日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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選択基準は何でしょうか(日歯会長選挙)

日歯会長予備選挙 太田候補,髙木候補がそれぞれ記者会見を開催

大久保満男・現日歯会長の今期限りでの引退表明を受け,昨年12月18日に公示された日本歯科医師会会長予備選挙は,年明け1月6日に立候補の届出開始日を迎えた.同日には,これまですでに立候補の意思を表明していた太田謙司氏(大阪府歯科医師会会長)と髙木幹正氏(日本歯科医師連盟会長)の両名がそれぞれ届け出た後,東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷において相次いで記者会見を開催した.

太田候補「学術専門団体である日歯と政治的マターを扱う連盟は完全なる峻別が望ましい」
午前10時からの会見で,太田候補は選挙公約に「3つの改革」「5つの実行」を掲げ,2025年に向けて21世紀型の歯科医療を実現させるべく所信表明を行った.
大久保会長からの推薦状については,「過去にない異例のこと」と批判があることも受け止めたうえでのことである.
政策の中でも“最大の争点”になると述べた「日歯と連盟の峻別」については,髙木候補との違いを「髙木先生は両組織のトップを兼務することが望ましいと強く主張されていた」と強調.日歯は学術専門団体として厚労省をはじめとする関係省庁・団体としっかり議論をし,そのうえで連盟が政治的な折衝を行っていくべきである,と日歯の会長が最初から“政治力ありき”である必要はないとした.

髙木候補「日歯を単なる政策集団から“政策実現集団”に強化する」
午後5時からの会見で,髙木候補は「政策九箇条」を掲げ,わが国の超少子高齢化や世界的なグローバル化の波の中で時代が大きく変わろうとしているこの転換期に,歯科医療を守るためにはもはや総論だけを語るのではなく,歯科医療専門団体である日歯の機能を,単なる政策集団から「政策実現集団」にまで強化する必要がある,と訴えた.また,日歯連盟会長職を通じて培った経験や政官との太いパイプは,必ずや会員の役に立つものであり,実行力・具現化力が求められるこれからの日歯を率いる「即戦力のトップリーダー」になるだろうとの自信も覗かせた.
しかし,太田候補の発言を受けた記者からの質問には,「ポストの“兼務ありき”と言ったことは一度もない」と否定.峻別された両組織が上手くコラボレーションできるような機構づくりこそが最善である,と改めて述べた.

【HYORON HP】
by kura0412 | 2015-01-15 12:26 | 歯科 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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