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レセプト様式、請求事務等「ゼロベースで見直し」

レセプト様式、請求事務等「ゼロベースで見直し」
情報の利活用も推進、2018年度改定から段階的対応

厚生労働省は、7月12日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、「診療報酬に係る事務の効率化・合理化」と「診療報酬に係る情報の利活用」を2018年度改定から段階的に進めることを提案、診療側と支払側からともに、現場に負担がかからないように慎重に進めるとの意見が出たが、方針については了承した。厚労省は今秋頃を目途に、検討のたたき台を提示し、議論を進める方針。

厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、以前から請求事務等の簡素化などの要望が挙がっていたことを踏まえ、今回の提案の趣旨を次のように説明し、大幅な見直しを進める方針を掲げた。「レセプト様式については、これまで事務的に対応できる範囲でやってきた。しかし、レセプト記載の考え方などを、ゼロベースで見直すことはやったことはない。必ずしも次の改定(2018年度改定)で全てができるわけではないが、レセプトの在り方やその情報の利活用などについて、制約なしに考えていきたい」。

今後のスケジュールについて、厚労省は、「2020年度には、支払基金のシステム刷新が予定されていることから、「こうした動きと連動して対応を進めることが必要と考えられる」と提案。また届出・報告等の簡略化や添付書類の省略化等については、定量的な目標値を定めて取り組む方針を示した。日本医師会常任理事の松本純一氏と全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、いつ、何を実施するのかという「工程表」の作成を要望した。
「診療報酬に係る事務の効率化・合理化」については、レセプト様式の見直し(摘要欄等のフリーテキストにより記載しなければいけない部分、症状詳記などの添付書類についての負担軽減など)、施設基準の届出項目の簡素化、告示・通知等の記載の曖昧な部分の見直し、診療プロセスの記載(入院診療計画書など)を求めている算定要件の内容や必要性の精査――などについて検討。
健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「レセプトは、保険者にとっては“宝の山”。レセプトの役割は、診療報酬の請求というより、医療の質の分析、標準化を進めるツール」と述べ、今のレセプト様式では分析しにくいことから、「どんな疾患に対し、どんな医療行為が実施され、どのくらい医療費がかかっているのか」が分かる様式への変更を求めた。
「診療報酬に係る情報の利活用」に関して、厚労省は「レセプトはこれまで保険医療機関が診療報酬を請求するためのものという位置付けが強かったが、(中略)レセプトデータの分析・活用で、効果的・効率的な医療の提供や質の向上につながるものであり、レセプトデータのさらなる利活用を推進する必要性がある」と指摘。患者の住所情報の追加、傷病名や診療行為に関する標準的なマスターの使用を進めるほか、急性期入院医療以外の分析も容易になるよう診療実績データ(DPCデータ)の見直しを行う方針。
日本医師会副会長の今村聡氏は、レセプトなど医療に関するさまざまなデータに関する研究や実際の利活用が進む現状を踏まえ、「どこで、どんな目的で、いかなるデータが利活用されているか」について一度、整理し、委員の共通理解とした上で議論を進める必要性を指摘した。

「レセプトは、保険者にとっては“宝の山”」
厚労省の提案に対し、まず意見を述べたのは、吉森氏。「考え方は十分に理解できる」とした上で、レセプト審査だけでなく、保険者が実施するデータヘルス事業など、さまざまな場面でレセプトデータを使用していることから、今回の見直しは「システム面の改修には、相応の時間と費用が必要。それだけでなく業務面でも大きな影響が出るのは必然」と指摘。また「コンセプトを明確にして、十分な時間的余裕を持って、対策を講じることが必要。また必要最小限の見直しでスタートし、その後、拡張していくべき」と述べ、段階的対応という厚労省の方針も支持し、その工程表を作って推進していくべきとした。
同じく支払側の幸野氏が強調したのは、レセプト情報の利活用。「レセプトは、“宝の山”」であるものの、今のレセプト様式は、月単位であり、複数の傷病名がある場合、どの傷病にどんな医療行為が実施されたのかが分かりにくいと指摘し、この問題点が解決できる様式への変更を求めた。

請求事務、届出の簡素化・合理化を
診療側の松本(純)氏も、吉森氏と同様に、システム刷新などで相当の影響があると指摘し、「2018年度実施、あるいは2020年度以降に実施するものを段階的に並べて整理し、議論をしていくことが必要」と求めた。さらに、厚労省の資料で、今回の提案が「大幅な見直し」とされている意味について、質した。その答えが、前述の迫井課長の「ゼロベースでの見直し」だ。
日医常任理事の松本吉郎氏も、特に過疎地や中小の病院などでは対応が容易ではないことを踏まえ、対応のための十分な時間と、費用負担への担保などを要望。
そのほか、全日本病院協会会長の猪口雄二氏は、最近は改定のたびに、診療報酬の関係資料が増えていることから、診療報酬本体およびその届出など、合理化・簡素化できる部分は進めるべきと指摘。日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、これを機に、被保険者の資格確認だけでなく、請求内容についても、提出前に医療機関側でチェックできるレセプトオンラインのシステムにすべきと提案。専門委員の日本看護協会副会長の菊池令子氏は、訪問看護療養費は、介護保険ではオンライン化されているものの、医療保険ではオンライン化されていないことから、その推進を求めた。

(m3.com)



前のブログにあるAIとこれがリンクして大きな変革なるわけです。
by kura0412 | 2017-07-19 09:34 | 医療政策全般 | Comments(0)

「診療報酬、AIが審査で効率化」

診療報酬、AIが審査で効率化 厚労省

厚生労働省は、診療報酬の請求を審査する「社会保険診療報酬支払基金」の合理化策を公表した。報酬支払いの審査に人工知能(AI)を導入することを柱にした。AIの活用によって2022年度までに審査の9割についてコンピューターで処理する目標を盛り込んだ。都道府県ごとにばらつく支払いルールをできる限り統一し、業務の効率化をすすめる。
診療報酬の請求の仕組みをめぐっては、現在、医療機関から報酬の請求を受けると、基金の職員や医師らが明細書を審査している。これをAIを活用して大半をコンピューターだけの審査に切りかえる。20年度までにシステムを完成させる。
システム完成後もコンピューターだけで対応しきれない一部の審査は職員らが担うという。ただ、新規採用の抑制などで現在の職員数の2割にあたる約800人を減らす方針もあわせて示した。
また支払基金は都道府県ごとに支部があり、これまで支払いのルールにばらつきがあった。AI処理の導入にあわせシステムを都道府県で可能な限り統一することにした。審査基準も今までより明確にする。
組織の統合も検討する。
政府の規制改革会議などから「都道府県ごとにある基金支部は集約すべきだ」という指摘を受けていたことを踏まえ、厚労省は遅くとも18年度までに、一部の地域で組織を統合し、問題点を検証する。支払基金は運営経費が年間約800億円かかっており、厚労省は経費削減も求めていく方針だ。

(日経新聞)


診査そののに大きなメスを入れるチャンスでもあります。無論、逆なこともあり得ます。
by kura0412 | 2017-07-19 09:28 | 医療政策全般 | Comments(0)

「途上国で医療制度整備 政府、データ収集や薬輸送」

途上国で医療制度整備 政府、データ収集や薬輸送

財務省と厚生労働省は世界銀行や世界保健機関(WHO)と連携し、国民皆保険に代表される日本の医療システムを途上国へ提供する。国民の栄養状態といった基礎データの収集や医薬品の輸送網づくりについても支援する。まず10カ国と制度づくりに向けた協議に入る。インフラ整備で存在感を増す中国に、医療システムなどのソフト面も手厚く支援することで対抗する。

日本政府は12月に世銀やWHO、国連児童基金(UNICEF)、途上国の保健担当者を集めた会合を開く。医療システムや国民皆保険制度の整備を最終目標として途上国を支援する考えを表明する。今後、途上国で実証実験をしてシステムづくりの指針や事例をまとめる。途上国に普及を促すため、2年に1回は同じ会合を開き、進捗を確認する見通しだ。
途上国では保健所が未整備の地域も多い。予防接種やワクチンが普及しにくく、突然死する人が増えても中央政府に情報があがらず対応が後手に回る。そこでまず国際協力機構(JICA)や世銀が中心となって保健所の建設や情報網づくりの資金援助をしたりノウハウを提供したりする。
続いて住民の栄養状態や死亡率といったデータの定期的な更新に着手する。医薬品の輸送では道路や鉄道が未整備な場合に備えてドローンを使った輸送網の構築も試みる。保険財源となる税の集め方や社会保険料を元手にした社会保障制度づくりも支援項目とする。
支援対象とする国はアフリカのシエラレオネやガーナ、セネガルのほか、アジアではベトナムやカンボジアなど10カ国。アフガニスタンやスーダンのように政情が不安定な国で医療システムを構築するにはどうすればよいかといった知見も集める。日本政府は各国と支援分野の協議に入る。
日本が保健や医療分野の支援を訴えるのは、中国との違いを鮮明に打ち出す狙いがある。日本はこれまで質の高いインフラ投資を通じ、アジアの鉄道や道路、港湾の整備を支援してきた。しかし近年は中国もアジアインフラ投資銀行(AIIB)などを通じて貢献を高めている。
日本は昨年、世銀と組んで感染症が急拡大した場合に迅速に資金支援する枠組みをつくったほか、今年5月にはJICAがアジア開発銀行(ADB)と保健分野で人材交流や上下水道への協調融資を推進する覚書を締結。インフラだけでなく保健分野など国民の生活に密接に関わる部分の制度や仕組みを整えることで、途上国各国との連携を深める。

(日経新聞)



これこそが日本の歯科界が取り組み、日本の歯科医療を世界に発信し、貢献できる政策です。
by kura0412 | 2017-07-19 09:24 | 医療政策全般 | Comments(0)

1500億円から1300億円に

社会保障費1300億円抑制 18年度予算、自然増分
診療報酬下げ焦点

14日の経済財政諮問会議で18年度予算の議論に着手した。社保費が最大の焦点だ。財務省は診療報酬改定で薬の価格を市場実勢に合わせて下げ、医師の技術料の引き下げも目指す。診療報酬を1%下げると1000億円程度が削減できるが、自民党厚労族は反対だ。
費用対効果の薄い薬の価格を下げたり、後発薬があるにもかかわらず新薬を選んだ場合に患者負担を増やしたりするルールの導入も検討する。
介護では要介護度の低い人向けの掃除や調理など生活援助の見直しが課題。自立を妨げているとの指摘があるためだ。
子育て向けに数百億円の財源確保も必要だ。20年度末までに待機児童を解消するため、22万人分の保育の受け皿整備を始める。財務省は高所得者への児童手当の特例給付の廃止を検討する。

(日経新聞)



来年度は本年度までの1500億円から1300億円になっています。そしてその財源のメインは薬価差額です。
by kura0412 | 2017-07-19 09:20 | 医療政策全般 | Comments(0)

日経新聞・社説

医療・介護費を不断の改革で抑えよ

2014年度の国民医療費は40兆円強、介護給付費は10兆円と合わせて50兆円を突破した。国内総生産(GDP)比は早くも節目の10%水準に達している。医療・介護費は経済成長を上回って膨張しており、制度の持続性が危うい。
これまで私たちはGDPの10%を大きく超さぬよう不断の改革で膨張を抑えるよう求めてきた。
戦後ベビーブーム期に生まれた団塊の世代「1期生」が後期高齢者になるまでに5年しかない。安倍政権は制度の持続性を確かにする改革に早急に乗り出すべきだ。

安易な後期医療の財源
政権は19年10月に消費税率を10%に上げる。医療・介護費の膨張構造を温存したままでの増税は、穴が開いたバケツに水を注ぐに等しい。増税分を社会保障の充実に有効に使うためにも、まず給付抑制に主眼を置かねばならない。
政府は18年度に医療・介護の公定価格である診療報酬と介護報酬の増減率を同時に改定する。主に医療職の人件費に充てる診療報酬本体の改定率は、日本医師会を巻きこんでの大議論になろう。
デフレが続き、賃金水準が全般に伸び悩んだこの十数年、報酬本体は上昇基調をたどっている。一段の引き上げの必要性は小さい。
医療改革の重要な論点は、公の健康保険の給付範囲をどうするかだ。医師が処方する薬のなかには薬局が扱う市販薬と成分や効果・効能が変わらないものがある。このような処方薬は保険の対象から外すのが原則である。
先進医療の扱いも焦点だ。
医療技術の進歩には目を見張るものがある。がんや循環器疾患などの分野では新技術や新薬が次々に開発されている。患者本位の医療を実現させるためにも、有効性・安全性を確認したものは早く治療に使えるようにすべきだ。
それには、当座は保険対象外であっても、患者がほかの保険診療と同時に受けられる混合診療を広げるのが理にかなっている。
重複受診や多重検査を減らすには家庭医と専門医の役割分担を促すのが有効だ。医学教育を拡充させ、種々の病気を一通り診られる家庭医を育てる必要がある。
患者は重篤な病気が疑われる場合を除き、家庭医へ行くのを原則とし、必要に応じて専門医にかかる仕組みにする。双方の連携を密にすれば医療の質は高まる。
加えて医療費の負担構造の見直しが待ったなしだ。後期高齢者の医療費は税財源を主体にするのが筋である。しかし厚生労働省などは企業の健康保険組合などの拠出金を増やすことで繕った。
取りやすいところから取る策の典型であろう。社会保障・税一体改革による消費税の増税分を充てる病院補助金などは減らし、後期医療に回してはどうか。

今や年間の死亡者は130万人を超える。25年には150万人に激増する見通しだ。多死社会が到来するなかで介護保険改革が急務だ。論点は主に3つある。
第1は、真に介護が必要な人に質の高いサービスが届くよう、軽度の要介護者はその経済状況に応じて自己負担を増やすなどして給付範囲を絞り込む。料理、掃除の手伝いなど生活援助を漫然と続けていては制度はもたない。
第2は、要介護度の改善や自立の後押しだ。どのサービスがより効果的か、自治体は先進事例の研究やビッグデータ分析を急ぎ、有効な仕組みをつくってほしい。

介護の給付範囲を絞れ
第3は、要介護者を支える体制を自治体が当事者意識を持って整えることだ。末期がんの痛みを和らげるケアやみとり医療の重要性は一段と高まっている。持病を抱えていても病院より自宅や施設で暮らしたい高齢者の思いに応えるためにも、急性期病床から居住性の高い施設への転換を促したい。
介護は重労働だ。それに見合う賃金の引き上げが課題だが、財源を介護報酬だけに頼るのは無理がある。解決策の一つは、利用者が自費でサービスを受けやすくすることだ。その前提として保険サービスと組み合わせる混合介護の使い勝手をよくする必要がある。
逆風のなかで介護人材を増やすのが喫緊の課題だ。法務、厚労両省は外国人の技能実習に介護を加えるが、付け焼き刃と言わざるを得ない。経済連携協定を結んだ東南アジアの国から意欲ある人材が来やすいよう運用を見直すのが本道だ。ロボット介護をどう位置づけるかも、結論を急いでほしい。
高齢者などからの反発を恐れて医療・介護改革を先送りすれば制度がもたない。為政者は将来世代に責任を持ち、正面から切り込むべきである。

(日経新聞・社説)



人間をまるでパソコンでも作るような考え方で論じています。
by kura0412 | 2017-07-19 09:01 | 医療政策全般 | Comments(0)

いい医療の日、記念日登録

「いい医療の日」について

横倉義武会長は、6月28日の定例記者会見で、日医の設立記念日である11月1日を「いい医療の日」と定めることになったことを報告した。
日医ではこれまで、より良い医療の在り方について、国民と医師とが共に考えながら、更なる国民医療の向上に寄与していくことを目的として、日医の設立記念日と「いい(11) 医(1)療」の語呂合わせから、11月1日を「いい医療の日」に制定することを提案していた。
横倉会長は、「このたび、記念日の文化的、歴史的、産業的な発展と、記念日情報の総合窓口としての活動等に取り組んでいる一般社団法人日本記念日協会に対して、『いい医療の日』の記念日登録の申請を行ったところ、認定を受け、記念日登録証が交付された」と説明。その上で、「この登録をきっかけに、『いい医療の日』が広く国民に認知されるよう、今後もさまざまな活動に取り組んでいきたい」と述べた。

(日医HP)



歯科もこれに加えてもらうのも一考かもしれません。さて、6月4日、11月8日は記念日登録しているのでしょうか。
by kura0412 | 2017-07-04 11:21 | 医療政策全般 | Comments(0)

成長戦略は重点分野として「健康寿命の延伸」が

重点5分野に政策資源 政府が成長戦略素案

政府は30日、未来投資会議を開き今年の成長戦略の素案を示した。人工知能(AI)やビッグデータを起爆剤に「第4次産業革命」を目指すことが柱。安倍晋三首相は同会議で「少子高齢化に直面する日本は、失業問題を恐れずに人工知能やロボットを存分に活用できる」と述べ、日本が強みを持つ分野で規制改革などを重点的に進める意向を示した。

成長戦略は重点5分野として「健康寿命の延伸」「移動革命の実現」「サプライチェーンの次世代化」「快適なインフラ・まちづくり」「フィンテック」を挙げ、日本の強みが生きる分野に政策資源を集中する方針を示した。こうした分野でのデータ利用基盤の整備や人材投資強化、ベンチャー支援などを政府が先導する方針を打ち出した。
医療・介護の効率化では医療サービスの公定価格にあたる診療報酬を2018年度に改定するのにあわせ、電子機器を使って遠くから患者のデータを集めるオンライン診療を普及させるため報酬も優遇する。患者にとっても通院する手間が減るメリットがある。介護ロボットの導入を促すため、介護報酬や人員・設備基準を見直す。
自動運転の普及では、ドライバー1人で複数のトラックを走らせる隊列走行を22年に商業化する。過疎地などの移動弱者を救うため、無人自動走行による移動サービスは20年の実現を目指す。全国10カ所以上で公道での実証実験に入る。自動走行のための安全基準づくりや法改正などの方針も決める。ドローン(小型無人機)による荷物配送は20年代に都市部で実現するため、機体や操縦者の要件を明確にする。

(日経新聞)
by kura0412 | 2017-05-31 08:19 | 医療政策全般 | Comments(0)

先ずは骨太方針での議論です

医療は効率化・重点化、「診療報酬、不必要に上げず」
財政審、「骨太」に向け社会保障改革の議論始める

財務省は4月20日、財政制度等審議会の財政制度分科会(分科会長:榊原定征・経団連会長)を開き、6月にもまとめられる経済財政運営の指針「骨太の方針2017」に向けた社会保障改革についての議論を始めた。分科会後に記者会見した財政審委員の土居丈朗・慶応大経済学部教授は、2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定を見据え、「医療経済実態調査が出てない段階で言うのは難しいが、当然、不必要に報酬を引き上げるということにはならない。しっかりと効率化、重点化を医療・介護とも行うことが必要だ」と述べた。
分科会では、「地域医療構想に沿った医療提供体制の実現や、医療費適正化計画の策定は進めていくべき」「薬価制度改革で議論があるが、その議論だけではなく、多剤投与や重複投与にも手をつける必要があるのではないか」など、効率化を求める意見が出たという。

制度改革の検討項目提示
財務省は財政審に、昨年まとめた改革の4つの視点である
(1)高齢化の進展を踏まえた医療・介護提供体制の確保、
(2)大きなリスクは共助、小さなリスクは自助、
(3)年齢ではなく負担能力に応じた公平な負担、
(4)公定価格の適正化・包括化等を通じた効率的な医療・介護
――に沿って医療・介護制度改革の具体的な検討項目を提示した。

まず(1)について、かかりつけ医の普及に向けて、病院・診療所の機能分化の観点から、選定療養による定額負担について診療報酬への上乗せではなく、保険財政の負担軽減につながるよう仕組みを見直した上で、対象範囲の拡大や、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入を主張。医療費適正化に向けた診療報酬の特例の活用や、病床再編等に関する都道府県の体制・権限の整備も挙げた。
(2)に関しては、薬剤自己負担の引き上げについて、薬剤の種類に応じた保険償還率の設定や一定額までの全額自己負担といった諸外国の例を参考としつつ、市販品と医療用医薬品のバランスやリスクに応じた自己負担などの観点を踏まえて具体的内容を検討して実行すべきとした。

金融資産の捕捉、改めて示す
(3)では、現行制度下で、入院時生活療養費等の負担能力の判定に際しても介護保険の補足給付と同様の仕組みを適用すべきとした上で、今後の制度設計として、マイナンバーを活用して所得だけでなく金融資産の保有状況も捕捉し、負担能力を判定することを検討すべきだという「骨太の方針2015」以降目指してきた仕組み作りを改めて示した。
後期高齢者の自己負担のあり方についても、見直しの必要性に言及。
現在70歳から74歳で段階的に実施している自己負担割合の2割への引き上げを75歳以上にも実施すること、2019年以降に新たに75歳になる人については2割負担を維持すること、2019年時点で既に75歳以上の人については数年かけて段階的に2割負担に引き上げることを求めた。
(4)に関しては、後発医薬品の平均価格を超える部分について原則として自己負担で賄う仕組みづくりや、生活習慣病治療薬等の処方ルールの設定を主張した。

分科会では、医療保険財政の関係では、「(社会保障関係費の伸びの)目安の5000億円の自然増を守ればそれでいいということではなく、さらなる達成をするようなことも必要ではないか」「負担能力に応じた公平な負担という考え方が重要。中でも後期高齢者医療に係る窓口負担等については、今から改革について議論をしていくことが重要」といった意見が出た。

(m3.com)
by kura0412 | 2017-04-21 16:31 | 医療政策全般 | Comments(0)

受動喫煙防止法案行き詰まり

受動喫煙防止のための健康増進法改正を巡り、改正案を協議する自民党厚生労働部会が開かれず、国会提出のめどが立たない状況が続いている。禁煙の徹底を掲げる厚労省に対し、200人超が参加し分煙を推進する党内の巨大議員連盟が反発しているためで、7月の東京都議選を前に対立の表面化を避けたいとの思いもにじむ。

「そろそろ厚労省の考え方をご説明する機会をいただきたい」。塩崎恭久厚労相は11日の記者会見で、部会開催を訴えた。閣僚が自民党の部会運営に口出しするのは異例だ。

厚労省が昨年まとめた「たばこ白書」によると、受動喫煙が原因とみられる国内の推計死亡者数は年間約1万5千人。塩崎氏は「日本は世界保健機関(WHO)の基準では世界最低レベル」と対策の遅れを強調し、訪日客の急増が予想される2020年の東京五輪・パラリンピックに間に合わせるため、今国会での法改正に向け作業を進めてきた。

厚労省は3月、屋内禁煙の徹底を掲げる改正案の骨子を公表。学校や病院は敷地内全面禁煙、飲食店も小規模のバーなどを除いて原則禁煙だ。法案提出に必要な手続きとして、骨子を説明する部会を開くよう茂木敏充政調会長らに求めてきた。

だが茂木氏は13日、「厚労省の案では部会は開けない」と回答。代わりに塩崎氏ら厚労省幹部と、田村憲久政調会長代理ら数人の党幹部だけで厚労省案修正に向けた協議を開くことを提案した。

自民党側が部会開催を渋る背景には、所属の衆参両院議員約280人が参加する「たばこ議員連盟」(会長・野田毅党税制調査会最高顧問)の存在がある。「マナーで対応すべき問題だ」と主張する議連は厚労省に対抗して、飲食店に禁煙、分煙、喫煙の選択を認める独自案をまとめた。

塩崎氏は水面下で調整すると議連の意向で骨抜きにされると警戒。「まずは開かれた場で議論すべきだ」と、部会の開催にこだわる。一方、茂木氏は所属議員なら誰でも出席できる部会では、賛否双方の意見が噴出して収拾がつかなくなることを懸念する。

ある厚労族議員は「都議選前に政府と自民党がごたごたしているところは見せられない」と語る。このまま調整が難航すれば、議員立法で別の法案提出を模索する動きが出てくると予想した。

(m3.com)



ある意味自民党が多様な意見があり平等な政党である証でもありますが、この問題に対しては逆に裏目に出ているのかもしれません。さて、どう収拾するのでしょうか。


by kura0412 | 2017-04-18 10:40 | 医療政策全般 | Comments(0)

化粧で高齢者の心のフレイル対策

齢者にもう一度、自ら化粧をしてもらう――。資生堂ジャパンCSR部マネージャーの池山和幸氏は、「ヘルスケア産業の最前線2017」(201733日、主催:経済産業省)の第2部として開催された「地域を支えるヘルスケアサービス事業者の事例紹介」で、健康寿命延伸に向けた同社の事業を紹介した。

資生堂は、1975年からボランティア活動として「身だしなみセミナー」を特別養護老人ホームで開催してきた。現在では事業化しており、科学的根拠に基づく「化粧療法プログラム」として提供。契約施設数は約400、年間の開催件数はのべ2500件(2016年実績)に上る。

クリックすると拡大した画像が開きます同社は、身だしなみセミナーを、健康寿命延伸に向けた社会性や心のフレイル対策として行っている。フレイルとは虚弱を意味し、健康と要介護の中間段階にあって、適切な対策を取れば健康への復帰が可能な状態を指す。資生堂の取り組みは、2014年度に経済産業省の健康寿命延伸産業創出推進事業に採択された。


身だしなみセミナーは、スタッフが化粧をほどこすのではなく、高齢者が自分で化粧などの美容行為をすることで、心身機能の維持・向上を目指すもの。若い頃に慣れ親しんだ行為であるため、自発性や自立性が引き出しやすいことと、効果がすぐに目に見えるので意欲が続きやすいことが特徴という。対象を女性に限定せず、加齢臭対策など男性にも対応するプログラムを用意する。

2回のグループケアと、参加者それぞれが毎日続けるセルフケアの2つを組み合わせて実施している。池山氏は「グループケアで他人への意識を、セルフケアで自分への関心を高めてもらう。このサイクルを続けていけば、自信や自分らしさが維持でき、社会性や社交性につながる」と効果を説明する。

実際に、参加者の主観的健康感や抑うつ性尺度の向上、外出頻度の維持、介護費用の削減といった成果が得られたという。「友達を誘って外出にするようになったり、教室で知り合った人と会話をしたり、鏡を見る習慣のなかった人が毎日見るようになったり、行動にも目に見えて変化が表れた」(池山氏)とする。

企業や自治体と共同で事業展開

最近では、企業や自治体などと共同で事業を展開している。例えば、横浜市とは、20165月~20172月に市内15区で「いきいき美容教室」を開催。5080代の女性286人が参加した。参加者の約4割が家に閉じこもりがちだったが、参加後のアンケートでは90%以上が「前向きな気持ちになる・外出したくなる」と回答したとする。「まさに、心のフレイル予防になっている」(池山氏)。

歯科医院と共同で、口腔内のケアなどを伝授する「オーラルフレイル予防」も展開している。高齢者は口のささいな衰えに対する関心や意識が低くなる傾向にあるため、その低下に歯止めをかけて心のフレイル予防につなげるというもの。参加者が口や顔への関心を持つと共に、地元の歯科医院が会場となっているため、参加者と地域のつながりが生まれる利点もある。

資生堂は今後も、企業や自治体と協力し「美容的フレイル予防と何かを掛け合わせたサービスを提供していきたい」としている。

池山氏の講演を受けて、厚生労働省 健康局 健康課 課長の正林督章氏は講評として「化粧のために普段使わない筋肉を使ったりすることで、リハビリツールとしての効果も期待できそうだ。健康を損ねた人は化粧をしてはいけないようなムードを感じるので、入院患者にもサービスを広げて、みんなの考え方を変えてもらえたら」と期待感を述べた。

(日経デジタルヘルス)






by kura0412 | 2017-03-17 11:03 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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