日歯連盟の選挙のあり方にも一石

第24回参院選 山田宏氏<全国で西村氏の得票上回る>日歯連盟の選挙のあり方にも一石

第24回参院比例代表選挙に臨むにあたり、日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は本年1月、日歯連盟は特定の候補者の推薦・支援活動はしないことと、政党支援においては、政権政党のみを支援する方針を打ち出すとともに、各都道府県歯連盟に「政権政党の候補者を支援し選挙活動を行うこと」を要請してきた。即ち、日歯連盟本体として特定の候補者の推薦・支援活動はしないが、都道府県歯連盟の意向に添って政権与党の候補者を応援してほしいという立場をとった。この間、安倍総理および官邸筋は組織代表を擁立して選挙を戦わない日歯連盟に対し、自民党比例代表公認候補・山田宏氏の支援を要請、3月中旬には安倍自民党総裁名で『推薦依頼状』が都道府県歯連盟に送付された。各都道府県歯連盟は日歯連盟の方針に則り対応を協議、宮城県歯科医師連盟を除き山田氏はじめ日医推薦の自見氏や日薬推薦の藤井氏等の推薦・支援を決めた。
官邸筋の強い要請があった山田氏だが、「歯科医師でない山田氏を何故担がなければならないのか」とする考え方もあり、選挙を間近に控えた日歯連盟サイドには、歯科医師の西村氏と票を二分してしまうなどの危機感が充満していた。メディアによる予想も「山田氏は当落線上」と伝えられていたが、結果、山田氏は予想を超えるおよそ15万票を獲得し当選した(民進党の公認を受け立候補した西村まさみ氏は38899票にとどまり落選)。

山田氏の都道府県別の得票を見ると、47都道府県全てが西村氏の得票を上回っており、これは温度の差はあれ、組織と会員が今回選挙に取り組んだ証左と言えよう。
高橋会長と山田氏の地元・東京都は、第23回の石井選挙の得票2万8千余票を大幅に上回る4万1555票を獲得している(杉並区では約1万5千を得票)。歯科界の票を二分してしまうと心配された選挙だったが、山田氏・西村氏の得票結果は、政権与党の信頼を確実にするものであり、日歯の政策を実現していく大きな力になろう。山田氏は各地の決起大会で「総理の推薦を受け再び政界を目指すことになった。当選の暁には官邸に対し強く意見具申していく。これからの健康政策のど真ん中に口腔の健康を据えることが重要かつ必要と考えており、定期的な歯科健診を国民に義務化することが目標になる」と決意を披瀝してきた。「山田氏には、この決意の実行を願う」、これが山田氏を応援してきた歯科界の切なる思いであるはずだ。
今回の選挙結果を受け、高橋会長は小紙に「西村氏は与野党を経験する中で、6年間にわたり歯科界のために活動していただいた」と感謝の意を表するとともに「歯科界にとって大変厳しく辛い選挙だったが、山田氏の得票数は、最終的に歯科界が一つになって取り組んでいただいた成果だったと思う。山田氏には日歯連盟および歯科系議員と常にコンタクトをとり、国民皆健診の実現、さらに、医科歯科連携に最も重要な鍵となる病院歯科を一般医科並みの点数まで引き上げることに全力投球してもらいたい」旨を語った。併せて、政権中枢・都道府県歯連盟代表者が集まり、山田氏による「歯科医療政策のビジョンを語る会」を近々開く計画があることも補足した。
日歯連盟は今までの選挙で何億円もの巨額な資金を投じて職域代表議員を誕生させてきた。しかし、今回選挙に対する活動資金に関しては、特定の候補者に資金的な支援はしていないし、また、都道府県歯連盟に対しては、特例ではないルーティーンの政治活動助成金を拠出してきた。山田氏は歯科医師ではないものの、大半の都道府県歯連盟が支援し当選させた参院議員であり、歯科界が核となって選挙を戦ってきたことは周知の通りであり、今回の参院選の戦い方は一つのパイロットスタディになったと言えよう。

【デンタルタイムス21 Online 】
by kura0412 | 2016-07-21 10:03 | 政治 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
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