『影響力確保へ集票競う』

影響力確保へ集票競う TPPなど懸念材料も 「潮流2016参院選 団体を追う」農業団体・郵政・医師会・遺族会

自民党が2012年12月に政権を奪還して以降、業界団体は同党支持に回帰した。政権への影響力確保を狙い、参院選では自民党の比例代表で各団体の組織内候補が集票を競う。ただ環太平洋連携協定(TPP)や、安倍晋三首相が進める「岩盤規制改革」に対する反発など懸念材料を抱える団体は少なくない。会員の高齢化などで弱体化が止まらない組織もある。

JAグループの政治団体である全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)。前回13年参院選で自民党の比例代表から立候補した組織内候補は34万票近くを獲得し、上位当選を果たした。党の有力支持団体の一つだが、地方組織で異変が起きている。
「TPPは農家が一番被害を受ける。農協は何も行動しないのか」。3月29日、東京都内で開かれたJA全農臨時総代会。JA秋田しんせいの組合長が迫り、JA全農の中野吉実会長が「非常に重要な問題だ。意思を結集できるよう頑張りたい」と応じる一幕があった。
秋田県は、TPPを成長戦略の柱と位置付ける安倍政権の要、菅義偉官房長官の出身地。菅氏は「守りから攻めの農業に転換したい」と語るが、JA秋田中央会はTPPが発効されれば、県の農業生産額が最大287億円落ち込むとの試算を公表した。地元の農業関係者らの不安は根強い。
秋田県農政連は参院選秋田選挙区に自主投票で臨む方針を決定。「農協改革やTPPに大半の支部が反発したためだ」と説明する。近隣の宮城も同様の方針で、山形は選挙対応を決めていない。関係者は「農家に寄り添ってくれる候補かどうか見極める」と解説する。

日本医師会の政治団体である日本医師連盟(日医連)は、財政再建策の一つとして政府内で強まる医療費への削減圧力を警戒する。両組織のトップを兼ねる横倉義武氏は1月の日医連会合で、16年度の診療報酬改定を巡り全体の改定率が引き下げられる中で医師への報酬増を勝ち取ったとした上で「政府、与党にご理解いただいた結果だ」と強調した。
日医連幹部は「今後も政権と対話していく必要がある。まずは参院選でわれわれがどれだけ力を示せるかだ」と話す。票を背景に、政権に圧力をかける戦略だ。

分厚い「郵政票」を抱える全国郵便局長会(全特)。組織内候補が体調を崩し、候補を差し替えるハプニングに見舞われた。幹部は「末端組織まで浸透できるか時間との闘いだ」と焦りを隠さない。
日本遺族会は会員の高齢化が進んでおり、自民党内には「候補を立てて支援するのは今回が最後になるのではないか」(閣僚経験者)との見方が出ている。

【共同通信】
by kura0412 | 2016-05-17 08:59 | 政治 | Comments(0)