日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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『「組織力強化」「地域医療を支える」「将来の医療を考える」』

横倉日医会長、「三つの方針」で2期目始動
副会長選挙、現職の3人が当選

6月28日の日本医師会定例代議員会で役員選挙が実施され、副会長選挙では現職の3人が当選した。奈良県医師会長の塩見俊次氏は落選した。有効投票数1074票(投票者数は358人)のうち、中川俊男氏は334票、今村聡氏は324票、松原謙二氏は297票を獲得、塩見氏は75票だった。白票44票、無効票はなかった。
今回の役員選挙は、副会長選挙以外は、2期目となる横倉義武会長をはじめ、無投票だった。そのほかの役員は、常任理事10人、理事15人で、理事のうち、勤務医と女性医師が1人ずつ入った。いずれも任期は、2016年6月に開催予定の代議員会までの2年。

代議員会後の記者会見で、横倉氏は2期目を迎えるに当たって、「三つの方針」で臨むと表明。「医師会の組織力強化」「地域医療を支える」「将来の医療を考える」――だ。
横倉会長は、「これらに取り組むのは、全て国民の医療と健康のため。国民の安全な医療に資する政策か、公的医療保険による国民皆保険が堅持できる政策か、これら二つを様々な政策の判断基準の基礎に置いて、今後も政府の提案する政策に対して、是々非々の態度で臨んでいく」との決意を語った。

経済重視で、医療に対して厳しい目を向ける安倍政権との関係を聞かれ、横倉会長は、「政権が提案する政策はしっかりと中身を見て、二つの政策の判断基準を基に、是々非々で対応していく」と繰り返した。その上で、「社会保障である医療の一翼を担う我々としては、政権と完全に敵対することはあり得ない。国民の健康を守るためには、政権に対して、必要なことは持続的に訴え、理解を求めていく」と述べ、安倍政権との関係には配慮した医師会運営を続けるとした。

記者会見では、3人の副会長も挨拶。
中川副会長は、直近の課題として、「地域医療ビジョン、2025年に向けた医療提供体制の構築、地域包括ケアシステムの確立が第一」と掲げるとともに、政府が打ち出す医療の規制改革に対しては、政府の新成長戦略で打ち出された「患者申出療養(仮称)は、程よいところに決着した」とし、「その攻勢と引き続き戦っていく」との所信を述べた。
今村副会長は、前期の2年間が、総務と税制の担当だったことから、「引き続いて担当するのであれば、組織強化、特に医学生や勤務医の支援に今まで以上に力を入れていく。また税制については、消費税率10%になれば、医療に大変大きな影響を与える。その対応に全力を挙げて取り組んでいく」との方針を示した。
2013年10月に副会長に就任した松原氏は、再選されたことを受け、「代議員の先生方からは合格点をもらえたのではないか。『チーム横倉』として、一丸となり、患者や国民のためにがんばっていきたい」とコメントした。

日医、約20万人の会員を目指す
記者会見の冒頭、横倉会長は、1期目の過去2年間について、「継続から改革、地域から国へ、という二つのスローガンを掲げて、医療の様々な問題解決に向け、努力をしてきた。また、医療界のさらなる大同団結を訴えながら、地域医療の再興に向けて取り組んだ2年間だった。検討中の多くの課題が、解決に向かうのが今からの2期目になる」と振り返り、執行部が一丸となって取り組んでいくとした。

2期目の「三つの方針」の第一は、「医師会の組織力強化」。
横倉会長は、「私たちが主張する国民のための医療をさらに推進していくためには、医師会の組織力を従来以上に強化していかなければいけない」と述べ、日医内に実務を担う委員会を立ち上げるとともに、郡市区医師会、都道府県医師会、日本医師会がそれぞれバラバラだった会員情報システムを再構築するなど、より実践的な議論と取り組みを進めていくとした。日医会員は現在、約16万5000人。今後は、約20万人弱の郡市区医師会の会員の全てが日医会員になるよう、組織力強化に取り組んでいくとした。
第二の「地域医療を支える」は、1期目からの継続課題。
横倉会長は、「超高齢社会を迎えるに当たって、かかりつけ医を中心として、地域包括ケアシステムを、地域の行政や地域の医師会が主体となって構築し、各地域に即した形での街づくりを進めていくことが必要」と強調。その担い手である、かかりつけ医については、日医として教育・研修にも力を入れていくとした。
第三の「将来の医療を考える」について、横倉会長は次のように語った。
「国民が必要とする医療を、過不足なく受けることができる社会を作っていくために、生涯保健事業の推進、健康寿命健康の延伸など、時代に即した改革を進めながら、国民皆保険を堅持し、持続可能なものとしなければならない」。郡市区医師会、都道府県医師会、日本医師会のそれぞれが役割を果たし、持続可能なシステムを確立できるか、「今からが正念場」と横倉会長と意気込みを見せた。

【m3.com】
by kura0412 | 2014-06-28 17:11 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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