『院外処方やめました』

院外処方やめました

今回が連載第2回となるため、私もオンラインに載った第1回の記事を読むことができる。なんとコラムのタイトルが「赤穂の風雲児 古城資久の急性期病院血風録」となっている。こんなの聞いてないよ(契約書には書いてあったらしい)。赤穂は塩の名産地で雨が少ないことで有名。従って風も雲もありません。私が経営する病院6件のうち全床急性期は東京の救急病院と姫路の産婦人科病院だけで残る4病院はケアミックスやリハビリ病院である。血風録ってチャンバラじゃないし。まあキャッチコピーまで口出しするのは野暮なので、もういいですが…。
今回のお題は「院外処方やめました」。まず院外処方に関する最近のトピックスから。

調剤薬局はそれほどもうかるの?
昨年、兵庫県の山間地にある2つの市民病院が統廃合し、山間地のそのまた郊外に1つの病院として移転開業した。そこで院外薬局向けの土地二筆(各260m2)を市が売りに出したところ、10億円と4億2000万円で大手調剤チェーンに落札されたそうだ。
坪単価は10億円/260(m2)×3.3=1270万円である。隣接する病院用地は9万m2で13億9000万円だったそうで、坪単価は13.9億円/9万(m2)×3.3=5万1000円となる。病院用地が5万1000円/坪で隣地の薬局用地が1270万円/坪とはナント250倍である。病院は路線価と実売価格から価格決定しており、調剤薬局の土地は競争入札ではあるが調剤薬局って病院とは比べ物にならないくらいもうかるんですねえ。以下は妄想に近い試算だが、「血風録」の題名に免じてご容赦を。
この病院の外来患者は1000人/日を想定しているそうだ。すると処方枚数は800枚くらいかと思われる。処方箋単価はせいぜい1万円くらいだろう。土地代10億円側の調剤薬局が貰える処方箋が400枚?そこまで行くかな?外来診療日数は年間250日だから、1万円×400(枚)×250(日)=10億円で大した売上とは思えない。一緒にドリンク剤やテッシュを売っても年商11億円が限度では。
調剤薬局の建物はお金がかかっていないから減価償却費は年間1000万円くらいか(39年の償却で建築代金3億9000万円)。機械設備は損金算入できるリースで行くはずだ。
建築物は償却できるが、資金の寝る土地代10億円を何年で回収するか。さらに勝手な想像だが、大手調剤チェーンは上場しているところが多く、10年くらいで回収できなければ株主の納得は得られないだろう。すると1億円のキャッシュフローが欲しい。それならば経常利益1.6億円、税引き後利益9000万円を確保する必要がある。
経常利益率は1.6億円/11億円=14.5%になる。土地の投資回収がいらない店舗ならこれ以下の利益率でもよいだろうが、10億円の資金をいきなり土地にブチ込むならこのくらいないと商売としては旨みがないだろう。
当然仕入れ代も、販管費も、人件費も、消費税損税もあるのにそんなに利益が出せるのだろうか。病院に比べ原価率が高く付加価値が低い調剤薬局がこれほどもうかるのだとすれば、厚労省の処方した院外処方誘導への薬が効きすぎているのでは。
調剤大手の日本調剤の2013年度の売り上げは1650億円で社長の役員報酬は6億8000万円であった。売り上げ25兆7000億円のトヨタ自動車・創業家出身社長、豊田章男氏の年棒が1億8400万円だから調剤薬局は悪くない商売なのだろう。

院外処方は患者に評判が悪い?
いまから30年余り前、薬漬け医療が医療費の高騰の原因と言われ医薬分業がスタートした。
当時は薬価が高く、仕入れの割引率が良く、薬を出すほど病院がもうかっていた。半値8掛け2割引にもう1箱オマケの時代である。当時は薬クソ売と言われていた。9層に利益が乗っていることを皮肉った表現だった。その後相次ぐ薬価の引き下げと、薬剤師の求人難で医療機関は院内調剤を次々と止めて行き、今では70%が院外調剤らしい。気が付くといつのまにか病院は経営困難になり、調剤薬局だけが繁栄する時代になった。
われわれ伯鳳会グループでも処方箋料が上がり、院外処方の方が一見もうかりそうになった今から16~17年ほど前に先代が院外処方に切り替えようとしたが、私が必死で止めた。なぜなら我々病院はサービス業だから。目先のおカネに目がくらんで、サービス低下を来たしては将来があるはずがない。患者さんにとってはワンストップサービスでコストの安い院内処方が良いに決まっている。二度手間で、時間がかかって、オマケに高い調剤薬局を患者さんが好むと考えるほうがどうかしている。
院外処方は病院での薬剤管理が不要になるという意見もあるが、病院薬剤師のコア業務を外注するなど言語道断。複数の医療機関を受診する患者の服薬管理の容易さも、患者さんがかかりつけ薬局にしか行かないという前提条件があるうえ、実は過渡的なものに過ぎない。厚労省の進めるカルテ一元化が完了すれば、お金がかかると評判の悪い「お薬手帳」によるアナクロな薬剤管理は昔話になるだろう。
われわれは事業を拡大し、薬品の取扱量を増やしバイイングパワーを上げ、問屋との価格交渉ができるように長年努力している。われわれのグループは最近M&Aで傘下とした東京を除き、全て院内処方である。赤穂は最初から院外には出さなかったが、M&A前は院外処方だった明石も姫路も大阪も全て院内に切り替えた。こうして伯鳳会グループの薬品購入額は年間30億円近くになり、価格交渉の上でのスケールメリットも出てきたようだ。
大阪は2012年12月に院内処方に切り替えてから外来数が増えてきた。院内処方切り替え1年後に患者さんへのアンケートを取ったが「院内調剤が病院を選ぶ選択肢になるか」に対し「はい」が44%、「いいえ」が27%。「今後も院内調剤を望むか」については「はい」が93%、「いいえ」が5%と院内調剤継続を望む声が圧倒的であった。また患者さんの44%が病院を選択する上で院内処方であることを考慮すると答えているが、処方の様式だけでこれほどの集患インセンティブになるとは、予想以上の効果であった。
医療周辺業務しかもうからないようにできている

薬剤に限らず、われわれはグループ内の業務はできるだけ内製化するようにしている。医事課も、受付業務も、給食も、駐車場管理も、送迎も、売店も、院内喫茶店も全て自前である。園芸緑化部門や警備も一部は内製化している。清掃は外注しているが、現在はグループ内の障がい者就労支援施設の取り扱いを徐々に増やしている。
なぜなら外注業者がもうけられるということは、自分でやってももうけられるはずだからだ。
コア事業じゃないだの、「選択と集中」だのと言ってすぐ外注に頼る病院経営者はサボッているのだ。職員配置ができないだの労務管理が大変だのは言い訳ですな。できない理由を探す経営者など経営者の風上にも置けぬ。楽してもうかる仕事があるわけがない。スキなことだけ、カッコイイことだけやってメシが食えるならだれも苦労しない。
足元に落ちている1円玉をかき集めて食って行くのが病院経営である。
なにしろ診療報酬・介護報酬の改定のたびに事業所の利益率が調査されて、生かさぬよう殺さぬよう価格調整がなされるのがわれわれの業界である。つまりコア事業ではもうけられないように、現状維持がやっとに制度設計されているのである。もうけられるのは製薬会社、調剤薬局、医療機器会社、給食委託、リネン、オムツ、清掃、警備、駐車場管理、医師・看護師の紹介業、銀行、ゼネコン、etc。このもうけられる仕事の中から、できるだけ自分でできることを増やしていくしかないのだ。
地べたをはいずり回って、泥水をすすりながらもうけを増やし、もうけることで金融機関の信頼を得て、そのカネで事業を拡大していく。そしてわれわれの経営理念である「平等医療」を実践・拡大し、社会を幸福にし、自分たちも幸福をつかむ。
これが伯鳳会グループの経営であり、私の経営だ。スマートじゃない、カッコ悪いことをいとわないのがわれわれの最大の強みである。

【日経メディカル:赤穂の風雲児 古城資久の急性期病院血風録 】



色々な実情を知る面白い内容です。
by kura0412 | 2014-07-16 15:44 | 医療政策全般 | Comments(0)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言


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ミラー片手に歯科医師の本音

『口腔健康管理とかかりつけ歯科医』

今回の改定を医療全体的にみると三つの注目すべき特徴がありました。一つは伸び続けていた調剤には厳しい結果となったこと。7対1の入院基本料の要件の厳格化。そして改定の中で「かかりつけ」という概念が明確に組みこまれまれました。
「かかりつけ」に関しては医師、薬剤師に加え歯科でも導入されていますが、「かかりつけ歯科医」はあくまでも「保険用語に一つ」というイメージがあります。しかしながら医科、薬科ではこの「かかりつけ」を軸に医療体制の新しいイメージを描きつつ、今後の政策を積み重ねる意気込みを感じます。そこにあるのは、地域包括ケアの推進がベースにあっての考えです。例えば、今回の改定では紹介状のない大病院の初診・再診料自己負担は大幅なアップとなりました。また、調剤の方ではかかりつけ薬剤師指導料算定をきっかけに、患者とのコミニュケーションを密に図ろうとする試みを目指します。
一方、医療政策として改定と対をなす基金は、歯科医療の環境整備にも益々重要な意味を持ちます。ただ、今回改定の中でも可能性の秘めた項目としていくつか点数化は見られましたが、基金が改定とリンクすることなく、独立しての事業になっている印象は拭えません。限られた予算の中でのやり繰りです。W改定に向けての改定と基金との相乗効果を目指す為の戦略と、それに沿った事業の立案が必要となってきます。
包括ケアを視野に入れての「かかりつけ歯科医」でポイントとなるのが口腔ケアです。その有用性は医科からも視線が注がれています。然るに、口腔ケアという言葉が、ブラッシングのみの狭義に捉えられている現状があり、本来の口腔ケアの意味する嚥下機能も含めた口腔全体を管理する視点の広がりが不足しています。その観点からみると、今回日本歯科医学会が「口腔健康管理」と称した新たな口腔ケアの概念の提唱は機知を得た提案です。摂食機能療法などを加えた従来の歯科治療を「口腔機能管理」、歯石除去、PTCなど歯科衛生士の実施するエリアを「口腔衛生管理」、そして一般の方が実施する口腔清拭、食事介助などを「口腔ケア(狭義)」として、この三点を総じて「口腔健康管理」としました。
広義の口腔ケアとして定義する考えは、真の意味での「かかりつけ歯科医」が目指す所です。既にW改定に向けての作業が進む中で、この概念を一日も早く歯科界内部で意見の確認をしながら、国民への認知を広めなければなりません。
日医はかかりつけ医機能研修制度を創設し、独自の「かかりつけ医」というものを推し進めようしています。そしてその講習の中に「かかりつけ医の摂食嚥下障害」のメニューも組み込まれています。また、地域包括ケアに向けた「かかりつけ連携手帳」の作成に着手し、そのスピードは目を見張るものがあります。『かかりつけ歯科医』、『口腔健康管理』、『摂食嚥下障害』のキーワードは、地域包括ケアの中で育ちそうな芽であることは間違いありません。残す課題は、地域包括ケアを主導する日医、地区医師会との更なる連携の強化と事業実現に向けてのスピードを加速させることです。




『食べる=生きる』

地方消滅で日本の少子化高齢化に対して大きな警笛を鳴らした日本創成会議が「高齢者の終末医療を考える」と称したシンポジュウムを先日開催しました。その議論を聞くに、地方消滅と終末医療?そんな一見結びつかない二つが、これからの日本の大きな課題となっています。それと共に、改めて人の死という死生観を医療分野の一角に位置する歯科医師として、見つめ直す時期が今あるものと感じます。
高齢化になって、いわゆる寝たきり老人に対していろいろな考え方が示され、特に胃瘻の是非については大きな意見が分かれるところです。欧米においては日本で常習化している高齢者、寝たきり老人への適応が少ないとのこと。この点に関しては中医協でも前回の改定では、嚥下検査の有無によって評価を変えるという対応がなされ、また今回の改定での議論では、その経過の調査結果も示されています。しかしその一方、この問題が話題になって、胃瘻によって日常生活が暮らせるレベルになる患者さんまで拒否するような実例があり、医療現場その対応に苦慮する場面が多々見られる話も聞きます。
この問題は、医療、介護費増大から語られることが多かったのですが、タブー視されていた死に対する考え方が社会問題の遡上に挙がっていることは、大きな時代の変化として捉えられます。そして、食べることは従来から歯科界も提唱するように、単に延命だけが目的ではありません。生きていることの喜びを感じる、人間としての尊厳に係わる重要な日常生活の一つなのです。
医療関係者以外でも「食べる=生きる」を唱える人がいます。「食べることは、呼吸と等しく、いのちの仕組みに組み込まれているもの。」とは、料理研究家・辰巳芳子氏が唱えている私の好きな一文です。そして欧米での判断基準となる「食べる」ことの有無が延命治療の是非判断の基準となる考え方は、経済問題を抜きにしてもその専門家集団である歯科界の属するものが改めて真摯に議論し、一つの考え方を社会に示す責務があると考えます。
然るに、だかからといって歯科界が社会の先頭に立って、自らが死生観の変更を訴える必要はありません。これは社会全体で既にうごめく潮流であり、歯科界はあくまでもこの分野に特化した専門家として食べることの重要性、必要性を改めて世に唱え、それを臨床の場で実践を積み重ねれば良いのです。果たしてこれをも医科が歯科から奪い取り、領域拡大を目指すのでしょうか。
この死生観の議論の推移を見守ると共に、食べることへの支援を更に強める為に、摂食嚥下への歯科領域からの積極的なアプローチが必要となってきています。何故ならば、咀嚼と嚥下は対となって多くの結果を導き出すことが立証され、食べることを特化した専門家としての医療人としては、現状のままでは取り組みが不十分だからです。歯科医療は新たなる視点をもって社会に貢献する時代の到来です。あとはそれを導き、フォローする具体的な政策を積みかさねることです。歯科医療は真の意味での生きる喜びを支援する世界を導きます。



『飲み込みは大丈夫ですか』

基金における事業が一つのきっかけとなって、在宅診療、医療連携が新たな展開に進み始めています。それぞれの医療環境の実情を踏まえて、地域独自の取り組むこの基金を利しての新たな事業は、診療報酬と対になるこれからの歯科医療全体へ大きく波及する政策です。そしてこの基金は、来年度において今年度予算規模に介護関係が上乗せされる計画となっており、医療介護の垣根を越えた地域包括ケアシステム構築としての発想が必要となっています。
歯科における在宅診療の中心は、従来の診療所における診療の延長としての義歯調整から始まり、口腔ケアの対応へと進んでいます。口腔ケアの効果は、既に誤嚥性肺炎予防という観点から医科の関係者は元より介護関係者にも認知されています。それに加えてここきてスポットライトが浴びているのが、今回の基金でもいくつかの地域で事業が計画される摂食嚥下の分野です。
しかしながら、介護保険の認定審査項目にも「えん下」という項目がありながら、実際に摂食嚥下の対応は、一部の大学病院、リハビリテーション、耳鼻科があって積極に取り組んでいる病院以外、殆ど対応出来ていないのが介護、医療の世界の現状です。その理由は簡単です。採算が合わないからです。特に歯科においては無報酬に等しい状態です。
 嚥下の対応は、適応が少ない耳鼻科領域の手術以外その改善方法の中心は訓練、姿勢の改善、食形態変更のアドバイスなどで薬の処方もありません。検査も歯科では保険算定が認められていない内視鏡・造影検査と問診を中心としたスクーリングテストです。近年、摂食機能療法が歯科でも算定可能となりましたが、それは鼻腔栄養、胃瘻増設患者に限定されており、重度になる前の本来対応が必要な患者さんには算定出来ません。
そしてもう一つこの分野を歯科が推し進めるハードルとなるのが、隣接する医科の反応です。現在、摂食嚥下リハビリテーションは歯科医師を中心としたアプローチと耳鼻科、あるいはリハビリテーション科の医師を中心としたアプローチの二つがあります。本来ならば他の疾患でもあるように医科が歯科は口腔内のみと突っぱねるところですが、儲からない中で耳鼻科医の成り手が減少し忙しく手が回りません。それと共に、「摂食・嚥下リハビリテーション学会」の「・」がなくなり「摂食嚥下リハビリテーション学会」に名称を変えたように、嚥下と摂食、咀嚼は一連の動作であり、咀嚼のプロである歯科医師を係わりから排除することは出来ません。咀嚼して嚥下することによって食べることが出来るのです。
もし、嚥下を歯科の領域と社会から認知されれば、歯科診療所が「食べる」ことの社会ステーションと成り得ます。口から食べることへの支援が生きる為、生活を支える源であることが歯科診療所から発信が可能と成ります。したがって報酬的評価は低くても、嚥下に問題ある人が歯科診療所に相談することへの広がり目指し、その実現に向かっての政策を積み重ねる必要があります。先ずは先生方が診療所で「飲み込みは大丈夫ですか」の一言を問える環境作りがその第一歩です。




『この道しかなかった中で』

この原稿を書いている今、衆議院選挙の結果は分かっていません。しかし事前の各マスコミみれば自民党圧勝予測です。選挙は投票箱が閉められるまで何が起こるか分かりませんが、少なくても安倍退陣はなく、任期2年を残しての安倍首相の解散の決断は見事成功となりそうです。
メディアは大義ない解散と騒ぎましたが、今回の安倍首相の解散目的は明確です。日本の経済再生を目指し、自らが提唱したアベノミクスの敢行の為の長期政権への道を切り開くことです。無論、長期政権となってもアベノミクス成功の確定はありません。しかし野党からは、アベノミクスに代わって日本経済再生を可能とする具体的な対案は示されませんでした。マニフェストに踊らされて政権交代を選択したことを悔やむ多くの有権者は、その提示なしで現在の野党にもう投票することは出来ません。また第三極への期待感も、離れたりよりを戻したりの腰の落ち着きのなさを感じ、一時のブームに終わりそうです。となると自民党のキャッチフレーズ「この道しかない」、安倍政権に託すしか今回の選挙では有権者に選択肢がなかったことになります。では長期政権となるこれからの政治情勢を踏まえて、歯科界はどう安倍政権と向き合わなければいけないのでしょうか。
今回の総選挙でのマスコミの世論調査では、有権者は社会保障に対しては経済再生と並び非常に関心をもっていましたが、その政策論戦は殆ど成されませんでした。特に自民党が示した政策は、医療に関してはないも等しいような扱いです。唯一あったのが、既にスタートしている社会保障改革のプログラム法案のスケジュールに則って進めるということです。但しこのプログラム法案の対となす消費税増税が延期となったわけですので、そのスケジュールの変更は必要になってきました。恐らく16年度改定に対しては、これを理由に財務省から厳しい対応を迫られるのは必至です。
この現実の意味するものは、現行の医療制度、水準を是とする考え方がベースにあります。消費税増税、経済再生となって税収が増えたとしても、けっして医療の大幅な拡充が成されるわけではありません。それどころか、もし経済再生と成らなければ医療費はそぎ落とされる可能性もあります。これからは少子高齢化、財政再建を踏まえて、いかにレベルを落とすことなく現行の医療を保つことへの模索が始まります。しかしながら理不尽な政策に対して、責任ある医療人として対応することは当然であり、大きな改善が必要な歯科と、既に一定の医療経営環境を維持している医科とでは立ち位置が異なります。先ずはこの点への内外の理解を求めることがスタートとなります。
選挙終わるのを待って各種医療政策への対応が加速的に進みます。幸いにして政治の世界では現在の歯科医療の現状は理解されつつあり、一つ一つの政策毎の対応スタンスが求められています。果たしてこの道しかなかった中で、歯科界はどう歩みを進めるべきなのでしょうか。歯科界の政策対応能力と政治力の真価が問われています。




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