日医と医学部長会議が合同で動く

日医・医学部長会議が医師の偏在解消に向け緊急提言
医療機関の管理者要件に「医師不足地域での勤務経験」を

日本医師会と全国医学部長病院長会議は8月19日、医師の地域や診療科ごとの偏在の解消に向けた緊急提言の骨子を発表した。正式な提言は今後の検討を踏まえて発表される見通し。
骨子では冒頭、「現状の医師不足の本質は、絶対数ではなく、医師の地域・診療科偏在にある」とした上で、この課題解決のためには、「医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」と、一定の規制はやむなしとの考えを初めて表明した。

ここまで踏み込んだ提言を出したのは、これまで日医などが懸念を示し続けてきた千葉県成田市での医学部新設が現実味を帯びたため。政府は7月31日、「国家戦略特区」に指定されている成田市に、早ければ2017年度にも大学医学部を新設する方針を決めた。今秋をめどに医学部の開設を禁じている文部科学省の省令を改正する。
そうした状況に何とか一矢報いようというのが今回の緊急提言の狙いだ。
柱となる施策は、各大学医学部に、卒業後の医師の異動を生涯にわたって把握する「医師キャリア支援センター」(仮称)を設置するというもの。すべての医学生・卒業生は出身大学のセンターに必ず登録しなければならない仕組みとし、各センターでは医籍登録番号を活用して医師の異動を追跡する。
そのほか、センターは、医学生や卒業生に対して、学部教育、研修医マッチング、臨床研修、生涯教育などの様々な場面で相談に乗り、キャリア形成を支援する。このうち臨床研修については、自由に場所を選べる現在の仕組みを改め、出身大学の所在地域(出身大学の関連病院のある範囲を含む)で行うことを原則とする。臨床研修医の需給が均衡していない地域では、全国の支援センターをつなぐ組織として新設する「全国医師キャリア支援センター連絡協議会」(仮称)が各地域の情報を共有し、地域ごとの需給調整を進める。
さらに医師の偏在解消に向けて、提言では、「一定期間、医師不足地域で勤務した経験があること」を病院・診療所の管理者要件に新たに加えることも盛り込んだ。へき地などでの勤務経験を医療機関の管理者要件にするプランは、過去に厚生労働省が示したり、地方団体が要望してきたものの、日医などの強い反対に遭って実現せずにきた経緯がある。それが今回、一転した格好だ。

ただし、新たに管理者となる医師だけを対象にするのかどうか、医師不足地域や勤務期間をどう設定するかなどの詳細については、まだ詰め切れておらず、今後明らかにしていく方針だという。
日本医師会と全国医学部長病院長会議では、今回の骨子に基づく正式な提言書を近く取りまとめ、厚生労働省に示すとしている。

【日経メディカル】



自主的なこうゆう動きする医科の政策を実現する力は流石です。
by kura0412 | 2015-08-21 09:42 | 医療政策全般 | Comments(0)