日本の歯科界を診る(ブログ版)


コラムニスト・鞍立常行が日本の歯科界に直言
by kura0412
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改定年度でなくても

入院患者の負担増加 食事や部屋代引き上げ、厚労省検討

厚生労働省は入院患者が支払う食事代や部屋代の引き上げを検討する。
食事代は現在の260円から460円に上げる案が有力だ。患者負担を除いた食費は公的医療保険の給付費で賄っており、給付費を抑えるには患者負担を増やす必要があると判断した。食費は全額本人負担が原則の介護施設との不公平感をなくす狙いもある。2015年度にも実施を目指す。

社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会での議論や与党との調整を経て、年末までに結論を出す。健康保険法などの改正案を15年の通常国会に出し、同年中の法改正を目指す。
入院時の患者の食事代や部屋代は全国一律だ。患者負担を除いて公的保険から食事代・部屋代に払う給付費は年間で計7千億円を超える。約9割は食費だ。
急な病気やケガ、手術などで入院した場合の食費は1食640円で、患者負担はこの4割、260円。仮に全額を患者負担にすれば公的医療保険からの給付費は年6千億円余り減る計算だ。
640円全額を患者負担とすると大幅な負担増となるため、1食の総額から病院が行う栄養管理の費用を除いた460円にする案を軸に検討する。1食につき200円の引き上げとなる。

部屋代は現在、無料となっている患者に負担を求めることを検討する。
所得が少ない入院患者については負担軽減も検討する。たとえば、低所得で住民税が非課税になる人は現在、入院が90日を超えると食事代を1食210円から160円に軽減している。現行制度では75歳になり加入する医療保険が変わると軽減措置が途切れるが、軽減措置が維持されるよう、制度を改める。
患者負担が増えて公的医療保険からの給付費が減れば、保険料を支払っている企業や個人の負担軽減につながる。
公的医療保険からの給付費で入院患者の食事代や部屋代を低く抑えていることを巡っては、自前で食事や住まいを用意する在宅患者らと比べ不公平と指摘されていた。特別養護老人ホームなど、介護保険施設に入所している人は食費や部屋代を全額支払うのが原則だ。13年に政府の社会保障制度改革国民会議が報告書で「公平を図る観点から見直す」と提起していた。

▼公的医療保険 年約40兆円の医療費のうち、患者負担を除いた部分を賄う仕組み。75歳以上の約1500万人は「後期高齢者医療制度」に加入。74歳以下の人は自営業者らの国民健康保険(国保、約3500万人)、中小企業の全国健康保険協会(約3500万人)、大企業の健康保険組合(約3千万人)などに加入している。
後期高齢者医療制度や国保は給付費の半分を国・地方の税金で賄っている。企業の健康保険は労使が払う保険料が主な財源で、高齢者医療制度への仕送り金も出している。

【日経新聞】


紹介状なしの大病院受診、初診料を患者の全額負担案

厚生労働省は、紹介状を持たずに大病院を受診した患者に新たな負担金を求める制度を、2016年4月をめどに導入する方針を固めた。
初診時には現在の初診料にあたる2820円を、再診時には再診料720円を、それぞれ患者に全額負担してもらう案を軸に検討する。軽症で大病院に行く患者を減らし、医師が高度な治療に専念しやすくするねらいだ。年内に具体案を固め、来年の通常国会での法改正をめざす。

一般病床の数が400以上の病院では、紹介状を持たない患者が外来の8割を占める。患者が集まる大病院は多忙で、本来の役割である重症患者の治療に医師が専念しにくくなる。紹介状なしの患者に上乗せで負担を求めるのは、受診のハードルを上げ、こうした状況を改善するためだ。
厚労省は近く審議会で具体案の議論を始める。検討の軸とするのが、初・再診料分の金額を患者に負担してもらう案。今は初診料が2820円、再診料は720円だが、公的な医療保険が適用され、患者の負担は3~1割で済む。これを診療報酬とは別の料金にし、10割分を自己負担にする。
.
【朝日新聞】




改定ない年度であっても次から次と課題が産出してきています。恐らく薬価改定も毎年実施となる可能性が強くなってきました。
by kura0412 | 2014-05-09 15:46 | 医療政策全般 | Comments(0)
ミラーを片手に歯科医師の本音
回想

本紙閉刊に伴いこのコラムも今回で最後となります。平成10年9月から19年間、筆が進まない時もありましたが、締め切りを遅らせることもなく、また大きなトラブルもなく終えることにある意味安堵しております。ただその中で一度だけで校正まで終えながら書き直したことがありました。それはあの「日歯連事件」と称された事件が勃発した時でした。
あの時は一人の開業医でしかない私が、社会事件になるほどの大事件に対して実名で書くことに躊躇しましたが、事件に対していろいろな観点から憤りを感じ、もし問題となれば歯科医師を辞める覚悟をもって書きました。この事件によって日本の歯科界に大きな変化があったことは多くの先生方が感じられたことです。今思えばその内容は別として、あの時書き綴っておいたことが、その後連載を続けられた源になっていたかもしれません。
然るに風化しつつあるあの事件の本質は何だったのか。その手法に対しては司法判断が下った結果が示されていますが、事件の根本には、現在も続く歯科医療に対する公的評価の低さを何とか打開しようと考え方がありました。この点を誰もが分かっているのに言葉に出ていません。但し結果的には中医協委員が1名減員、事件後の懲罰的な18年度改定となり、歯科界の思いとは反対の流れを作ってしまいました。特に改定では、それまでの改定時で、技術料を引き下げながら作った僅かな財源を「かかりつけ歯科医」初再診料に振り分けながらも、「かかりつけ歯科医」を一気に消し去られたことによって、保険点数全体が縮小したと共に、時代の流れである「かかりつけ歯科医」という名称、概念をも否定されることになってしまいました。そして事件によって植え付けられた歯科界の負のイメージは現在も引きずっています。
日本の歯科界は今、大きな分岐点に差し掛かかり、新しい息吹が入る機運も高まっています。但し、この負のイメージを引きずったままでは大きな壁が存在します。あの事件は終わったのでなく、まだ背負っており、それを回顧することで歯科界の課題を改めて見出すことが必要です。
残念ながら現在、日歯、日歯連盟共に入会者、特に若い先生の入会が減少しています。事件の影響、また、入会することへの利点を見出せず、医療環境向上寄与への期待が薄らいでいるからです。個人で個々の臨床現場での対応出来ても、政策を変えるには一つの塊にでなければパワーが発揮できないだけに、この問題は歯科界発展の最大の課題です。その為には、過去の問題となった出来事を背景も含めて改めて見直し、そして新しい目標を示す。それも抽象的でなく、具体的な分かりやすい政策を提示することで歯科界の展望が分かることで推進力の働きとなります。
最後に、本コラムを続けなければ会うことの出来なかった全国の先生方と交流できたことは、私の歯科医師人生としての財産となりました。そして、好き気ままに綴ることを甘受して頂き、連載を許して頂いた歯科時報新社・吉田泰行社長に感謝を述べ終わります。ありがとうございました。
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