カテゴリ:医療政策全般( 737 )

在宅医療・介護連携支援プラットホーム

インターネットイニシアティブ(IIJ)は、在宅医療にかかわる多職種の連携を支援するクラウド型情報共有プラットフォーム「IIJ電子@連絡帳サービス」を開発した。201741日より全国の自治体、医師会、医療法人などを対象に提供を開始する。サービス利用料は、初期費用不要、利用施設・人数にかかわらず月額20万円(登録患者数5000人まで)。2020年までに約150自治体での導入を目標にしている。

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同サービスのベースになっている「電子@連絡帳」は、名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センターが開発したもの。名古屋市医師会が展開する「はち丸ネットワーク」で152診療所・36病院が利用しているのをはじめ、愛知県内35市町村が導入している実績がある。今回、IIJと名古屋大学病院がクラウドサービス化(マルチテナント化)の共同開発を進め、全国への提供開始に至った。「スタンドアロンで展開していた名古屋大学から(導入・運用)コスト面でクラウドパートナーと組みたいという要望があった。当社がヘルスケア領域への参入を検討する中で、地域包括ケアを支える社会的基盤としての意義も大きく、(ヘルスケア事業推進の一環として)取り組むことにした」(IIJ経営企画本部 ヘルスケア事業推進部長の喜多剛志氏)。

電子@連絡帳は在宅医を中心とした多職種連携のための情報共有だけでなく、急性期病院や回復期病院からの在宅移行を支援するICTプラットフォームとしても機能する。「中核病院から在宅に移行する際に、(医療情報を共有しつつ)退院時カンファレンスをICT(クラウドサービス)でできる環境を提供する。そのためセキュリティーや医療情報システムに関するガイドラインを重視しており、IIJのクラウドを使う仕組みが強みとなる」(IIJ経営企画本部 ヘルスケア事業推進部ビジネス推進課シニアコンサルタントの小椋大嗣氏)。電子証明書と利用者ID2要素認証をはじめ、いわゆる「34ガイドライン」に準拠した高いセキュリティー基盤上でサービス提供する。

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在宅医連携、多職種間情報共有をサポート

IIJ電子@連絡帳サービスの主な機能は6つ。(1)患者基本情報の登録・一覧、(2)多職種のチームが患者にひも付いて掲示板形式でコミュニケーションをとる掲示板機能、(3)疾病状況や処方情報、要介護認定の際の評価情報などをまとめた医療・介護連携サマリーや薬剤サマリー、(4)主治医意見書や訪問看護指示書の作成・発行などを支援する定型文書発行機能、(5)患者にひも付かずにグループを作成してコミュニケーションやカンファレンスなどを実施できるグループ機能、(6)文書ファイルや画像ファイルを共有するファイル添付機能、である。 クリックすると拡大した画像が開きます

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また、複数の在宅医で24時間365日対応する連携型の機能強化型在宅療養支援診療所として加算できるようサポートする。医療・介護サマリーや薬剤サマリーによる在宅医どうしの情報共有に加え、各種サマリー文書や検査結果などをファイル添付してやり取りすることで、それぞれの受け持ち患者の情報を適宜共有できる。「連携型では月1回の在宅医どうしの対面カンファレンス実施の要件があるが、(これらの機能を使いながら)非対面で連携機能強化型在宅療養支援診療所として機能できるようサポートする」(小椋氏)。

IIJ電子@連絡帳サービス単体では医療機関の電子カルテなどの施設内システム、訪問看護ステーションの介護系システムとの連携機能は提供していないが、外部接続用ゲートウエイを提供する予定もある。「電子カルテや介護系システム、あるいはバイタル測定機器の連携ニーズは高い。各社のシステムが接続できるよう、すでに構築している外部接続用ゲートウエイを要望のある自治体に個別機能として提供していく」(喜多氏)。

同社ではIIJ電子@連絡帳サービスを、20174月に北関東の自治体(人口10万人規模)で稼働させるほか、人口100万人規模の九州の自治体でも2017年度中の導入を予定しているという。機能面ではスマートフォンやタブレット端末用に最適化したアプリを開発し、マルチデバイスに対応していく。

(日経デジタルヘルス)


by kura0412 | 2017-03-04 08:51 | 医療政策全般 | Comments(0)

経産省、紙カルテ外部保管のグレーゾーン解消

経済産業省は201731日、産業競争力強化法のグレーゾーン解消制度に基づき、紙媒体のカルテの長期保管サービスにかかわる取り扱いを明確にしたことを発表した。

今回、カルテを長期保管するサービスについて事業者から、事業者と契約する医療機関が「診療録等の保存を行う場所について(改正医政発032515号、薬食発03259号、保発03255号)」の各要件を満たし、医師法、歯科医師法、医療法の規定に違反しないかどうかの照会があり、これに回答した。

このサービスは、事業者が医療機関からカルテを預かってほしいという要望を受け、特に廃院予定の医療機関からの「人目に触れることなく保管し、確実に処分してほしい」という要望に応えて検討したもの。紙の診療録とX線写真のみを対象とし、電子データは対象としない。個人情報保護などの観点から、カルテの入った段ボール箱のまま保管し、カルテの一時取り寄せ要求にも箱単位で対応する。ただし、再診に対応するなどデータ化したカルテが早急に必要となった場合は、スキャンしたPDFデータなどをメールなどで送付する。

関係省庁がこのサービスについて検討し、照会内容に対して医師法第二十四条第二項、歯科医師法第二十三条第二項、医療法第二十一条第一項の規定に違反しない旨、回答した。これにより、医療機関が紙カルテを外部保管する際の基準を明確にした形。経産省では、紙カルテ保管サービスの導入が進むことで、医療機関における業務効率化やこの領域でのアウトソーシング市場の拡大につながると見込んでいる。

(日経デジタルヘルス)


by kura0412 | 2017-03-03 08:46 | 医療政策全般 | Comments(0)

国保の赤字慢性化

厚生労働省は28日、自営業者や非正規社員らが加入する国民健康保険(国保)は2015年度に2843億円の赤字だったと発表した。前年に比べ赤字額が243億円減った。財政支援で1700億円の公費が入り最終赤字は改善したが、高齢化や高額薬による医療費の増額に追い付かない。国保財政はなお厳しく、制度の抜本改革を求める声がくすぶりそうだ。

国保は健康保険の一つで市町村が運営。設立当初は自営業者や農林水産業者を中心にした公的保険だったが、近年は企業を退職した高齢者や非正規社員らが増えた。加入者は3182万人。毎年生じる赤字を市町村が税金で穴埋めしている。

厚労省は15年度分から赤字額の算定基準を変えた。従来基準でみると15年度の赤字は3274億円に膨らむ。

収支が苦しい主因は給付費の拡大が止まらないことだ。15年度の保険給付費は9兆5540億円で2.1%増えた。高齢化に加え、C型肝炎向けの高額新薬ソバルディやハーボニーが登場したことも影響した。

加入者が払う保険料は2兆9506億円で3.5%減った。加入者が120万人減った影響が大きい。収納率は91.45%と6年連続で上昇したものの、給付が増えて収入が減るという大きな流れは変わっていない。

国保はほかの健康保険に比べると、加入者の高齢化が進んでいることも財政を厳しくしている。平均年齢は14年度時点で51.5歳。このうち6574歳の高齢者が4割近くを占めている。高齢化するほど医療費はかさむため、国保の1人あたり医療費は33.3万円と大企業の社員が入る健康保険組合の2倍以上だ。

加入者の収入が低めのため保険料を上げにくい面もある。意図的に保険料を低く抑えて赤字を生み、税金で補填する市町村も一部にある。

政府は国保財政を支えるために15年度から公費の投入を拡充。さらに18年度には国保の運営を市町村から都道府県に移す方針だ。運営主体を広域に改めればバラバラの保険料を統一でき、財政基盤の強化につながると期待する声がある。半面、保険料が上がる自治体では収納率が下がる恐れも指摘されている。

(日経新聞)


by kura0412 | 2017-03-02 15:25 | 医療政策全般 | Comments(0)

薬局を選ぶ基準

厚生労働省は22日、薬局を利用する患者の後発医薬品(ジェネリック)に対する考えなどを把握するために昨年行った調査の結果を公表した。調査は毎年実施しているが、初めてウェブでも回答を集めた。その結果、薬局を選ぶ理由として医療機関からの近さを挙げる人が7割に上るなど、従来の郵送調査と異なる結果が見られた。

政府は、先発医薬品よりも価格が安いジェネリックの使用を促しており、使用割合(数量ベース)を年央までに「70%以上」まで引き上げるといった目標を掲げている。それを達成するための施策は、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)などで検討しており、厚労省の調査結果は、その材料になる。
患者の意向調査は、薬局を介して配った調査票を、郵送で回収する手法で実施してきた。しかし、調査を担当する中医協の専門部会の委員が、この方法だとバイアスがかかり、実態を正しく把握できない懸念があると指摘。そこで今回、ウェブ調査を導入し、郵送調査とでそれぞれ回答を集めた。ウェブ調査は、調査の3カ月前までに薬局に処方せんを持っていった患者を対象に行った。
調査結果は、22日の中医協総会で公表された。郵送調査の回答者は1016人、ウェブ調査は1040人。この中で、利用した薬局の選定理由を複数回答で尋ねたところ、郵送調査で「この薬局をかかりつけにしている」と答えた人の割合が53.1%で最も高かったのに対し、ウェブ調査では「医療機関の近くにあった」が最も多く、73.8%の回答を集めた。
また、薬について相談できる「かかりつけ」の薬剤師の有無を尋ねた結果、郵送調査では「いる」が66.8%を占めたが、ウェブ調査では「いない」が過半数の58.3%に達した。
さらに、ジェネリックの使用に関する考え方を聞いた質問で、「できれば使いたい」と答えた割合は、郵送調査が27.3%だったのに対し、ウェブ調査は42.4%で、ジェネリックの使用に積極的な人が4割超を占める結果となった。ただ、「できれば使いたくない」と答えた割合はいずれも10%超(郵送調査11.5%、ウェブ調査10.8%)で、使用に消極的な人が一定程度いることが、どちらの結果からも読み取れた。
また、ジェネリックがいくら安くなっても使いたくないと考える人に、その理由を複数回答で尋ねた結果、郵送調査でもウェブ調査でも、回答割合は「効き目(効果)や副作用に不安がある」「使いなれたものがいい」「報道等で品質、効果等に関して良い情報を聞かない」「医師がすすめない」の順に高く、ジェネリックの使用を推進する上での課題も浮き彫りになった。

(キャリアブレイン)



このようなアンケート結果がある中で、果たして厚労省が進める健康サポート薬局がどんな進展をっするのでしょうか。


by kura0412 | 2017-02-24 10:10 | 医療政策全般 | Comments(0)

療養費制度の整骨・接骨院では

接骨院や整骨院による療養費の不正請求が後を絶たず、厚生労働省は4月から対策を強化する計画だ。請求内容を審査する全国健康保険協会(協会けんぽ)などが担う審査会の権限を強め、請求者に領収証の発行履歴やカルテなどの提示を求められるようにする。食い違いなど不正の「証拠」をつかんでもらい、通報を受けた地方厚生局の指導や監査につなげる。


接骨院や整骨院は国家資格の柔道整復師が開設できる。打撲や捻挫などが健康保険の対象となり、療養費が支払われる。厚労省によると、2014年度までの5年間で不正が判明し、返納された療養費は約5億7千万円に上る。来院していない患者に施術したとして請求したり、施術日数を実際より増やし請求したりするケースが目立つ。対策では不正請求を見破るため、協会けんぽの都道府県支部などが設置する審査会の権限を強化。領収証の発行履歴やカルテなどの提示を求められるようにし、カルテに施術内容などの記載があっても領収証が発行されていないなど、辻つまが合わない事例を見つけてもらう。柔道整復師を呼び出し、説明を受けられるようにもする。審査では従来の長期間の通院などに加え、新たに「部位転がし」を重点項目に位置づける。保険適用されない肩こりなどの施術をしながら、打撲や捻挫を繰り返したとして請求する手口で、ここ数年目立つという。

厚労省は審査会の権限拡大で従来より多くの不正の証拠が地方厚生局に通報されるようになれば、同局による監査を強められるとみている。

監査は接骨院などに立ち入って調べ、不正を確定させる。15年度に同局が行った柔道整復師への面接による調査は89件で、うち監査に至ったのは26件。十分な証拠が集まらず「経過観察」となることが多いという。審査会が1施設で複数の不正請求があった証拠をつかむなどした場合、同局は面接調査を省略して監査を実施する方針だ。15年11月に接骨院で患者に施術したように装い、暴力団組員などが療養費を詐取する事件が発生。厚労省は対策の検討を進めていた。今後、有識者による専門委員会でこれらの対策を取りまとめ、3月中に都道府県などに通知。4月から運用を始める予定だ。

【日経新聞】


by kura0412 | 2017-02-17 16:36 | 医療政策全般 | Comments(0)

製薬会社が決める米国でも薬価問題が

米、薬価下げも焦点 企業に決定権 高騰に世論反発

トランプ氏に「天文学的に高い」と批判された米国の薬価は製薬企業が決める。日本や欧州では政府が価格の決定権を持つが、米国では自由に値付けできるため、高い価格をつけて巨額の研究開発費用を回収する手段ともなっている。

一方で値上げの理由が不透明なケースもある。後発薬のマイランのアレルギー反応を緩和する注射薬「エピペン」は値上げを繰り返し昨春には2本で約600ドルと2007年の6倍の水準にしたことが社会問題に発展。その後、半額の後発薬の発売に追い込まれた。こうした価格高騰への世論の反発は根強く、企業への逆風が強まっている。
1月31日のトランプ氏との会談に出席しなかったファイザーのイアン・リードCEOは「値決めの考え方を改めるつもりはない」と述べ、税制改革や後発薬の承認の迅速化によって値下げにつなげるべきだと従来の主張を繰り返す。
2月7日にはスパイサー大統領報道官が記者会見で、トランプ氏はメディケア(高齢者医療保険制度)がカバーする医薬品の値下げに向けた価格交渉に前向きだと発言した。今後どのような具体策を打ち出すのかが注目される。

【日経新聞】
by kura0412 | 2017-02-14 09:04 | 医療政策全般 | Comments(0)

医科における自由診療の定義

保険が効かない「自由診療」とは
どんな治療なのか

がんの病期が進むにつれて、健康保険で使える抗がん剤を使っても効果がはかばかしくないという状況になってくるケースがあります。その場合に保険が効かない治療法に賭けてみたいと思う人もいらっしゃいます。その場合は「自由診療」となるのですが、今回はその自由診療についての基本的な知識をご紹介します。
現役の国立病院の内野三菜子医師が、がんの主治医に聞きにくいようなことや、知っておいたほうがいいことなどを解説した本『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』の中では、治療や病院選びのほかに、こうした公的な保障や制度についても詳しく解説しています。
この連載では、その本の中から気になるところを、再編集して紹介していきます。

Q 高額な医療費がかかる「自由診療」とはどんなもの?

この連載でも書いてきたように、健康保険が適用された治療は、医療費そのものが高くても、「高額療養費」によって患者さんの自己負担は低く抑えることができます。
しかし、がんの病期が進むにつれて、健康保険で使える抗がん剤を何種類も試してきたけれども効果がはかばかしくない状況も出てきます。効果がわかっている治療であれば健康保険でカバーされるのでそれに則って治療をすれば良いのですが、なかなか病巣の勢いを抑え込めない状況になると、現時点では効果があると明らかでない治療にも賭けてみたい、と希望する患者さんもいます。
そこで出てくるのが、健康保険がきかない「自由診療」です。自由診療を受けるのは、もちろん個人の自由ですが、健康保険が使えないので費用は全額自己負担となります。
そして自費診療のクリニックなどでその治療を行う施設自体の安全性や有効性が担保されていない場合もあるので、利用する場合は注意が必要です。
インターネットなどで検索した方はご存じだとは思いますが、がんの自由診療で昔から盛んに言われている治療法が「免疫療法」です。免疫療法とは一口にいってもいろいろな種類があり、自分の血液からリンパ球を採取して免疫を復活させるもの、ワクチン療法と呼ばれるもの、病院で行われていて、効果が認められ、部分的に保険適用されている免疫チェックポイント阻害薬なども含まれます。
ここで問題なのは、個人のクリニックなどで行われている効果が科学的に適切と受け入れられていない治療法です。
これに関しては、自由診療ですから、全額自己負担になり、治療方法によっては総額で何百万にもなるケースが見受けられます。さらに金額だけではなく、そこで何らかの治療トラブルがあり、具合が悪くなってしまって、大病院へ運ばれたとしても、自由診療を受けたあとは、健康保険がきかずにすべて自己負担になってしまいます。例えば、個人クリニックで、何らかの治療を施術していた患者さんが、その治療の副作用で、急に心肺機能が低下し、大学病院に運ばれてきて集中治療室に入ったところ、健康保険が使えずに部屋代だけで一晩10万円以上かかってしまったということもあります。

自由診療の前に専門機関でおこなっている
「治験」に参加するのもひとつの方法
がんの免疫療法については、多くの大学や専門施設で臨床研究が行われていますし、厚生労働省から高度医療と承認された免疫療法を提供している施設もあります。個人的な意見ですが、免疫療法を試してみたいというのであれば、そういった、専門機関で、まずは治験に参加していただきたいと思います。
治験というのは、臨床研究のなかでも、医薬品メーカーや医療機器メーカーが、国の承認を得ることを目的として行われるものです。
治験であれば、治療にまつわる副作用や合併症が起こっても、保障がされていますし、何よりもその治療結果が効いても、効かなくてもその結果は、未来の患者さんたちへの社会貢献になります。
ただし、その試験ごとに病状やステージ、それまでに受けた治療など、参加する条件が決められているので、希望すれば誰でも受けられるというわけではありません。患者さんが臨床試験に参加する場合は、新しい治療法を受けるグループ、これまでの標準治療を受けるグループに振り分けられ、どちらの効果が高いかが調べられます。ですから、臨床試験に参加しても、どちらのグループに振り分けられるかはわからず、必ず新しい治療が受けられるとは限りません。
国立がん研究センターが運営している「がん情報サービス」のサイトでは、募集中の臨床試験の情報を調べることもできるので、自分の条件にあった試験に患者さんが自ら応募することも可能です。ただ、臨床試験が視野に入ってくるのは、がんが進行したり、転移したりして、他に治療法が見つからないときが多く、新しい情報をもっている医師から勧められて参加するというケースが多いと思います。
自由診療に関する基本的なポイントを書きましたが、自由診療すべてが怪しいわけではありません。「保険医療機関」であっても、診療の内容ごとに、自由診療として行う治療を提供する場合もあります。例えば、レーシックによる近視矯正手術、シミを取るなどの美容整形、さらにはインプラントなども自由診療で、大きな病院でも行っています。

A 保険適用がないため高額な医療費になる治療法。一度施術するとそれ以降の診療も全額自己負担になってしまうので要注意。

【DAIAMONDONLINE】



既に改めて通知が出ていますが、医科は歯科の自由診療との認識が違います。ということは、歯科独自の診療体系も可能も残されているのかもしれません。
by kura0412 | 2017-02-10 11:12 | 医療政策全般 | Comments(0)

『医療ビッグデータの「政策提言2016」を安倍首相へ』

医療ビッグデータの「政策提言2016」を安倍首相へ
医療ビッグデータ・コンソーシアムが取りまとめ

医療ビッグデータ・コンソーシアムは2017年2月6日、東京都内で記者発表会を開催し、「医療ビッグデータ・コンソーシアム 政策提言 2016」を発表した。医療ビッグデータの構築と利活用に向けた課題や解決策を提言したもので、先週、安倍首相へ提出済み。総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省にも提出するという。

同コンソーシアムは医療ビッグデータの構築と利活用、それを通じた価値創出などを目指す産官学連携組織。製薬企業やIT企業など18社が会員に名を連ねる。今回の提言は2015年12月に発表した「医療ビッグデータ・コンソーシアム 政策提言 2015」に続くもので、2016年に開催した33回の会議を経て取りまとめた。
「医療ビッグデータの整備といっても、本当に実現するのは大変なこと。『絵に描いた餅』にしてはならない。実際に使える形でのデータの整備や対応する人材の育成など、これまで持ち越されてきた課題を総括する提言とした」(医療ビッグデータ・コンソーシアム 代表世話人で京都大学大学院医学研究科 附属ゲノム医学センター センター長・教授の松田文彦氏)。「医療ビッグデータの活用では、データの継続性が問われる。20年や30年というライフサイクルで継続できる医療情報の基盤づくりが重要だ」(同代表世話人でディジタルプラネット 代表の中村重郎氏)。

今回の提言はこれらの課題を意識し、医療ビッグデータを(1)つくる、(2)つなげる、(3)ひらく、の3本柱で構成した。
(1)では、データの共有・活用を前提とした医療情報システムの整備を訴え、クラウドやIoT、AI(人工知能)などICTの進化を踏まえた「次世代病院医療情報システム(NHIS:Next Generation Hospital Information Systems)」を提案した。NHISはデータの柔軟な連携可能性、新しい医療機器・デバイスに対応できる拡張性などを特徴とし、医療業務の品質向上や効率化、災害時の医療情報保全などの効果が期待できるという。
(2)は、NDB(National Database)をはじめとする医療ビッグデータの民間での活用促進を提言したもの。NDBのオンサイトセンターの支援強化や、医療ビッグデータの民間活用に向けたルールづくり、インフラ整備、人材育成などの必要性を訴えている。
(3)は、個人情報保護のあり方に関するもの。改正個人情報保護法の全面施行による医療分野の規制強化への懸念を示すとともに、医療分野は個人情報保護においても“特別”との前提に立つ制度設計を提言した。医療情報の匿名加工・提供を担う「代理機関」についても、その組織形態やデータの2次利用目的にできる限り制限を設けないことを求めている。

【日経デジタルヘルス】
by kura0412 | 2017-02-08 10:02 | 医療政策全般 | Comments(0)

医薬分業ぼやける構想

医薬分業ぼやける構想 患者に役立ってこそ

昨年、超高額な抗がん剤の登場が話題となった。高齢化に伴い増え続ける医療費の抑制はかねて大きな課題であることから、この薬の値段は半額に引き下げられることになった。薬価全体もより引き下げが進む方向で制度を見直すことが決まった。その一方で、薬をめぐって費用が減るのか増えるのか、どう役立っているのかなどがわかりにくい政策がある。「医薬分業」だ。
医薬分業とは、病院や診療所では処方箋だけを発行し、それに基づいて実際に薬を受け取るのは病院などとは別の薬局にする仕組み。薬剤師が薬の有効性や安全性を確認し、医療の質を上げることが目的とされる。欧米では標準的な仕組みで、日本でも分業を進める政策がとられてきた。
最近では医薬分業をより進め、「かかりつけ薬局」を患者に身近な場所で決めてもらおうとの政策へ発展している。複数の医療機関を受診しても、それぞれで発行される処方箋をすべて1カ所のかかりつけ薬局に持ち込めば、重複している薬や飲み合わせの悪い薬をすぐに見つけることができ、効率的な医療が実現するとの触れ込みだ。
ところが、この流れに逆行するかのような動きが出てきた。病院敷地内での薬局開設だ。今もすでに大病院の門前には複数の薬局が存在する例があるが、さらに「門内」にも薬局をつくろうというものだ。
昨年後半から、千葉大病院、滋賀医科大病院、公立能登総合病院など各地の公的な大病院で敷地内薬局の計画が相次いでいる。さらに広がれば、各病院の処方箋は各病院の門内薬局に持ち込むケースが増えるだろう。「かかりつけ薬局構想が形骸化する」(日本薬剤師会)と批判も出始めた。
相次ぐ計画の背景には、政府が規制改革推進会議などでの議論を踏まえて、薬局の立地規制を緩和したこともあるようだ。患者の利便性を重視すれば一律制限には問題もあるが、「政府は医薬分業を進めたいのか、そうではないのかがわからない」(薬局関係者)との声もあがる。
ただ、そもそもは規制や制度で医薬分業やかかりつけ薬局を推進しようとの姿勢に無理があるともいえる。患者のために努力している薬局もあるが、今も「薬局は処方箋通りに薬を渡すだけ」との見方が残る。処方された薬の記録を管理していなかった薬局が問題になったこともあった。
こんなことでは病院の中や目の前で薬も受け取れる方が便利といわれても仕方ない。「医薬分業の費用対効果の検証が必要」(印南一路・慶応大教授)との指摘もある。
高齢者の薬の飲み残しは年間500億円分あるともいわれる。本当に必要なのかがわからない投薬があるとも指摘されている。薬局の薬剤師には、医師と連携してこのような無駄をなくし、患者の健康維持にも寄与するといった役割が期待されている。各地域での医療の質の向上、効率化に明確に役立ってこそ、医薬分業やかかりつけ薬局は真に定着していくのではないだろうか。

【日経新聞】
by kura0412 | 2017-01-31 11:08 | 医療政策全般 | Comments(0)

医療ツーリズム

医療目的の訪日客受け入れ 政府、まず28病院

政府は治療や健診を目的に日本を訪れる外国人の受け入れに特に適した医療機関を推奨する。まず東京大学や大阪大学の付属病院、慶応義塾大学病院(東京)など全国28病院を選んだ。外国人向けのサービス体制などを海外の政府機関や医療機関に周知する。訪日客が安心して受診できる環境を整えて「医療ツーリズム」に弾みをつける。

医療の国際展開の司令塔として政府が主導して設立した一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパン(東京・千代田)が審査した。患者が渡航前に大まかな費用を見積もりできるかどうかや、複数の学会認定医がいるかどうかなどを調べた。
第1弾は東大、阪大、慶大のほか、聖路加国際病院(東京)、虎の門病院(同)などを選んだ。3年間の更新制で、仙台厚生病院(宮城)、藤田保健衛生大学病院(愛知)、福岡記念病院(福岡)、米盛病院(鹿児島)など地方からも入った。
選定した病院は「ジャパン インターナショナル ホスピタルズ(日本国際病院)」として海外の政府や医療機関に推奨する。在外公館や各国大使館を通じ、受診できる診療科や先進医療など各病院のサービス体制を情報提供する。
医療目的で日本を訪れる外国人は中国を中心に増えている。医療滞在ビザの発給件数は2015年は約950件と4年前の13倍になった。ビザがなくても健診や治療は受けられるため実態はもっと多い。病院を推奨することで外国人が体制の整っていない病院に行くことを防いだり、地方の病院に患者を分散したりする効果も想定している。
今は海外から直接、病院に問い合わせる外国人も多く、病院の事務負担が重くなっている。今後はJTBなど別に認証した「医療渡航支援企業」を窓口にして外国人患者を推奨病院に誘導し、病院側の負担を減らすことも目指している。
医療機関の認証制度にはこのほかに定住外国人向けの医療機関を認証する制度がある。

【日経新聞】



歯科もこの中に入っているのでしょうか。いずれにせよ、歯科もこの種の動きは早々に出てきそうです。
by kura0412 | 2017-01-31 10:22 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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