賛成ですか、反対ですか

健保・年金など「社保カード」、今秋にも実験開始

健康保険証、介護保険証、年金手帳の役割を一枚にまとめた「社会保障カード」の実証実験が今秋にも始まることになった。
厚生労働省は2011年度をめどに同カードを導入することにしており、10年度中に実験結果を検証し、運用面での課題を探る考えだ。
実験は、地方自治体とIT関連企業でつくる共同事業体が行う。厚労省は、応募のあった13事業体の中から7事業体を選定した。7地域の中には、都市部や人口の少ない地方など、様々な条件の自治体が含まれる。実験は来年7月末まで行われる予定。
社会保障カードは、各種保険証として利用されることを想定している。カードにはICチップが埋め込まれており、個人がパソコンでカード情報を読み取れるようになっている。これにより、自分の年金記録や健診結果、診療報酬明細書(レセプト)などの情報を、オンライン上で常時確認できる。
こうした情報はこれまで、本人が自治体の役所や社会保険事務所に出向いたり、通知を待ったりしないと確認できなかった。

社会保障カードについては、自民、公明両党が衆院選の政権公約(マニフェスト)で「早期導入」をうたっている。一方、民主党は同カードについて触れておらず、税制との一体運用を行う社会保障番号の導入を盛り込んでいる。

【2009年8月22日14時04分 読売新聞】




先生方は早期導入に賛成ですか?反対ですか?
by kura0412 | 2009-08-22 15:43 | 歯科医療政策 | Comments(11)
Commented by 累卵 at 2009-08-22 16:32 x
昨年10月、厚労省事務次官が「今日の科学技術を応用して医療のIT化を進めること━例えばカルテの電子化、診療報酬の請求におけるオンライン化、さらには社会保障カードの活用など━によって、医療全体の業務を合理化していくのは当然のことである。」と「2008医療白書」(日本医療企画)の中で述べています。
また、本年7月6日「i-Japan戦略2015」の医療・健康分野における将来ビジョン及び目標では「2015年までに、医療改革を進める上で、少子高齢化、医師の不足、偏在等に起因する各種問題の解決に対し、デジタル技術・情報が大きく寄与し、医療の質の一層の向上が図られる。」とあり、IT担当大臣も「情報通信技術が水や空気と同じ存在のように、使い易く、豊かな暮らしにつながる環境を創ってまいります。」とコメントしています。
即ち、医療のIT化は時代の要請であり、避けて通ることは出来ないと考えます。
Commented by 公開意向調査回答 民主党 at 2009-08-22 18:31 x
新日本歯科医師会御中

     公開意向調査回答
                        民主党

①累次の診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけました。総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げていきます。歯科医療の重要性に着目し、診療報酬を見直します。

②レセプトのオンライン請求を“完全義務化”から「原則化」に改め、過疎地の診療所をはじめとする小規模医療機関の撤退などに象徴される医療現場の混乱や地域医療の崩壊が起こらないようにします。レセプトのオンライン化は本来、医療機関と調剤薬局等が医療情報を共有しつつ、事務効率の向上、医療費の過大・不正請求の防止、検査や投薬の重複チェックなど医療の透明化、平準化に資するものです。しかし、政府が07年に閣議決定した請求
の「完全義務化」は、関係者の理解が十分得られていません。導入にあたっては、患者情報のセキュリティー強化とあわせ、医療機関でのコスト面、人材面での負担が過度にならないよう、国による財政負担や診療報酬上の十分なインセンティブを設けます。

Commented by 公開意向調査回答 民主党 2 at 2009-08-22 18:32 x
③歯科医師の資質向上、及び適正な需要の推進は重要であると考えており、具体的な施策について検討をすすめます。

④歯科技工物(義歯)については、安価な輸入品の増加等により、品質管理体制を見直す必要が生じています。歯科技工物(義歯)のトレーサビリティーの基準を定めるとともに、高い技能を持つ歯科技工士の評価等、技術料や歯科基本料の見直しを検討します。

⑤民主党は、すべて国民の歯の健康を守ることを掲げた「歯の健康の保持の推進に関する法律案」を参議院に2回提出してきましたが、各会派のご協力をいただきながら、できるだけ早く成立させるよう取り組んでまいります。  
                         以上
Commented by 公開意向調査回答 共産党 at 2009-08-23 20:18 x
新日本歯科医師会御中 2009年8月23日              日本共産党
歯科医療政策に関する各政党への公開意向調査回答

①医科と歯科の診療報酬の格差について
政府は、歯科の診療報酬を不当に低く抑え、新歯科技術の保険収載をおこなわず、自費診療や混合診療を拡大してきました。そのために、患者は保険だけでは十分な治療が受けられず、高い負担に苦しめられる一方、多くの歯科医は経営難にあえいでいます。日本共産党は、「初診料・再診料の水準を引き上げ、医科・歯科間格差を是正する」ことを総選挙政策にかかげています。
その他にも、△長期にわたり据え置かれている『う蝕処理』などの基礎的技術料を引き上げる、△歯周病の治療・管理や義歯にかかわる包括的・成功報酬制の診療報酬を撤廃し、治療行為を適正に評価する報酬に改定す
る、△画一的な文書提供義務の押しつけをやめさせるなど、歯科診療報酬の改善を提案しています。国民の口腔の健康を守り、「保険でよい歯科治療」を実現するため、歯科診療報酬の改革を進めるのが、日本共産党の立場です。こうした日本共産党の政策については、政策のHPをぜひご参照下さい。

Commented by 公開意向調査回答 共産党 at 2009-08-23 20:19 x
②レセプトオンライン請求義務化について
政府が推進する「レセプトオンライン請求義務化」は、医療機関に一方的な費用負担を押しつけ、レセプトでーたの民間活用で個人情報を漏洩の危機にさらすなど、きわめて問題の多いものです。省令改定だけで診療報酬の請求方法を制限し、保険医の請求権を侵害することは違法だと訴える訴訟も起こされています。日本共産党は「レセプトオンライン請求義務化」の撤回と抜本的な見直しを要求しています。
Commented by 公開意向調査回答 共産党 at 2009-08-23 20:20 x
③歯学部の定員削減や転学部への補助金、国家試験の合格者数の削減など
この間、歯科医療の関係者から“歯科医師の過剰”が叫ばれています。歯科医師の適正数については、今後の高齢化や歯科医療の需要増の見通し、国際比較などもふまえながら、国の責任で明確にしていくことが必要です。今後どれだけの歯科医師を養成していくか、国民的な議論もおこないつつ、計画的な養成数の調整をはかります。そうした取り組みをすすめながら、現存の医療教育体制を生かしながら医科の医師不足を解消する一つの方策として、「歯学部から医学部への転学部」に公的支援を講じることなども検討されるべきと考えます。なお、「開業歯科医の貧困化」は、歯科診療報酬の抑制も大きな原因であり、①でお答えしたとおり、診療報酬の改革と保険診療の拡充により解消をはかりたいと考えています。
Commented by 公開意向調査回答 共産党 at 2009-08-23 20:21 x
④海外での歯科技工物について
義歯にかかわる診療報酬の改悪のために、歯科技工所の経営難・廃業が加速し、新たに歯科技工士となる若い人が確保できないなどの事態が深刻化しています。一方で、安全性や品質に規制のない安価な海外技工物が大量に輸入され、自費診療で使用されています。歯科技工士が安心して仕事を継続でき、歯科医と連携して「よい入れ歯」を保険で給付できるよう、歯科技工物に対する診療報酬の改善をすすめます。海外技工物の輸入・使用・安全性の実態を調査し、材料・製作者・技工所などの基準を設け規制をおこないます
Commented by 公開意向調査回答 共産党 at 2009-08-23 20:22 x
⑤口腔保健に関して全てのライフステージを網羅する法律の整備について
食べることや、会話・表情をとおしたコミュニケーションを直接ささえる口腔機能は、人間の健康と生きがいに深く関わり、全身の健康にも大きな影響を及ぼします。「8020運動」など国民の「口腔の健康」を守る総合対策を位置づけ、歯科医療と予防の充実、それらを推進する国の責任を明記した法律の制定は意義あるものと考えます。憲法25条に立脚し、すべての国民の「口腔の健康」を保障するため、国による歯科医療の充実や財政措置などを規定した、実効力ある基本法の制定をめざします。
                         以上
Commented by 各政党への公開意向調査 at 2009-08-23 23:52 x
各政党への公開意向調査

日本歯科医師会は平成22年度:制度・予算に関する要望書(重点項目)「歯科診療報酬の引き上げと財源確保について」要望を出していますが、特に下記の医科と歯科の診療報酬の格差についてのご意見を伺いたい。お忙しいとは存じますが、投票日前日の平成21年8月29日までに、回答をお願い申し上げます。

①医科と歯科の診療報酬の格差。
医科
初診料 270点
再診料 診療所の場合 71点

歯科
歯科初診料 182点
再診料 歯科再診料 40点

歯科の診療器具は全て、患者毎に滅菌・消毒・デスポーザブルにしているので診療コストが非常に高い。よって初診料及び、再診料が医科より点数が低いのは何の根拠も無いので、同等にする事を望みますが?貴党のご意見をお聞かせ下さい。

Commented by 各政党への公開意向調査 at 2009-08-23 23:53 x
②日本歯科医師会は平成22年度:制度・予算に関する要望書(重点項目)において、「レセプトオンライン化請求義務化の撤廃につて」要望を出していますが?貴党のご意見をお聞かせ下さい。また、レセプトオンライン化請求義務化を断行するなら、オンライン請求を実施する歯科医療機関に、新たな導入コスト及び運用コストを要することから、これらを助成する予算措置を実行する方策は有るのか?貴党のご意見をお聞かせ下さい。

③日本歯科医師会は平成22年度:制度・予算に関する要望書(重点項目)において「歯科医師の資質向上及び適正な需要の推進について」歯科医師数の現状は、歯科大学・歯学部入学者数の削減努力にもかかわらず依然として増加を続けており、昨今では歯科医療界万般に亘り深刻な状況を惹起しています。開業歯科医の貧困化が社会現象化し、その一方で、一部の歯科大学・歯学部で入学者数の定員割れが生じ、優秀な人材確保が困難となりつつあります。

と訴えていますが、歯学部の定員削減への補助金、歯学部廃し医学部への転学部への補助金、国家試験の合格者数の削減等何か具体的な方策はお持ちですか?貴党のご意見をお聞かせ下さい。

Commented by 各政党への公開意向調査 at 2009-08-23 23:54 x
④現在海外での歯科技工物(特に中国)での作成、輸入が問題になっております。この件に関しては、この問題を憂う技工士さん達により訴訟が東京地裁に提起され現在係争中という由々しき事態に至っています。また20代の技工士さんの離職率は8割に達するとの調査もあり、今後の歯科界に重大な問題を惹起し、早急な解決策が急がれます。これらに関し、問題意識等、具体的な方策はお持ちですか?貴党のご意見をお聞かせ下さい。

⑤日本歯科医師会では平成22年度:制度・予算に関する要望書(重点項目) で、口腔保健法(仮称)を早期成立を求めていますが、口腔保健に関して全てのライフステージを網羅する法律を整備する。お考えが有るか?貴党のご意見をお聞かせ下さい。

平成21年8月21日

各政党、政治団体代表者各位殿

新日本歯科医師会


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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