『中医協の議論としては、本体改定率が一番重要』

2016年度本体改定財源、前回の5倍 - 宮嵜雅則・厚労省保険局医療課長に聞く
中医協の議論、「本体改定率」がベース

2025年の医療提供体制に向け、地域包括ケアシステムの構築が主眼となった2016年度診療報酬改定。7対1入院基本料の基準が見直されたほか、調剤報酬も「患者本位の医薬分業」を確実に推進する方針が打ち出された。今改定を踏まえ、医療を実践していくためには、各点数の根底にある改定趣旨を読み解くことが不可欠だ。診療報酬改定を担当する、厚労省保険局医療課長の宮嵜雅則氏に、2016年度改定の主たるポイントとその考え方などについてお聞きした。

――まず今改定の位置付けをお教えください。
2014年10月の課長への取材では、2016年度改定は、2012年度と2014年度の改定の後段階である一方、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定の前段階と位置付けられていました。想定通りの改定が実施できたとお考えですか。

2025年に向けて、地域包括ケアシステムを構築していく流れの中で、前回、前々回の改定で取り組んだことを今改定で一歩進めていく。あるいは前回改定の修正すべき点は修正し、次回2018年度の同時改定につなげていく。これらの点については、ある程度できたのではないかと思っています。
具体的には後で触れることになると思いますが、入院関係では、7対1入院基本料や、前回改定で新設した地域包括ケア病棟入院料などの要件の見直し、外来ではかかりつけ機能の評価などを実施しました。前回改定で集合住宅等への点数を引き下げた在宅医療については、もう少しきめ細かに評価すべきとの意見があり、対応しています。

――改定率についてお聞きします。中医協総会でも、医薬品の「市場拡大再算定」のほか、今改定で導入された「特例再算定」による改定率は、なぜ「外枠」として扱うのか、といった議論がありました。

薬価調査を実施し、薬価と市場実勢価格の乖離率を基に薬価算定を行うのは、これまで通りのやり方です。「市場拡大再算定」など、大きく制度として枠組みが変わるようなものは、過去にも予算上は別に計上していたことはあり、それほどおかしい話ではないと思います。

――「市場拡大再算定」については、従来は薬価改定率に含めて計算していたのでは。

過去には全てを含めて薬価改定率を出していた時もあれば、個別に改定率を出していた時もあります。今回は、通常の薬価調査に基づく改定、市場拡大再算定や特例再算定に基づく改定について、それぞれ個別に改定率を示しているだけです。

――診療報酬本体と薬価等・材料の改定率はあくまで別々に扱うべきとお考えですか。

中医協での診療報酬改定の議論は、本体改定財源が基となり、どこにどのように配分し、評価していくかについての検討がメーンです。したがって、中医協の議論としては、本体改定率が一番重要。前回はプラス0.1%、医療費ベースで約400億円、今回はプラス0.49%、医療費ベースでは約2100億円で、改定財源は約5倍です。結果的に、いろいろなところに、きめ細かい評価ができたと思っています。

――次回改定でも、「診療報酬本体がプラス0.49%」をベースに議論することになりますか。

社会保障費に関する政府の予算編成過程では、「どの分野で効率化、適正化できるか」も論点となり、その議論は今回もあり、そして次回も行われると思います。ただし、中医協で改定の議論を行う際には、本体改定財源がどの程度あるかが重要な要素になります。

――「薬価の引き下げ財源は、診療報酬本体の財源に充てるべき」という議論は、中医協の議論とは別であるということですか。

中医協の診療側に、そうした意見があることは承知していますが、改定率は、政府の予算編成過程で決定することとなっています。極論すると、薬価の財源だけではなく、他の財源が本体改定率に入ってくることもあり得ますので、予算編成過程でどう考えるかという問題です。

【m3.com】
by kura0412 | 2016-03-22 15:22 | 医療政策全般 | Comments(0)

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