GDPがプラスでも、、、

野党、不信任案の時期探る 「同日選」警戒、狭まる選択肢

菅義偉官房長官は20日の記者会見で内閣不信任案が解散の大義になるかと問われ「当然のことではないか」と述べた。17日の記者会見でも質問され「当然なるのではないか」と答えていた。立民の福山哲郎幹事長は「野党第1党の党首があたかも解散権を握るような事態は非常に不可思議だ」と警戒を強める。

野党の内閣不信任案提出を受け、採決せずに衆院を解散したのは現憲法下で5回ある。
たとえば1958年は衆院本会議で与野党による賛成、反対の討論後に当時の岸信介首相が解散に踏み切った。79年には大平正芳首相が不信任案の採決前に解散している。83年は実刑判決を受けた田中角栄氏の辞職問題で国会が空転し、中曽根康弘首相が不信任案を受けて解散した。
野党内では一時、1~3月期の国内総生産(GDP)速報値がマイナスになれば経済政策の失敗を理由にした内閣不信任案を20日にも出す案が浮かんでいた。
内閣不信任案の提出は会期末ごろが多く、6月26日が会期末の今国会でみれば1カ月以上早いタイミングだ。通常国会で会期末より1カ月以上前に出した例は自民党が結党した55年以降、5回しかない。
このうち2001年の森喜朗内閣に対する不信任案は「加藤の乱」の翌年だった。通常国会で首相退陣論が高まると、野党は不信任案の早期提出に動く。加藤紘一氏ら7人が採決を欠席した。
1~3月期のGDP速報値は2四半期連続のプラス成長となり、経済失政を理由とした内閣不信任案はわかりにくい。複数の野党幹部が「すぐに出すのは難しい」と見送る考えを示した。

衆院選準備が遅れる野党にとって内閣不信任案の早期提出は、衆参同日選の可能性をつぶす戦術の一つだった。
衆院選の投開票日は憲法で解散から40日以内と定められている。参院選は改選議員が任期満了を迎える1カ月前の6月28日より前倒しできない。
5月20日の解散なら、日曜日が投開票日となる衆参同日選は不可能だった。21~27日の解散でも同日選の投開票日は6月30日に限られる。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議は6月28~29日を予定し、外交日程と重なる可能性がある。

野党の選択肢は狭まる。
児童虐待防止法と児童福祉法の改正案は野党5党派が共同提出した対案を同時に審議しており、与党は修正協議に応じる構えだ。その成立前に野党から内閣不信任案は出しにくい。
国民民主党の玉木雄一郎代表は20日の講演で「国会が終わるころにはいつも出している」と話した。6月21~26日に内閣不信任案を出して首相が解散した場合、参院選の投開票日と目される7月21日の同日選が可能になる。野党側には解散を誘発する懸念もある。

(日経新聞)



予想外の成長も内需陰り GDP1~3月実質2.1%増 4~6月ゼロ成長予想

内閣府が20日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0.5%増となった。年率では2.1%増。一部で景気後退懸念も出始めるなか、予想外の高成長となった。実際は輸入の大幅な落ち込みが成長率を押し上げた形で、内需にも陰りが出つつある。民間エコノミストは4~6月期を平均でゼロ成長と予測しており、なお先行き不透明感が強い。

市場では今回のGDPについて、マイナス成長もあり得るとの見方が広がっていた。結果はQUICKが集計した民間23社エコノミストの予測平均(前期比年率0.2%減)を超え、予測の最高値だった1.4%増も上回った。
内閣府は今月13日、景気動向指数に基づいて景気の基調判断を機械的に「悪化」に引き下げた。今回GDPが2四半期連続のプラス成長を確保したことで、景気悪化に対する過度な懸念はひとまず和らいだ。
1~3月期のGDPは、主に外需が押し上げた。前期比0.5%増の内訳を見ると内需が貢献したのは0.1%分だけで残る0.4%分は外需が押し上げた。

外需は輸出から輸入を差し引いた「純輸出」ではかる。今回、外需が増えたのは輸入の下げ幅が輸出の下げ幅より大きかったためだ。1~3月期は中国経済の減速で輸出が2.4%減ったが、輸入は4.6%減とリーマン・ショック直後の2009年1~3月以来の大きな落ち込み幅となった。企業の生産活動に必要な原油や天然ガスなどの輸入が減った影響が大きい。
野村総合研究所の木内登英氏は「輸入の大幅減は国内需要の弱さを反映している」と分析する。成長率は大幅なプラス成長になったが「実際の景気は見かけよりもかなり悪い」(木内氏)。実際、内需の二本柱である個人消費と設備投資はどちらも2四半期ぶりにマイナスに転じた。

成長率が6月10日公表予定のGDP改定値で下方修正される可能性もある。
改定値では6月1日発表の財務省の法人企業統計を利用して、設備投資などを推計し直すためだ。過去には18年7~9月期の実質GDPが改定値段階で前期比年率1.2%減から2.5%減に下方修正された時も、法人企業統計を受けて設備投資が大幅修正されたことが響いた。
日本経済新聞が20日に集計した民間13社のエコノミスト予測によると、4~6月期の実質GDPは年率換算の平均値で前期比0.004%減と、ゼロ成長にとどまる。大型連休に伴う支出増や消費増税前の駆け込み需要が始まることで、個人消費は持ち直しそうだ。
半面、中国経済の不透明感や米中貿易摩擦の激化がリスクとして残る。第一生命経済研究所の新家義貴氏は「輸出は当面伸びにくい状況が続く。設備投資にも波及する可能性がある」とみている。

(日経新聞)




GDPがプラスとなったから衆議院解散が遠のいたのではなく、いろいろな要因で逆に近づいたとも考えられるようです。そして今週トランプ大統領が来日します。その反響によっては安倍政権のプラス材料となり一気にW選挙に動き始めることも考えられます。
by kura0412 | 2019-05-21 17:00 | 政治

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by kura0412