日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『総選挙で日本人は愚かでない選択をした』

「総選挙で日本人は愚かでない選択をした」
極右を排除、低投票率で無意味な選挙に抗議
ピーター・エニス :東洋経済特約記者(在ニューヨーク)

――安倍首相率いる自公連立政権が過半数を獲得しましたが、自民党はいくつか議席を失い、公明党と合わせてもそれほど議席数は増えていません。安倍首相は選挙を行ったことで何を得て、失うものがあったとしたら何を失ったといえるのでしょうか。

安倍首相にとって、今回の選挙は権力の維持がすべてです。安倍首相が総理大臣の地位に留まり続けるうえでの最大の脅威は、野党ではなく与党に潜んでいます。主に経済動向に左右され、世論調査の形で表れる支持率が低下すると、安倍首相に対する自民党内部からの圧力は強まります。
選挙前までの動向を考えると、来年秋の自民党総裁選挙で安倍首相が危機に立たされる可能性がありました。今回の選挙に勝利することで、安倍首相は有力な挑戦者たちを退け、内閣の認識を劇的に変えてしまうような外部要因を取り除く必要があったのです。そこで総理大臣は時間をかせぎ、政治的資本を多少ながら再構築しました。そこで次に問題となってくるのが、彼はその時間と政治的資本を使って何をするかです。

公明党が議席を増やしたことの大きな意味
――自民党は多くの議席を失うかもしれないという予想があったにもかかわらず、実際はいくつかの議席を失うにとどまった。

今回の勝利は、事実上体制が維持されたことを示しますが、実際のところ自民党は議席数を増やすことになるだろうと各報道機関が予想していたことを考慮すると、いくらか決定性に欠けると見られることが重要な点でしょう。

――公明党が議席数を増やしたことは、集団的自衛権や核エネルギーといった複雑な問題に関する連立政権の意見集約を複雑化させる要因となるのでしょうか。

私は公明党が議席数を増やしたことに大きな意味があると考えています。基盤は連立政権によって支えられていたかもしれませんが、議席数を増やしたのは公明党自身の力です。そのため、消費税の引き上げ延期に関連した税政策や、集団的自衛権に対する内閣の決断を反映する安全保障法の改正などの問題を議論する際、連立政権内における公明党の立ち位置は、以前よりも有利なものとなるでしょう。
しかし、この力を公明党が利用するかどうか、そしてどのように利用するかは別の問題となります。公明党はジレンマに陥っています。公明党は、連立政権に加わることで政党が力を持ち、自民党との間で行う交渉を正しい方向に導くことができると投票者たちに訴えています。しかし、彼らが実のところ何を追い求めているか理解できていないとしたら、その議論にどんな意味があるというのでしょうか。

――これから民主党はどこへ向かうのでしょうか。

民主党は、将来の選挙に備えて反対勢力の中心としての立ち位置を守ることしかできませんでした。しかし今なお民主党は、アンチ自民党としての政党アイデンティティをはっきりと示し、政治を導くことができる存在であると日本の有権者たちに再度信頼してもらう必要があります。与党としての信頼性を証明しようとするあまり、中道もしくは中道右派を突きつめ過ぎると、自民党との差別化に失敗してしまうことになります。代表がいま変わろうとしていて、これから誰が浮上するかが明らかになります。民主党は初心に立ち返り、中道左派でリベラルな改革派政党としてのアイデンティティを取り戻す必要があると、私は考えています。
具体的には、かつては日本の躍進を先導したものの今や成長と世界経済における機能を阻害する要因となっている官僚主義的資本主義制度からの脱却、権力の一極集中から地方分権への促進、反中国の封じ込め戦略ではなくアジアとの関わりにつながる外交政策の模索、日本国粋主義者による歴史改ざんへの反対などを掲げる政党となることです。ここには、維新の会や左派 (日本共産党など) にさえ大いに通じる部分があると考えられます。

――明確な保守派である次世代の党が実質的に一掃されたことには、どのような意味があるのでしょうか。

極右派は、概ね支持を集めませんでした。これは、こういった団体が唱える人種差別的・極右派的レトリックに日本人たちが現状のところ翻弄されていないことを示す良い兆候だといえます。

――その反対に日本共産党は支持を集めました。なぜでしょうか。

日本共産党は、自民党に反対する明確な政綱をもった唯一の野党でした。彼らは消費税増税を(他の政党のように延期を支持しただけではなく) 真っ向から否定し、反原発の姿勢を明確にし、改憲や日本の自衛権拡大に強く反対し、沖縄基地拡大に反対する運動を先導し、そしてクリーンな印象があります。民主党など他の政党には自民党との明確な差異化がみられなかったため、安倍政権への反対票を投じたい多くの人々が日本共産党を選んだのです。

投票率の低さは日本人が愚かではないことを示した
――投票率の低さは何を示しているのでしょうか。

これは日本の人々が愚かではないことを示しています。彼らは、今回の選挙が「ジェリー・サインフェルド的選挙」(アメリカのコメディアンによる長寿テレビ番組にまつわる表現で、何の意味も持たない選挙の意) だということが分かっていたのです。そのため、家から出ないことを選んだのです。

――今回の結果は、何かしらの政策的含意を帯びてくるのでしょうか。例えば、TPP交渉や農業改革についてはいかがでしょうか。

知的財産保護など他の政策と同様、TPP賛成派のアメリカや他の国々に倣って日本の農業市場の開放を推し進めたいと安倍首相が望めば、そうすることは可能です。問題となるのは、彼がその必要性を理解するか、もしくはそれに関連した政治的代償を払おうとするかです。安倍首相が追い求めるものにはいずれも代償がついてきます――安全保障法制の整備や、来年出される予定の戦争に関する談話、憲法の改正などもそうです。
それでは、彼は自身のもつ政治的資本を何に使いたいと考えているのでしょうか。私たちには知る由がありません。安倍首相とそのブレーンたちは、オバマ大統領が共和党への協力の証拠としてTPPを通すことに必死になるあまり、最終的に農業市場問題に妥協を示すことをいまだに期待しているのではないかと私は疑っています。そうだとしたら、彼らはアメリカの政治を誤解しています。例えば、共和党は巨大農業地域の意見を代表しているため、日本の農業市場の開放を求めている、といったように。
アメリカが立場を改めずに交渉の場に臨んできた場合、安倍首相はそれに対処する準備ができているのでしょうか。今後数週間でどのような展開を見せるのか、注目しましょう。

――集団的自衛権についてはいかがでしょうか。

安倍首相は、日本国民の支持を得ていない状況下でも、大概のことを望み通りに進められる力を持っています。今回の選挙は、その現実を変えるには至りませんでした。しかし戦略上、安倍首相は公明党と何かしらの交渉を行わなければなりません。この問題に関する公明党の要点は何であるのか、また彼らが戦うにあたってどの程度強い意識を持っているのか、私にはわかりません。

――安倍首相は原子力発電を推進していくのでしょうか。

はい、安全であるとリストに記された発電所を再稼働するつもりだと思います。

沖縄では騒乱が起きる可能性
――沖縄問題についてはいかがでしょうか。

沖縄の人々は、知事選と今回の衆院選の2つの選挙で意思を表明してきました。そして、普天間基地の辺野古移設に対してはっきりと反対の意を示しました。沖縄県知事は、埋め立てを承認したことを覆すための解決策を探ることになります。それに失敗した場合、抗議者の群れがゲート前に押し寄せ、暴動となるでしょう。そのようになれば、東京の官僚やその仲間たちが、アメリカに対する約束を果たすための方策を用意しているかどうかが分かります。
率直に言うと、より大きな基盤構造を脅かしかねない沖縄のそういった騒乱に対し、アメリカがどの程度容認を示すかが分かります。それは、1972年の返還以来、沖縄にとって最も重大な瞬間となるでしょう。
安倍首相とその仲間たちは、現状のまま推し進めるだろうと私は確信しています。
なぜなら、アメリカへこの贈り物を捧げることによって、反中国・反韓国政策を推進する裁量がより与えられることになるからです。そして、安倍首相個人としてより重要なのは、それにより日本に対して戦後に下された戦時中の非行に対する判決を逆転させようという歴史改ざん運動も、いっそう進められることになるのです。

【東洋経済ONLINE】
by kura0412 | 2014-12-16 09:01 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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