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『京大iPS研 供給一部停止で難病臨床研究に遅れ』

難病臨床研究に遅れ 京大iPS研 供給一部停止で

京都大学iPS細胞研究所が先週、再生医療向けに作製し備蓄したiPS細胞の企業や大学への提供を一部停止したことで、角膜の難病などで計画されていた再生医療の臨床研究が一部遅れる見通しだ。離陸期にさしかかるiPS細胞の臨床応用への影響拡大が懸念されている。

Q 臨床応用への影響は。
A 2つの臨床研究の開始が遅れるとみられる。一つは大阪大学が2016年度中に始める予定だったiPS細胞から角膜を作って移植する研究。もうひとつは京大が16~17年に計画していた、血小板を作って血液難病の患者に輸血する研究だ。いずれも最大で1年ずれこむ見通しだ。

ほかにも神経や心筋、肝臓などの病気の臨床研究が遅れる可能性がある。山中伸弥iPS細胞研究所所長は会見で「iPS細胞の臨床応用が遅れる事態を招いてしまい、おわび申し上げる」と謝罪した。

Q 停止の理由は。
A 京大は大人の血液から作ったiPS細胞のほか、赤ちゃんのへその緒の「臍帯血(さいたいけつ)」から作ったiPS細胞を備蓄している。昨年8月に後者の提供を始めたが、11月に作製に用いた試薬瓶のラベルを貼り間違え、本来とは違う試薬を使った恐れがあると判明。今月23日に出荷を停止した。今年夏までに作り直し、提供を再開する計画だ。

Q 再発防止策は。
A iPS細胞の製造を受託するタカラバイオと共同研究を始めた。細胞の製造や品質管理の基準を作り、タカラが京大の製造工程を検証、日常の作業も確認する。またラベルを貼る作業や使用済みラベルを区別する際の手順書やチェックリストを作成するという。

Q タカラバイオに事業を移管する可能性は。
A 京大の高須直子・医療応用推進室室長は「事業譲渡は考えていない」と話した。iPS細胞製造のノウハウを持ち、企業の助力があれば事業を続けられるとする。ただ事業には品質確保やコスト管理が重要で、大学より企業に強みがある。今後の速やかな移管が課題となりそうだ。

【日経新聞】



順調に進んでいると思っていたiPS細胞の開発もこんな問題が起きていました。
by kura0412 | 2017-01-30 09:53 | 医療政策全般 | Comments(0)

『子どもの医療費助成、自治体へのペナルティー廃止で充実へ』

子どもの医療費助成、自治体へのペナルティー廃止で充実へ

このところ、「医療費」といえば負担増の話ばかりだが、そのなかで唯一明るい話題といえるのが子どもの医療費助成制度だろう。
現在、子どもの医療費については、すべての地方自治体が助成を行っているものの、対象年齢や助成方法はまちまちだ。これは、財政力によるところが大きいが、実は国からの補助金の仕組みが助成の足かせになってきた面もある。
だが、少子化対策を急ぐ国の方針もあり、自治体が子どもの医療費を助成しやすくできるように見直されることになった。

子どもの医療費助成で少子化に歯止めをかける
2015年の出生数(確定数)は、前年よりも2138人多い100万5677人で、合計特殊出生率は1.45に回復した。だが、2016年の出生数は、前年比マイナス2万5000人の98万1000人と、再び大幅に減ることが予想されている。
安倍政権では、経済成長を促すための施策のひとつとして、合計特殊出生率を1.8まで引き上げることを目標としている。少子化に歯止めをかけるために、子育て世帯の経済的負担軽減策を打ち出しており、2015年9月から厚生労働省の「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」でも、子どもの医療費負担についての審議が重ねられていた。
病院や診療所にかかったときに、患者が窓口で支払う一部負担金は、年齢や所得に応じて1~3割。現在、子どもの自己負担の法定割合は、小学校入学前の未就学児(7歳になる年の3月まで)は2割、小学校1年生以上は3割だ。
だが、それぞれの自治体が、独自に子どもの医療費を助成する制度を設けているため、子どもが一定の年齢になるまでは実質無料で医療を受けられることも多い。「乳幼児医療費助成」「子どもの医療費助成」など、自治体によって名称は異なるが、本来なら患者が支払う窓口負担分を、都道府県と市区町村が代わり支払ってくれる制度だ。
法律で決められた制度ではなく、地方単独事業として行われているので、国からの明確な予算はついていない。まず、都道府県ごとに助成内容が決められ、市区町村が財政力や政策などによって上乗せの助成を行っているので、子どもの医療費助成の内容は次のポイントで違いが出ている。
(1)助成対象の子どもの対象年齢
(2)通院、入院による差
(3)親の所得制限の有無
(4)一部負担金の有無
(5)助成方法が、現物給付か償還払いか

子どもの医療費負担は、家計にも影響を与える。最近は、自治体の子育て支援策を調べて、子育てしやすい地域を探して暮らす場所を決める人たちもいる。人口が増加すれば、税収が増えるだけではなく、町も活性化する。そうした町興し的な意味合いもあり、子どもの医療費助成制度は拡大傾向にあるが、財政力によって助成範囲には大きな差があるのが実情だ。
対象年齢は、都道府県別では3歳未満~18歳年度末と幅が広く、さらに市区町村の独自の上乗せ助成は4歳未満~22歳年度末までとバラツキが出ている(「乳幼児等医療に対する援助の実施状況」平成27年4月1日現在)。
このほかに、親の所得制限を用いていたり、1回500円程度の一部負担金を設けていたり、助成方法が現物給付か償還払いかによっても、使い勝手は変わってくる。
できるだけ長い期間、助成を受けられるほうが、利用する側にとっては都合がいい。だが、どこまで助成できるかは、自治体の財政力によるところが大きく、さらにそこに影響を及ぼしているのが国からの補助金の仕組みだ。

現物給付方式の助成は ペナルティーの対象だが
子どもの医療費助成制度には、(5)のように現物給付、償還払いの2つの方法がある。現物給付は、自治体が医療機関に直接自己負担分を支払ってくれるもので、窓口での患者負担はしなくてよい。償還払いは、いったん患者が窓口で自己負担分を支払ったあとで、自治体に申請して払い戻しを受ける方法だ。
あとから払い戻される償還払いより、窓口負担のない現物給付のほうが、家計からの持ち出しをしなくて済むので、利用者にとってはありがたい。
だが、これまで国は、窓口でお金を支払わずに医療にかかれるようにすると過剰受診につながるとして、現物給付方式で子どもの医療費助成を行っている市区町村に対しては、国民健康保険の療養費等国庫負担金という補助金を減額する措置をとってきた。
これは、患者が窓口で支払う額に応じて減額率が決まり、現物給付方式によって増えた医療費の分だけ、本来支払うはずだった国の補助金を減額するというもので、いわば自治体へのペナルティーだ。
だが、子どもの健康を守るための助成にペナルティーを課すというのはおかしな話だ。前出の検討会では、補助金減額のペナルティーは「国として推し進める少子化対策に逆行」「廃止により各自治体では他の子育て支援策に財源を充当できる」などとして、減額調整措置の廃止を求める声が相次いだ。
また、全国知事会からの廃止要請などもあり、2018年度から小学校入学前の未就学児に対する助成については、現物給付をしても補助金は減額されないことになったのだ。
話し合いの過程では、新たに親の所得制限を設けたり、窓口での一部負担金の徴収も検討されたりしたが、すでに現物給付が導入されている子育て家庭に負担増を求めるのは難しいと判断。
この見直しによって、未就学児の医療費助成ついてはすべての市区町村で補助金の削減は行われなくなったため、子育て支援に振り分ける財源を増やせる可能性が高くなったのだ。
具体的な子育て支援策の充実は自治体によって異なるが、これまで償還払いや一部負担金があった地域は、それらが撤廃されて使いやすい現物給付に変わる可能性がある。また、すでに現物給付だった地域は、さらに充実した支援が受けられるかもしれない。
未来を担う子どもたちが、お金の心配をしないで医療にかかれることは喜ばしいことだが、今回の見直しでも、自治体による助成の格差を完全には解消できないことは残念だ。自治体の財政事情によって個人の医療費負担が左右されるのは不公平だという見方もある。
充実した医療費助成が子育て世帯を地域に呼び込む地域興しの一環となっている今、財政が乏しい自治体は人口減に悩まされることにもなる。住んでいる地域にかかわらず、どこでも充実した医療費助成が受けられるように、今後も制度の充実を期待したい。

子どもの医療費助成制度は誰かの負担で成り立っている
医療費助成のおかげで、子どもの医療費の負担は抑えられるものの、その医療は病院や診療所が無料でサービスしてくれているわけではない。子どもがかかった医療の費用は、税金や社会保険料によって賄われており、他の誰かが負担してくれていることは常に意識しておく必要があるだろう。
同時に、制度を使う子どもたちの保護者は、医療機関の適切な利用方法を覚えておきたい。一時期、休日や夜間に個人の都合で医療機関を受診する患者の増加によって、小児科医をはじめとする医療スタッフの疲弊が問題となった。
その後、不要不急の受診を減らすための啓蒙活動によって、ひと頃より医療スタッフの労働環境は改善されたものの、医療資源は無尽蔵にあるわけではない。
診療時間外に子どもの体調が悪くなった場合は、様子を見ながら受診行動を考えたいもの。自分で判断するのが難しいなら、小児救急電話相談事業「♯8000」に電話をかけるのがおすすめだ。
「♯8000」は、厚生労働省の電話相談事業で、子どもの症状を伝えると小児科医や看護師などの医療専門職が相談にのってくれて、「明日の朝まで様子をみても大丈夫」「今すぐ病院に行ったほうがいい」などと対処方法を教えてくれる。
また、国が推奨しているワクチンは接種して、死亡や重度の後遺障害につながる病気にかからないように予防しておくことも考えたい。
日本の医療制度は、税金と社会保険料によって支えられている国民共通の財産だ。医療を必要とするすべての子どもが、必要な医療を受けられるようにするためにも、医療費助成制度の充実を訴えるとともに、ふだんからそれぞれの人が適切に医療機関を利用することも求められている。

【DAOAMOND ONLINE】




ペナルティがあるとは知りませんでした。
by kura0412 | 2017-01-26 14:48 | 医療政策全般 | Comments(0)

『地域包括ケアは「囲い込み」から「連合」へ』

地域包括ケアは「囲い込み」から「連合」へ

地域の“お隣同士”の医療機関や介護事業者、薬局などが連携して患者・要介護者の生活を最期まで支える──。そんな地域包括ケアシステムの構築が推し進められ、各地で動きが活発化しています。
「各地域では保健・医療・介護・福祉の資源が別々に整備されてきた。だが、今後はこれら資源に“横串”を通し、住民に最適なサービスを迅速に提供できる仕組みづくりが重要になる」
こう指摘するのは、医療経営コンサルタントで(株)医文研・代表取締役の茨常則氏。特に、高齢化と若年人口の減少が進む地方では、医療・介護の需要と供給のミスマッチが広がっており、「効果的・効率的な医療・介護提供体制の構築が喫緊の課題だ」と言います。
地域包括ケアシステムは、住民が住み慣れた地域で最期まで暮らせる環境の整備を目的とします。2012年施行の改正介護保険法でその構築が国や自治体の責務とされ、法的根拠が与えられました。

地域包括ケアは子育て支援も含めた町づくりにつながる概念
そのため当初は、介護分野の概念として捉えられる傾向がありました。ですが、社会保障制度改革国民会議が2013年8月にまとめた報告書では、その構築の促進が前面に掲げられると同時に、介護や医療だけでなく福祉・子育て支援も含めた、町づくりにもつながる概念として打ち出されました。
その後、同報告書を基に2014年6月に成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」(医療介護総合確保促進法)でも地域包括ケアシステムの構築を明示。介護保険事業(支援)計画だけでなく医療計画などを策定する際のベースとなる概念とされ、医療分野においても重視される形となりました。
これと並行して2014年度診療・調剤報酬改定では基本認識(方針)として、「医療提供体制の再構築」と併せて「地域包括ケアシステムの構築」が提示。その一翼を担う機能として地域包括ケア病床や地域包括診療料が創設されたのは記憶に新しいでしょう。さらに、病床再編などを目指す地域医療構想や内閣府の経済・財政再生計画の中でも言及され、地域包括ケアシステムの構築は今や国の最重要課題となっています。
もちろん、住み慣れた地域で最期まで生活を継続できる環境の整備が最大の目的ですが、これだけ同システムが重視される背景には、社会保障費の伸びの抑制があるのも事実。「ときどき入院、ほぼ在宅」「『治す医療』から『治し、支える医療』への転換」「自助・互助・共助・公助の適正な役割分担」などを推進することで、社会保障財源の効果的・効率的な配分を実現しようというわけです。
 
入院から在宅まで切れ目ない体制づくりを重視
ここ数回の診療・調剤・介護報酬改定を概括すると、入院から在宅までを担う医療・介護機能の切れ目ないつながりを強化する方向が打ち出されていることが分かります。入院においては高度急性期から慢性期に至るまで早期の退院に軸足が置かれ、外来や薬局ではかかりつけ機能の充実、在宅診療や介護では中重度者の在宅生活の継続支援などが重視されてきました。
具体的な報酬点数を見ても、医療機関・介護事業者・薬局の間の連携を後押しする項目が数多く存在します。
例えば、2016年度診療報酬改定では退院支援加算が再編・新設され、入院患者の退院を促進すれば、高度急性期から慢性期まであらゆる病棟で高い点数を算定できるようになりました。そのほか、入院・入院外の間での診療情報の共有なども手厚く評価されています。
在宅分野に目を向けると、早期退院に向けて医療機関・介護事業者・薬局の連携促進を念頭に置いた点数項目が目立つほか、患者の急変時などに多職種でカンファレンスを開いた際の評価も設けられています。介護保険リハビリテーション移行支援料(2014年度診療報酬改定で新設)のように、サービスの医療保険から介護保険へのスムーズな切り替えや、要介護者の社会参加の促進(訪問・通所リハビリにおける社会参加支援加算、2015年度介護報酬改定で新設)を図る仕組みも盛り込まれました。
国の政策の後押しを受け、各地では地域包括ケアシステムを構築する動きが活発化。「地域包括ケア推進課(室)」といった専門部署を創設し、普及に努める市町村が増えています。在宅医療の提供機関マップの作成、医療や介護などの多職種が一堂に会する会議や研修会の開催、患者・要介護者の情報共有を目的としたIT(情報技術)システムの導入といった取り組みを見聞きしたことのある方も多いのではないでしょうか。

地域の実情で異なるシステムの形
こうした流れを受け、医療機関・介護事業者・薬局において自身の分野以外の法人や事業者と「顔の見える関係」を築かなければ、患者や介護サービス利用者の確保が難しくなると考える経営者が目立つようになりました。ある介護事業者は、「患者や要介護者を自法人ばかりで囲い込む時代は終わった。これからは、地域の外部の医療機関や他の介護事業者、薬局と連携を強めて高齢者の在宅生活を支えることが重要になる」と語ります。
地域包括ケアシステムは地域の実情を勘案して構築され、当然ながら各地域で形が違ってきます。自治体によって医療・介護資源の状況や人口推移、住民同士のつながり度合いなどが異なるからです。医療機関、介護事業者、薬局ともに、今後、自身の地域の現状や地域包括ケアシステム構築の方向性などをしっかり見極め、他法人・事業者との「ご近所連合ケア」に積極的に参加していくことが重要になるといえそうです。
 
【日経メディカル】
by kura0412 | 2017-01-24 11:32 | 医療政策全般 | Comments(0)

介護医療院

厚生労働省は19日、通常国会へ提出する9つの法案の概要を自民党の厚労部会で説明した。

このうち介護保険法の改正案には、来年度末をもって廃止する介護療養病床の代わりに新設する施設の名称を、「介護医療院(仮称)」とする考えが盛り込まれている。転換の準備のために設ける経過期間は、2018年度から2023年度末までの6年間とされた。法案は2月上旬に出す予定。出席した議員から異論は出なかった。
介護療養病床の再編は、いわゆる「社会的入院」を解消して医療費の抑制につなげることが狙い。厚労省は昨年末、看取りを含めた医療サービスも受けられて「生活の場」となる新たな施設へ転換させ、重度の高齢者などの受け皿とすることに決めていた。具体的な基準や報酬は、来年度の介護報酬改定に向けたプロセスで設定する方針。

【JOINT】
by kura0412 | 2017-01-20 11:30 | 医療政策全般 | Comments(0)

『次の医療計画、地域包括ケア計画に』

次の医療計画、「地域包括ケア計画に」-厚労省医政局長

厚生労働省の神田裕二医政局長は19日、各自治体の厚生労働行政の担当者を集めた「全国厚生労働関係部局長会議」で、2018年度から6か年の次期医療計画について、「実質的に地域包括ケア計画といえるもの」にするよう呼び掛けた。
25年には団塊世代が75歳以上となる。国は、重度な要介護状態になった人でも住み慣れた地域で暮らし続けられるように、必要な医療・介護サービスなどを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を、同年を目途に推進している。
19日の同会議で神田局長は、必要な医療提供体制を確保するために都道府県が定める医療計画と、必要な介護サービスを確保するために市町村が定める介護保険事業計画などが、いずれも18年度から次期計画に移る予定だと指摘。2つの計画の整合性を取る必要性を強調した。

■基金、医療構想実現に向けた計画踏まえ配分
また神田局長は、17年度の「地域医療介護総合確保基金」の交付について、「地域医療構想」に盛り込まれた将来の必要病床数の実現に向け、具体的な整備計画が策定されているかどうかなどを踏まえて配分する方針を示した。
同基金は、地域包括ケアシステムの構築などを進めるため、各都道府県に設置されたもので、医療分と介護分がある。医療分は、▽地域医療構想の実現に向けた整備▽在宅医療の提供▽医療従事者の確保―のいずれかに関する事業が交付対象。16年度は904億円のうち、同構想の実現に向けた整備に関する事業に458億円(50.7%)が配分された。
17年度の医療分の交付額は、16年度と同額の見込みだが、神田局長は、39都道府県が昨年末までに同構想を策定済みで、残る8府県も年度内に策定する予定だと指摘。同構想に向けた整備事業への配分を、より重点化させる考えを示した。
一方、在宅医療の提供や医療従事者の確保に関する事業への配分については、「継続実施が不可欠な事業に配慮しながら調整を行っていきたい」と述べ、例えば院内保育所の新設などには別の政府予算の活用を検討するよう促した。

■医療構想実現へ、権限の行使検討して
神田局長は、地域医療構想の実現に向けた調整についても言及し、地域の医療機関の関係者同士が話し合って進めるのが基本だと強調した。その上で、例えば話し合いが前に進まない場合には、都道府県知事が権限を行使し、公的医療機関に指示を出すことなどを検討してほしいと呼び掛けた。
現行のルールでは、関係者同士の話し合いが進まない場合に、都道府県知事が医療審議会の意見を聴いた上で、地域で不足している医療機能を担うよう公的医療機関に指示することなどが認められている。一方、民間医療機関に対する指示は認められていない。
神田局長は、「権限の施行状況を踏まえて、(権限などについて)また検討することになっている」とも述べた。

■かかりつけ薬剤師の実績積み重ねて
19日の同会議で同省の医薬・生活衛生局の武田俊彦局長は、地域包括ケアシステムの中で、薬剤師・薬局が積極的に職能を果たし、患者の「かかりつけ」となることが必要だと強調した。特に、18年度に診療報酬・介護報酬の同時改定が予定されていることも踏まえて「実績を積み重ねることが大事」だと訴えた。
武田局長は、「かかりつけ」の薬剤師・薬局に求められる機能などは15年10月に同省が示しており、16年度はその機能のモデル事業を実施していると紹介。17年度も、予算を増額してモデル事業を実施する予定で、3月までに募集を開始したいとした。

【キャリアブレイン】
by kura0412 | 2017-01-20 11:14 | 医療政策全般 | Comments(0)

『診療報酬と介護報酬、同時改定に向けた議論開始』

診療報酬と介護報酬、同時改定に向けた議論開始…中医協

厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は11日、総会を開き、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けた議論を始めた。
高齢化の進展を踏まえ、医療・介護の連携強化や在宅医療の充実などが主な検討テーマで、18年2月までに結論を出す。
診療報酬は、2年ごとに見直される医療サービスや薬剤の公定価格。介護サービスを提供した事業者が受け取る対価である介護報酬の改定は3年ごとで、18年度は、6年に1度の同時改定となる。
介護報酬の改定は、社会保障審議会介護給付費分科会で4月頃から議論が始まる見込みだ。医療・介護の連携強化については、中医協と分科会の委員が意見交換を行う場を設けて議論する方針だ。

【読売新聞】
by kura0412 | 2017-01-13 14:50 | 医療政策全般 | Comments(0)

『ローソン玉塚会長・厳罰で健診受診率100%に』

[ローソン玉塚会長]厳罰で健診受診率100%に
私の「カラダ資本論」

仕事においては、やはりカラダが資本。多忙な中でも最高のパフォーマンスを発揮し続けるには、日ごろからの健康管理が欠かせない。一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム、ローソンの玉塚元一会長CEOの最終回は、自らチーフ・ヘルス・オフィサー(CHO:最高健康責任者)として取り組む「健康経営」についてうかがいました。健診受診率100%を達成した秘訣とは?

ローソンは2013年に、コーポレートスローガンを「マチのほっとステーション」から「マチの健康ステーション」に変更しました。少子高齢化が進み、医療費をはじめ社会保障費の増大が国の深刻な課題となっており、私たち一人ひとりが健康へのアクションを起こして、医師や薬に依存しない生活を目指すことが大切と考えています。ローソンとしても、お客様の「未病」「予防」につながる事業展開を強化することで、マチの健康に貢献していきたいと考えています。
ローソンでは、医薬品取り扱い店舗を拡充し、低糖質のブランパン、グリーンスムージーといった健康志向の商品を展開しています。そうした取り組みのなかで、お客様の健康に対する意識やニーズが高まっていることを実感しています。かつて健康志向の商品は美容に関心の高い若い女性やシニアの利用が多かったのですが、現在は老若男女関係なく広がってきています。実際、4年ほど前には、健康に関する商品の構成比はごくわずかだったものの、今ではおよそ2500億円の売上規模となっています。
実は、東京にある本社には社員食堂がないのですが、ビル内にローソンの店舗があり、健康志向の商品が多いということもあって、そこでランチ用の食品を購入する社員も多いのです。

2018年までに高い目標値を設定
2015年10月にチーフ・ヘルス・オフィサー(CHO)に就任してからは、お客様の健康はもとより、ローソングループの社員や加盟店オーナーの健康増進、改善も重要なテーマと位置づけて、様々な取り組みを行っています。
2013年度に実施した、社員の健康診断の受診率100%を目指した取り組みもその一つです。仕事が忙しいことを理由に健診を受けなかった結果、体調を害してしまう社員を減らすことが目的で、ペナルティも科しました。健診を受けなかった社員に数回、受診を勧める通知をしても受けなかった場合は、本人の賞与を15%、直属の上司の賞与も10%減額するという厳しい措置です。その結果、受診率100%を達成しました。
ただ、受診率100%を実現したのは、厳しいペナルティを科したことよりも、経営トップ直下、人事本部内に設置した「社員健康チーム」や、健康保険組合、労働組合とも連携して、常に社員へメッセージを発信し、コミュニケーションを図ったことが大きかったと思います。管理職には、部下の健康を管理するのも上司の役目の一つと理解してもらいました。やはり、お客様の健康をサポートするローソングループとしては、社員一人ひとりの健康を維持することが重要であり、社員の健康は会社の業績にも直結すること。仕事で最高のパフォーマンスを発揮するためには、健康が欠かせないこと。元気で働くことが本人や家族の幸せにつながること。そうした背景や目的をしっかり伝えて、腹落ちしてもらうことが大切ですね。

また、コンビニという業態に特有の健康課題もあります。
社員の4割はスーパーバイザーといって、会社から貸与された車で店舗を回り、アドバイスを行っています。勤務は不規則ですし、加盟店オーナーに新商品を案内するための試食もする。そのため、必然的に歩いたり運動をしたりする機会が少なくなり、肥満や高血糖を指摘される人の割合が、一般企業よりも高くなっています。
そこで、ローソンでは2018年までに、肥満や血糖値などが正常でない人の割合を減らす目標を定めました。とくに肥満者(BMIが25以上)の割合は、2014年の実績で男性37.2%を2018年は27.7%に、女性18.6%を17.0%に減らす目標を掲げています。こうした目標達成に向けて、2015年6月からは「ローソンヘルスケアポイント」を導入しました。これは、健診結果から各自が取り組むべき健康目標を3つ設定し、90日間欠かさずに行動チェックをすることでポイントが付与され、目標を達成すればさらにポイントが加算されるというものです。獲得したポイントは「Ponta」の加盟店で利用できます。

スポーツで職場環境も向上
職場の活性化を目的としたスポーツ大会も実施しています。2009年から毎年続いていて、今年はソフトボール大会を開催。私が率いる「たまちゃんドリームチーム」が地区大会で見事優勝を果たしました。役員が主体の平均年齢が一番高いチームが勝ち上がっていったので、大いに盛り上がりましたよ。ただ、実は野球部出身の若手社員を助っ人に加え、戦力をアップしていたのですが(笑)。
そのほか、4人制で柔らかいボールを使う、ソフトバレーを毎週行っている支店(各地にある運営事務所)もあります。そうした職場では、ソフトバレーの日は定時で仕事を終わらせるために、効率良く仕事をするようになったと聞いています。職場での会話やコミュニケーションが増えて、業績の向上につながっている支店も多いようです。スポーツでのチームプレーが、職場のチームワークにも生かされる。スポーツは今後も積極的に採り入れていきたいと思っています。
最近は、ローソンの中でラグビー経験者20人ほどを集めて、タッチラグビーのチームを結成しました。やはり最後はラグビーになるのかな(笑)。2カ月に1度、1時間程度汗を流して、飲み会を開いています。タッチラグビーはタックルやスクラムのない、いわば簡易版ラグビーですが、これが意外ときついんですよ。ラグビー経験者とはいえ、練習を始めて15分もすると、吐きそうになっている部員もいます(笑)。結成からまだ日が浅いものの、タッチラグビーの協会にチーム登録もしたようなので、対戦などもしていけるといいですね。

今後もCHOとして、自身の健康、グループ社員や関係者の健康維持・増進に取り組むと同時に、健康志向商品の品揃えをより充実させていきたい。とはいっても、押し売り型の店舗にするつもりはありません。私自身も、健康志向の食事をすることもあれば、覚悟を決めるような日はガツンとしたラーメンを食べることもある。お客様の多様なニーズに応えるためには、ドカ弁もたばこもそろえます。そのなかでの選択肢として、健康志向商品の品揃えや開発は、他社に負けないように進めていきたい。そして、よりマチの健康に貢献できる企業であり続けたいと思っています。

【日経ビジネス】
by kura0412 | 2017-01-06 15:21 | 医療政策全般 | Comments(0)

『予防医療で医療費を減らせるか』

予防医療で医療費を減らせるか(1)健康の維持・増進には寄与

予防医療とは病気になることを防いだり、病気を早期発見・早期治療することで病気による障害や死亡を減らすことを目指す医療です。規則正しい生活習慣、バランスのとれた食事、適度な運動などにより、生活習慣病やがんの発生を抑制することを一次予防といいます。定期健診やがん検診などにより、無症状の早期の段階で病気を発見し、早期の治療につなげることを二次予防といいます。
健康はすべての国民にとってかけがえのない便益と言えます。予防医療によって病気の発生や進行を抑え、健康を維持・増進することは、国家レベルでも個人レベルでも優先度が高いと言えるのではないでしょうか。そのため、予防医療の推進そのものに異を唱える人はあまりいません。
予防医療を推進することは、病気の発生・進行を抑え、結果的に医療費の抑制につながる、と一般には考えられがちです。政府は、高騰を続ける国民医療費を抑制する手段の一つとして予防医療の推進をたびたび掲げています。最近では、健康診断の受診など健康管理に努めた人に公的医療保険の自己負担割合を引き下げることを若手政治家グループが提言したというニュースもありました。
しかし、予防医療を推進することによって国民医療費を削減することは可能でしょうか。実際には、これまでの医療経済学の多くの研究によって、予防医療による医療費削減効果には限界があることが明らかにされています。
それどころか、大半の予防医療は、長期的にはむしろ医療費や介護費を増大させる可能性があります。そのことは医療経済学の専門家の間ではほぼ共通の認識です。しかしながら、まだ一般には、その事実があまり浸透していないように見受けられます。
「予防医療は医療費・介護費を抑制できない」というメッセージを読んで、驚いた読者がいるかもしれません。次回から予防医療が医療費・介護費に与える短期的・長期的な影響について、具体的な事例を紹介しながら詳しく解説します。

【日経新聞・東京大学教授 康永秀生】
by kura0412 | 2017-01-05 10:24 | 医療政策全般 | Comments(0)

来年の歯科界話題のキーワード「薬価改定」

2016けいざいあの時(4)オプジーボ薬価下げ 厚労省、主導権奪われ

がん治療薬オプジーボ。今年初めにはごく限られた人しか名前を知らなかった薬の価格を巡り、政府や医療関係者を巻き込んだ論争が沸き起こった。膨張する医療費の象徴として、2017年2月に今の価格を半分にすることが急きょ決まった。いくつもの誤算が重なった厚生労働省は薬価改定の主導権を奪われた。

「オプジーボ狙い撃ちと言われても仕方ない」。厚労省幹部は5月下旬、消費増税の再延期を伝える報道にうめいた。17年4月に予定していた消費増税に合わせ、厚労省は増税分を薬価に反映する改定を予定していた。全薬品の価格改定とともに、オプジーボを値下げする腹づもりだった。当てが外れ、一つの薬に限った異例の改定が動き出す。誤算の始まりだった。
オプジーボは体内の免疫細胞に作用し、人間の持つ異物を排除する能力を高めてがんを治療する。一部のがんに画期的な効果が確認された。想定する対象患者は470人と少ないことから高額な薬価が付いた。

「夢の薬」が医療保険制度を脅かす――。財務省が4月に開いた財政制度等審議会でこんな認識が広がった。5万人が1年間使えば1兆7500億円かかるとの試算が示された。
厚労省は中央社会保険医療協議会(中医協)で今年夏から値下げに向けた議論に入った。日本医師会の松原謙二副会長は「薬の価格が高くなり過ぎるのは速やかに改善してほしい」と要求。薬価の引き下げ分を医師の診察料など診療報酬本体に回すのが医師会の伝統的な行動原理だ。「技術革新を阻害する」と主張する製薬業界は劣勢だった。
値下げが決まったのは10月。厚労省は17年度に25%下げる方針で中医協の了承を得た。18年度に薬価制度を抜本的に変え、さらに値下げする案を温めていた。段階値下げで製薬業界の反発を和らげる狙いだった。
思わぬ伏兵となったのが共産党の小池晃書記局長だ。10月6日の参院予算委員会で「25%では不十分」と安倍晋三首相に迫った。野党の質問にもかかわらず、厚労省案への疑問が首相官邸で広がった。
10月14日の経済財政諮問会議でも民間議員が50%の引き下げを突き付けた。「なぜ1回でできないのか」。首相官邸も同調。厚労省職員は説明に回ったが、理解は得られない。次第に大幅値下げに傾いていった。
「国民の納得が得られる対応を講じていくことが大事だ」。50%値下げが固まった11月10日、菅義偉官房長官は記者会見で述べた。
厚労省には誤算が重なる。薬価改革の主導権を諮問会議が握ったことだ。民間議員は11月、2年に1度の改定を毎年にするよう提言。毎年改定は安倍首相の指示ですんなり決まった。
勢いに乗る民間議員は12月21日、診療報酬も議論すべきだと発言。診療報酬は病院経営に直結するため、医師会は横倉義武会長名で翌日、「大それた発言で青天のへきれき」とのコメントを出した。「聖域」の診療報酬本体に手を付ければ、震度はオプジーボの比ではなくなる。

【日経新聞】



来年の歯科界の話題のキーワードが「薬価改定」になるかもしれません。
by kura0412 | 2016-12-30 09:42 | 医療政策全般 | Comments(0)

『高齢者受難の時代到来』

高齢者受難の時代到来、70歳以上の高額療養費がアップ

12月15日、自民・公明両党の厚生労働部会が医療・介護制度改革案を承諾。これを受けて、2017年度の政府予算案が22日に閣議決定された。
社会保障にかかる費用は、新薬や医療機器の開発などによる医療の高度化、人口の高齢化などによって自動的に増える宿命を背負っている。厚生労働省の予測では、この社会保障費の自然増が、2017年度分は6400億円になると予測していた。
だが、安倍政権は「経済財政運営と改革の基本方針2015(骨太方針2015)」で、2020年まで社会保障の自然増を年間5000億円以内に収めるという具体的な数値目標を提示し、社会保障費を厳しく抑制することを政策に据えている。そのため、2017年度の予算も自然増を5000億円以内に抑制することが至上命令となっていたのだ。
そこで、今回、ターゲットとなったのが高齢者の医療・介護だ。なかでも大きな割合を占めるのが、これまで本コラムで何度も取り上げてきた70歳以上の人の高額療養費で、来年8月から低所得層を除いて限度額が引き上げられる。
ただし、70歳以上の人の医療費の引き上げは、高齢者の票離れを進め、政局にも影響を及ぼす。そのため、自己負担限度額の決定までには、最後までせめぎあいがあった。いったい、いくらで決着したのだろうか。

高齢者の高額療養費は通院のみの限度額がある
通常、病院や診療所を受診すると、年齢や所得に応じてかかった医療費の1~3割の一部負担金を支払う。だが、治療が長引いたり、手術を受けたりして、医療費が高額になると、その一部負担金を支払うだけでも大変になる。
そこで、健康保険では、患者が1ヵ月に支払う医療費の自己負担額に上限を設けており、医療費が家計の過度な負担にならないように配慮している。これが高額療養費で、年齢や所得に応じた限度額が決まっている。
70歳未満の人の限度額は、2015年1月から所得に応じて5段階に分類され、年収約770万円以上の高所得層は限度額が引き上げられた。
70歳以上の人の限度額も、過去に何度も見直しの議論は行われてきたものの、高齢者の反発を恐れた歴代政権は、特例措置によって据え置きを続けてきたのだ。
だが、今回は、社会保障費の自然増を5000億円に抑制するという安倍政権が掲げたミッションを遂行するために、最後の砦にも手をつけざるを得なくなった。
70歳以上の人の高額療養費の限度額は、所得に応じて4段階となっており、これまで通院(外来)のみの上限も別枠で設けられてきた。この外来特例は、2002年10月に、70歳以上の人の一部負担金が1割になり、それまでの老人医療制度の月額上限を廃止したことによる経過措置で、いずれは70歳未満の人と同じように入院もした場合の金額に一本化するはずだった。
高齢者の外来特例は導入から14年が経過し、1割負担が定着したこともあり、厚生労働省の審議会では、経済界側の委員から外来特例の撤廃を求める意見が相次いでいた。
だが、今回また政治的な理由によって、当面は外来特例が維持されることになった。また、自己負担額の引き上げ幅も、当初、提案されていた金額よりも低く抑えられた。

2017年8月から段階的に限度額の引き上げが開始
このなかで、いちばん対象者が多いのが、住民税課税世帯で年収約370万円以までの「一般」の所得区分の人で、約1250万人が影響を受ける。
一般の人の高額療養費は、当初予定では通院のみの限度額を現行の1万2000円から2万4600円に引き上げる案が濃厚だった。しかし、最終的には引き上げ幅は抑えられ、2017年8月から1万4000円、2019年8月に1万8000円にすることで決着。
また、通院の高額療養費については、1年間の上限額を14万4000円にする新たな制度が導入されることになったため、1年を通じた限度額はこれまでと同じになる。がんの通院治療などで継続的に医療費がかかっている人は、医療費が大幅に増える心配はない。
入院もした場合の世帯の1ヵ月の限度額は、これまで4万4400円だったが、来年8月から5万8000円に引き上げられる。ただし、こちらも多数回該当(過去12ヵ月間に、高額療養費に該当する月が3回以上あると、4回目から限度額が引き下げられる制度)が導入され、4回目以降は4万4400円になる。
厚生労働省の審議会で、「低所得層への配慮」はほとんどの委員の一致した意見だったこともあり、住民税が非課税の低所得層の限度額は据え置かれることになった。
一方、負担が大幅に増えるのが、150万人程度いる年収約370万円以上の「現役並み所得者」の人たちだ。
まず、通院のみの限度額は、現行の4万4400円から2017年8月から5万8000円に引き上げられ、2018年8月からは外来特例そのものが廃止される。同時に、上図のように所得区分は細分化され、通院も入院も関係なく限度額は一本化される。お金のある高所得層には70歳以下の人たちと同じ医療費の負担をしてもらおうというわけだ。
たとえば、年収1160万円以上の人で、1ヵ月の通院の医療費が100万円だった場合の自己負担額は、これまでの万4400円から、2018年8月以降は25万4180円と大幅にアップする。
これは、「年齢ではなく負担能力に応じた公平な負担」をという観点によるものだという。もちろん、社会保険は応能負担が原則だが、それを病気やケガをした患者という立場の人に背負わせるのは正しいことなのか。
とくに、高齢者は医療機関の受診率が高く、実際に自己負担している金額は現状でも現役世代の2倍になっている。今後、高所得高齢者世帯では、家計に占める医療費の割合はますます増えていくことが予想されるが、その先に待っているのはどのような社会なのか。

小泉改革による医療崩壊を彷彿とさせる安倍政治
前出の「骨太方針2015」では、社会保障費の自然増を年間5000億円に抑えるという具体的な数値を示す一方、2013年8月に出された社会保障制度改革国民会議の報告書で何度も用いられた「社会保障の機能強化」という言葉が消えた。
こうした医療費や介護費の厳しい抑制政策は、小泉改革を彷彿とさせる。小泉内閣時代に出された「骨太の方針2006」では、社会保障関連費の自然増を年間2200億円削減する政策が強行されたが、その結果、「医療崩壊」という言葉を生み出すまでに医療の現場を疲弊させることになった。
今回の社会保障費の自然増の抑制は、小泉改革よりも厳しい数字だ。その数字合わせのために、高齢者の高額療養費の負担増だけではなく、今回は後期高齢者医療制度の保険料軽減特例の見直し、入院時のホテルコストの見直しなども同時に行われ、病気やケガをした人の負担はどんどん増すことになるだろう。
「高齢者の高額療養費の限度額引き上げ」は、たんに制度改革のひとつかもしれないが、それを導火線として、小泉改革で経験したような貧困の増大、医療・介護の現場の疲弊につながる可能性は否定できない。
だが、少し前の過去は、そうした数字合わせの政策は都合よく運ばないことを教えてくれている。小泉改革は結局のところ実現せず、反対に社会保障を機能強化しようという大きな社会運動に発展したからだ。
今回の安倍政権による社会保障費の大幅削減は、2017年の日本の社会をどのように導くのか。目を凝らして見ていきたいと思う。

【DAIAMOND ONLINE・早川幸子】



こうゆう考えもあります。
by kura0412 | 2016-12-29 10:11 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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