敗れたことによって政治家の価値が上がる

「無党派」に負けた橋下氏、敗戦の弁ににじんだ自負

「大阪都構想」を巡る住民投票の結果を受けた橋下徹大阪市長の記者会見はすがすがしかった。それもそのはずだ。勝敗を分けたのは、皮肉にもこれまで橋下氏の快進撃を支えてきた無党派層だったのだ。

共同通信社が実施した出口調査によると、都構想に反対する自民党の支持層は4割が賛成に回った。つまり、橋下氏が敵視してきた「既得権」に負けた、という言い訳はもはや通りにくい。
その橋下氏は、17日夜の記者会見で「日本の民主主義は相当レベルが上がった」「大阪の市民は全国で一番、政治や行政に精通した市民ではないか」などと語った。
実際、投票率は期日前投票を含め66.83%と、2011年の大阪府知事・市長のダブル選挙を6%近く上回った。国政選挙は過去最低の投票率を更新し、統一地方選では無投票再選が相次ぐなど有権者に政治への白けたムードが覆っていただけに、今回の住民投票の緊迫した投開票の様子は新鮮な感じすら受ける。多くの論点を争う国政選挙と、賛成か反対かの二者択一を迫る住民投票は性格は異なるとはいえだ。
「政治家冥利に尽きる活動をさせてもらい感謝している」という橋下氏の言葉は、大阪市民が政治や行政のあり方を自分のこととして考え、投票所に足を運ばせたという強い自負の裏返しともとれる。橋下氏は今年12月の大阪市長の任期満了をもって政界を引退する意向を表明したが、言葉の端々に捲土(けんど)重来への思いがにじむ。

来年夏には参院選がある。衆院選のダブル選挙も取り沙汰される。政治不信が強まるだけに、橋下氏の突破力を永田町が放っておくはずもない。憲法改正などをにらんで橋下氏と連携を模索してきた安倍晋三首相や菅義偉官房長官は、与党内の都構想反対論にも一貫して距離を置いてきた。
「感謝の思いを持ちながら、本当にありがとうございましたと大阪市民に言いたい」と締めくくった敗北宣言は、ひょっとしたら自らを負かした無党派層への「再チャレンジ」宣言になるかもしれない。

【日経新聞】



敗れたことによって政治家としての価値が上がったのかもしれません。
by kura0412 | 2015-05-18 09:28 | 政治 | Comments(0)

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