『総選挙で日本人は愚かでない選択をした』

「総選挙で日本人は愚かでない選択をした」
極右を排除、低投票率で無意味な選挙に抗議
ピーター・エニス :東洋経済特約記者(在ニューヨーク)

――安倍首相率いる自公連立政権が過半数を獲得しましたが、自民党はいくつか議席を失い、公明党と合わせてもそれほど議席数は増えていません。安倍首相は選挙を行ったことで何を得て、失うものがあったとしたら何を失ったといえるのでしょうか。

安倍首相にとって、今回の選挙は権力の維持がすべてです。安倍首相が総理大臣の地位に留まり続けるうえでの最大の脅威は、野党ではなく与党に潜んでいます。主に経済動向に左右され、世論調査の形で表れる支持率が低下すると、安倍首相に対する自民党内部からの圧力は強まります。
選挙前までの動向を考えると、来年秋の自民党総裁選挙で安倍首相が危機に立たされる可能性がありました。今回の選挙に勝利することで、安倍首相は有力な挑戦者たちを退け、内閣の認識を劇的に変えてしまうような外部要因を取り除く必要があったのです。そこで総理大臣は時間をかせぎ、政治的資本を多少ながら再構築しました。そこで次に問題となってくるのが、彼はその時間と政治的資本を使って何をするかです。

公明党が議席を増やしたことの大きな意味
――自民党は多くの議席を失うかもしれないという予想があったにもかかわらず、実際はいくつかの議席を失うにとどまった。

今回の勝利は、事実上体制が維持されたことを示しますが、実際のところ自民党は議席数を増やすことになるだろうと各報道機関が予想していたことを考慮すると、いくらか決定性に欠けると見られることが重要な点でしょう。

――公明党が議席数を増やしたことは、集団的自衛権や核エネルギーといった複雑な問題に関する連立政権の意見集約を複雑化させる要因となるのでしょうか。

私は公明党が議席数を増やしたことに大きな意味があると考えています。基盤は連立政権によって支えられていたかもしれませんが、議席数を増やしたのは公明党自身の力です。そのため、消費税の引き上げ延期に関連した税政策や、集団的自衛権に対する内閣の決断を反映する安全保障法の改正などの問題を議論する際、連立政権内における公明党の立ち位置は、以前よりも有利なものとなるでしょう。
しかし、この力を公明党が利用するかどうか、そしてどのように利用するかは別の問題となります。公明党はジレンマに陥っています。公明党は、連立政権に加わることで政党が力を持ち、自民党との間で行う交渉を正しい方向に導くことができると投票者たちに訴えています。しかし、彼らが実のところ何を追い求めているか理解できていないとしたら、その議論にどんな意味があるというのでしょうか。

――これから民主党はどこへ向かうのでしょうか。

民主党は、将来の選挙に備えて反対勢力の中心としての立ち位置を守ることしかできませんでした。しかし今なお民主党は、アンチ自民党としての政党アイデンティティをはっきりと示し、政治を導くことができる存在であると日本の有権者たちに再度信頼してもらう必要があります。与党としての信頼性を証明しようとするあまり、中道もしくは中道右派を突きつめ過ぎると、自民党との差別化に失敗してしまうことになります。代表がいま変わろうとしていて、これから誰が浮上するかが明らかになります。民主党は初心に立ち返り、中道左派でリベラルな改革派政党としてのアイデンティティを取り戻す必要があると、私は考えています。
具体的には、かつては日本の躍進を先導したものの今や成長と世界経済における機能を阻害する要因となっている官僚主義的資本主義制度からの脱却、権力の一極集中から地方分権への促進、反中国の封じ込め戦略ではなくアジアとの関わりにつながる外交政策の模索、日本国粋主義者による歴史改ざんへの反対などを掲げる政党となることです。ここには、維新の会や左派 (日本共産党など) にさえ大いに通じる部分があると考えられます。

――明確な保守派である次世代の党が実質的に一掃されたことには、どのような意味があるのでしょうか。

極右派は、概ね支持を集めませんでした。これは、こういった団体が唱える人種差別的・極右派的レトリックに日本人たちが現状のところ翻弄されていないことを示す良い兆候だといえます。

――その反対に日本共産党は支持を集めました。なぜでしょうか。

日本共産党は、自民党に反対する明確な政綱をもった唯一の野党でした。彼らは消費税増税を(他の政党のように延期を支持しただけではなく) 真っ向から否定し、反原発の姿勢を明確にし、改憲や日本の自衛権拡大に強く反対し、沖縄基地拡大に反対する運動を先導し、そしてクリーンな印象があります。民主党など他の政党には自民党との明確な差異化がみられなかったため、安倍政権への反対票を投じたい多くの人々が日本共産党を選んだのです。

投票率の低さは日本人が愚かではないことを示した
――投票率の低さは何を示しているのでしょうか。

これは日本の人々が愚かではないことを示しています。彼らは、今回の選挙が「ジェリー・サインフェルド的選挙」(アメリカのコメディアンによる長寿テレビ番組にまつわる表現で、何の意味も持たない選挙の意) だということが分かっていたのです。そのため、家から出ないことを選んだのです。

――今回の結果は、何かしらの政策的含意を帯びてくるのでしょうか。例えば、TPP交渉や農業改革についてはいかがでしょうか。

知的財産保護など他の政策と同様、TPP賛成派のアメリカや他の国々に倣って日本の農業市場の開放を推し進めたいと安倍首相が望めば、そうすることは可能です。問題となるのは、彼がその必要性を理解するか、もしくはそれに関連した政治的代償を払おうとするかです。安倍首相が追い求めるものにはいずれも代償がついてきます――安全保障法制の整備や、来年出される予定の戦争に関する談話、憲法の改正などもそうです。
それでは、彼は自身のもつ政治的資本を何に使いたいと考えているのでしょうか。私たちには知る由がありません。安倍首相とそのブレーンたちは、オバマ大統領が共和党への協力の証拠としてTPPを通すことに必死になるあまり、最終的に農業市場問題に妥協を示すことをいまだに期待しているのではないかと私は疑っています。そうだとしたら、彼らはアメリカの政治を誤解しています。例えば、共和党は巨大農業地域の意見を代表しているため、日本の農業市場の開放を求めている、といったように。
アメリカが立場を改めずに交渉の場に臨んできた場合、安倍首相はそれに対処する準備ができているのでしょうか。今後数週間でどのような展開を見せるのか、注目しましょう。

――集団的自衛権についてはいかがでしょうか。

安倍首相は、日本国民の支持を得ていない状況下でも、大概のことを望み通りに進められる力を持っています。今回の選挙は、その現実を変えるには至りませんでした。しかし戦略上、安倍首相は公明党と何かしらの交渉を行わなければなりません。この問題に関する公明党の要点は何であるのか、また彼らが戦うにあたってどの程度強い意識を持っているのか、私にはわかりません。

――安倍首相は原子力発電を推進していくのでしょうか。

はい、安全であるとリストに記された発電所を再稼働するつもりだと思います。

沖縄では騒乱が起きる可能性
――沖縄問題についてはいかがでしょうか。

沖縄の人々は、知事選と今回の衆院選の2つの選挙で意思を表明してきました。そして、普天間基地の辺野古移設に対してはっきりと反対の意を示しました。沖縄県知事は、埋め立てを承認したことを覆すための解決策を探ることになります。それに失敗した場合、抗議者の群れがゲート前に押し寄せ、暴動となるでしょう。そのようになれば、東京の官僚やその仲間たちが、アメリカに対する約束を果たすための方策を用意しているかどうかが分かります。
率直に言うと、より大きな基盤構造を脅かしかねない沖縄のそういった騒乱に対し、アメリカがどの程度容認を示すかが分かります。それは、1972年の返還以来、沖縄にとって最も重大な瞬間となるでしょう。
安倍首相とその仲間たちは、現状のまま推し進めるだろうと私は確信しています。
なぜなら、アメリカへこの贈り物を捧げることによって、反中国・反韓国政策を推進する裁量がより与えられることになるからです。そして、安倍首相個人としてより重要なのは、それにより日本に対して戦後に下された戦時中の非行に対する判決を逆転させようという歴史改ざん運動も、いっそう進められることになるのです。

【東洋経済ONLINE】
by kura0412 | 2014-12-16 09:01 | 政治 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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