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「薬価制度の抜本改革、メーカーの成長戦略か」と疑念
中川日医副会長、「中医協の自主性低下」も危惧

中央社会保険医療協議会薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教授)は12月21日、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」を議論した。同基本方針は、薬価調査を毎年実施し、価格乖離が大きい品目について、薬価改定を行うことが骨子で、前日20日に開かれた塩崎恭久厚労相ら4大臣会合で合意していた。

日本医師会副会長の中川俊男氏は、基本方針に対し、「改めて読むと、非常に大きな問題がある。薬価改定財源を国民皆保険制度の維持ではなく、製薬企業の成長戦略のために充てる方針のように見える」と疑念を呈した。毎年の薬価改定を打ち出す一方、「費用対効果の高い薬には薬価を引き上げることを含め、費用対効果評価を本格的に導入」「より高い創薬力を持つ産業構造への転換」などと記載しているからだ。
さらに中川氏は、薬価専門部会でも薬価制度改革について議論しており、本来は中医協マタ―であるにもかかわらず、「4大臣合意」として基本方針が取りまとめられたことを踏まえ、「中医協の自主性が少しずつ失われつつあるのではないか」とも懸念、中医協での主体的な議論を訴えた。
一方、支払側の全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、薬価の毎年改定に向けた薬価調査の在り方をはじめ、基本方針には「来年中に結論を得る」とされている点について、その主体を質した上で、「一方的に経済財政諮問会議からボールが投げられることがないように留意してもらいたい。検討項目は多岐にわたり、相当ハードな議論になるだろう。優先順位を付けて、納得性のある議論をするためにも早く議論を開始してもらいたい」と中医協で主体的に議論していくよう、釘を刺した。
厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山智紀氏は、吉森氏の質問に対し、2017年の年初から、薬価専門部会で議論を開始し、基本的な内容については同部会で議論を深めていくと説明。ただし、その結論は、関係省庁や経済財政諮問会議と最終的に調整をして、2017年末までに得るとした。
健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、各論について質問。薬価の毎年改定のための薬価調査が、「大手事業者等を対象に行い」とされている点について、大手4社で取り扱う医薬品の数量シェアは約75%だが、中小卸を外すことで、実勢価格を正しく評価できるか」と質問。さらに、DPCなど薬剤費が包括されている点数の扱いのほか、薬価制度と同様に特定保険医療材料の価格算定方式についても検討が必要だとした。

抜本改革の基本方針には、薬価の毎年改定のほか、
(1)オプジーボに代表されるように効能追加等に伴い、市場が一定規模以上拡大した薬については、新薬収載の機会を最大限活用して、年4回薬価を見直す、
(2)新薬創出・適応外薬解消等加算制度をゼロベースで見直し――が盛り込まれており、12月21日の経済財政諮問会議に報告される。
今後の焦点は、毎年改定の薬価調査の方法、「価格乖離の大きい品目」の定義、毎年薬価改定の財源の取り扱いだ。通常の薬価調査の在り方なども含め、2017年中に結論を得ることになっており、2017年の年明けから議論がスタートする。

「最大の目的は国民皆保険の維持」のはず
中川氏はまず、「このような基本方針を、中医協が主体的かつ自律的にまとめることなく、4大臣合意という形でまとまったのは、非常に遺憾」と述べ、「来年末までに結論を得る」などと指示されていることなども踏まえ、「中医協の自主性が少しずつ失われつつあるのではないか」と指摘し、診療側と支払側ともに自戒すべきと語った。
吉森氏が、今後の議論はハードであり、時間がかかると見通した点については、中川氏はこれまでも議論を重ねてきたことから、それほど時間はかからないとし、厚労省に対し、スピード感を持って議論を進めるよう求めた。「のんびり議論していたのでは、経済財政諮問会議が何らかの意見が出てきかねない。そうした危機感を持ってやってもらいたい」(中川氏)。

その上で、中川氏は、基本方針が、安倍政権がかかげる成長戦略を狙った方針に映ると指摘した。
基本方針は、序文に「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」の両立を基本理念として掲げている。中川氏は、オプジーボ(一般名ニボルマブ)の薬価引き下げを求めていたのは、公的国民皆保険の維持が最大の目的であり、現実にはこれらの両立は容易ではないと指摘。
基本方針には、「革新的新薬創出を促進するため、新薬創出・適応外薬解消等促進加算をゼロベースで抜本的に見直すこととし、併せて費用対効果の高い薬には薬価を引き上げることを含め、費用対効果評価を本格的に導入」「我が国の製薬産業について、長期収載品に依存するモデルから、より高い創薬力を持つ産業構造に転換するため、革新的バイオ医薬品およびバイオシミラーの研究開発支援方策等の拡充を検討、ベンチャー企業への支援」など、イノベーション評価や研究開発投資の促進を狙った記載が多い。

中川氏は、創薬支援の対象となる「我が国の製薬産業」とは、内資系企業に限るのか、外資系企業も含まれるかを質問。「新薬創出・適応外薬解消等促進加算で恩恵を受けたのは、内資系ではなく、外資系企業であるという歴史的な経緯がある」(中川氏)。厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、「我が国に必要な医薬品を提供するという制度設計を行っている」と述べ、内資系か外資系かを問わず、日本の医療において薬を提供する企業全体を指すと説明。
そのほか、現在は試行的に導入されている「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」について、ゼロベースで見直すとされている点も質問。中川氏は従来から、革新的新薬創出の支援は、診療報酬ではなく、補助金等で対応すべきと主張してきた。中山薬剤管理官は、「現行の加算について、どのような課題があるかを洗い出して、研究開発投資の促進という観点で見た場合、どんな制度であるべきかをしっかり考え直すことだと理解している」と述べるにとどまった。
中川氏はそのほか、オプジーボの類薬に当たるキイトルーダ(一般名ペムブロリズマブ)の薬価の問題にも言及。
キイトルーダは12月19日、悪性黒色腫に続いて、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する効能・効果について薬事承認された。オプジーボはセカンドラインに使用するが、キイトルーダはファーストラインにも使用可能だ。早ければ2017年2月にも薬価収載される見通し。この点も踏まえ、中川氏はオプジーボの患者からの変更だけでなく、対象患者の拡大が見込まれる上、今後も他の癌種でも効能・効果の拡大が検討されていることから、厚労省に対し、迅速な対応を求めた。

【m3.com】
by kura0412 | 2016-12-22 10:24 | 医療政策全般 | Comments(0)

薬価にメス、医療費抑制 毎年改定 品目など次の焦点

政府は20日、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針をまとめた。2年に1回変えてきた薬の公定価格を毎年の改定に改めるのが柱だ。市場の実勢に近い価格に下げやすくし、医療費の抑制につなげる。日本医師会や製薬業界の反対が強かった毎年改定に踏み込んだが、改革がうまくいくかどうかは今後の具体策づくりがカギを握る。
塩崎恭久厚生労働相、菅義偉官房長官、麻生太郎財務相ら関係4閣僚が20日、会合を開いて基本方針を決めた。21日に開く政府の経済財政諮問会議で示し、新制度の具体策は中央社会保険医療協議会(中医協)を中心に決める。

薬価の毎年改定は2018年度から実施する。
公的保険を適用する薬の価格は国が決定権を持つ。今の制度では2年に1回見直す決まりだ。1度決まれば2年間、薬価(公定価格)は変わらないが、医療機関の仕入れ値に近い市場価格は後発薬の普及などで下がる傾向にある。
この差額は製薬会社や医療機関の収益となっている。超高額のがん治療薬オプジーボのように海外より2倍以上高い薬が登場し、政府は見直しの頻度を高める必要があると判断した。

今後は(1)対象品目(2)薬価見直しの条件(3)浮いた財源――の3つが焦点になる。
市場で流通する医薬品は2万~3万。対象品目を巡っては、日本医師会の横倉義武会長が今月14日の記者会見で「オプジーボや外国に比べて高いものは一定の理解をせざるを得ない」としつつも、品目は限定すべきだとの認識を示した。
政府の経済財政諮問会議の民間議員は全品目を対象にすべきだとの立場だった。しかし、最後は医師会などに配慮せざるを得なかった。
もう1つの焦点になる毎年改定の条件として、基本方針は実勢価格と薬価の差が大きいことを盛りこんだ。この条件次第で品目は大きく変わる。厚労省が15年に実施した2年に1回の医薬品価格調査(速報値)では実勢価格と薬価の差は平均8.8%だった。単純計算で年間の下落率は5%弱だ。例えば、毎年改定の条件を5%以上の価格差とすれば、対象は大幅に狭まる見通しだ。
毎年改定で浮いた財源の扱いも現時点では不透明だ。医師会は薬価の引き下げ財源は医師の技術料など診療報酬本体に上乗せすべきだとの立場だ。医療費の伸びを抑制して、財政再建につなげる必要がある。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-12-22 10:18 | 医療政策全般 | Comments(0)

高齢者医療、チェックなき膨張
2030年 不都合な未来(1)

暮らしや老後を守る社会保障が日本経済を揺るがそうとしている。止めどない高齢化で医療や介護、年金にかかるお金が膨張。財政も刻一刻と危うさを増す。団塊の世代が80代を迎える2030年はどのような社会になるのか。経験したことのない選択を迫られることだけは間違いない。

その男性は西日本の病院で最期を迎えた。享年80。12年に受けた弁膜症の術後の経過が悪く、感染症を繰り返した。透析や胃ろうの処置などあらゆる医療行為を受けた。

■医療費、計7400万円
レセプト(診療報酬明細書)には70以上の病名が並ぶ。「本人も知らなかっただろう」と関係者は話す。3年半の医療費は約7400万円。男性の自己負担は約190万円。残りの大半は税金と現役世代の支援金だ。
高齢者医療費が歯止めを失いつつある。社会保障給付費は30年に今より約50兆円増えて170兆円程度に達する可能性がある。影響が大きいのが医療費。とりわけ75歳以上の後期高齢者医療費は約1.5倍の21兆円に達する公算が大きいことが全国調査をもとにした分析で分かった。
取材班は全国約1740市区町村の後期高齢者の1人当たり医療費を調べた。厚生労働省は都道府県単位の数値を集計しているが、市区町村の全容は初めて判明した。
1人につき年100万円以上の医療費を使っている市区町村は14年度分で347に及ぶ。30年の人口推計などから試算すると、全体の後期高齢者医療費は現在の約14兆円から大きく膨れ上がる。
最多と最少の自治体格差は14年度時点で2.6倍。東京都台東区など都市部の自治体も上位に入った。大きな医療費格差はなぜ生じるのか。
1人当たり医療費が133万4453円と全国最多の福岡県宇美町。高齢者らが長期入院する療養病床は人口対比で全国平均の3倍超。在宅療養を支援する診療所は乏しく医療費がかさむ入院に頼りがちだ。

息子夫婦と暮らし、通所介護を利用する80代女性は約1年前、軽い胃の不調を訴え、町内の病院を受診した。「検査に時間がかかるので療養病床に入れる」。病院からこう聞いた担当のケアマネジャーは1カ月後に確認したが「退院したら連絡する」と告げられ、検査入院が長期化。ケアマネによると、女性は現在も入院したままだという。
高齢者医療制度はチェック機能を担う広域連合が市町村の合議体で、責任の所在が曖昧という問題を抱える。保険者としての機能不全は覆い隠せない。その裏側で高齢者医療費の4割を支える現役世代の負荷が高まる。
「手取りが……」。オムロングループの30代女性は10月の給与明細に目を疑った。1年前より1万円ほど減っていた。30万円台前半の基本給は7000円ほど上がったが、健康保険料が3600円、厚生年金保険料が7800円増えた。会社の方針で残業手当が減ったことも誤算だった。

■賃上げむなしく
「今の制度はもたない」。創業100年超の化学メーカー、第一工業製薬の赤瀬宜伸常務(57)は断言する。同社は単一の健康保険組合を維持するのは困難と判断し、自主的に解散した。05年度に6.6%だった保険料率は9.5%に上昇。人間ドック補助の削減などを重ねたが万策尽きた。
07年度に1518あった健保組合は100以上が消え、経団連によると13、14年度の賃上げ効果の46%分は社会保険料として吸い上げられた。
たとえ高齢者医療の綻びを繕えても、それだけで光明が差すわけではない。学習院大学の鈴木亘教授の試算では、年金や医療、介護にかかわる債務は30年時点で今より350兆円増えて2000兆円規模に達する。
支えを求める高齢者が増え続け、細る現役がその負担を迫られる。制度を根本から作り替えないまま、不都合な未来はもう目の前に来ている。

【日経新聞】



この記事は今朝の1面・全面での掲載です。
by kura0412 | 2016-12-19 09:13 | 医療政策全般 | Comments(0)

2018年度医療介護の同時改定、「キックオフ」
「連携」重視、次回に検討課題とスケジュール
厚生労働省は、12月14日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、「2018年度診療報酬改定に向けた現状と課題」を提示、同改定に向けた議論が実質的にスタートした。同省は、2025年の医療提供体制構築を念頭に、介護報酬との同時改定となる2018年度改定は「極めて重要な意味を持つ」と位置付けると同時に、「2025年から先の将来を見据えた対応」も求められていると打ち出した点が特徴だ。

厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、「今日は次回改定に向けたキックオフ」と述べ、次回総会に全体的な検討項目と検討スケジュールを提示する方針を示した。
さらに迫井課長は、その前提として同時改定であることから、医療と介護の連携に向け、
(1)療養病床・施設系サービスにおける医療、
(2)居宅等における医療、
(3)維持期のリハビリテーション――の3項目を検討課題に含める方針を提示、了承された。2017年度末に設置期限を迎える介護療養病床等については新しい類型への変換を進めるため、(1)はそれを踏まえた対応だ。

日本医師会副会長の中川俊男氏は、各論に入る前の根本的な問題として、厚労省の資料が、国債残高の累増などの国の財政悪化は、社会保障関係費が原因であるように表現している点を指摘。「歴史的に、厚労省は改定に当たって、社会保障財源を全力で確保するという姿勢を貫いてきた。しかし、厚労省としての役割を果たそうという気概が見えない」と述べ、今は「逆の立場」に立っていると問題視した。
支払側の全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、厚労省が示した「医療と介護の現状と課題」について、「基本的な認識には異論はない」と述べつつ、次回改定は、医療計画や地域医療構想など、医療関連のさまざまな制度改革が進む中で行われることになるため、その全体像を俯瞰できる資料の提示を求めた。
そのほか疑義が呈せられたのが、「2025年から先の将来を見据えた対応」との方針を掲げた点。連合総合政策局長の平川則男氏は、「今の社会保障・税一体改革は、2025年を念頭に置いたもの。その先まで見据えた対応を求められるのは、やや気が重い」とコメント。
迫井課長は、「2025年以降の体制は、人口構成が大きく変化していくことを前提にして考えることが必要」と説明。2015年6月にまとめられた「保健医療2035」でも「2035年」に触れていることなどを挙げ、医療ニーズが変化するだけでなく、医療提供側にとってもマンパワーの確保も問題になってくることから、「2025年以降も踏まえて、大きな方向性を捉えていかなければならない」と理解を求めた。

「保健医療2035」も議論のベースに
「2018年度診療報酬改定に向けた現状と課題」は、(1)現状と課題、(2)これまでの検討の概要、(3)医療・介護提供体制に係る基本施策、(4)診療報酬改定での対応――という章建て。
(2)では、社会保障改革国民会議の報告書(2013年8月)、「保健医療2035」提言(2015年5月)、「経済財政運営と改革の基本方針2016」(骨太方針2016、2016年6月)のほか、経済財政諮問会議と未来投資会議の二つの会議の検討状況を挙げた。換言すれば、今後の検討課題は、これらの報告書等や検討状況がベースになる。

議論になったのは、(1)の「現状と課題」。厚労省が挙げたのは、「少子高齢社会」「医療の高度化」「社会保障に係る財政状況」の3項目だ。
「社会保障に係る財政状況」についての「一般歳出の約55%は社会保障関係費で増加傾向」「歳出が歳入を上回る状況、国債残高の累増、支え手の減少」「医療費増加の要因は、高齢化に加え、医療の高度化等も影響」との記載を問題視したのが、中川氏だ。
その真意を問う中川氏に対し、迫井課長は、「医療を取り巻く課題、さまざまな状況をファクトとして示している。網羅的に見ていく中で、その大きな要因として、財政状況も当然含まれるべきではないか」と説明、診療報酬などを議論する際には、財政的な視点での問題意識も求められるとした。
中川氏は、この説明に納得せず、「これは重大な問題であり、この文章を見ると、国債残高の累増などは、社会保障関係費が要因になっているように見える。その意図で書いたのか」などと質した。迫井課長は、「ファクトとして示したもの。財政状況を見据えた上で、診療報酬の議論をすることが必要という趣旨で記載した」と繰り返し、2016年度診療報酬改定の基本方針でも、財政との関係に言及していると説明。同方針では、「医療政策においても、経済・財政との調和を図っていくことが重要」と記載されている。
これに対し、中川氏は、国債残高の累増は、1990年代の大型公共投資事業、2008年のリーマンショックに伴う税収の減少が要因であると指摘。厚労省の記載に対し、「国民皆保険を享受しすぎたので、我慢する時期に来ているとの表現に見える。消費税率10%への引き上げは延期されたものの、2020年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の旗を降ろしていない。消費税率10%を前提としている政策を、8%のまま強引にやろうとしている」などと問題視。
その上で、中川氏は、本来ならば厚労省は、次期改定に向けて、財源を確保しなければいけない立場にあるにもかかわらず、今は「逆の立場」に立っていると問題視した。「歴史的に、厚労省は改定に当たって、社会保障財源を全力で確保するという姿勢を貫いてきた。しかし、厚労省としての役割を果たそうという気概が見えない」(中川氏)。

同時改定の検討プロセスも課題
同時改定に当たって、検討プロセスを質問したのは、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏。介護報酬は、社会保障審議会介護給付費分科会で議論する。「いつものスケジュールよりも、前倒しでやっていくことが必要」と述べ、「医療と介護のすみ分けと連携を考えた上で、個別の議論に入っていくことが求められるのではないか」と提案した。改定財源にも触れ、消費税率引き上げ延期を踏まえ、「厳しい改定になるだろう。その中で、医療と介護にどんな財源を充当していくか厳しい議論になるだろう」と見通した。
これに対し、中川氏は、「診療報酬と介護報酬のすみ分けの議論は、財源をどちらでカバーするかの問題であり、それは事務局(厚労省)がどう考えるかに尽きる。早く議論することがいいこととは限らない」と釘を刺した。さらに、財源問題についても、「次回改定は極めて重要な意味を持つ。財源が少ない場合に、いろいろな改定をやろうとすると、何とか保っていた医療と介護の均衡が壊れる可能性がある」とつけ加えた。

【医療と介護の連携に関する主な検討項目】
ア)療養病床・施設系サービスにおける医療
・介護療養病床の見直し(新施設体系)を踏まえた、外付け医療サービスの給付調整の在り方について
・療養病棟の入院患者の患者像を踏まえた適切な評価の在り方について
イ)居宅等における医療(訪問診療・訪問看護、歯科訪問診療、薬剤師の業務等)
・介護報酬における居宅療養管理指導による評価と、診療報酬における訪問指導管理の評価の在り方について
・医療と介護の訪問看護のサービスの在り方について
・居宅等における看取り支援の在り方について
ウ)維持期のリハビリテーション
・外来や通所におけるリハビリテーションの在り方について
・地域(居宅等)におけるリハビリテーションの在り方について

【m3.com】



来年度政府予算もまだ決定していない現時点で、中医協で早くもW改定の議論が始まりました。これだえみても、いかのこの改定が重要であり、またある意味厚労省が危機感を感じている証です。
by kura0412 | 2016-12-15 17:46 | 医療政策全般 | Comments(0)

「オプジーボは大病院で」 厚労省、使用指針案で条件提示

厚生労働省は14日、超高額の抗がん剤オプジーボの使用ガイドライン案を公表した。がん診療の拠点病院であることや一定の臨床経験のある医師を配置していることなどを条件にした。条件を満たさなければ、公的医療保険を適用しない場合もある。適正な使用を促し医療費の膨張を抑える。
厚労省は14日開いた中央社会保険医療協議会(中医協)でガイドライン案を示した。2017年3月までに適用する。

ガイドラインではオプジーボを使う病院や患者それぞれに条件を設けた。全国427施設あるがん診療の拠点病院や高度な医療技術を提供できる特定機能病院などに限る。重い副作用が発生した場合、検査結果がその日のうちにわかるなど、迅速な対応も求める。
オプジーボを投与する前に一部の肺がん患者には、事前検査で有効性を確認することが望ましいとした。検査結果によっては薬価の安い既存の抗がん剤を優先して投与することも盛りこんだ。
オプジーボは小野薬品工業が販売する。大人1人に1年間使った場合、約3500万円かかる。公的医療保険財政を圧迫するとして政府内で大幅な値下げを求める意見が強まり、厚労省は17年2月に薬価を半額に下げる。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-12-15 15:12 | 医療政策全般 | Comments(0)

薬価制度改革について
横倉義武会長

横倉義武会長は、12月14日の定例記者会見で、薬価をめぐる最近の動きを踏まえた、薬価制度の見直しに関する日医の見解を改めて説明した。

横倉会長は、まず、薬価は従来、中医協で診療報酬と切り離さずに議論されてきたことに言及。「現在、診療報酬とは切り離したところで議論が進められており、これは大変問題である」と改めて危機感を示した。
現行でも、2017年2月にオプジーボの薬価引き下げ、2018年4月には診療報酬と介護報酬の同時改定、2019年10月には消費税率10%引き上げに伴う改定、2020年4月には診療報酬改定―が予定されており、2017年から2020年まで薬価の改定が毎年行われる見込みであると説明。その上で、本来、「イノベーションの推進」と「国民皆保険の持続性」を両立し、「国民負担の軽減」を考慮しながら、「医療の質の向上」を実現するのが厚生労働省の役割であり、その具体的な検討をする場は中医協であるとし、「薬価については、まさに中医協で議論すべきである」と改めて強調した。
また、「薬価と市場実勢価格の乖離率が一定幅以上の品目に限った、部分的な見直しを模索している」との一部報道については、「全ての医薬品を見直しの対象とするものではなく、乖離率が一定幅以上の一部の医薬品を薬価見直しの対象とすることには一定の理解ができる」とする一方、医療技術のイノベーションを評価できる体系にはなっていないと指摘。「医薬品だけでなく、先進的な医療技術の進歩によるメリットを、国民に迅速に提供できるよう、技術進歩を保険診療に採り入れていくことが重要であり、薬価等引き下げの財源は、本体改定財源にきちんと充当して活用すべきである」と主張した。

更に、横倉会長は、「働き方改革実現会議」において安倍晋三内閣総理大臣が、「ベースアップを3年連続で実施してきたが、4年連続の実施をお願いしたい」と述べたことに対して、「医療機関には全国で300万人以上が従事している。医療分野は他の産業よりも雇用誘発効果が大きく、特に医療従事者の比率が高い地方においては経済の活性化に多大な貢献をしており、それを支えているのが診療報酬の技術料である」と強調。
「日医は、今後も、いかに公的医療保険制度を維持しつつ、必要としている患者さんに新しい医療を提供していくかという視点で主張していく」との考えを示した。

【日医ONLINE】
by kura0412 | 2016-12-15 15:09 | 医療政策全般 | Comments(0)

薬価改定 崩れる聖域(下)医師会の懸念払拭なら… 絶対阻止派に綻びも

薬価の毎年改定に対する反対派の巻き返しは、驚くほど早かった。
「必要なら反対理由の説明に人を派遣します」。11月24日、塩崎恭久厚生労働相の携帯電話に医療機器メーカー幹部からけん制メールが届いた。
薬価の毎年改定が提案された経済財政諮問会議の前日のことだ。同じ日に都内で開かれた製薬関係者の会合では、日本製薬団体連合会の多田正世会長と、日本医師会の中川俊男副会長が気勢を上げた。「一緒に毎年改定を絶対阻止しよう」
薬価の毎年改定は何度議論されても実現しなかった「岩盤」だ。最近では甘利明前経済財政・再生相が2014年の骨太の方針に盛り込もうとしたが、厚労族の議員や医師会の反発で断念した。

薬価引き下げの影響をもろに受ける製薬会社が反対なのはわかるが、なぜ医師会が乗るのか。
ポイントは2年に1度、医師の技術料などを変更する診療報酬改定だ。薬価は診療報酬と同時に改定され、原則2年間固定される。ただ実際に病院や薬局が仕入れる価格は、時間がたつと公定価格である薬価より下がっていく。薬価改定はこうした実勢価格に公定価格を合わせる作業で、通常はマイナス改定になる。

下げ分を上乗せ
薬価引き下げで浮いた分の一部は医師の技術料など診療報酬本体に上乗せされてきた。毎年改定になれば上乗せの“原資”が半減する可能性がある。これこそが医療関係者の懸念だ。
ある自民党のベテラン厚労族議員は「引き下げ分を診療報酬本体に充当するのはルール化されている」と主張する。
その根拠の一つは1972年、中央社会保険医療協議会の建議だ。そこには「薬価の引き下げで生じる余裕を(医師の)技術料を中心に上積みする」とある。背景には医療保険制度の改正を巡って対立していた当時の佐藤栄作首相と日本医師会の武見太郎会長の手打ちがあったとされる。

反対大義に無理
薬価が急に下がると院内で薬を処方する病院の経営全体に響きかねない――。当初は「技術料の上乗せは激変緩和措置」との解釈もあったとされるが医薬分業が進み、院内処方は減っている。財政赤字も膨大になる中、40年以上前の建議を毎年改定に反対する大義にするのには無理がある。
政府は薬の効能や対象となる患者が増えたタイミングで価格を動かす「随時改定」も同時に実施する方針。反対派はこれを容認し「全医薬品の毎年改定」の阻止に絞る。
ただ反対派に綻びがないわけではない。「引き下げ分を技術料に少し上乗せすることを担保すれば、医師会は毎年改定を容認してしまうのではないか」(製薬大手幹部)。製薬会社側にはこんな不安もよぎっている。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-12-13 09:38 | 医療政策全般 | Comments(0)

「断固反対」、薬価の毎年改定、製薬団体
薬価専門部会、関係団体ヒアリング、「改定財源」論議にも発展

中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教授)で12月9日、日本製薬団体連合会(日薬連)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)の日米欧3団体は、企業の競争力の弱体化などの理由から「毎年の薬価改定には断固反対」と主張した。日本医薬品卸売業連合会も、医薬品の安定供給に支障を生じかねないことから同様に反対した。
9日の同部会の議題は、薬価制度改革に関する関係団体へのヒアリング。オプジーボに代表される高額薬剤問題に端を発した改革は、中医協でも議論してきたが、12月7日の経済財政諮問会議で、「薬価の毎年改定」でほぼ意見が一致、安倍晋三首相も同会議の議論を踏まえ、塩崎恭久厚労相ら4大臣で改革案を取りまとめるよう指示しており、関係団体の姿勢が注目されていた。

製薬3団体は、毎年改定の反対理由として、(1)企業の競争力を一様に弱体化、(2)イノベーションの創出や医薬品の安定供給に支障――などを挙げ、「2年に一度の診療報酬改定と合わせて薬価改定を行うことが、医薬品と技術の適正な評価とバランスの確保につながると考えており、薬価のみ毎年改定を行うことは、診療報酬体系とのバランスを損なうことになる」「薬価制度には、さまざまな政策的なルールが導入されており、改定に当たって、その効果を検証し、十分な議論を行うためには、少なくとも2年の間隔が必要」と主張した。日薬連会長の多田正世氏は、「9日の議論が、4大臣会合において反映されることを期待している」と求めた。
もっとも、仮に毎年改定を実施する場合、全医薬品を対象にするか一部に限るかについての意見や、塩崎厚労相が経済財政諮問会議に提案していた、「効能効果が審議・承認された医薬品」や「当初の予想販売額を上回る医薬品」の新薬収載(年4回)時の薬価見直しに関する言及はなかった。

日本医師会副会長の中川俊男氏は、製薬3団体の意見に対し、薬価改定財源を診療報酬改定財源に充てることを念頭に置いているのかなど、毎年改定に反対する理由を質問。多田氏は、「医療保険制度全体を見据えた議論が必要。改定は、保険医療の環境変化に対応するのが目的。診療報酬と薬価制度は、一体の制度であるため、その一部のみを取り出した改定には反対という意味だ」と述べ、財源問題は別の話と回答した。中川氏は「一体の制度」との考えは支持したものの、財源については「私は別の問題とは考えていない」と返した。
全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、「2年に1回の改定がベストという合理的理由はあるか」と質問。多田氏は、「経営は、予見性を持ってやるべき。毎年改定や期中の改定は、経営の前提条件が変わること」と述べた上で、「できれば長い方がありがたい」としたものの、薬価と実勢価格の乖離が続く問題もあるとし、「2年はバランスのいい期間ではないか」と回答した。
この回答を捉え、中川氏は、「頻回に薬価を改定する必要が生じないよう、抜本的に制度を改革するのが我々の目的」と指摘した。

毎年の薬価改定、「流通改善に逆行」
卸連は、薬価の毎年改定に反対する理由の一つに、「流通慣行に逆行」を挙げた。医療機関と医薬品卸との価格交渉において、個別の医薬品ごとに納入価を決める「単品単価取引」を進めない限り、実勢価格を薬価改定に反映するのは難しい。しかし、毎年改定になれば、より短期間での価格交渉が求められるため、購入する医薬品全体の納入価を決める「総価取引」がかえって増加し、個別の納入価が分からなくなり、流通改善に逆行すると指摘。そのほか、改定前の買い控えと返品も増え、結果として必要な医薬品の欠品、緊急配送が増加するなど、卸に多大な負担がかかりかねない点も懸念した。

日医副会長の松原謙二氏も、「年1回の薬価調査は手間がかかる」としたほか、価格交渉は医療機関にとっても負担のため、「総価取引」が増加するほか、交渉努力をしなくなり、かえって薬価が下がらなくなる懸念もあり、結局はプラスにはならないとの見解を示した。
健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、毎年改定の可否を判断するために、薬価改定後2年間の間に、実勢価格がどのように動いているのかについて質問。「改定直後に価格を下がるのか、それとも経年的に変化していくのか、あるいは高止まりして、薬価調査後に下がるのか」(幸野氏)。卸連の村井泰介氏は、個別の医療機関と卸との関係で納入価が決まるため、全体の納入価の推移についてのデータは持ち合わせていないと回答。
そのほか、幸野氏は、「業務量が増え、多忙なことは分かるが、毎年改定は、物理的にできないわけではなく、克服できるということでいいのか」とも確認。

「薬価制度改革の議論、あくまで中医協」
もっとも、9日の議論で、診療側と支払側ともに、最も問題視したのは、薬価制度の改革論議の進め方だ。
吉森氏は、12月7日の経済財政諮問会議に、塩崎厚労相が資料を提出したことに触れ、「中医協での議論が十分になされないままに、『年内(の結論)ありき』で、物事が進むのは問題。鉄は熱いうちに打て、と言うが、何が正しい打ち方なのかをきちんと議論する必要がある」と指摘。さらに薬価の毎年改定は以前から中医協でも議論になっているとし、「一から議論するより、過去にどんな議論があったのか、想定されるメリット、デメリットを整理した資料を出してもらいたい」と厚労省に求めた。

続いて中川氏も、「前回の中医協でも言ったが、薬価制度改革の議論を進めるのは、経済財政諮問会議から指示されたからではなく、中医協で自主的かつ自律的に議論を進めていくべきという議論に至ったからだ」と述べ、薬価制度改革論議は、あくまで中医協主導で進めるべきと釘を刺した。
その上で、中川氏は、中医協の議論は、高額薬剤が公的医療保険制度を揺るがしかねないことに端を発しているとし、厳しい保険財政下、「原価計算方式と類似薬効比較方式も含め、薬価制度自体を抜本的に見直すのが目的」と改めて確認。これに対し、塩崎厚労相の資料では、「実勢価格・量を機動的に少なくとも年1回薬価に反映」としている一方、「製薬産業について、より高い創薬力を持つ産業構造に転換」と記載していることから、「国民皆保険が危機に陥っている状況を、厚労省として何とかしようという思いが伝わらない」と中川氏は指摘した。

厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、薬価制度改革の目的は「イノベーションの推進」と「国民皆保険の持続性」の両立にあるとし、中川氏の指摘事項は重要で、同様の認識であると説明した。
この迫井課長の発言を受け、中川氏は、仮に薬価の毎年改定が導入された場合でも、「薬価改定財源を、診療報酬本体の改定財源に充てる従来の方針は、厚労省として今後も変わることはないのか」と改めて質した。迫井課長は、「従来から、改定率や改定財源は、政府の予算編成過程の中で議論してきた。そのプロセス自体は今後とも続けていく」と回答。対して中川氏は、「プロセスとしてはそうだが、それ(改定財源を本体財源に充当すること)を要求していくべき」と要求した。「厚労省は、財政当局なのか、国民皆保険を守る省庁なのかが分からなくなってきている」(中川氏)。

外国平均価格調整、「米国を外すべき」
薬価制度改革の個別課題として、議論になったのは、「外国平均価格調整」だ。これは薬価を算定した結果、外国平均価格(米、英、独、仏の4カ国)の1.25倍を上回る場合は引き下げ調整、0.75倍を下回る場合は引き下げ調整をする仕組み。ただし、4カ国の最高価格が最低価格の3倍以上の場合、当該最高価格を除外した外国平均価格を用いる。

中川氏は、米国の場合、薬価は公定価格ではなく、「メーカー希望小売価格」であるため、「外国平均価格調整」の在り方を抜本的に見直すべき、という持論を展開。具体的には、同調整の対象から、米国を除外すべきとした。
これに対し、日本製薬工業協会会長の畑中好彦氏は、「米国の価格は従来から問題になっている」と認めたものの、「米国は世界最大のマーケット」とし、海外の企業も日本の薬価の在り方を注視しているとし、米国価格の除外には、慎重な議論が必要だとした。

中川氏はそのほか、製薬3団体資料の「外国平均価格調整」における、「薬理作用類似薬との価格バランスや、為替レート変動の影響という観点も踏まえ、極端な乖離が生じた場合のみに限定的に適用する方向で検討すべきと考える」との記述の意味を質した。
専門委員の加茂谷佳明氏(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は、「今は1.25倍を上回ったら、引き下げの対象になる。それが妥当なのかどうか。(類似薬効比較方式や原価計算方式による)算定値の補正措置という概念から言えば、こうしたルールは趣旨から逸脱しているのではないか、という問題認識を我々は持っている」と回答した。
中川氏は回答を受け、「外国平均価格調整」の在り方を議論する以前の問題として、(類似薬効比較方式や原価計算方式による)薬価算定が妥当かを見直すことが必要、と返した。

「製造総原価」の公表めぐり議論
そのほか中川氏は、製薬3団体が、「新薬を原価計算方式で算定する場合、医薬品の価値を十分に反映することには限界がある」とし、「製造総原価は、企業秘密であり、公表できない」とした点も、不透明感があるとし、「身も蓋もない」と問題視した。
多田氏は、「製造総原価は、企業秘密」と答え、不当競争防止法などを踏まえても、「原価などの公表はあり得ない、というのが産業界のルール」と述べ、「薬価を決める非公開の場では、製造総原価を説明し、最終的に納得を得ているとした。中川氏は、対象疾患が拡大した場合の薬価引き下げについての考えを質すと、多田氏は「大きく原価が下がる状況になった場合、薬価を下げるのが我々の考え」と回答した。

【m3.com】



製薬業界が反対するのは分かりますが、この問題に対しての日医のスタンスは?
そして日歯は??
by kura0412 | 2016-12-10 09:24 | 医療政策全般 | Comments(0)

「薬価の毎年改定」で一致、「全品か一部か」が焦点
経済財政諮問会議、基本方針は4大臣で決定

12月7日の経済財政諮問会議で、民間議員と塩崎恭久厚労相はともに、医薬品の市場実勢価格を薬価に反映するため、「少なくとも年1回」の薬価改定を提言、安倍晋三首相は塩崎厚労相ら4大臣に対し、これらの提言と7日の議論を踏まえ、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針を決定して、次回の諮問会議で報告するように指示した。薬価の毎年改定はほぼ確実となり、今後の焦点は、全医薬品かあるいは一部に限るかに移る。

11月25日の諮問会議では、同会議自体が基本方針を決定する予定だった(『安倍首相「薬価制度改革の基本方針、年内に取りまとめ」』を参照)。7日の安倍首相の指示で変更され、塩崎厚労相のほか、石原伸晃・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、麻生太郎財務相、菅義偉・内閣官房長官の4大臣で基本方針を決定、諮問会議に報告することになった。中央社会医療保険協議会では、諮問会議での決定に疑義が呈せられていた。
諮問会議は12月下旬に予定されており、それまでに基本方針が決まる見通し。

「市場規模拡大」は年4回見直し、塩崎厚労相
4人の民間議員は連名で、(1)全医薬品を対象として、保険収載後、前提となっていた使用量または市場実勢価格の変化幅に応じて、年1回以上(後発医薬品を含む)を見直すこと、(2)イノベーションを推進する効果的な仕組み――など、4つの原則から成る基本方針を提言。
石原大臣は、諮問会議後の会見で、民間議員の提言に対し、「かなりハードルが高い、また重要性が高い提言がされたと認識している」との受け止めを示した。
一方、塩崎厚労相は、
(1)実勢価格・量を機動的に少なくとも年1回薬価に反映、
(2)現行の薬価算定方式のさらなる改善、
(3)製薬産業について、より高い創薬力を持つ産業構造に転換
――の3点を提言。(1)では、下記の2点を盛り込んだ。

◆実勢価格・量を、機動的に少なくとも年1回薬価に反映(塩崎厚労相提言)
・市場規模拡大による影響を迅速に薬価に反映(効能効果が審議・承認された医薬品、当初の予想販売価格を上回る医薬品を、NDBも活用し、新薬収載の機会(年4回)に薬価を見直し
・市場実勢価格を迅速に把握、少なくとも年1回薬価を見直し(調査方法に応じて、適切な引き下げ幅を設定)
そのほか、民間議員からは、「製薬業界は、再編も含めて、構造転換を進めるべき」「第三者による検証や調査結果の公表など、薬価調査の仕組みについて、検証し、来年中に結論を得るべき」「費用対効果評価については、専門的知見や第三者的な視点を導入すべき」「薬価調査について公平性、透明性を持って全品調査を行うべき」などの意見が上がったという。

【m3.com】
by kura0412 | 2016-12-08 09:45 | 医療政策全般 | Comments(0)

高齢者医療費の月額上限、外来は2倍に 一般所得者

厚生労働省が検討する高齢者医療費の負担見直し案が28日、分かった。一定の収入がある70歳以上の一般所得者は外来時の月額上限を1万2000円から2万4600円に、入院時は同4万4400円から5万7600円とする案を軸に与党と調整する。現役並みの所得がある人の上限も引き上げる。所得に応じた負担に変え、医療費の伸びに対応する。

厚労省は30日、社会保障審議会医療保険部会を開き、毎月の医療費負担の上限を定めた「高額療養費制度」を議論する。一定の収入がある一般所得者は1万2000~1万3000円程度引き上げる案を軸に複数案を示す方向だ。与党の合意を得られれば、2017年度に上限を引き上げる。見直しの対象になるのは約1400万人にのぼる。
年収370万円以上の現役並み所得者は現在、外来の上限を4万4400円としている。69歳以下で最も負担の重い人の2割以下で済む。厚労省はこの優遇措置をなくし、8万円程度への引き上げを検討してきた。負担の急増を懸念する声もあり、段階的に引き上げる案が有力だ。
高額療養費制度は個人負担が増えすぎないよう、所得に応じて一定の上限を定めている。低所得者に配慮し、住民税が非課税の人は外来の場合、月8000円の上限を維持する。
厚労省は17年度予算で高齢化に伴う社会保障の伸びを5000億円程度に抑えるよう求められている。夏の概算要求では6400億円だった。高額療養費制度の見直しで300億円超圧縮したい考えだ。

【日経新聞】



一般紙からいろいろな臨床に直結するようなニュースが報道されていますが、歯科界での話題には至っていません。
by kura0412 | 2016-11-29 09:53 | 医療政策全般 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
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