日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

日歯連盟の選挙のあり方にも一石

第24回参院選 山田宏氏<全国で西村氏の得票上回る>日歯連盟の選挙のあり方にも一石

第24回参院比例代表選挙に臨むにあたり、日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は本年1月、日歯連盟は特定の候補者の推薦・支援活動はしないことと、政党支援においては、政権政党のみを支援する方針を打ち出すとともに、各都道府県歯連盟に「政権政党の候補者を支援し選挙活動を行うこと」を要請してきた。即ち、日歯連盟本体として特定の候補者の推薦・支援活動はしないが、都道府県歯連盟の意向に添って政権与党の候補者を応援してほしいという立場をとった。この間、安倍総理および官邸筋は組織代表を擁立して選挙を戦わない日歯連盟に対し、自民党比例代表公認候補・山田宏氏の支援を要請、3月中旬には安倍自民党総裁名で『推薦依頼状』が都道府県歯連盟に送付された。各都道府県歯連盟は日歯連盟の方針に則り対応を協議、宮城県歯科医師連盟を除き山田氏はじめ日医推薦の自見氏や日薬推薦の藤井氏等の推薦・支援を決めた。
官邸筋の強い要請があった山田氏だが、「歯科医師でない山田氏を何故担がなければならないのか」とする考え方もあり、選挙を間近に控えた日歯連盟サイドには、歯科医師の西村氏と票を二分してしまうなどの危機感が充満していた。メディアによる予想も「山田氏は当落線上」と伝えられていたが、結果、山田氏は予想を超えるおよそ15万票を獲得し当選した(民進党の公認を受け立候補した西村まさみ氏は38899票にとどまり落選)。

山田氏の都道府県別の得票を見ると、47都道府県全てが西村氏の得票を上回っており、これは温度の差はあれ、組織と会員が今回選挙に取り組んだ証左と言えよう。
高橋会長と山田氏の地元・東京都は、第23回の石井選挙の得票2万8千余票を大幅に上回る4万1555票を獲得している(杉並区では約1万5千を得票)。歯科界の票を二分してしまうと心配された選挙だったが、山田氏・西村氏の得票結果は、政権与党の信頼を確実にするものであり、日歯の政策を実現していく大きな力になろう。山田氏は各地の決起大会で「総理の推薦を受け再び政界を目指すことになった。当選の暁には官邸に対し強く意見具申していく。これからの健康政策のど真ん中に口腔の健康を据えることが重要かつ必要と考えており、定期的な歯科健診を国民に義務化することが目標になる」と決意を披瀝してきた。「山田氏には、この決意の実行を願う」、これが山田氏を応援してきた歯科界の切なる思いであるはずだ。
今回の選挙結果を受け、高橋会長は小紙に「西村氏は与野党を経験する中で、6年間にわたり歯科界のために活動していただいた」と感謝の意を表するとともに「歯科界にとって大変厳しく辛い選挙だったが、山田氏の得票数は、最終的に歯科界が一つになって取り組んでいただいた成果だったと思う。山田氏には日歯連盟および歯科系議員と常にコンタクトをとり、国民皆健診の実現、さらに、医科歯科連携に最も重要な鍵となる病院歯科を一般医科並みの点数まで引き上げることに全力投球してもらいたい」旨を語った。併せて、政権中枢・都道府県歯連盟代表者が集まり、山田氏による「歯科医療政策のビジョンを語る会」を近々開く計画があることも補足した。
日歯連盟は今までの選挙で何億円もの巨額な資金を投じて職域代表議員を誕生させてきた。しかし、今回選挙に対する活動資金に関しては、特定の候補者に資金的な支援はしていないし、また、都道府県歯連盟に対しては、特例ではないルーティーンの政治活動助成金を拠出してきた。山田氏は歯科医師ではないものの、大半の都道府県歯連盟が支援し当選させた参院議員であり、歯科界が核となって選挙を戦ってきたことは周知の通りであり、今回の参院選の戦い方は一つのパイロットスタディになったと言えよう。

【デンタルタイムス21 Online 】
by kura0412 | 2016-07-21 10:03 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
以前の記事
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧