医科でも・・・

「高点数」=「悪」は時代遅れ
保険医の人権を守れ!指導・監査の実態は?【自由意見】

Q 集団的個別指導、個別指導、監査などについて、ご意見、ご経験があれば、お書きください。

【指導・監査全般について】
◆指導・監査に問題あり、見直しを
・業務上、某県内の全ての集団的個別指導、個別指導、監査に立ち会っている。監査に至った悪質な医療機関は必ずしも高点数ではない場合がしばしばあり、「高点数」=「悪」であるという図式の現在の考え方は時代遅れであると考える。20年以上前に定められ、実質的な内容に関してほとんど改善がない指導大綱等(「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」(平成7年12月22日保発第117号厚生省保険局長通知)の別添1「指導大綱」等)の改訂が急務である。
・行政指導であること、些細な勘違いでも、返戻だけでなく保険医資格停止処分が当然行われることが周知されていない。裁判官がいない公平性が担保されない判決が役人によりなされ、自殺者まで出ているが、多くの医者は、「自分は不正は行っていないから大丈夫」と訳の分からない信念を持っているので、事態の重要性を認識していない。
・明らかな悪質な場合を除き、多くは良心に基づいて保険診療しているおり、萎縮医療や医療崩壊になると思います。医療費削減目的であればお門違い。
・高圧的で、密室性が高く、選定にもバイアスがかなりあると思われる。立会いの医師会長等は、全く意味がなく、単なる情報収集にすぎない。自衛手段を講じる必要あり。
・個別指導や集団的個別指導について時間的な猶予がない。予約制にしているが、患者の予約をキャンセルしなければならない。医師不足の地域でそこまでやる必要があるのか。
・不正請求を行う医師は論外であるが、痛くもない腹を探られるような制度はどうかと思う。
・数年ごとに自殺者が出ている事実を見ると、やはりこれまでのやり方に問題があると言わざるを得ない。役所はしっかり反省して改善していくべき。
・悪質なクリニックにはメスを入れるべきだが、真っ当にやっているクリニックには辞めてほしい。萎縮医療につながる。
・現場の裁量を優先すべき。外野からの意見は意見とするだけにしてほしい。権力の介入はノー!
・実際に「その診療科」の専門家でない人が「専門性を持った指導」ができるだろうか?この疑問に誰か答えてほしい。しかし、「医師」も「いい加減な請求」や止めるよう、常々知識を補充すべきと思う。「医師会」も毅然とした対応を「厚生労働省」に対してしないのは、「すでに馴れ合い」になっているのではないか、と思う。
・全般に処分内容が重く「一罰百戒」の思想がある。
・まずは、整骨院の不正請求を片付けることを優先すべきだと考える。

◆指導・監査、透明性に欠く
・悪質なケースもありますので、全廃は無理と思いますが、指導の透明性(警察の尋問も問題があるように)が確保されるべきかと思います。
・これらの指導や監査の対象となった理由が明確に示されることなく通知が来るので、対応の仕方が分からない。
・行政処分の恣意性が問題。第三者のもとでの決定が必要。

◆本来の「不正」質す制度必要
・大切な、国民皆保険を維持していくための財源を残していくために、「金の亡者」への指導は徹底し、無駄な医療費削減を続けるべきと思います。
・集団的指導、個別指導、監査なども、よほど悪徳な医療機関を調査して行うべき。
・まじめに診療を行えば、保険点数が上がるのは当たり前。点数の縮小は、結局は萎縮医療にしかならない。厚生局は不正請求を見抜くための手段(手腕)を整えるべきでは。
・不適切診療の取り締まり方としては完全に不適切かと思います。

◆指導・監査は必要
・自身の診療体制、正当性を見直す意味で指導、監査を受けることは必要であると思う。
・開業してしまうと、他の医療機関が行っている診療行為が分からず、自分の診療所が行っている検査や治療が、他と比べ正しいのか、診療点数が高いのか低いのかを見比べることができなくなってしまう。そのことと指導や監査が適切な方法とは思わないが、別のやり方があっても良いのではないかと思う。
・医療においてもコストパフォーマンスは重要だと思うので、むやみに高額の診療を行っている医師に対する指導は、必要だと考える。
・指導にはそれなりの理由がある。屁理屈を言う前に自らの診療内容を省みる必要がある。
・本当に悪いと思える医療行為に対した個別指導がなされていないと思う。例えば、適応外の手術を患者に強要するような。

【集団的個別指導、個別指導について】
◆集団的個別指導に異議
・集団的個別指導に呼ばれた原因がはっきりしない。レセプトの高点数というが、何がいけないのかはっきりしないと点数を下げようがない。普通に必要と思うものを患者さんベストでしているつもりであるが……。何をどうすればよいのか具体的に教えてほしいものだ。レセプトも減点する理由をもっと細かく書いてほしい。適応外では分からない。
 何でこんなにレセプトに対して不透明なのか、以前知り合いが減点に対して烈火のごとく怒り、減点した医者の名前を公表するよう何回も何回も電話し求めたが、それは教えられないとの一点張りで結局教えてもらえなかったが、その後、その知り合いの医療機関は一切査定を受けることが無くなったと言っていた。個人でそこまでやる覚悟が持てない。でもやるときは医療機関を閉鎖する覚悟で、とことんやるしかないと思っている。
・集団的個別指導は診療区分をどこで区切るかなどの問題もあるが、少なくとも保険点数の多寡で選別をすることが公平であるかどうか疑問です。更新時の集団指導で事足りることだと思います。
・通常の診療時間内に一方的に呼び出され、休診にしてまで指導される。呼び出された原因の高点数についても院外処方医療機関と院内処方医療機関との比較など、どのように比較して呼ばれているのか情報の開示がなさすぎる。
・私は自身の診療所で、手術治療をメーンに患者を診療しているが、それゆえレセプト平均が高くなりいつも個別指導対象にされてしまう。
・ずさんな診療所も確かに存在するので指導は必要である。しかし、一律に高点数で指導をすれば、まじめに一生懸命やっている診療所の足を引っぱることになる。レベルの低い診療所への指導に徹底してほしい。
・単にレセ平均の高点数だけでなく、総支払い高点数、院外処方の割合と総数など、細分化した集団の中で判断すべき(自主返還しても平均点にはならない場合がある)。
・透析施設でかつ院内処方の私の勤め先は必ずひっかかってしまう。これってフェアーではないと思います。 ・精神科でデイケアを実施しているため、集団的個別指導をレセ単価で決めるので、必ず該当するので、その考慮が必要と感じる。
・集団的個別指導を受けたが、どうしても個別指導にならないように検査をしても申告しなかったり、良くないと思われます。CPAP患者さんが180人くらいいるので、対策として舌下免疫の患者さんを増やしてレセプト毎点数を減らすようにしています。
・「医師」としてより、「基本的人権侵害」として、「集団的個別指導」という「法的」位置のはっきりしないものを、「医師会」が訴えるくらいの気概になってほしいと思う。
・7-8年前、集団的個別指導の審査員に「私の態度が自信満々すぎる」と怒鳴られたが、事務長を同伴していたので辛うじて怒鳴り返すのを我慢できた。今でも思い出すとあの時なんで怒鳴り返さなかったのだろう、とムシャクシャする。

◆個別指導に異議
・重箱の隅をつついてくる。個別指導の日程が決まったら診療にならない。前日は職員は深夜まで、医師と家族は徹夜をした。その後、平均点数を超えないように検査を控えた。院内処方で高齢者が半数以上なので、どうしても平均以上になる。個別指導を受けた医院が院外処方に変更すると個別指導の対象でなくなったと聞く。
・個別指導の日程など、指導を受ける側への配慮が必要です。個別指導のため、休診せざるを得ないケースがあります。
・個別指導2回、集団的個別指導3回のベテランですが、理由は高点数のみ。高い薬を使用しているだけで(バイオ製剤が50人以上)呼ばれ、意味なく通院回数を増やしたり、どうみても余分な薬を処方しているのに低点数なので呼ばれない医師を見ると今の制度は不合理だと思う。
・千葉県ではレセプト高得点だけではなく、特定の疾患を専門とするクリニックを矢継ぎ早に個別指導対象にしている。これなどは職権の乱用だろう。文句を言えば仕返しされる。
・新規個別指導においても、指導とは名ばかりで即刻監査に移行している。まずは指導に徹底していただき、改善が見られない場合には監査もやむを得ないと考えます。
・来月指導です。在宅看取り専門なので、前回は「金のかかることは、するなの」一点張りで、医療指導は、ありませんでした。
・弁護士帯同しました。それでも7人の監査員に囲まれて怖かったです。
・最初から不正をしているという態度で臨まれ、非常に辛かったです。
・違法なことをやっていませんので、特に心配はしていなかった。少しの減点は授業料と思って、差し上げました。
・院外処方でもジェネリック不可にすると指導される。
・悪意を持った指導は問題。

◆監査に異議
・人格を認めていない対応であり、医師が医師を裁くという。そして監査医師は役人を見ながら、これ見よがしに、攻める。アウシュビッツである。これからこの監査医師は特権を振りかざす。

◆レセプト返戻に疑問
・明らかに保険診療では支障がある保険請求もありますが、「経済的観点」からの納得できない返戻も多々あり、根拠が曖昧で査定措置も不定期なのはとても問題と感じています。
・自主返還という言葉は不適切。強制返還と変えるべき。
・香川県では訪問診療の同意書がないだけで、全額返還となっている。実際行って診療しているので、ゼロにするのはいかがなものかと思う。
・そもそもレセプトの返戻についても、査定責任者を明確にすべきだと考える。

◆指導官の資質に疑問
・審査員の名前は全員告知するべきである。人気がある病院の感情的なレセプト減点があることは事実であり、まさにいじめである。
・審査医の未熟性がある。整形外科が小児科を審査したり、異常。改善を求める。どちらも主張し合うことが必要。
・医学に基づく指導ならともかく、臨床能力のない人には何の指導もできるはずがない。
・今は審査員のみが正道である点がおかしい。減点ありきで切り捨てがまかり通っている。改善を要望する。
・現場の医療が分からず、専門性の知識のない輩に指導されるいわれはない。
・指導する側も、何らかの評価を受けるべき。

【m3.com】
by kura0412 | 2016-09-12 15:10 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


by kura0412

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




以前の記事

2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

健康・医療
政治・経済

画像一覧