『かかりつけ医以外の外来定額負担 反対多く 厚労省審議会 』

かかりつけ医以外の外来定額負担 反対多く 厚労省審議会

厚生労働省は26日、外来で病院を受診した際にかかりつけ医以外なら定額の負担を患者に求めることができるかを社会保障審議会で議論した。過剰な受診を減らし、医療費の伸びを抑えるのが狙いだ。出席した委員からは「公的保険の7割給付を守るべきだ」など反対が大勢を占めた。低所得者を含め幅広い層に負担を求めるため、厚労省自体も慎重姿勢だ。医療費抑制の道は険しい。
かかりつけ医以外を受診した場合に定額の負担を求める案は政府が2015年末にまとめた経済・財政再生計画で検討を明記。財務省も厚労省に導入を求めている。

26日の社会保障審議会医療保険部会で複数の委員が反対の根拠にしたのが02年の改正健康保険法だ。現役世代の自己負担を2割から3割に引き上げた一方、同法の付則で「医療にかかわる給付割合は将来にわたり7割を維持する」とした。定額負担を導入すれば、3割を超えた負担をする人が出る。このため、日本医師会の松原謙二副会長が「(定額負担は)不適切だ」と厳しく批判した。
医療保険財政の維持へ一定の負担増を容認する健康保険組合連合会(健保連)の白川修二副会長も「国民の納得を得られると思えない」と表明。反対の理由は、政府側がかかりつけ医を普及させるために定額負担を導入するとした点にある。
かかりつけ医の普及は26日の部会でも賛成多数だったが、厚労省はどのような医師がかかりつけ医なのか定義を示していない。高齢者が内科や外科など複数のかかりつけ医がいるとした場合、定額負担をどう課すかも不透明。この状態で導入すれば混乱しかねない。
定額負担を巡っては、11年に全ての病院を受診した際に100円程度の負担を求める案を検討したものの、反対が根強く断念した。今回、かかりつけ医の普及という名目での再挑戦は戦略ミスとなった可能性がある。
白川氏は「定額負担や7割給付を幅広く議論したらどうか」と提案した。経済協力開発機構(OECD)によると、日本の1人あたりの年間外来受診回数は12.8回。英国(5.0回)やドイツ(9.9回)より多い。15年度の概算医療費は41.5兆円まで膨らみ、大半を税と社会保険料で賄う。患者負担の引き上げは避けられない情勢だ。
医療保険部会では年末までに制度改正案をまとめる方針だが、個人に負担を求める不人気政策には及び腰だ。70歳以上を対象に自己負担の月額上限を定めた「高額療養費」は引き上げ対象が高所得者中心になる見通し。金融資産に応じた個人負担の導入は見送りの公算が大きい。現役世代の社会保険料は増え続け、取りやすいところから取る状況が続く。

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-10-28 16:47 | 医療政策全般 | Comments(0)

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