日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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歯科健診も含む健診等実施率による加算・減算を議論

健診等実施率による加算・減算を議論
厚労省案、最高で10%増減も

厚生労働省は4月24日、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」を開き、保険者インセンティブについての制度の見直し案を提示した。予防・健康づくりの観点から保険者に特定健診・保健指導の実施率を上げるよう促すため、健保組合・共済組合に関して実施率の低い保険者へ後期高齢者支援金の加算率(ペナルティ)を段階的に引き上げ、実施率の他、特定保健指導の対象者割合の減少幅など、複数の指標の総合評価が高い保険者に対しては減算率(インセンティブ)を引き上げる案だ。

最高10%の加算・減算を可能にする制度案で、構成員はおおむね了承したが、大きなインセンティブとなるため、財源を安定して確保できる仕組みや、財政や人的余裕がないために実施率が上がらない健保組合への支援の必要性など、細かな点で意見が出された。
国保・被用者保険の全保険者を対象とした現行制度では、保健指導の実施率が0.1%未満の保険者に対して0.23%を加算。2015年度では132保険者が対象となって7400万円が加算された。これを原資に実施率が相対的に高い保険者に減算を行い(2015年度は減算率0.048%)、161保険者が対象となった。2008年度に特定健診・保健指導の実施が保険者に義務づけられて以降、実施率は少しずつ上昇し、同年に特定健診38.9%(受診者2019万人)と保健指導7.7%(終了者31万人)だったが、2014年度にはそれぞれ48.6%(2616万人)、17.8%(78万人)となっているが、第3期特定健康診査等実施計画期間(2018~2023年度)で掲げられた全国目標の特定健診70%以上、保健指導45%以上には遠く及ばない。このため、後期高齢者支援金の加算の対象範囲を広げ、加算率を見直すことで、実施率の低い保険者の取り組みを促す狙いがある。

加算額4億円と試算
見直し案では、健保組合と共済組合を対象に、特定健診実施率が第3期目標(単一健保と私学除く共済組合90%以上、総合健保・私学共済85%以上)の2分の1のそれぞれ45%、42.5%に満たない場合、加算率を2018年度から1年ごとに1%、2%、5%と段階的に引き上げる。また、単一健保と私学除く共済組合で2分の1以上57.5%未満(目標の半分の45%と、全国目標の70%の中間値として設定)、共済組合で42.5%以上50%未満の場合は、2018年度は加算なし、2019年度0.5%、2020年度1%に引き上げる。
特定保健指導については実施率の違いでより細かく分けて加算し、最も低い0.1%未満の保険者には2018年度から1年ごとに1%、2%、5%と引き上げる。特定健診と保健指導の実施率がともに低い保険者の場合は、併せて最高で10%加算されることになる。ただし、実施率が加算対象に該当しても、ある程度の実施率があり、特定健診・保健指導以外の取り組みが一定程度行われている場合には加算を適用しない仕組みも設ける。全体の加算額は約4億円と試算している。

減算方法の見直しについては検討中だが、実施率だけでなく、がん検診、歯科検診、後発品の使用促進や、実施率の上昇幅といった成果を評価するなど複数の指標(ただし、特定健診・保健指導は法定義務のため、実施率の評価のウェイトは重くする)で総合評価して、その配点を積み上げて段階的に減算する方針。合計点数に応じて減算率を10~5%、5~3%、3~1%の3区分とする。 この方法については、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏が、大規模な健保組合では減算額が巨額になると指摘。「最大級の健保では後期高齢者支援金を年300億円というところがあり、10%減算だと30億円。お金が足りなくなる。最大10%はいいが、下限は財源に応じて毎年決める方が現実的ではないか」と提案し、厚労省の事務局はこの意見を検討項目に加えると回答した。

現行制度では加算・減算の対象とされていない協会けんぽに関しても、新たなインセンティブ制度が導入される方向で、今年度は保険料率への反映を行わない形で試行実施する。支部ごとに特定健診・特定保健指導の実施率や要治療者の医療機関受審割合、後発医薬品の使用割合などの評価指標に基づいて実績を評価し、全支部にランキングを付け、上位過半数に該当した支部に段階的な保険料率の引き下げを行う。2018年度から本格実施し、2020年度の都道府県単位の保険料率からインセンティブ制度の結果を反映することを目指す。

(m3.com)
by kura0412 | 2017-05-16 10:27 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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