日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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レセプトデータ―を使い府県別に医療費上限目標導入

医療費抑制、入院費にメス 地域格差、最大で2.1倍

政府は11日、医療費など社会保障給付の伸びを抑える議論に着手した。2015年度にも都道府県ごとに医療費支出の上限目標を設けるため、まず目標を算定する方法を14年度末までに作る。
医療費は入院費などを中心に膨らみ、財政を圧迫する一方だ。地域単位できめ細かくコントロールする仕組み作りを狙うが、医師会などの抵抗をはね返せるかが課題となる。
医療費目標の算定方法は、政府の社会保障制度改革推進本部(本部長・安倍晋三首相)の下においた専門家組織で作る。

11日に首相官邸で開いた初会合で、甘利明経済財政・再生相は「改革に国民の理解や関係者の納得を得る上で重要だ」と、その意義を強調した。具体的な算定式案は、組織内に設けた少人数の作業チームで年内をメドに検討し、都道府県ごとの目標作りに入る。
医療費には、都道府県によって地域差がある。厚生労働省の調べでは、75歳以上の高齢者医療の場合、11年度の1人当たり医療費が最も多い福岡県は、最も少ない岩手県の約1.6倍にもなる。主に地域差を左右するのは、医療費の半分ほどを占める入院費だ。
75歳未満の国民健康保険も含めた1人当たりの入院費でみると、最も多い高知県は、最も少ない千葉県の約2.1倍。入院費が高い地域は、ベッド数が過剰だったり、患者の入院している日数が不必要に長かったりして、費用がかさんでいる。
厚労省は入院費を抑えるため、平均の入院日数の短縮を進めてきた。そのために取った手法は、全国一律の公定価格である診療報酬を上げたり下げたりすることだった。これでは地域差が是正できず、医師会との調整を経て踏み込み不足にもなり、効果は不十分だ。
今回、都道府県ごとに医療費の支出目標を作るのは、医療費または入院費の大小を決める要因を分析して客観的に明らかにし、医療費が多い地域を、少ない地域の水準に合わせ是正できるようにする狙い。医療費が目標を超えた都道府県に対し罰則は設けず、医療費目標で成果を上げているフランスも参考に、緩やかな管理を目指す。ただ医師会の抵抗は確実で、目標に実効性を持たせる仕組み作りが欠かせない。

目標算定にあたっては、診療報酬明細書(レセプト)などの電子データを分析する。
平均の入院日数や、どの種類の病気で病院にかかっているかなどを把握。市町村をまたいだ地域単位で、救急やリハビリなど医療の役割別にどれほどのベッド数が必要かを算出する。
併せて安価な後発医薬品の使用状況などを調べ、人口や年齢構成などの要素も加味して、適正な医療費水準を算定する。作業チームのリーダーである松田晋哉・産業医科大教授の福岡県を対象にした研究をモデルに、各都道府県に応用する。

【日経新聞】
by kura0412 | 2014-08-12 09:27 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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