日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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2013年 11月 15日 ( 1 )

膨張を煽り立てて

国民医療費38.6兆円、最高を更新 1人30万円突破

医療・介護など社会保障費の膨張が止まらない。厚生労働省が14日発表した2011年度の国民医療費は38.6兆円で過去最高を更新し、13年度には40兆円を突破する。
「税と社会保障の一体改革」に基づき来年4月に消費増税を予定通り実施することになったが、介護などの給付費抑制策は修正が目立つ。世界がうらやむ長寿国家になった日本。経済の実力に見合った社会保障制度をつくる改革は早くも後退の懸念が出ている。
国民医療費は3年連続で1兆円以上増え、国民1人あたりで初めて30万円を超えた。厚労省推計によると、年金を含む社会保障給付費総額(自己負担除く)は25年度に149兆円。12年度比36%増え、同時期の国内総生産(GDP)の増加率(27%増)を大きく上回る見通しだ。

政府はこれまで、給付増で足りない財源を国債発行で実質的に穴埋めしてきた。だが国の借金は今夏1000兆円を超し、将来世代への先送りは限界だ。税と社会保障の一体改革に取り組んだのは給付と負担が釣り合わない状況を是正する狙いだった。
同改革で方向性を出した「増税」は、来年4月に消費税率を8%に引き上げることが決まった。だが、同時期に始めるはずだった給付抑制策は、早くも腰砕けの様相を呈している。
15年度からの実施を目指す介護保険改革。厚労省は9月、症状の軽い人向けの介護予防サービスを市町村に移しボランティアなどを活用して効率化する案を打ち出した。10年で1600億円程度の給付費抑制効果を見込んでいたが、与野党議員や市町村が反発。厚労省は14日、移管対象を日帰りの介護サービスなどに限る方針に切り替えた。給付抑制効果は1000億円程度に減る公算だ。

社会保障費の3割強を占める医療も同様の構図だ。
高額医療費の改革では、高所得層の負担増を小幅にとどめる一方、低所得層の負担軽減策は広げた。与党の要請を受け入れたためだが、給付費は膨らんでしまう。
来年度予算編成の焦点である診療報酬改定。
消費増税分の上乗せに加え、地域医療充実を名分に増額要求が強まる。医療機関の改革が進まないのに、国の財政がさらに傷む懸念がある。

成長重視を掲げる安倍政権は、法人税率下げや減反見直しなど時に踏み込んだ改革姿勢を示す。その一方、社会保障分野は慎重だ。社会保障費を毎年2200億円削った小泉政権の手法は採り入れず、分野ごとに効率化策を積み上げる道を選んだ。その政策決定の入り口でつまずいている。
来年は社会保障にとってもう一つの節目がくる。5年に1度の年金の財政検証だ。
政府は公的年金の財政状況を今後約100年間にわたって検証することになっているが、改革の機運は乏しい。欧州先進国がすでに取り組んでいる65歳超への受給開始年齢引き上げといった抜本的な改革も素通りしそうな雲行きだ。

【日経新聞】



今日の日経1面トップ記事です。紙面の方では2025年での社会保障費との比較で膨張を煽り立てるいう手法です。
ひょっとすると希望的観測もありますが、社会保障費の一定の増加は容認というムードが政府内で漂っての記事かもしれません。
by kura0412 | 2013-11-15 10:55 | 経済 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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