日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『口腔がん撲滅へ歯科医連携 検診システム化』

口腔がん撲滅へ歯科医連携 検診システム化、医療費削減に一役

先進国で唯一、患者数が増え続け、死亡率も46%に達する口腔(こうくう)がんの撲滅を目指す歯科医院のネットワークが誕生する。
産学一体で撲滅に取り組む「お口の健診」(東京都新宿区)が29日に本格始動、口腔内検診による早期発見に関心を示す医院に参加を呼びかけ、6月から検診システムを稼働させる。死亡者が増えているのは、早期発見につながる個別検診の受診率が約2%と低いため。特定検診が約50%まで高まると、医療費を年約10兆円(4分の1)削減できるとの試算もあり、健康経営に熱心な企業を中心に検診を受けるよう呼びかけていく。

早期発見で死亡率減
「検診のシステム化で口腔がんの死亡率を引き下げ、医療費削減を目指す」。お口の健診を立ち上げたコンサルティング会社、デジタルワンの中谷泰志社長はネットワークづくりの狙いをこう語る。
検診システム構築に向け、中谷社長が全額出資して昨年12月14日、お口の健診を設立。29日付で第三者割当増資を行い、デジタルワン(出資比率66.6%)のほか、健康食品の卸販売などを手がけるトータルヘルスコンサルティング(20%)、口腔内を観察する「ベルスコープ」の日本国内正規総代理店フィンガルリンク(6.6%)、歯科医師のネットワークを持つプレミアライン(6.6%)が出資。資本金を100万円から1500万円に引き上げる。
同時に東京歯科大や日本歯科大などの教授ら4人が顧問として参加。歯科医師会での講演などを通じて、口腔がんへの予防意識が低い国民に定期検診の必要性を訴えていく。

舌がんや歯肉がんなど口腔がんは、がん化するまで5~6年かかる。早期発見により死亡率が米国並みの19%に下がると日本では年間5000人の命が救えるという。
早期発見の核となるのが、日本で2015年3月に医療機器として認可された蛍光観察装置「ベルスコープ」。口腔粘膜内を観察し異常を発見する診断補助装置で、欧米を中心に2500万以上の症例を持つ。同装置を使って患者の口腔内を写真撮影し専門医に1次診断を依頼。専門医の報告書をもとに患者の治療や口腔内改善提案を行う。

今秋に200医院態勢
すでに50医院が参加を確定、検診システムが稼働する6月には100医院まで増える予定。初期導入費用は診断書作成ソフト・利用料などランニングコストを含めて89万円。また検診の予約サイトも開設、都道府県別に参加医院を一覧できるようにして予約受け付けを始める。それまでにベルスコープやその周辺装置の導入、研修などに取り組む。検診の重要性を訴求するプロモーション活動も始める。今秋には200医院態勢を目指す。

口腔がんは進行すると手術により舌や顎の骨を除去。食べたり話したりすることに支障をきたすだけでなく、見た目の悪さから自殺に追い込まれる患者も少なくないという。
悲惨な口腔がんを防ぐには検診を定期的に受けることが有効だ。プラント機器の設計・製造を手がける大同工機(東京都千代田区)は昨秋、日本歯科大の協力を得て口腔がん検診を行った。川手修社長は「健康診断で肺がんが疑われる事例が発生し検診を受けることにした。これを機に社員が口腔がん、歯の健康に高い関心を持ってくれるといい。今後も継続的に実施する予定」という。
日本歯科大付属病院病院長で、お口の健診の理解者でもある三代冬彦氏は「検診を実施することで早期のがん発見機会が増える。企業向け口腔検診を通して進行がん患者が減少できればと思い、この活動を強化している」と検診の重要性を説く。お口の健診では、検診時間が30分程度の個別検診スタイルでの検診を企業に呼びかけていく。

【SankeiBiz】



口腔ガン診断は非常に重要と考えていたのですが、初期費用に89万円となると躊躇します。果たしてどんな展開に広がるのか注視します。
by kura0412 | 2016-02-20 09:19 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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