力だ。
高額療養費制度は個人負担が増えすぎないよう、所得に応じて一定の上限を定めている。低所得者に配慮し、住民税が非課税の人は外来の場合、月8000円の上限を維持する。
厚労省は17年度予算で高齢化に伴う社会保障の伸びを5000億円程度に抑えるよう求められている。夏の概算要求では6400億円だった。高額療養費制度の見直しで300億円超圧縮したい考えだ。

【日経新聞】



一般紙からいろいろな臨床に直結するようなニュースが報道されていますが、歯科界での話題には至っていません。
by kura0412 | 2016-11-29 09:53 | 医療政策全般 | Comments(0)

『高額がん治療薬いきなり半額、薬価ルール崩壊の内幕』

高額がん治療薬いきなり半額、薬価ルール崩壊の内幕

さまざまながんで効果が期待されるものの高額な薬価でやり玉に挙げられていたがん治療薬「オプジーボ」の薬価引き下げ議論は、来年2月から50%引き下げることで決着した。ただ、これはルール外にルール外を上乗せした“対症療法”。画期的な薬が生まれるたびに高額薬剤問題は再燃する恐れがある。

「これじゃあ、まるで茶番じゃないか」。11月16日に開催された厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)。事務局である厚労省ががん新薬である「オプジーボ」の公的薬価を50%引き下げる根拠をとうとうと説明する中、傍聴席で製薬業界関係者はため息をつき、独りごちた。
オプジーボは治療対象となるがん患者の範囲が広がったことから、薬価の高さが問題視されるようになった。10月5日の中医協では「市場拡大再算定の特例」を準用する案が了承された。特例とは当初の予想よりも売れ過ぎた薬の価格を引き下げる制度を、巨額品目に拡大適用するもので、オプジーボは最大25%引き下げで決着がついたと多くの人が思っていた。一部の中医協委員が「私だけ勘違いしていたのか」と厚労省に面と向かって皮肉ったほどだ。
“勘違い”の原因は特例にあった。年間販売額1000億~1500億円で予想の1.5倍以上売れたケースでは最大25%、同1500億円超で1.3倍以上のケースでは最大50%引き下げるとしており、製造販売元である小野薬品工業の予想販売額は今年度1260億円で前者に該当するとみられていた。
ところが、10月6日の参院予算委員会で共産党の小池晃書記局長がさらなる引き下げを求め、他の議員や経済界からも注文が相次ぎ、官邸が動いた。これを受けた厚労省が「特例の50%引き下げ条件に適用させるために『結論ありき』で持ち出してきた」と業界関係者が訝るのが、11月16日の中医協で示された販売額推計計算式だ。
それによると、小野薬品公表の1260億円は「仕切価格(メーカーが医薬品卸に売る価格)」ベースで、流通経費、消費税などを勘案して国が定めた公定価格ベースでは1516億円になるという。
緊急的対応で実際の薬価調査をしていないため、これまでの平均値などから机上で導き出したもので、厚労省は「明確な根拠はないが『保守的に厳しく』見積もった」などと、苦しい説明に追われた。薬価改定は通常2年に1度であり、次回は2018年度。期中改定が最初の「ルール外」なら、計算式は「ルール外の上のルール外」だ。
計算式に対し、中医協委員からは「仮定の上に仮定を重ねており不安」「基礎額の微妙なずれで1500億円というボーダーを切る計算だ」など疑問の声が相次いだ。
厚労省が示した、小野薬品からの不服申し立て期限は11月22日。引き下げの告示は祝日を挟んだ2日後の24日で、「不服は出てこない」と言わんばかりの日程だ。ある製薬会社幹部は「株価に影響するので事前に小野薬品と折り合いがついていてもおかしくないが、それにしても強引」とあきれる。
以上が「茶番」の内幕だ。

開発後期多数でがん適用拡大必至
天文学的数字に?
10月5日の中医協から11月16日の中医協までの約1カ月半の間に何があったのか。関係者が指摘するのが、官邸と厚労省の折衝だ。
安倍晋三首相がさらなる引き下げに意欲を見せる一方、厚労省の本音は最大25%引き下げでとどめたかったとされる。それはなぜか。
大幅引き下げをした場合、まず小野薬品からの訴訟リスクの懸念があった。加えてうわさされるのが、「厚労省が財源カードを18年度まで残しておきたかったのでは」(アナリストなど)という線。
18年度は薬価を含め、診療報酬と介護報酬が同時改定される。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる25年に向けた重要な改定で、「このタイミングで薬価引き下げ分を財源として活用したいので、今はキープしておきたい」という思惑があったのではというのだ。
結局、来年2月1日から、オプジーボ点滴静注100ミリグラムの薬価は72万9849円から36万4925円に下がる。同じ100ミリグラムで「米国約30万円、英国約14万円、ドイツ約20万円」(塩崎恭久厚労相の参院予算委員会での答弁)であり、欧米と比べるとまだ高い。

オプジーボの開発状況は前途洋々。「対象患者が増えれば医療費は天文学的数字にならないか。他の高額薬剤との併用療法問題も近い将来必ず起きる。そうなってから慌てるのではなく準備を」という中川俊男日本医師会副会長の意見ももっともではある。
厚労省は18年度薬価改定に向け、今回のような緊急的な薬価見直しが起きないよう、ルールを見直す方針を示している。
中医協では「薬価制度全体を抜本的に見直すべき」(中川副会長)、「新薬から十分な収益がなければ次の新薬の開発が困難」(塩野義製薬の加茂谷佳明常務執行役員)と激しい意見の応酬があり、限られた医療財源をめぐり関係者間でつばぜり合いが始まっている。

【DIAMONDONLINE】
by kura0412 | 2016-11-28 14:30 | 医療政策全般 | Comments(0)

『マイナンバーで医療控除 領収書不要』

マイナンバーで医療控除 領収書不要
17年度分から

政府・与党が2017年度税制改正で実施する納税や徴税の環境を整備する施策の全容が25日、わかった。17年度分から、家族の医療費が一定額を超えた場合に税負担を軽くする医療費控除は、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を使って領収書の提出を不要にする。法人をつくる時に税務署に出さなければならない書類は減らす。一方、税務調査についてはIT(情報技術)データを強制的に徴収できるようにするなど厳しくする。

25日の自民党税制調査会の幹部会合で案を示した。医療費控除の対象は1年間の家族の医療費から、保険で補填された額を引いた額が10万円を超える場合。基準を超えた額を所得から差し引き課税所得を減らせる。ただ現在は医療費の領収書を確定申告の際に提出しなければならず、手続きの煩わしさから申告を諦めている人も多いという。
政府・与党は17年度分の所得税の確定申告から提出を不要にする。保存は義務付け、税務署に求められたら提示する。
マイナンバーの個人用サイト「マイナポータル」の利用が念頭にある。健康保険組合から個人サイトに医療費通知を送ってもらい、利用者はこのデータを税務署にネット経由で送れれば、医療費控除の申請が簡単になる。領収書の提出義務を外すことで利便性を高め、マイナンバーの活用を促すねらいだ。
16年度税制改正で医療費控除の対象に認めた大衆薬も、領収書の提出を不要にする。申告する際に明細書と健康の維持促進に取り組んだことを証明する書類を提出する。
法人を設立する時の提出書類も削減する。現在は設立後に税務署に貸借対照表や登記事項証明書、株主などの名簿の写しの提出が必要だ。17年度税制改正で登記事項証明書の提出を不要にする。企業には証明書の取得に必要な手間や費用がなくなる。税務署と法務省が登記情報をやりとりして確認する仕組みにする。

脱税調査ではインターネット上に保存されているメールなどの情報を強制的に押収できる権限を認める。ITを駆使した悪質な脱税や国際的な税逃れが増えていくとみており、国税の査察権限を強化する。夜間の強制調査もできるようにする。
政府・与党が進めている成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正を踏まえ、税制上の年齢要件の引き下げも検討する。少額投資非課税制度(NISA)や、親や祖父母から住宅購入資金をもらった場合に贈与税の非課税枠を拡充する特例措置の利用が18歳から認められる見込みだ。酒類の販売管理者の要件も引き下がる可能性がある。18年度改正で検討し、必要な措置を講じる。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-11-25 14:52 | 医療政策全般 | Comments(0)

『薬価を毎年改定へ・政府調整』

薬価を毎年改定へ 後発薬値下げ、医療費抑制
政府調整

政府は薬の公定価格(薬価)を決める仕組みを見直す調整に入る。
原則2年に1回の薬価改定を毎年実施し、価格を柔軟に引き下げる案が軸。新薬の原価など根拠となるデータの公表を義務付けたり、後発医薬品の価格を抑える方策も議論する。国の薬剤費支出を抑える狙いだ。
25日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で民間議員が見直し案を提示する。諮問会議は厚生労働省などと連携して改革の方針を取りまとめる。

価格の安い後発薬の普及で薬全体の流通価格は下落傾向にあるが、改定が2年に1回のため市場の実勢を反映しづらい。民間議員は国が負担する薬剤費の膨張を抑制するため、毎年薬価を下げられるようにしたい考え。下げすぎた場合は翌年の薬価調査で調整する。
医師会や製薬業界はこれまでも「価格調査などの負担が増す」などの理由で毎年改定に反対しており、見直しに抵抗も予想される。
民間議員は薬価の透明性向上に向け、製造原価の内訳や患者数の見込みなど詳細の公表を義務付けることも訴える。超高額のがん治療薬オプジーボのように、海外の2倍以上高い薬は速やかに公定価格を見直す仕組みも求める。厚労省も中央社会保険医療協議会(中医協)で見直し策を議論し、2018年度の薬価改定時に導入する方針だ。
後発薬の価格は原則新発薬の5割に設定されている。民間議員は「国際的にみて高すぎる」と指摘し、20年度までに後発薬の普及率を80%に高めるため新発薬の3~4割に引き下げるべきだと提起する。
製薬業界の研究開発投資促進も課題に挙げる。薬の効能に応じて一定額を加算するといった価格改定のルールをつくり、研究開発の意欲を高めるよう求める。

【日経新聞】



もしこの報道の通りとなれば、薬価差額そのものが医療費抑制の財源になりかねません。
by kura0412 | 2016-11-24 14:40 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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