経済政策転換必至⇒解散の大義名分にも

トランプ新政権 TPP離脱の方針を表明

トランプ新政権はホワイトハウスのホームページで政策課題のひとつとして通商政策をとりあげ、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱すると明らかにしました。協定の発効には、アメリカの承認が欠かせず、去年、日本を含む12か国が署名したTPP協定は発効のめどが立たなくなりました。

トランプ新政権はホワイトハウスのホームページで、政策課題のひとつとして通商政策を取りあげ、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱すると明らかにしました。TPP協定をめぐっては、去年2月、日本やアメリカなど12か国が署名し、各国で国内の承認手続きが進められていました。
協定の発効には、アメリカの承認が欠かせない仕組みになっていて、今回、アメリカが正式に離脱を明らかにしたことでTPP協定は発効のめどが立たなくなりました。トランプ新大統領は、TPPの代わりに、アメリカの国益を反映させやすい2国間の経済連携協定の交渉を進めたい考えです。
ただ、アメリカ抜きで中国や日本が参加しているRCEP=東アジア地域包括的経済連携の交渉が進められるなど、アジアでアメリカの存在感が薄まる可能性があります。また、トランプ新大統領は貿易赤字が膨らんでいる中国に対して、輸入品に高い関税をかける構えを見せるなど、中国との貿易摩擦が強まるおそれもあり、自国の利益を最優先にする保護主義的な通商政策は、世界の貿易の低迷を招くとする懸念も出ています。

日本の通商戦略に大きな影響も
トランプ新政権が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱すると明らかにしたことで、日本の通商戦略は大きな影響を受けそうです。TPPが発効するためには、加盟12か国のGDP=国内総生産の85%以上を占める少なくとも6か国以上が国内手続きを終える必要があります。
このうち、アメリカが全体のGDPのおよそ60%を占めるため、トランプ新政権がTPPからの離脱を正式に明らかにしたことで、発効のめどが立たなくなりました。ほかの加盟国からは、アメリカを除く11か国で協定を発効させるべきだという意見も出ていますが、その場合、11か国で再協議する必要があります。
日本政府内では、TPPは経済規模が大きいアメリカの参加を前提に、各国が一定の譲歩をして合意したことから、アメリカが抜ければ11か国の協定を新たに取りまとめることは難しいという意見が大勢です。このため日本政府は、トランプ新政権や議会の関係者に対し、粘り強くTPPの意義を説明して、国内手続きを進めるよう働きかけていく方針に変わりありません。
一方、トランプ大統領は、これまで通商交渉はTPPのような多国間ではなく、二国間で進めるという方針を示していて、今後、日本に対しても2国間の交渉に応じるよう求めてくる可能性もあります。日本政府としては、あくまでTPPを優先すべきだとしていますが、安全保障など幅広い分野で協力関係にあるアメリカに対し、みずからの主張を貫けるか不透明です。

トランプ新政権の貿易政策は
トランプ新大統領は就任前から、アメリカ国内の雇用が奪われるとして、TPPについて離脱する考えを示していたほか、NAFTAについても見直す考えを示し、アメリカへの輸出に関税がかからないメキシコに工場を移転する動きを厳しく批判していて、その矛先はトヨタ自動車など外国のメーカーにも向けられていました。こうしたトランプ氏の保護主義的な政策は、貿易相手国や企業などからの反発を招く可能性があります。
トランプ新大統領は今月11日、大統領選挙のあと初めて開いた会見で、「国境を越えて、アメリカで売ろうとすれば、高い『国境税』を支払うことになる」と述べました。この「国境税」をめぐっては、国外に移転した工場から輸入される製品に高い関税をかける案と、法人税を見直して企業が輸出する際の税負担を軽くする一方、輸入には課税を強化する案の2つの案が浮上しています。
共和党が提案している法人税を見直す案に対して、トランプ新大統領は「複雑すぎる」と批判していますが、専門家の間ではいずれの案も自由貿易のルールに反するという指摘もあります。また、トランプ新大統領は、大統領就任後もこうした圧力を企業にかけ続けることで、国内の雇用を増やす方針を引き出そうとするのではないかと見る専門家もいます。
ピーターソン国際経済研究所のゲイリー・ハフバウアー上級研究員は、「トランプ氏の企業への“脅し”は、ビジネスマンとしての彼のテクニックだ。商務長官に指名したロス氏や通商代表に指名したライトハイザー氏にも、外国の政府と交渉する時に、交渉の武器として“脅し”を使ってほしいとトランプ氏は望んでいる」と話しています。

為替政策にも注目
アメリカは「強いドル」が国益にかなうという為替政策をとってきましたが、トランプ新大統領は、為替政策をめぐって、アメリカのメディアのインタビューで、「ドルは強すぎる」と警戒感を示したことから、どのような為替政策をとるのか注目されています。
発言は、中国との貿易を念頭においたもので、日本を名指ししたものではありませんが、円相場は一時、1ドル・112円台とおよそ1か月半ぶりの円高ドル安水準にまで値上がりしました。トランプ新大統領の経済政策でアメリカ経済は上向くとの期待から進んだドル高は変化が起きつつあります。
トランプ新大統領は、選挙期間中から、貿易赤字が膨らんでいる中国の為替政策を批判してきました。アメリカのメディアのインタビューでは、新大統領は、「中国が自国の通貨を意図的に安くし、アメリカ企業の競争力が損なわれている」と述べました。そのうえで、中国を「為替操作国」に認定するかどうか、「まずは中国側と協議する」としています。
円相場に大きく影響するアメリカの為替政策は、トランプ新政権と中国との外交や貿易政策をめぐる交渉の行方に左右されることになりそうです。

【NHK NEWS WEB】



TPPを軸に自由貿易推進を進めて経済成長を目指す安倍政権としては経済政策の大きな転換が迫られました。これは解散の理由になるかもしれません。
by kura0412 | 2017-01-21 10:46 | 政治 | Comments(0)