「脳卒中・循環器病対策基本法」

脳心血管病関連の21学会が5カ年計画を発表
脳卒中・循環器病の死亡率を5年で5%低下

日本脳卒中学会と日本循環器学会は12月16日、脳心血管病関連の19学会と協力し策定した『脳卒中と循環器病克服5カ年計画』を発表した。脳卒中と循環器病による年齢調整死亡率を5年で5%低下させ、かつ健康寿命を延伸させることを目標とする。計画実現のために、各都道府県が策定する第7次医療計画への反映を求める一方、懸案となっている「脳卒中・循環器病対策基本法」制定へ向けた取り組みも強化する方針だ。

5カ年計画は、脳卒中、心不全、血管病(急性心筋梗塞、急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、末梢閉塞性動脈疾患)を重要3疾患と位置付けている。そのうえで、これら脳卒中・循環器病による死亡率(年齢調整死亡率)を今後5年で5%低下させ、かつ健康寿命を延伸させることを大目標に設定した。計画は5年ごとに見直していく。
目標達成のために、人材育成、シームレスな医療・介護体制の整備、登録事業の促進、予防・国民への啓発、臨床研究・基礎研究の強化――の5つの戦略を掲げた。具体的には、人材育成では「地域包括ケア・在宅医療の普及をリードする人材」「臨床研究推進を担う人材」「チーム医療のリーダーとなる人材」などを学会として育成の強化や拡充を支援するとした。

包括的脳卒中センター、包括的循環器病センターを整備
医療・介護体制の面では、急性期から慢性期さらに在宅療養に至る患者の流れに沿った体制の整備を盛り込んだ。例えば急性期の場合、脳卒中においては発症から4.5時間以内にアルテプラーゼ静注療法(rt-PA治療)の開始を可能とする体制を構築し、rt-PA治療の実施率10%を実現するとしている。循環器病においては、救急隊員の発症現場到着から2.5時間以内にプライマリPCIが常時可能な体制を構築するとした。そのうえで、プライマリ・ケアのレベルで1次脳卒中センター、1次循環器病センターを、基幹施設として包括的脳卒中センター、包括的循環器病センターを整備することを目指す。
登録事業の登録では、現行のJROAD、JROAD-DPCを基盤とした包括的循環器病全国登録システムあるいはJ-ASPECT、日本脳卒中データバンクを基盤とした包括的脳卒中全国登録システム、それぞれの確立を目指す。
予防・国民への啓発では、病態や病期に応じた4つのステージを設定し、ステージごとに達成目標と対策を掲げた。臨床・基礎研究の強化では、疾患データベースやバイオバンクの整備を基盤とし、基礎研究、臨床研究さらに両者の橋渡し研究ごとに、達成目標と戦略をまとめている。
こうした計画実現には国の関与が欠かせないことから、例えばシームレスな医療・介護体制の整備の実現には、都道府県がまとめる第7次医療計画に反映されるよう求めていく方針だ。また、事業の全国的な展開と脳卒中・循環器病の医療の均てん化を押す進めるためには「脳卒中・循環器病対策基本法」の制定が必須としており、関連団体とともに法制化への取り組みを進める。
日本循環器学会代表理事の小室一成氏は今回の5カ年計画について、「関連学会の所信表明と受け取ってもらいたい。学会として、脳卒中と循環器病の克服のためにできることはやる。法律ができればその実現が加速する」と話し、法制化への期待を表明した。

【日経メディカル】



5年で5%低下が目標で、法律制定を目指す。歯科はもっと声をあげるべきです。
by kura0412 | 2016-12-19 17:17 | 医療全般 | Comments(0)