『マイナンバーで医療控除 領収書不要』

マイナンバーで医療控除 領収書不要
17年度分から

政府・与党が2017年度税制改正で実施する納税や徴税の環境を整備する施策の全容が25日、わかった。17年度分から、家族の医療費が一定額を超えた場合に税負担を軽くする医療費控除は、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を使って領収書の提出を不要にする。法人をつくる時に税務署に出さなければならない書類は減らす。一方、税務調査についてはIT(情報技術)データを強制的に徴収できるようにするなど厳しくする。

25日の自民党税制調査会の幹部会合で案を示した。医療費控除の対象は1年間の家族の医療費から、保険で補填された額を引いた額が10万円を超える場合。基準を超えた額を所得から差し引き課税所得を減らせる。ただ現在は医療費の領収書を確定申告の際に提出しなければならず、手続きの煩わしさから申告を諦めている人も多いという。
政府・与党は17年度分の所得税の確定申告から提出を不要にする。保存は義務付け、税務署に求められたら提示する。
マイナンバーの個人用サイト「マイナポータル」の利用が念頭にある。健康保険組合から個人サイトに医療費通知を送ってもらい、利用者はこのデータを税務署にネット経由で送れれば、医療費控除の申請が簡単になる。領収書の提出義務を外すことで利便性を高め、マイナンバーの活用を促すねらいだ。
16年度税制改正で医療費控除の対象に認めた大衆薬も、領収書の提出を不要にする。申告する際に明細書と健康の維持促進に取り組んだことを証明する書類を提出する。
法人を設立する時の提出書類も削減する。現在は設立後に税務署に貸借対照表や登記事項証明書、株主などの名簿の写しの提出が必要だ。17年度税制改正で登記事項証明書の提出を不要にする。企業には証明書の取得に必要な手間や費用がなくなる。税務署と法務省が登記情報をやりとりして確認する仕組みにする。

脱税調査ではインターネット上に保存されているメールなどの情報を強制的に押収できる権限を認める。ITを駆使した悪質な脱税や国際的な税逃れが増えていくとみており、国税の査察権限を強化する。夜間の強制調査もできるようにする。
政府・与党が進めている成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正を踏まえ、税制上の年齢要件の引き下げも検討する。少額投資非課税制度(NISA)や、親や祖父母から住宅購入資金をもらった場合に贈与税の非課税枠を拡充する特例措置の利用が18歳から認められる見込みだ。酒類の販売管理者の要件も引き下がる可能性がある。18年度改正で検討し、必要な措置を講じる。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-11-25 14:52 | 医療政策全般 | Comments(0)