「人道的見地からの治験(コンパッショネート・ユース)」

未承認のがん新薬、患者負担軽く 保険適用を拡大へ
厚労省、治験外れても混合診療

厚生労働省は今春をめどに、がんなど命にかかわる重い病気で治療の緊急性が高い患者を対象に、国内で承認されていない新薬を使う場合の自己負担を軽くする。薬代は原則として製薬企業に負担を求める一方、診察費や入院費などには国の保険を適用する「混合診療」の仕組みを適用する。
現行は厳しく制限されている混合診療の運用を一部緩めて、難病に苦しむ患者に欧米で効果が認められた先進的な抗がん剤などを安く投与できるための道を広げる。

近く省令を改正し、3月までに「人道的見地からの治験(コンパッショネート・ユース)」と呼ぶ制度を始める。
日本では通常、公的な医療保険は承認済みの薬にしか適用されず、未承認の薬を使う場合は高額の薬代や診察費などの医療費はすべて自己負担になる。
新しい制度では命が脅かされている患者らが未承認の薬を使う場合、例外的に「混合診療」を適用して国の保険を併用できる。米国やドイツ、フランスといった欧米主要国も導入しており、人道的見地から日本でも早期導入を求める声があがっていた。
今は患者が混合診療制度を使うためには、製薬会社が新薬の承認申請のために安全性などを確かめる「治験」といわれる臨床試験に参加するのが一般的だ。治験に入ると診察費など保険が利く費用は3割負担ですむ。薬代も製薬会社が全額や一部負担するので、患者の負担は軽くて済む。
だががんなどで緊急性が高いにもかかわらず、実際には高齢だったり持病、体形といった様々な要件を満たせずに治験に参加できず、混合診療の恩恵を受けられない患者も多い。自由診療となれば治療費が高額となる。経済的余裕がない患者には事実上、未承認薬を投与できないのが実情だ。
新制度では厚労省がこうした治験から外れた患者が参加できる、参加要件をある程度緩めた治験の枠を設け、診察費などへの保険が併用される範囲を広げる。混合診療を拡大する一歩となる。具体的な手続きとしてはまず、難病患者が医師とともにホームページで治験中の未承認薬を探し、使いたいものがあれば製薬会社に利用を申し込む。

新薬の費用は製薬会社に支払うよう求める。
製薬会社に断られた場合、患者は厚生労働省に不服申し立てができる。省内の検討会議が事例を検証して新制度を活用すべきだと判断すれば、製薬会社に再考を求める。
新制度での申し込みが殺到して通常の治験に支障が出そうなケースでは製薬会社が断ることも想定される。
新制度で使える未承認薬は日本で治験がすでに始まっていて、これに代わる治療法がないものだ。
今は治験中の薬を知ることは難しいが、新制度の開始にあわせて新たに医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページで公開する。治験の計画は年に約600件ほど提出されている。治験1件あたり数十人から数百人の患者が参加するのが一般的とみられる。
患者の希望に基づいて保険診療と保険外診療を併用できる「患者申し出療養」も今年4月に始まる。
患者が希望する治療を受けやすくなる混合診療の一種だが、診察費などの3割に加えて、薬代の全額を患者が負担する見通しだ。

【日経新聞】



新薬の費用は製薬会社持ちです。国は負担は殆どないようです。しかし、副作用あった場合の責任はどうなるのでしょうか。
by kura0412 | 2016-01-15 15:04 | 医療政策全般 | Comments(0)