日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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これからのアベノミクスは経済への不満という時限爆弾との戦いか

安倍内閣は、成長戦略の効果がでてくるまでのタイムラグをどう乗り切る

アベノミクスの第一の矢の異次元の金融緩和が、円安誘導となり、それが株価を上げる効果を生みました。それが輸出企業の好決算を呼んだわけですが、弊害もではじめてきています。しかし、円安が進んでも輸出は増えず、またインフレを見込んで投資が進むという当初の目論見も成功していません。金融政策の限界が見えはじめてきている昨今です。第二の矢の財政出動の拡大も限界があります。
日本の経済にとっては、第三の矢の成長戦略がアベノミクスの本丸であることはいうまでもないことですが、やはりそれしかないと考える人は少なくないのではないでしょうか。
しかし、問題は規制緩和やその他の企業の投資を呼びこむ成長戦略の手を打ったとしても、その効果がでてくるには2~3年の期間を要することです。

もし日本の産業構造が、成長性の高い分野で、付加価値が高く、また国際的な競争力を持っている産業の厚みあれば、円安はビジネス・チャンスとなり、インフレ期待が加われば、企業投資は積極的になります。
確実に売上の増加、国際的なシェア競争で優位に立てることが期待できるとなれば、企業は敏感に反応します。しかし産業として成熟してしまい、また欧米の経済も停滞してくると、いくら設備投資を行い、供給力を高めても、競争が激化し、価格競争を誘発するだけとなると、投資は望めません。
日本の産業の課題の中心は、成熟した分野から抜けだして、これから確実に成長する市場にどうチャレンジし、成長産業を育てていくかにかかってきています。言いかえれば、企業の投資や新しい産業が起こってくるしかけが成長戦略の本丸になってきます。

規制緩和はそのもっとも重要な切り口になってきます。
しかし、たとえばiPS細胞をめぐっては、再生医療分野への期待だけでなく、規制緩和によって、創薬や周辺ビジネスへの参入が活性化してきていますが、本格的に市場が伸びてくるのはまだまだこれからです。iPS アカデミアジャパン 株式会社
また古い停滞した産業から、より成長性が高く、付加価値の高い産業に人材が移ってこそ、新しい産業が育ってきますが、人材の流動化に対しては、誤解もあってか、大胆な手が打つことが困難で、また実際に人材の流動化が起こっても、それですぐさま経済成果を生まれてくるというものではありません。
そう考えると、そろそろ第一の矢、第二の矢の短期的な効果という点では種が尽きはじめ、第三の矢の効果で、企業が動き出す、たとえ明るい雰囲気だけでもでてくるまでにはタイムラグがでてきます。
しかし、そのタイムラグの間にも、エネルギーコストや、輸入物価は高止まりし、さらに高速道路料金の実質値上げで物流コストも上昇するなど、企業にとっても、国民にとってもつきつけられてくるのは厳しい我慢です。

以前、安倍政権が危うくなってくるのは、外交ではなく経済だろうと書いたことがありますが、その経済状態への不満という時限爆弾が刻々と時を刻み始めてきているように見えます。
ただ、野党があまりに弱く、また石破幹事長の立場が微妙になったことで、与党でも安倍総理と競い合う人材がいないままに、企業や国民が我慢するという時期が長引くのでしょうか。つまらない政局ではなく、安倍内閣がこのタイムラグをどう乗り切るのかが注目されます。
しかし、こういう時にこそ、政府頼みではなく、それぞれのビジネスで、新しい価値創造にむけたチャレンジを行う気持ちをもつことのほうがはるかに大切だと思っています。チャレンジした企業や個人を評価する気持ち、チャレンジ精神を大切にする風土があってこそ、新しいビジネスも育ってくるのですから。

【大西 宏のマーケティングエッセンス】



ここで示されているようにアベノミクスが真の意味での経済効果が出ているまで、安倍政権への国民の評価がどう変化するかが大きなポイントの一つになりそうです。
となると、やはり消費税10%増税は大きなカギを握ります。
by kura0412 | 2014-08-29 11:21 | 政治 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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