『解散を急がなくていい3つの理由』

解散「言い間違え」安倍首相の本心は、どこにある?
解散を急がなくていい3つの理由

発言に慎重な首相だから……
首相・安倍晋三は5日、帝国ホテルで開かれた新年互礼会であいさつし、新年早々、今年中に衆院を解散する可能性を否定した。
「では今年も選挙があるか、と言えば、これは時事通信の互礼会なんで最初に言っておいた方がいいと思うが、全く考えてない。36年前は選挙をやっておりませんから、酉年であれば必ず総選挙というわけではない。
まあ例外というか、例外ですかね、まあ例外と言うと普通はあるみたいだが、今年は全く考えていないということははっきりと申し上げておきたいと思うが、ただ酉年はこのように変化のある年。大きく世の中が変わっていく可能性を秘めた年。そして、かつ今年は、ひのとりであって、大きく変化と新しい芽が出てくる年になる」
この発言を受けて「首相、年内解散否定」との速報が流れた。
安倍は互礼会を退席した後、首相官邸に戻り、イタリア首相・ジェンティローニとの電話会談と、定例の「正副官房長官会議」を開いた。安倍はこの会議で速報を知り、出てきた1人が「首相から『言い間違えた』と聞いた。『今月』と言おうとした」と語り、発言を訂正した。
正副長官会議は安倍を中心に、官房長官・菅義偉、副長官の萩生田光一、野上浩太郎、杉田和博、首席首相秘書官・今井尚哉の計6人でほぼ毎日開かれている。この会議の役割を安倍はこう言っていた。
「(正副長官会議は)雑談のことも多いんだけど、人間って雑談すること大切なんですよ、とってもね。呼吸がわかるんです。何考えてるのかなと、なんか困ったことがあるのかなと、そこで言うじゃないですか」
この会議で萩生田が安倍発言に関する記事を紹介し、安倍が「そんなこと、言っていない」と否定した。このため、訂正され、年内解散否定発言が一人歩きするのが避けられた。
こういうことがこの会議の効用の一つだが、衆院解散・総選挙がないのは年内なのか、今月なのか――。
私は、安倍は現段階で年内の解散は考えていないと見ている。言葉を慎重に選ぶ安倍がこんな言い間違いをするはずがない。
安倍はなぜ、衆院解散を急いでいないのだろうか。その回答は3つある。

「次の次」まで読んでいる
まず、国民は落ち着いた政権運営を望んでいるという判断だ。
トランプ米政権の誕生などによって国際情勢が不安定化する中で、日本の政権が揺らぐようなことはすべきではないというのが大方の世論だろう。
また、昨年夏の参院選で、安倍は経済再生を約束した。それが道半ばであるのに、来年12月まである衆院議員の任期が半分を過ぎたところで解散するのは大義名分がない。
次に野党第一党、民進党の勢いがまったくないことだ。
昨年9月の代表選で選ばれた蓮舫は政治家として思慮深さに欠けることが露呈。蓮舫の右腕である幹事長・野田佳彦は4日、仕事始めのあいさつで民進党の現実を「我々は背水の陣ではない。すでに水中に沈んでいる。どうやって浮き上がるか、覚悟が問われる年だ」と話す始末だ。
こんな現状だから、政権側から見れば、解散を先延ばししても恐くないわけだ。
最後は、いつ総選挙となっても、自民党は議席を減らすことだ。
自民党が内々行っている世論調査によると、議席は「マイナス20~30」と言われる。取りこぼしを少なくするために、当選1、2回議員が選挙運動できるだけ長く取った方がいい。
この3点以上に重要なのは、安倍は来年9月の自民党総裁選で3選され、2021年9月まで政権を維持することを前提に、解散時期を考えていることだ。
たとえば、今年10月に衆院解散・総選挙が行われると仮定すると、選ばれた議員の任期は4年後の21年10月までとなる。その直前に、安倍の3期目の任期が切れるので、さらにもう1回、解散せざるを得なくなる。
18年10月に衆院解散・総選挙が行われたと仮定しよう。その議員の任期は22年10月まで。安倍はその間に解散することができるし、次の総裁にバトンタッチすることもできる。つまり、選択肢が広がるわけだ。
こう考えれば、安倍は次の解散をできるだけ先送りすることによって、次の次は解散しても良し、しなくても良しという政治状況をつくることができる。急いで衆院を解散する必要性に乏しいと言える。

【田崎 史郎・ニュースの深層】
by kura0412 | 2017-01-11 09:08 | 政治 | Comments(0)

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