日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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数値によって疾患の有無が

広がる「健康の新基準」に待った!- 誤解生む報道に懸念の声

臨床研究適正評価教育機構は、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会(健保連)が先月発表した「検査値の基準範囲」の検討結果に関する報道について、「あたかも健康基準を緩和したかのような事実誤認の表現として一部マスコミなどで報道されていることに対し、遺憾の意を表する」とする同機構の見解を発表した。

この問題は、人間ドック学会と健保連が、約150万人の健康診断データを調査し、導き出した検査値の基準範囲の中で、血圧やコレステロールなど学会基準値と乖離している項目があったため、健康診断や人間ドックでの判定基準が緩和されるのではないかとの報道が相次いだことによる。
例えば、血圧を見ると、日本高血圧学会の血圧分類では、収縮期血圧129mmHg以下、拡張期血圧84mmHg以下が「正常血圧」とされる。それに対し、今回の発表では、収縮期血圧88-147mmHg、拡張期血圧51-94mmHgが基準範囲となっている。
また、LDLコレステロールについては、日本動脈硬化学会では、高LDLコレステロール血症を140mg/dL以上、境界域高LDLコレステロール血症を120-139mg/dLと設定されているのに対し、男性は72-178mg/dL、女性は30-44歳が61-152 mg/dL、45-64歳が73-183 mg/dL、65-80歳が84-190 mg/dLという基準範囲が示された。

人間ドック学会では、過熱する報道を受け、「現在のデータは単年度の結果であり、数年間さらにデータ追跡調査をして結論を出していくことになり、今すぐ学会判定基準を変更するものではない」と釈明している。また、高血圧学会と動脈硬化学会はそれぞれ、見解や報道に対する懸念を発表し、注意を呼び掛けている。
同機構は、人間ドック学会と健保連が発表した基準値を、「健診データから、その時点で健康と考えられる人の血圧、コレステロールの分布範囲を示したものであり、将来の脳卒中や心筋梗塞などを発症する可能性に対する安全基準に言及した数値ではない」と指摘。将来の心血管疾患発症を予防するために各学会が発表している基準値とは意味合いが異なるとし、誤解を生む報道への懸念を示している。

【キャリアブレイン】


診断に数値があまり関与していない歯科にとっては新鮮な議論です。
しか、憂かった見方をすれば、数値の判断によって疾患を産み出すことの可能性もあるわけです。
by kura0412 | 2014-05-17 10:11 | 医療全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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