医科もフレイルに注目が

外来心不全患者のフレイル評価は6つの質問で

外来に訪れる高齢心不全患者のフレイル評価を行う際、質問6項目からなる問診票(フレイルスコア)を用いることは簡便かつ有用な手段であることが分かった。聖マリアンナ医科大学循環器内科の鈴木規雄氏らが、第64回日本心臓病学会学術集会(9月23~25日、東京開催)で発表した。

フレイルとは加齢に伴って生理的予備能が低下し、要介護状態、生活機能障害などに陥りやすい状態を指す。フレイルを伴う心不全患者は入院率と死亡率が高くなることが知られており、適切な介入でフレイルからの回復を促すことが重要となる。
フレイルの評価法としては、フリードの定義や、厚生労働省の作成した基本チェックリストが一般に用いられているが、これらの評価法は歩行速度や握力、体重の細かな変動など確認すべき項目が多く、時間の限られる外来診療ではより簡便な評価方法が求められていた。
そこで国立長寿医療研究センターの荒井秀典氏は従来の評価法を参考にして、質問6項目でフレイルを評価できる問診票(表1、フレイルスコア)を考案。今回の鈴木氏らの研究では、このフレイルスコアの有用性、妥当性を検討すべく、聖マリアンナ医科大学循環器内科を外来受診した65歳以上の慢性心不全患者135例を対象に、フレイルスコアでフレイルの評価を行った。

表1 フレイルスコア 

135例のうちフレイルスコアが2点以上になった患者をフレイルと判定し、心不全入院または死亡をイベントとして追跡調査を行った(平均189.2日)。フレイルと判定された患者は62例(45.9%)で、全体のイベントは18例(13.3%)だった。180日後のイベント回避率はフレイル群80.9%、非フレイル群97.2%(p=0.012)、Cox回帰分析によるフレイル群のハザード比は3.09(p=0.048)で、フレイルであること(フレイルスコアが2点以上であること)は独立した予後不良因子であることが分かった。
慢性心不全患者に対するフレイスコアの妥当性について、厚生労働省の基本チェックリストとの相関を調べたところ、フレイルスコアは正の相関を示し(p<0.001)、基本チェックリストと同様に有用であることが示された。実際に、外来通院中の慢性心不全患者の27~54%にフレイルがみられるという報告もあるが、今回フレイルと判定された患者45.9%とも一致した。
また鈴木氏らはMNA-SFと呼ばれる簡易栄養状態評価表とフレイルスコアの相関も解析した。その結果、MNA-SFとフレイルスコアは有意な負の相関を示し、栄養状態の悪化が慢性心不全患者のフレイル合併に関連することが分かった。
これらの結果から鈴木氏は、「外来診療での慢性心不全患者に対するフレイルスコアを用いたフレイル評価は、簡便かつ有用であることが分かった。外来診療にてフレイルを合併した心不全患者を早期発見し、低栄養の改善などの介入が必要と考えられる」とまとめた。

【日経メディカル】




歯科の簡易型問診票は?医科もフレイルには注目しています。
by kura0412 | 2016-10-08 10:05 | 医療全般 | Comments(0)