「動ける」「排泄できる」「(口から)食べれる」人間の尊厳を保つ3大条件

「動く」「排泄」「食べる」をトータルサポート
マッサージ、訪問看護・歯科で支える在宅医療
「教育、研究にも力を入れ世界の高齢社会に貢献する」

こんにちは、Cadetto.jp管理人の増谷です。みなさんは、人生の最期をどのように迎えたいですか?高齢化社会に突き進む日本において、全ての人にとって重要な問題です。高齢者数が増える一方で、医療機関では病床数が制限され、介護施設も大幅には増えません。いわゆる“看取り難民”の発生が危惧されてきました。

「人間の尊厳を保つための在宅医療サービスを総合的に提供したい」と語るフレアス社長の澤登拓氏。
そこで厚生労働省は、高齢患者の受け皿として、高齢者住宅や自宅での看取りを推進する方針です。この方針に伴い、在宅医療を提供する企業が増えていることはご存じの通り。今回は、そうした企業の中でも「在宅マッサージ」「訪問看護」「訪問歯科診療サポート」という3つの柱で在宅療養を支える企業「フレアス」(山梨県甲府市)をご紹介します。
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(鍼灸マッサージ師)の国家資格を持つフレアス社長の澤登拓氏は、2000年にフレアスの前身である在宅マッサージ企業「ふれあい在宅マッサージ」を起業しました。マッサージは、麻痺や関節拘縮など運動機能障害がある患者や、廃用症候群が進んでいる患者などに対し、医師の同意や診断の下、医療保険が適用されます。自宅や施設を訪問してマッサージ治療を行い、患者の関節の動きやしびれ、疼痛の改善を行っています。

多職種連携の必要性を目の当たりに
澤登氏が多職種との連携を重視するようになった経緯には、ある筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者との関わりがありました。関節拘縮の予防や、呼吸障害を改善するために胸郭の硬化を緩和するマッサージなどを行っていた澤登氏。そのALS患者の治療には、理学療法士や看護師、さらに医師も関わっていました。「当時、多職種連携という言葉自体は聞いたことがありませんでしたが、マッサージだけではダメだということを実際に目の当たりにしました」(澤登氏)。
澤登氏は数年前、祖母が99歳で亡くなったときにも、多職種による在宅医療サービスの必要性を実感します。祖母は、亡くなる直前まで一人暮らしで、自立した生活を送っていました。しかし、あるとき脳梗塞で倒れて救急搬送されます。搬送先の病院で、祖母は高カロリー輸液を24時間行われて糖尿病を発症。様々な管がつながった姿を見て、澤登氏は「もう意識もないし、病院で積極的医療を受けることもないから連れて帰ろう」と考えます。しかし当時、周囲にはこのような状態の祖母を受け入れる施設はなく、在宅医療サービスを提供できる企業もありませんでした。そのため病院を出ることは断念せざるを得ず、祖母はそのまま3カ月間病院で輸液とインスリン治療を受け続けて亡くなりました。
この出来事を経て、「自宅で、安心して最期まで看取れる環境を提供したい」と考えた澤登氏。マッサージや理学療法に加え、医療レベルの高い訪問看護サービスも手掛けることを決めました。

人間の尊厳を保つ3大条件
現在は、訪問診療を行う歯科とも提携しています。澤登氏が口腔ケアの重要性を認識したのは、脳梗塞後片麻痺の90歳男性を担当したことでした。男性は胃瘻を造設していましたが、あるとき介護している妻から「口から少し食べさせてみたら、目の輝きが違った」と聞いたそう。また、癌の終末期患者の入れ歯を直し、経口摂取できるようにしてみたところ、ずっと食事を口から食べることができなかったその患者は「おいしい」と大変喜びました。こうした経験から澤登氏は、栄養価は変わらなくても口から食べることの重要性を再認識し、「在宅医療は、命をどう延ばすかというよりも、生活の質をいかに高め、支えるかに主眼が置かれた医療なんだ」と実感しました。
生活の質を高める上で重要なのは、いかに人間の「尊厳」を保つかということと考えた澤登氏。尊厳の条件として、「動ける」「排泄できる」「(口から)食べられる」という3つを挙げ、「どれかが欠けたらダメだということではありませんが、この3条件をできるだけ長く持たせたい」と話します。

「動ける」を支えるのは、マッサージと理学療法。
「排泄できる」を支えるのは訪問看護。
「食べられる」を支えるのは訪問歯科による口腔ケア。
フレアスはこうした総合的な在宅医療サービスを提供する体制を全国的に整えつつあります。在宅マッサージは、既に北海道から沖縄まで、約80カ所の拠点があり、約350人の鍼灸マッサージ師が社員として在籍。訪問看護は8カ所で、在籍する看護師は約50人。訪問歯科で提携する歯科医院は3カ所ほどです。直近では売上高25億円という規模に成長しています。「今後は、これら拠点の数を増やしつつ、将来的には医師による在宅診療も含めて提供していきたい」と展望を語ります。

教育モデルと医学的エビデンスを構築して世界展開を目指す
そして現在、同じくらい力を入れているのが教育と研究です。社内に「フレアスアカデミー」という教育・研究部門を立ち上げ、徹底した理念教育や、エビデンス作りに取り組む予定です。「マッサージは、個人で開業している人が多く、まとまったエビデンスがなかなか世に出てこない業界でした。フレアスでは年間延べ70万くらいの症例が集まるので、今後は論文を執筆して国内外に発表し、エビデンスを構築していきたい」(澤登氏)。
今後高齢社会を迎えるのは日本だけではありません。現在は、中国の企業との提携も進行中だとか。澤登氏は、「在宅医療サービスにおける教育モデルや医学的なエビデンスをいち早く確立し、日本や世界の高齢社会を支えていきたい」と強調しました。

【日経メディカル】



医師だけでなく、こうゆう職種の方も「食べる」ことの重要性を唱え、具現化した動きを進めています。
by kura0412 | 2015-07-21 08:38 | 医療政策全般 | Comments(0)

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