日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『電子カルテ普及へ新会社、日本医師会と政府系ファンド 』

電子カルテ普及へ新会社、日本医師会と政府系ファンド

日本医師会は電子カルテの普及に向けた基盤整備に乗り出す。12月上旬に政府系ファンドの地域経済活性化支援機構と共同出資会社を新設し、患者の診療記録を入力する情報システムを全国の診療所に広める。政府は個人に割り当てた番号でカルテなどの医療情報を電子的に管理する「医療番号制度」を導入する方針。官民が歩調を合わせて環境を整備する。
日本医師会は4日に地域支援機構と新会社設立の契約を交わした。出資額は合計10億円弱。
現在は患者が診療所で治療を受けると、医師は手書きの「紙カルテ」か「電子カルテ」に診療記録を入力する。それをもとに国民健康保険などに請求書が届き、最終的に患者から医師に診療報酬が払われる仕組みだが、診療記録を手書きで入力する診療所がなお多いという。全国に診療所は約10万カ所あるが、電子カルテの普及率は2割強にとどまるという。
新会社で扱うのはレセプト(診療報酬明細書)と電子カルテを一体化して運用するシステム。今後、IT(情報技術)企業などとも連携し、今は合計1000万円程度の導入コストを半額ほどに抑えたい考えだ。
医師会は約15年前にレセプトの作成ソフトを開発し、約1万5000の診療所に納入実績があるが、まだ紙カルテによる入力が主流になっている。
新会社を通じ、遅れている電子カルテの普及に本腰を入れることで、患者が複数の診療所や病院を訪れた際の重複診療の防止などにつなげる。

政府は「医療番号制度」を2018年度から、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)のシステムと段階的に連動させる。
病院や薬局が個人の診療情報や投薬歴を共有できるようにして、効果的な診療に生かすのが狙いだが、そのためにはカルテの電子化は欠かせない。逆に電子カルテの普及が進めば医療の効率化により、膨らみ続ける医療費の抑制につながる可能性もある。

【日経新聞】



電子カルテに関しての歯科界のコンセンサスはまだ得ていません。将来的には電子カルテは必須だけに、政府と二人三脚出来るチャンスでもあります。日歯は難しい対応を迫られそうです。
by kura0412 | 2015-11-05 08:32 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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