日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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胃ろうの適応を今一度

胃ろうの「是非」、問わないで- 便利な医療器具、患者により良い選択を

「胃ろうの是非を問う。このような捉え方はしないでください」―。このほど京都市内で開かれた日本医学会の市民向け公開フォーラム「いのちを考える」。「高齢者のいのちを考える-胃ろう問題とは何か」をテーマに講演した東大大学院人文社会系研究科の会田薫子・特任准教授はこう述べ、「胃ろうを便利な医療器具の1つと捉え、患者にとってより良く使う方法を考えてほしい」と訴えた。【真田悠司】

講演の中で会田氏は、医師との十分な相談が必要とした上で、
▽頭やのど、食道などのがん
▽ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病
▽クローン病などの腸の病気
-などの場合には、生活の質(QOL)の改善のために、胃ろうは有効な選択肢になり得ると紹介した。

一方で、アルツハイマーの末期や老衰の終末期の患者には、胃ろうの造設は適切ではないと主張した。
会田氏は、「高齢である場合は、体も生き終わりの時に近づいている」とし、造設が死亡の原因となる可能性があると指摘。自ら食事ができない患者に対し、人工栄養の処置を行わないことは「餓死」を連想させるが、そうした末期の患者には、これはむしろ「緩和ケア」となり、穏やかな死につながるという。
だが、医療者にとって胃ろう造設が適切かどうかの判断が難しい事例もあるという。
脳卒中や事故で患者が頭部に重い損傷を負い、植物状態となった場合だ。この場合の胃ろうは、生存期間を延ばすためには有効だが、会田氏は「意思疎通が困難な状態で生き続けることを“うれしくない”と感じるか“悪くない”と考えるかは、患者本人やその家族の価値観や死生観の問題になる」と指摘した。
講演後の質疑応答では、緩和ケアの認定看護師から「経口摂取が困難な高齢者に、むやみに胃ろうを造ることに疑問を感じる。こうした患者は家族からも見放されていることもあり、このような状態で生きていて幸せか疑問に感じてしまう」との声が上がった。これに対し会田氏は、「本人がそのような人間関係を作ってきたことも事実。自身をすり減らしてしまうのではなく、その生き方を尊重し、プロの医療者としてのケアを心掛けては」と助言した。

【キャリアブレイン】



胃ろうを全て否定することも、また肯定することもなく、今一度、その適応について考えることは大切です。
そして、その前提には、口から食べさせる努力を怠らないことを歯科界から訴えなければなりません。
by kura0412 | 2015-02-17 09:23 | 医療全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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