日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『トランプ政権・EU離脱…医薬品業界、米英が翻弄』

トランプ政権・EU離脱…医薬品業界、米英が翻弄

米欧製薬大手がトランプ米政権の誕生と英国の欧州連合(EU)離脱決定に揺さぶられている。
規制緩和、薬価引き下げを打ち出す米政権については、開発を担う人材の入国制限や先端医療に懐疑的な姿勢などに不信感が残る。メイ英政権が単一市場からの強硬離脱を決めた欧州では、英国と欧州大陸との人の移動やロンドンにある新薬審査に関わる機関の移転がリスクだ。人材の流動性や研究開発のしやすさが魅力だった米英の動向は各社の競争力を左右しかねない。

「米国にあなた方の企業、製造拠点を戻したい」。1月31日、米国のメルクやイーライ・リリー、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの幹部と会談したトランプ大統領はこう述べた。新薬承認期間の短縮や規制緩和、税制改革を約束するのと引き換えに生産の米国回帰や薬価引き下げを求める「アメとムチ」だ。
会談後、メルクのケン・フレージャー最高経営責任者(CEO)は「税制改革やコストを上昇させる時代遅れな規制の撤廃。最終的な目標は米企業の技術革新と成長を促すことだと話し合った」と明かした。米国研究製薬工業協会(PhRMA)は改革が実施されれば「今後10年間で35万人の雇用を生み出せる」とまで言及した。
とはいえ「取引」が交渉の前提のトランプ流は先が読みにくい。大統領就任前には「製薬企業は人殺しの罪を逃れている」と非難し、不当に高いとして薬価引き下げに強い意欲を見せていた。

業界の懸念の一つは米政権が制限に動く就労ビザの問題だ。
知識集約型のヘルスケア産業はIT(情報技術)と並び世界中から人材を集めてきた。ロシュ(スイス)のセヴリン・シュヴァンCEOは「我々の産業は保護主義とは対極にあり、優秀な人材が集まりやすいインフラが整った国が強い。米国やスイスはそれで成功してきた」と評する。バイオ医薬品など米国で事業拡大しようという新興企業には、人材確保が難しくなるのは痛手だ。
より根深い不信感もある。「トランプ政権が本質的に生命科学の価値、科学的な手法の意味を理解しているか見極めたい」。表向きトランプ政権の規制緩和を歓迎する業界だが、欧州製薬大手の幹部は声を潜めて語る。
トランプ政権は、キリスト教保守派のペンス副大統領が受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)研究に反対。がんの免疫療法の研究などオバマ政権が進めた施策にも慎重だと報じられている。
免疫療法やワクチンは米欧大手が成長分野とみて近年は研究開発で重点投資してきた。「薬価引き下げ圧力以上に影響が大きいかもしれない」(先述の幹部)。米国で投資を続けていいのかと戸惑いが広がる。
英国でもメイ首相がEU強硬離脱を選び、欧州大陸との人材交流のハードルが上がる懸念がある。英国はオックスフォード大学などの有力大学・研究機関を軸に米国と同様に世界中から人材を集めてきた。製薬産業の研究開発投資は年42億ポンド(約6千億円)と英国全体の2割強。人材が国外流出すれば、英国には重大な影響が生じる。
メイ氏は何度も「生命科学は英国の基幹産業」と強調し、引き留めに動いてきた。離脱決定後も英グラクソ・スミスクラインが国内のバイオ医薬品増産など、ノボノルディスク(デンマーク)が糖尿病の研究投資を決定。英製薬産業協会(ABPI)のマイク・トンプソンCEOは「今のところ悪い影響は出ていない」と胸をなで下ろす。
今後のポイントの一つが製品開発に密接に関わる新薬審査だ。
ロンドンを拠点にEU域内の医薬品行政を担う欧州医薬品庁(EMA)は移転することになる。ABPIのトンプソン氏は「英国での審査がより早くなる効果が見込める半面、EUとどう協調し市場アクセスを確保するかという課題は残る」と語る。
英国のEU離脱には、先端医療に懐疑的な姿勢をにじませる米政権ほどの強い懸念は聞かれない。ただし英国市場単独では魅力に乏しいのは明らか。EUと付かず離れずで魅力を高められるのか、難局は続きそうだ。

【日経新聞】
by kura0412 | 2017-02-14 09:01 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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