既に分析は始まっています

「消費税10%」後の社会保障制度とは?
7月17日スタート!「社会保障制度改革推進会議」の役割

そうした微妙な立ち位置も見計らいつつ、ひとまず年内は、地域医療ビジョンの策定をにらんだ作業が中心となってこよう。それ1つとっても、今後のわが国の社会保障をめぐっては軽視できないものである。早速、社会保障制度改革推進本部の下に、「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」を設置して、地域横断的な医療・介護情報の活用方策などを検討することから始めることとなっている。

専門調査会での討論は、医療費適正化の重要なステップ
「医療・介護情報の活用方策」と抽象的に言われても、何のことかわからないだろう。専門調査会の名前は抽象的だが、ミッションははっきりしている。それは、社会保障改革プログラム法で方向性が示され、今年の通常国会で成立した地域医療・介護総合確保推進法に盛り込まれたものだが、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保のための体制整備に必要な情報整理と分析である。
地域医療・介護総合確保推進法では、医療機関が病床機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)を都道府県に報告する仕組みである、病床機能報告制度を設けることが決まった。そして、この制度を基に、地域医療構想(ビジョン)を都道府県が策定することになっている。予定では、今年度中に、都道府県が地域医療ビジョンを策定するために必要なガイドラインを策定し、ガイドラインを踏まえ来年度に都道府県が地域医療ビジョンを策定することとなっている。
地域医療ビジョンでは、病床の機能分化・連携を進めるなど、医療提供体制改革を行うことを目指すとともに、過剰な医療機能への転換の中止要請、稼働していない病床の削減要請、要請に従わない医療機関の管理者の変更など、強化された都道府県の権限で、医療費を適正化することが期待されている。したがって、この専門調査会は、この予定をにらんでの作業を進めることとなろう。
地域医療ビジョンがより有効に策定されれば、患者のニーズと医療機関の体制のミスマッチを減らして、都道府県間で1人当たり医療費が高い県と低い県が顕著にある現状を改めて、医療の質を保ちながら医療費の負担を適正にすることが可能である。2025年を見据えて的確な一歩を踏み出せるかどうかがかかっている。
別の言い方をすれば、社会保障改革プログラム法自体は、消費税率を10%に引き上げることを規定した法律ではない。しかし、社会保障改革プログラム法は、消費税率を10%に引き上げることを想定して、子ども子育て、医療、介護、年金の各分野で必要な制度改革の進め方を規定したものである。そして、その社会保障改革プログラム法によって、社会保障制度改革推進会議の設置が根拠づけられている。

2025年見据え、横断的視点で社会保障制度改革を議論
要するに、社会保障制度改革推進会議には、ポスト「一体改革」を意識した議論を託されたものといえよう。したがって、社会保障制度改革推進会議は、消費税率を10%に上げるか否かを決める機関ではないものの、消費税率を10%に引き上げることを想定して企画された社会保障改革について進捗状況を確認し、さらにその後2025年を見据えたわが国の社会保障制度のあり方を、5年以内に打ち出すことを目指している。

では、社会保障制度改革推進会議は、当面どこに焦点を当てて議論するのか。
社会保障に関する有識者会議は、厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会があり、そこではより専門的に各分野の具体策について議論する場が設けられている。さらに、医療では、健康保険制度や診療報酬の改定などについて審議する中央社会保険医療協議会がある。社会保障制度改革推進会議は、社会保障審議会や中央社会保険医療協議会などと対抗する形で議論する場ではない。むしろ、社会保障制度の分野横断的な内容を扱うのに向いている。
その観点から言えば、他の会議体では扱いにくい内容で分野横断的なものとして、基礎年金の給付水準と生活保護給付の水準の調整や、医療と介護のより包括的な連携、社会保障給付と税制との関係などが考えられよう。
とはいえ、政権として消費税率を10%に引き上げることを最終判断していない以上、今夏以降の年内において、それが前提になるような社会保障制度の具体策を、社会保障制度改革推進会議で議論するのはなじみにくいだろう。この会議の直接的な担当である、甘利明・社会保障・税一体改革担当大臣は、目下の景況をにらむ経済財政政策担当大臣でもある。社会保障制度改革推進会議議長に就任した清家篤慶応義塾長は、第1回会合後の記者会見で、まだ消費税10%も本決まりでなく、まずは10%を前提とした制度の成り行きを注視するとの旨を述べている。
そうした微妙な立ち位置も見計らいつつ、ひとまず年内は、地域医療ビジョンの策定をにらんだ作業が中心となってこよう。それ1つとっても、今後のわが国の社会保障をめぐっては軽視できないものである。早速、社会保障制度改革推進本部の下に、「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」を設置して、地域横断的な医療・介護情報の活用方策などを検討することから始めることとなっている。

専門調査会での討論は、医療費適正化の重要なステップ
「医療・介護情報の活用方策」と抽象的に言われても、何のことかわからないだろう。専門調査会の名前は抽象的だが、ミッションははっきりしている。それは、社会保障改革プログラム法で方向性が示され、今年の通常国会で成立した地域医療・介護総合確保推進法に盛り込まれたものだが、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保のための体制整備に必要な情報整理と分析である。

地域医療・介護総合確保推進法では、医療機関が病床機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)を都道府県に報告する仕組みである、病床機能報告制度を設けることが決まった。そして、この制度を基に、地域医療構想(ビジョン)を都道府県が策定することになっている。予定では、今年度中に、都道府県が地域医療ビジョンを策定するために必要なガイドラインを策定し、ガイドラインを踏まえ来年度に都道府県が地域医療ビジョンを策定することとなっている。

地域医療ビジョンでは、病床の機能分化・連携を進めるなど、医療提供体制改革を行うことを目指すとともに、過剰な医療機能への転換の中止要請、稼働していない病床の削減要請、要請に従わない医療機関の管理者の変更など、強化された都道府県の権限で、医療費を適正化することが期待されている。したがって、この専門調査会は、この予定をにらんでの作業を進めることとなろう。
地域医療ビジョンがより有効に策定されれば、患者のニーズと医療機関の体制のミスマッチを減らして、都道府県間で1人当たり医療費が高い県と低い県が顕著にある現状を改めて、医療の質を保ちながら医療費の負担を適正にすることが可能である。2025年を見据えて的確な一歩を踏み出せるかどうかがかかっている。

※ 本稿において意見にわたる部分は、あくまで筆者の個人的見解であり、筆者が関わる組織や会議等を代表するものではない。

【土居史郎:岐路に立つ日本の財政】




9月1日開催の医療介護情報の分析検討WGでは歯科医療費に対しても都道府県別分析が示されています。
非常に重要な問題だと思うのですが、何故かこうゆうマクロ的な議論に対して歯科界ではあまり話題になりません。
by kura0412 | 2014-09-03 14:19 | 医療政策全般 | Comments(0)

コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30