接骨院や整骨院による療養費の不正請求が後を絶たず、厚生労働省は4月から対策を強化する計画だ。請求内容を審査する全国健康保険協会(協会けんぽ)などが担う審査会の権限を強め、請求者に領収証の発行履歴やカルテなどの提示を求められるようにする。食い違いなど不正の「証拠」をつかんでもらい、通報を受けた地方厚生局の指導や監査につなげる。


接骨院や整骨院は国家資格の柔道整復師が開設できる。打撲や捻挫などが健康保険の対象となり、療養費が支払われる。厚労省によると、2014年度までの5年間で不正が判明し、返納された療養費は約5億7千万円に上る。来院していない患者に施術したとして請求したり、施術日数を実際より増やし請求したりするケースが目立つ。対策では不正請求を見破るため、協会けんぽの都道府県支部などが設置する審査会の権限を強化。領収証の発行履歴やカルテなどの提示を求められるようにし、カルテに施術内容などの記載があっても領収証が発行されていないなど、辻つまが合わない事例を見つけてもらう。柔道整復師を呼び出し、説明を受けられるようにもする。審査では従来の長期間の通院などに加え、新たに「部位転がし」を重点項目に位置づける。保険適用されない肩こりなどの施術をしながら、打撲や捻挫を繰り返したとして請求する手口で、ここ数年目立つという。

厚労省は審査会の権限拡大で従来より多くの不正の証拠が地方厚生局に通報されるようになれば、同局による監査を強められるとみている。

監査は接骨院などに立ち入って調べ、不正を確定させる。15年度に同局が行った柔道整復師への面接による調査は89件で、うち監査に至ったのは26件。十分な証拠が集まらず「経過観察」となることが多いという。審査会が1施設で複数の不正請求があった証拠をつかむなどした場合、同局は面接調査を省略して監査を実施する方針だ。15年11月に接骨院で患者に施術したように装い、暴力団組員などが療養費を詐取する事件が発生。厚労省は対策の検討を進めていた。今後、有識者による専門委員会でこれらの対策を取りまとめ、3月中に都道府県などに通知。4月から運用を始める予定だ。

【日経新聞】


by kura0412 | 2017-02-17 16:36 | 医療政策全般 | Comments(0)

難易度の高い手術における「3Dプリンター」の活用が進んでいる。患者のCTなどの検査画像を基に臓器モデルを作成し、術前のシミュレーションに用いるというもの。形成・整形外科領域では、患者の骨格を再現した「骨格モデル」を使った手術支援が既に保険適用され、心臓などの複雑な構造の内臓を精密に再現した「内臓モデル」の開発も進んできた。

「3Dプリンターで作成した骨格モデルは形成外科の手術を底支えしてくれる、なくてはならない存在」。国立成育医療研究センター副院長(医療安全・感染防御担当)感覚器・形態外科部長の金子剛氏はこう話す。

3Dプリンターの臨床現場での活用として最も進んでいるのが、患者のCTなどの検査画像を基にした臓器立体モデルの作成だ。3Dプリンターを用いることで、安価かつ迅速に臓器モデルを作れる。

臓器モデルは術前の手術計画やシミュレーションに有用性が認められ、「実物大臓器立体モデルを用いた手術支援」として、2008年に整形外科と形成外科の一部の手術で保険適用された(診療報酬点数は2000点)。2016年度の診療報酬改定では、四肢骨を対象にした2つの手術が追加され、現在は整形外科と形成外科領域の25手技で保険診療の対象となっている。

形成外科領域では、患者の骨格を再現した骨格モデルを主に骨切りと再建のシミュレーションに用いている(症例1)。「左右の非対称性があり通常の診断画像では手術計画が立てにくい特殊な症例などに有用」と金子氏は説明する。どう切れば少ない骨切り線で済むか、患部を再建する際にいかに少ない侵襲で的確な手術ができるかを、骨格モデルを用いて検証できる。「現在、国内では年間100例ぐらいの術前シミュレーションで骨格モデルが活用されているのではないか」と推定する。

症例1・臓器モデルが有用だった下顎形成術の一例(金子氏による)

9歳女児。Goldenhar症候群に伴う下顎変形を生じており、顎2分の1個分ずれた状態で下顎の右奥歯が顔面の中央に位置していた。上下の顎の咬合(噛み合わせ)を改善する目的で狭窄した下顎の開大術を実施することになった。

 手術では下顎の中心部からくさび型の骨片を採取し、これを下顎の右側の骨切り部に移植する計画だが、立体構造が複雑なため、くさび型骨片の切り込み角度をコンピュータ上でシミュレーションし、下顎の中央部から30度の角度が最適と判断。その後、骨格モデルを使って実際に切除と再建のシミュレーションを行った。Bの骨片を中心角30度にし、ABCDと並んでいた骨片をACBDとすることで下顎の再建が可能なものと判断。術前シミュレーションの計画通りに手術を行うことで、目的とした噛み合わせの改善を達成した。


一方、整形外科領域ではインプラントや金属の固定法、人工骨の埋め方のシミュレーションに骨格モデルが活用されている。同分野で3Dプリンターを使った骨格モデルを使用している東京慈恵会医科大学整形外科講師の藤井英紀氏は、「骨格モデルは非常に有用なツール」と評価する。

実物大の立体モデルが手元にあることで、「術前にインプラントや人工骨が患者の骨格に適合するかどうかを確かめられる」(藤井氏)。さらに、同氏らは骨格モデルを滅菌処理して手術室に持ち込み、手術を施行しながら、骨格モデルを使って術野では見ることのできない部分の構造を再確認している(症例2)。

【日経デジタルヘルス】


by kura0412 | 2017-02-17 11:13 | 医療全般

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
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