在宅医療・介護連携支援プラットホーム

インターネットイニシアティブ(IIJ)は、在宅医療にかかわる多職種の連携を支援するクラウド型情報共有プラットフォーム「IIJ電子@連絡帳サービス」を開発した。201741日より全国の自治体、医師会、医療法人などを対象に提供を開始する。サービス利用料は、初期費用不要、利用施設・人数にかかわらず月額20万円(登録患者数5000人まで)。2020年までに約150自治体での導入を目標にしている。

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同サービスのベースになっている「電子@連絡帳」は、名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センターが開発したもの。名古屋市医師会が展開する「はち丸ネットワーク」で152診療所・36病院が利用しているのをはじめ、愛知県内35市町村が導入している実績がある。今回、IIJと名古屋大学病院がクラウドサービス化(マルチテナント化)の共同開発を進め、全国への提供開始に至った。「スタンドアロンで展開していた名古屋大学から(導入・運用)コスト面でクラウドパートナーと組みたいという要望があった。当社がヘルスケア領域への参入を検討する中で、地域包括ケアを支える社会的基盤としての意義も大きく、(ヘルスケア事業推進の一環として)取り組むことにした」(IIJ経営企画本部 ヘルスケア事業推進部長の喜多剛志氏)。

電子@連絡帳は在宅医を中心とした多職種連携のための情報共有だけでなく、急性期病院や回復期病院からの在宅移行を支援するICTプラットフォームとしても機能する。「中核病院から在宅に移行する際に、(医療情報を共有しつつ)退院時カンファレンスをICT(クラウドサービス)でできる環境を提供する。そのためセキュリティーや医療情報システムに関するガイドラインを重視しており、IIJのクラウドを使う仕組みが強みとなる」(IIJ経営企画本部 ヘルスケア事業推進部ビジネス推進課シニアコンサルタントの小椋大嗣氏)。電子証明書と利用者ID2要素認証をはじめ、いわゆる「34ガイドライン」に準拠した高いセキュリティー基盤上でサービス提供する。

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在宅医連携、多職種間情報共有をサポート

IIJ電子@連絡帳サービスの主な機能は6つ。(1)患者基本情報の登録・一覧、(2)多職種のチームが患者にひも付いて掲示板形式でコミュニケーションをとる掲示板機能、(3)疾病状況や処方情報、要介護認定の際の評価情報などをまとめた医療・介護連携サマリーや薬剤サマリー、(4)主治医意見書や訪問看護指示書の作成・発行などを支援する定型文書発行機能、(5)患者にひも付かずにグループを作成してコミュニケーションやカンファレンスなどを実施できるグループ機能、(6)文書ファイルや画像ファイルを共有するファイル添付機能、である。 クリックすると拡大した画像が開きます

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また、複数の在宅医で24時間365日対応する連携型の機能強化型在宅療養支援診療所として加算できるようサポートする。医療・介護サマリーや薬剤サマリーによる在宅医どうしの情報共有に加え、各種サマリー文書や検査結果などをファイル添付してやり取りすることで、それぞれの受け持ち患者の情報を適宜共有できる。「連携型では月1回の在宅医どうしの対面カンファレンス実施の要件があるが、(これらの機能を使いながら)非対面で連携機能強化型在宅療養支援診療所として機能できるようサポートする」(小椋氏)。

IIJ電子@連絡帳サービス単体では医療機関の電子カルテなどの施設内システム、訪問看護ステーションの介護系システムとの連携機能は提供していないが、外部接続用ゲートウエイを提供する予定もある。「電子カルテや介護系システム、あるいはバイタル測定機器の連携ニーズは高い。各社のシステムが接続できるよう、すでに構築している外部接続用ゲートウエイを要望のある自治体に個別機能として提供していく」(喜多氏)。

同社ではIIJ電子@連絡帳サービスを、20174月に北関東の自治体(人口10万人規模)で稼働させるほか、人口100万人規模の九州の自治体でも2017年度中の導入を予定しているという。機能面ではスマートフォンやタブレット端末用に最適化したアプリを開発し、マルチデバイスに対応していく。

(日経デジタルヘルス)


by kura0412 | 2017-03-04 08:51 | 医療政策全般 | Comments(0)