日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

日本IBM健保組合でも

医療費どう抑える 健康なら「1万円」支給
新潮流をつかむ(5)

岡山県中南部に位置する総社市に各地の自治体の目が集まっている。市が運営する国民健康保険は自営業者のほか、高齢者や低所得者の加入が多く、医療費の増加で赤字が続く。市は基金を取り崩して支えているが、数年で底をつく見通しだ。そこで立て直しに向けある奇策に出たのだ。
特定健康診査(メタボ健診)を受けて、1年間医師にかからなかった加入者にもれなく1万円を支給。スポーツ大会など健康事業に3回参加すれば、抽選で最大10万円が当たる――。
現金還元で健康意識を植え付ける試みに批判があるのは承知の上だ。「仮に数百万円支出しても、治療費が年間500万円かかる重い人工透析患者が1人でも減れば、成果があったといえる」(片岡聡一市長)

■25年度は54兆円
病気やけがの治療で2011年度に全国の病院などに支払われた額(国民医療費)は約38兆6千億円で、10年間で約7兆5千億円増えた。だが、膨張はまだ続く。政府推計によると、団塊の世代が75歳以上になる25年度は患者の窓口負担を除いても54兆円になる。
「現状を放置すれば、日本の医療はいずれ持続できなくなる」とする大和総研の鈴木準主席研究員の指摘は決して大げさではない。だが、医療の崩壊を望む人はどこにもいない。

東京都中央区の日本IBM本社。昼すぎ、各フロアの洗面所は丁寧に歯を磨く社員でいつも混み合う。
どうすれば医療費を減らせるのか。同社健康保険組合は歯周病の予防に着目した。産業歯科医の加藤元氏によると、糖尿病の人が歯周病になると症状が悪くなるなど口腔(こうくう)と生活習慣病は関連性があるとされる。予防歯科は健康管理の第一歩だという。
これまでに全社員の3分の2にあたる約2万2千人が口腔ケアの指導を受けた。健保の医療費の1割を占める歯科だけをみても、開始8年目の11年、何もしなければかかっていた医療費を抑制できた累積額が口腔ケア指導の総コストを3200万円上回った。

厚生労働省は昨年、生活習慣病の予防を進め、価格の安い後発医薬品(ジェネリック)の使用を広げれば25年までに医療費を4兆4千億円減らせるとの目標を初めて公表した。15年度にも都道府県ごとに抑制の数値目標を設ける考えだ。

■患者は賢く利用
とはいえ、世界中を見渡しても、医療費抑制の決定打はない。
予防は個人の健康のためには必要だが、生涯医療費などを含めると医療費を抑えられるとの明確な根拠はない。ジェネリックの利用も限界がある。名城大の坂巻弘之教授は「例えば、高齢者が受ける医療はどれだけ治療や投薬をしても一定額とする仕組みに変えるなど、診療費の中身にまで踏み込まないと抑制は難しい」と語る。
国や企業、医療関係者だけが努力すればよいという話でもない。
患者に医療の仕組みを教える講座を開くNPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」(大阪市)の山口育子理事長は「患者が賢く病院を利用し、無駄な受診や投薬をなくせば、医療費はもっと減らせる」と指摘する。国民の意識も大きく変わらないと、この国の医療に未来はないかもしれない。

【日経新聞】


デンソーだけではなく日本IBM健保組合でも積極的な取り組みをしているようです。
by kura0412 | 2014-08-28 09:36 | 歯科医療政策 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
以前の記事
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧