『「解散フラグ」は立ったのか? 』

「解散フラグ」は立ったのか?

「解散フラグ」は立ったのか――。最近の永田町と霞が関の関心事はこれだ。与野党を問わず、みんながフラグ(旗)を探している。
「フラグ」とは何か。新語を積極的に扱う三省堂国語辞典は2014年からこの言葉を載せている。意味は「先の読める伏線」。小説などで登場人物が死亡する伏線が出ると「死亡フラグが立った」と表現するのが典型的な使い方だ。

■「3次補正なら解散」
永田町では来年1月の衆院解散が取り沙汰されている。12月15日の日ロ首脳会談で北方領土問題が進展するかが解散を左右するとみられるが、自身のクビがかかる衆院議員はもっと早く見極めたい。ライバルを出し抜くには、予兆である解散フラグをいち早く見つけ、選挙準備を始めたい。
「3次補正があれば衆院解散だろうが、今のところ党政調会では全く動きはない」。自民党石破派の10日の会合。党政調会長代理の田村憲久はこう話し、出席議員の笑いを誘った。
政府は毎年11月下旬に、その年度の税収見積もりを修正する。税収の一定割合は地方自治体への地方交付税交付金に回すため、見積もりが変われば補正予算を組む。今年はすでに2回補正を組んだため、次は第3次補正だ。
もし首相、安倍晋三が近く衆院解散に踏み切るなら、景気浮揚のための大規模な経済対策を3次補正に盛り込む動きがそろそろ出てくるはず――。田村は3次補正への動きが解散フラグとみる。

■TPP対決からも?
「TPP解散じゃないか」。副大臣の一人はTPP(環太平洋経済連携協定)承認案を巡る解散を疑う。今国会成立を唱える首相に対し、民進党は真っ向から反対。与党などの賛成多数で承認されても、民進党は内閣不信任決議案の提出を検討するとみられる。
政府関係者は「承認されない場合はもちろん、承認でも不信任案が出れば解散だ」と話す。だが、これは民進党へのけん制にも映る。フラグよりブラフ(はったり)の色合いが濃い。
そもそも1月解散説さえ、自民党幹部には「選挙準備ができていない若手の危機感をあおるためだ」とうそぶく向きもある。
ただ、作家が一人で綿密に構築する小説と違い、政治は多くの勢力のせめぎ合いでシナリオが決まる。フラグやブラフだけでなく、状況変化で回収できなくなる伏線もある。安倍自身、国会答弁ではたびたびビスマルクの言葉を引用し「政治は可能性の芸術だ」と語っている。
民進党は例年1月の党大会を来年は3月開催とした。自民党が先に党大会を通例の1月から3月にしたことが「1月解散のフラグ」とみられているためだ。代表の蓮舫は党内で「解散風がふき始めている」と説く。風ではためくフラグを前に、与野党議員は疑心暗鬼に陥っている。=敬称略

【日経新聞】
by kura0412 | 2016-10-21 10:30 | 政治 | Comments(0)