胃ろうの適応を今一度

胃ろうの「是非」、問わないで- 便利な医療器具、患者により良い選択を

「胃ろうの是非を問う。このような捉え方はしないでください」―。このほど京都市内で開かれた日本医学会の市民向け公開フォーラム「いのちを考える」。「高齢者のいのちを考える-胃ろう問題とは何か」をテーマに講演した東大大学院人文社会系研究科の会田薫子・特任准教授はこう述べ、「胃ろうを便利な医療器具の1つと捉え、患者にとってより良く使う方法を考えてほしい」と訴えた。【真田悠司】

講演の中で会田氏は、医師との十分な相談が必要とした上で、
▽頭やのど、食道などのがん
▽ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病
▽クローン病などの腸の病気
-などの場合には、生活の質(QOL)の改善のために、胃ろうは有効な選択肢になり得ると紹介した。

一方で、アルツハイマーの末期や老衰の終末期の患者には、胃ろうの造設は適切ではないと主張した。
会田氏は、「高齢である場合は、体も生き終わりの時に近づいている」とし、造設が死亡の原因となる可能性があると指摘。自ら食事ができない患者に対し、人工栄養の処置を行わないことは「餓死」を連想させるが、そうした末期の患者には、これはむしろ「緩和ケア」となり、穏やかな死につながるという。
だが、医療者にとって胃ろう造設が適切かどうかの判断が難しい事例もあるという。
脳卒中や事故で患者が頭部に重い損傷を負い、植物状態となった場合だ。この場合の胃ろうは、生存期間を延ばすためには有効だが、会田氏は「意思疎通が困難な状態で生き続けることを“うれしくない”と感じるか“悪くない”と考えるかは、患者本人やその家族の価値観や死生観の問題になる」と指摘した。
講演後の質疑応答では、緩和ケアの認定看護師から「経口摂取が困難な高齢者に、むやみに胃ろうを造ることに疑問を感じる。こうした患者は家族からも見放されていることもあり、このような状態で生きていて幸せか疑問に感じてしまう」との声が上がった。これに対し会田氏は、「本人がそのような人間関係を作ってきたことも事実。自身をすり減らしてしまうのではなく、その生き方を尊重し、プロの医療者としてのケアを心掛けては」と助言した。

【キャリアブレイン】



胃ろうを全て否定することも、また肯定することもなく、今一度、その適応について考えることは大切です。
そして、その前提には、口から食べさせる努力を怠らないことを歯科界から訴えなければなりません。
by kura0412 | 2015-02-17 09:23 | 医療全般 | Comments(0)