日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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「人道的見地からの治験(コンパッショネート・ユース)」

未承認のがん新薬、患者負担軽く 保険適用を拡大へ
厚労省、治験外れても混合診療

厚生労働省は今春をめどに、がんなど命にかかわる重い病気で治療の緊急性が高い患者を対象に、国内で承認されていない新薬を使う場合の自己負担を軽くする。薬代は原則として製薬企業に負担を求める一方、診察費や入院費などには国の保険を適用する「混合診療」の仕組みを適用する。
現行は厳しく制限されている混合診療の運用を一部緩めて、難病に苦しむ患者に欧米で効果が認められた先進的な抗がん剤などを安く投与できるための道を広げる。

近く省令を改正し、3月までに「人道的見地からの治験(コンパッショネート・ユース)」と呼ぶ制度を始める。
日本では通常、公的な医療保険は承認済みの薬にしか適用されず、未承認の薬を使う場合は高額の薬代や診察費などの医療費はすべて自己負担になる。
新しい制度では命が脅かされている患者らが未承認の薬を使う場合、例外的に「混合診療」を適用して国の保険を併用できる。米国やドイツ、フランスといった欧米主要国も導入しており、人道的見地から日本でも早期導入を求める声があがっていた。
今は患者が混合診療制度を使うためには、製薬会社が新薬の承認申請のために安全性などを確かめる「治験」といわれる臨床試験に参加するのが一般的だ。治験に入ると診察費など保険が利く費用は3割負担ですむ。薬代も製薬会社が全額や一部負担するので、患者の負担は軽くて済む。
だががんなどで緊急性が高いにもかかわらず、実際には高齢だったり持病、体形といった様々な要件を満たせずに治験に参加できず、混合診療の恩恵を受けられない患者も多い。自由診療となれば治療費が高額となる。経済的余裕がない患者には事実上、未承認薬を投与できないのが実情だ。
新制度では厚労省がこうした治験から外れた患者が参加できる、参加要件をある程度緩めた治験の枠を設け、診察費などへの保険が併用される範囲を広げる。混合診療を拡大する一歩となる。具体的な手続きとしてはまず、難病患者が医師とともにホームページで治験中の未承認薬を探し、使いたいものがあれば製薬会社に利用を申し込む。

新薬の費用は製薬会社に支払うよう求める。
製薬会社に断られた場合、患者は厚生労働省に不服申し立てができる。省内の検討会議が事例を検証して新制度を活用すべきだと判断すれば、製薬会社に再考を求める。
新制度での申し込みが殺到して通常の治験に支障が出そうなケースでは製薬会社が断ることも想定される。
新制度で使える未承認薬は日本で治験がすでに始まっていて、これに代わる治療法がないものだ。
今は治験中の薬を知ることは難しいが、新制度の開始にあわせて新たに医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページで公開する。治験の計画は年に約600件ほど提出されている。治験1件あたり数十人から数百人の患者が参加するのが一般的とみられる。
患者の希望に基づいて保険診療と保険外診療を併用できる「患者申し出療養」も今年4月に始まる。
患者が希望する治療を受けやすくなる混合診療の一種だが、診察費などの3割に加えて、薬代の全額を患者が負担する見通しだ。

【日経新聞】



新薬の費用は製薬会社持ちです。国は負担は殆どないようです。しかし、副作用あった場合の責任はどうなるのでしょうか。
by kura0412 | 2016-01-15 15:04 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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